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第51話【ランスロットからの依頼】
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「とりあえず水槽の準備が出来たからマースの開放を頼むぞ」
次の日の朝、泊まっていた宿にギルドからの使いが来て早々に呼び出された僕はランスロットからマースのカード化を開放するように依頼をされた。
「今回は10匹入った鮮度保持箱が30箱で全部で300匹となります。
正直言ってロギナスでのお披露目会の時でも1000食1000匹の規模でしたので王都ではとてもではないですけど一般の人たちには出回らない量だと思います」
「ああ、それは分かっているつもりだ。
今回は主に貴族、王族のほか王都での有力者を中心にお披露目をする予定なんだよ。
まずそう言った層に受け入れられれば需要が高まってもっと儲けられる産業となるだろう」
「そうですね。
ですが、そうなるためにも今回の運送革命が必要になります。
毎回僕が運んでくる訳にもいかないですからね」
「1年後か……正直本当に出来るのか不透明ですが期待はさせて欲しいですね」
ランスロットはそう言って金色マースの入った水槽をジッと見つめていた。
* * *
「では、これが今回の荷物に対する依頼書になる。
配達先はエルガーとロギナスだ。
荷物の量は……まあ大したことないだろ、たかだか馬車3台ずつの荷量だからな」
2つの町に馬車3台ずつ合計馬車6台分が大したことないと言っているが、おそらくこちらの反応を見るために用意した物量なのは誰の目にも明らかだった。
「そうですね。
量的には問題ないですけど荷物のリストがあればお願い出来ますか?
向こうに着いてから足りなかったとか言われたら大変ですからね」
『物量的には問題ない』と言い切った僕に一瞬だけ動揺の表情を見せたランスロットだったがこちらに悟られないように平静を装って「そうか、ならばいい。すぐに荷物のリストを準備させよう」と部下に指示を出した。
「8、9、10。
これで全部になりますね。
ではひとグループごとにカード化していきますね」
僕はそう言うと次々と荷物のカード化を始めた。
「――カード収納」
目の前で起こっている出来事にあ然とした顔で眺めているランスロットを横目に指定された荷物のカード化を全て済ませた僕は専用のカードケース(今回新しく作ってもらった)に荷物のカードを丁寧に仕舞うとランスロットに「では荷物はお預かりします」と言ってギルドを後にした。
* * *
「今回も同じメンバーでお送りしますので出発の準備が出来ましたら声をかけてください」
ギルドの表玄関の前で馬車を止めているアルフィードが丁寧なお辞儀をしてそう伝えてくる。
「えっと、僕はいつでも大丈夫だけどノエルさんの予定を聞かないといけないですよね?」
「ノエルお嬢様は旦那様の屋敷にて既に出発出来る準備は終わっております。
ミナトさまがすぐに出発出来るならは一度屋敷に寄ってから向かうようにします」
アルフィードはそう言うと僕を馬車へ乗せてマグラーレの屋敷へと向かった。
「あ、ミナトさん。
もう荷物の準備は大丈夫なんですか?」
屋敷に着くとすぐにノエルがやってきて僕の準備を確認してくる。
「ええ、ギルマスから依頼のあった荷物は全てカード化してありますのでいつでも出発出来ますよ」
「ありがとうございます。
ではロギナスの町へ戻りましょう。
アルフさんに銀の剣の皆さん、今回も宜しくお願いします」
そう言うノエルの横から銀の剣のメンバーが現れ、代表してリーダーのヤードが「こちらこそ宜しく」と言って頭を下げた。
その後、僕たちの馬車は王都を出発して先日通った道程をロギナスに向かって進んでいく。
「さすがに今回はあんなヤバイ猛獣は出てこないだろう。
おっと、そういえばレッドボアの買い取り額の5分の1はあんたのものだからコイツは受け取ってくれ」
霧の滝付近での休憩時にヤードがそう言って金貨の入った袋を手渡してきた。
「良いんですか?
