荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼

文字の大きさ
145 / 201

第145話【驚愕の収納量】

しおりを挟む
カード収納ストレージ

 僕が盗賊たちの死体の一人に手をかけてスキルを唱えると淡い光と共に目の前にいた十数人の死体が跡形もなく消え僕の手の中にカードとして現れた。

「ああ、思ったよりもうまくいきましたね。
 あとはこれに追加の処理を施せば……」

 僕はそう言ってトトルにそのカードを持たせてから追加のスキルを使う。

「――条件圧縮《コンデスト》」

 光とともにカードには魔法陣が刻まれ驚愕の表情をするトトルとガラムを特に気にすることもなく説明をする。

「このカードに盗賊たちの死体が封じられていますが元に戻したい時にはトトルさんがカードを持って『開放オープン』と唱えてください。
 そうすれば目の前に死体の山が現れますので調べるなりなんなりをしてください。
 そして、僕は人の死体を封じたカードは持ち歩きたくないのでトトルさんに預けますね」

 なんでもないかのようにカードを渡されたトトルに僕は開放する方法を説明して「僕はもう少し休みますので後はお願いしますね」と言ってノエルの元へ歩いていった。

「大丈夫だった?」

 ノエルの側に戻ると彼女は心配そうに僕の顔を見ながら手を握ってくる。

「結構危なかったみたいだけど護衛の人たちがうまく立ち回ったようで数人が怪我をした程度で済んだみたいだよ」

「そうなんですね。
 それにしてもこの辺りは盗賊はめったに出ないと言ってましたよね?」

「『めったに』は『絶対に』ではないからね。
 それに、ただの盗賊じゃなかったみたいだし面倒にならなければいいんどけどね」

 僕はそう言ってふと先ほどカード化した火の魔核の事を思い出した。

「そういえば盗賊のひとりがなにかを馬車に向って投げたのをカード化してたんだった」

 カードを取り出した僕は鑑定のスキルを使って詳細を調べてみた。

『火の魔核:衝撃がかかると熱を発する。接着部が可燃性のものだとそこから燃え広がる可燃性がある』

(やっぱり着火をするための魔道具みたいなものか。
 せめて荷物だけでも灰にしたかったのだろうがそこまでしなければならないのは何故だったのか。
 やっぱり何かきな臭い感じがするよな)

 僕がカードを眺めながら考え事をしているとノエルが心配そうな表情で僕を見つめていた。

「ああ、ごめん。
 とりあえず今は大丈夫だと思うからもう少し休むとしよう。
 周りの警戒は護衛の人たちがやってくれるみたいだからね」

 僕はそう言ってノエルの頭を優しく撫でると微笑みながら眠るようにうながした。

   *   *   *

「おはようございます。
 あれから何かありましたか?」

 僕は結局のところ明け方近くまでノエルの側で起きていたのだが眠気には勝てず少しの間だが寝落ちをしていた。

「念のために交代で不寝番をしていたが新たな盗賊は現れなかった。
 夜が明けたので食事後に出発しようと思っているのだが護衛たちの負担が大きくて出来れば休ませたいとも思っている。
 しかし、今日中に町へたどり着きたいのも本音なのだが実に悩ましい問題だ」

 トトルはそう言うと食事の準備をする他の御者たちを眺めながら考えを巡らせていた。

「日中は襲撃もそうそうあるものではないですよね?
 でしたら僕が荷物を受け持ちますので空いた馬車の荷台で護衛の皆さんに出来るだけ休んでもらえば良いと思うのですが……」

「た、確かに荷台が空けばそこで横になりながら進めば熟睡はとても出来ないが多少は休ませる事が出来るだろう。
 だが、それだけの荷物を収納出来ると言うのかい?」

「カード収納は最初にカード化するための魔力さえ足りれば問題なくカードに出来るので馬車の荷物の2~3台分くらいならば問題ないと思いますよ」

 僕の言葉にトトルが驚き側で聞いていたガラムも同じくらい驚いた表情をしていた。

「それが本当ならば私の商隊くらいの規模ならばミナト殿がひとりで馬を走らせれば済むことになりますね。
 これはとんでもないスキルであることを再認識せざるを得ないですね」

「そうだな、この能力が知れ渡ったら大手の商会からスカウトが来まくるだろう。
 まあ、当の本人がどこの商会にも所属しないと明言しているからスカウトは難しいだろうがな」

 ガラムとトトルは僕が次々とカード化していく荷物を見ながらそう結論を出した。

「――このくらいで大丈夫ですかね?」

 結局のところ僕は馬車3台分の荷物をカード化してそれぞれの担当御者に開放条件をつけて手渡した。

「ついでに枕のサービスもしますね」

 僕はそう言ってカード化してあった枕を護衛の人数分開放するとそれぞれの荷台に放り投げておいた。

「何から何まですまないな。
 さすがに俺たちも疲れちまったから少し休ませてもらうがもしも何かトラブルがあれば遠慮なく叩き起こしてくれ」

 ガラムたち護衛の面々はそれぞれの荷台に乗り込むと僕の出した枕を掴んでバタリと倒れ込んで寝てしまった。

「昨夜は予想外の場所での野盗の襲撃があったので皆さん疲労がピークを越えたようです。
 日中だからと必ずしも安全では無いでしょうがトラブルが少ないのも事実ですのでしばらく休んでもらいながらベベルを目指しましょう」

 トトルの発言に皆がうなずくと各自持ち場について馬車を走らせはじめた。
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

処理中です...