実際に倒したのは皆さんですからこんなに貰ったら多すぎな気がしますけど……」
袋に入った金貨は20枚、これで5分の1となると金貨100枚になったと言うことだ。
「ははは、確かにとどめを刺したのは自分だけどその前のレッドボアの突進をとめたのは君だし倒した死体を運んでくれたのも君だ。
貢献度から言ったらそれでも少ないくらいだと思うぞ」
ヤードは笑いながらそう言って「そういう事だから素直に受け取ってくれ」と僕の肩を軽く叩いた。
「分かりました。
それならばありがたく受け取らせて貰います」
(ダランさんといいヤードさんといいこの世界の冒険者は思ったよりも律儀で謙虚なんだな)
僕はそんな事を考えながらカード化してあったお菓子や飲み物をさり気なく提供しておいた。
「明日、エルガーに到着しますのでランスロット様からの荷物をギルドに降ろしてから一晩宿で休まれてください。
今回は次の日の朝に出発しますのでお間違えのないようにお願いします」
食事の合間にアルフィードが僕たちにそう告げる。
――次の日、予定通りにエルガーに到着した僕たちはギルドへ向かいランスロットから依頼された荷物をギルマスに渡して驚かれる。
「これだけの量を運ばれてきたのに運送用の馬車がいないのは君のスキルによるものだとあるがカード収納スキルはそんなに優秀なものだったのか?」
ランスロットからの手紙を読みながらカード化されたままの荷物とそのリストを見比べながら唸るギルマスだったが「とりあえずこのリストの上から10個まではこの部屋に、残りの荷物は中庭で開放してもらえるか?」と言って印をつけたリストを渡してきた。
「わかりました。
では、一番から十番までを開放しますね。
――開放」
その場にはいくつかの書類の束と王都で有名な甘味屋のお菓子が現物となってテーブルの上に現れる。
「むむっ。
ランスロット殿の手紙にもあったが経過劣化のないカード化スキルを使いこなしているそうではないか」
ギルマスのマグナムはそう言ってランスロットからの手紙を僕に見せてから口を開く。
「ギルドにカード収納スキルを習得した職員が居たらロギナスに向かわせるようにとの指示があった。
どうも研修を受けさせるつもりらしいが期間が『1年くらい』と曖昧な表記になっている。
実際のところどのくらいの期間になるのかが気になるところだな」
マグナムギルドマスターはそう言いながら職員台帳を持ってこさせ、パラパラと固有スキルを調べだした。
次の日の朝、泊まっていた宿にギルドからの使いが来て早々に呼び出された僕はランスロットからマースのカード化を開放するように依頼をされた。
「今回は10匹入った鮮度保持箱が30箱で全部で300匹となります。
正直言ってロギナスでのお披露目会の時でも1000食1000匹の規模でしたので王都ではとてもではないですけど一般の人たちには出回らない量だと思います」
「ああ、それは分かっているつもりだ。
今回は主に貴族、王族のほか王都での有力者を中心にお披露目をする予定なんだよ。
まずそう言った層に受け入れられれば需要が高まってもっと儲けられる産業となるだろう」
「そうですね。
ですが、そうなるためにも今回の運送革命が必要になります。
毎回僕が運んでくる訳にもいかないですからね」
「1年後か……正直本当に出来るのか不透明ですが期待はさせて欲しいですね」
ランスロットはそう言って金色マースの入った水槽をジッと見つめていた。
* * *
「では、これが今回の荷物に対する依頼書になる。
配達先はエルガーとロギナスだ。
荷物の量は……まあ大したことないだろ、たかだか馬車3台ずつの荷量だからな」
2つの町に馬車3台ずつ合計馬車6台分が大したことないと言っているが、おそらくこちらの反応を見るために用意した物量なのは誰の目にも明らかだった。
「そうですね。
量的には問題ないですけど荷物のリストがあればお願い出来ますか?
向こうに着いてから足りなかったとか言われたら大変ですからね」
『物量的には問題ない』と言い切った僕に一瞬だけ動揺の表情を見せたランスロットだったがこちらに悟られないように平静を装って「そうか、ならばいい。すぐに荷物のリストを準備させよう」と部下に指示を出した。
「8、9、10。
これで全部になりますね。
ではひとグループごとにカード化していきますね」
僕はそう言うと次々と荷物のカード化を始めた。
「――カード収納」
目の前で起こっている出来事にあ然とした顔で眺めているランスロットを横目に指定された荷物のカード化を全て済ませた僕は専用のカードケース(今回新しく作ってもらった)に荷物のカードを丁寧に仕舞うとランスロットに「では荷物はお預かりします」と言ってギルドを後にした。
* * *
「今回も同じメンバーでお送りしますので出発の準備が出来ましたら声をかけてください」
ギルドの表玄関の前で馬車を止めているアルフィードが丁寧なお辞儀をしてそう伝えてくる。
「えっと、僕はいつでも大丈夫だけどノエルさんの予定を聞かないといけないですよね?」
「ノエルお嬢様は旦那様の屋敷にて既に出発出来る準備は終わっております。
ミナトさまがすぐに出発出来るならは一度屋敷に寄ってから向かうようにします」
アルフィードはそう言うと僕を馬車へ乗せてマグラーレの屋敷へと向かった。
「あ、ミナトさん。
もう荷物の準備は大丈夫なんですか?」
屋敷に着くとすぐにノエルがやってきて僕の準備を確認してくる。
「ええ、ギルマスから依頼のあった荷物は全てカード化してありますのでいつでも出発出来ますよ」
「ありがとうございます。
ではロギナスの町へ戻りましょう。
アルフさんに銀の剣の皆さん、今回も宜しくお願いします」
そう言うノエルの横から銀の剣のメンバーが現れ、代表してリーダーのヤードが「こちらこそ宜しく」と言って頭を下げた。
その後、僕たちの馬車は王都を出発して先日通った道程をロギナスに向かって進んでいく。
「さすがに今回はあんなヤバイ猛獣は出てこないだろう。
おっと、そういえばレッドボアの買い取り額の5分の1はあんたのものだからコイツは受け取ってくれ」
霧の滝付近での休憩時にヤードがそう言って金貨の入った袋を手渡してきた。
「良いんですか?
実際に倒したのは皆さんですからこんなに貰ったら多すぎな気がしますけど……」
袋に入った金貨は20枚、これで5分の1となると金貨100枚になったと言うことだ。
「ははは、確かにとどめを刺したのは自分だけどその前のレッドボアの突進をとめたのは君だし倒した死体を運んでくれたのも君だ。
貢献度から言ったらそれでも少ないくらいだと思うぞ」
ヤードは笑いながらそう言って「そういう事だから素直に受け取ってくれ」と僕の肩を軽く叩いた。
「分かりました。
それならばありがたく受け取らせて貰います」
(ダランさんといいヤードさんといいこの世界の冒険者は思ったよりも律儀で謙虚なんだな)
僕はそんな事を考えながらカード化してあったお菓子や飲み物をさり気なく提供しておいた。
「明日、エルガーに到着しますのでランスロット様からの荷物をギルドに降ろしてから一晩宿で休まれてください。
今回は次の日の朝に出発しますのでお間違えのないようにお願いします」
食事の合間にアルフィードが僕たちにそう告げる。
――次の日、予定通りにエルガーに到着した僕たちはギルドへ向かいランスロットから依頼された荷物をギルマスに渡して驚かれる。
「これだけの量を運ばれてきたのに運送用の馬車がいないのは君のスキルによるものだとあるがカード収納スキルはそんなに優秀なものだったのか?」
ランスロットからの手紙を読みながらカード化されたままの荷物とそのリストを見比べながら唸るギルマスだったが「とりあえずこのリストの上から10個まではこの部屋に、残りの荷物は中庭で開放してもらえるか?」と言って印をつけたリストを渡してきた。
「わかりました。
では、一番から十番までを開放しますね。
――開放」
その場にはいくつかの書類の束と王都で有名な甘味屋のお菓子が現物となってテーブルの上に現れる。
「むむっ。
ランスロット殿の手紙にもあったが経過劣化のないカード化スキルを使いこなしているそうではないか」
ギルマスのマグナムはそう言ってランスロットからの手紙を僕に見せてから口を開く。
「ギルドにカード収納スキルを習得した職員が居たらロギナスに向かわせるようにとの指示があった。
どうも研修を受けさせるつもりらしいが期間が『1年くらい』と曖昧な表記になっている。
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