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第169話【鑑定スキルのレベリング】
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「――鑑定スキルのレベリングをしよう」
「鑑定スキルの?」
僕の提案にノエルは疑問符のついた返しをする。
「ああ。
僕がカード収納スキル持ちの面倒を見ている間、君にも何かないか考えたとき始めは商人スキルのレベリングのためにハーベスさんにお願いしようかとも思ったけどやっぱり君と離れて訓練するのはちょっと寂しいからね。
君も僕自身も鑑定スキルはサブスキルだけど上げておいて損はない有能なスキルだからこの際レベル5まで上げるのも有りかなと思ってね。
それに僕の場合はレベルの限界突破もあるからサブスキルのレベルマックス時のことも気になるし、これからの旅にはまず必要になるだろうしね」
僕は結論に至った経緯を説明してノエルの反応を待った。
「一緒にいて良いのよね?」
「当たり前だよ。
逆に一緒にいないでいい意味が分からないよ」
「良かった」
ノエルは安心した様子でそう呟いた。
「――じゃあ早速だけどレベリング方法の方針を決めようか」
僕はそう言うと考えていたやり方をノエルに説明していく。
「そんなこと本当に出来るの?」
「おそらくだけどね。
実は僕もこの方法を思いついたのは最近のことでまだそれほど試してないんだけど出来るのは間違いないよ。
だから絶対とは言えないけれど試す価値はあると思ってる」
「ミナトがそう言うならやってみるわ」
ノエルはそう言って微笑んだ。
――次の日の朝、朝食を食べる僕たちのもとへ迎えの連絡が入る。
「ハーベスさんはやっぱり商人なんだね。
やると決めたら即座に進めるところなんかコスト意識が高い証拠だよね」
僕は渡された手紙を読みながら既に2ヶ月後の事を考えていた。
* * *
「今日から約2ヶ月間スキルアップの指導をよろしくお願いします」
指定の場所へ着くと5名の男女が揃って挨拶をしてくる。
「この度はお世話になりますミナト様。
私とこちらの女性はサポートを仰せつかっている者で私がホセイで彼女がホナンと言います。
そしてこちらの男性3名が今回研修を受ける予定の者で全員サブスキルにカード収納スキルを持っておりますが、やはり昔からの慣習で使えないと言われていたために一切レベリングはしていませんので全員レベルは1となっており手前からミギー、ナカー、ダリーと言います」
そう言ってホセイがその場にいるメンバーの紹介をしてくれる。
「一応、私がお世話係のリーダーを仰せつかっていますので何か必要なものや商会長への連絡があれば私に伝えてくだされば対応しますのでお願いします」
ホセイはお辞儀をしてそう言うとこれから2ヶ月の間寝泊まりする施設へと僕たちを招き入れてくれた。
「――カード収納スキルの早いレベリング方法はとにかく制限ぎりぎりサイズの物質をカード化することを繰り返すことなんだ」
僕はまだレベル1でコイン程度しかカードに出来ない3人にレベリングのコツを教えてどんどん訓練を重ねる。
「――実際のところ最高レベルまでにはどのくらいかかるものなのでしょうか?」
魔力が減って休憩をとるあいだにはいろいろと質問を受けつけて疑問の解消や目標の設定などを話し合う。
「どんなに早くても1年はかかると思う。
ただ、もし先天的に魔力を多く持ったひとがいたらその限りではないと思ってるよ」
「1年ですか……。
でしたら今回の2ヶ月程度てはとてもではないですが足りないのですね」
「ははは。
それは仕方ないことだと思うし、普通に使っている限りだとそれこそ何十年もかかることもあるんだからね。
たった2ヶ月程度で極められるとは君たちも本気で思ってないんだろう?」
「まあ、そうですけど」
ミギーは残念そうな表情でそう答える。
「まあ、この方法でしっかりとやっていけばレベル3にはまずなれるはずだからしっかりと頑張ろう」
「「「はい!」」」
3人はそう返事をするとまた黙々と修練にもどった。
* * *
「――さてと、じゃあ僕たちの方も修練を始めようか」
カード収納スキルのレベリング内容を指示した僕は自らもレベリングをすると伝えて隣の部屋に移る。
そこにはテーブルの上に並べられた多くのカードがありそれを真剣な表情で鑑定するノエルの姿があった。
「あ、ミナト。
そっちの方はもう大丈夫なの?」
部屋に入ってきた僕に気がついた彼女は一旦スキルを解除して話しかけてきた。
「とりあえず今日のところは課題をこなしてもらうだけだからね。
もし、何かあれば隣だし直ぐに呼びにくるさ。
魔力の回復薬も念のために置いてあるから倒れる前にはホセイさんが対処してくれると思うから大丈夫だろう」
「じゃあ今からは私と一緒に居られるのね」
「まあ、遊びじゃないのが残念かもしれないけどレベリングはやっておいて損はないから頑張ろう。
ところでどこまで出来るようになったの?」
この方法はカード収納メンバーの研修を始める前にノエルに対して提案したやり方で簡単に言えば冒険者がカード化したカードを裏にして伏せた状態で何がカード化されているかを鑑定スキルで当てるゲーム形式の修練内容となっている。
「今しがた二列目に入ったばかりです。
単純なものの場合は分かるのですけど複数のものがカード化されていた場合、詳しく認識出来ないことも多くて何かコツでもあればと考えてました」
「スキルに関してはコツよりもレベルに大きく影響されるのでとにかく経験を増やすのがコツといえばコツなのかな」
「それって多分コツとは言わないと思うけどまあそうなんでしょうね。
とにかく早くレベル5に引き上げたいから頑張るわね。
でも、やっぱりサブスキルだとレベル5で頭打ちなんだよね?」
「理論上はそうなるね。
でも、僕にはその常識が当てはまらないようだからもしかするとカード収納スキルの時みたいに人の限界を引き上げるスキルを習得できるかもしれないからもしもそんな事があれば真っ先に入った君に使いたいと思ってるよ」
「ふふ。
期待しちゃうわよ」
その後もお互い軽口を言い合いながら僕たちは鑑定スキルのレベリングを楽しみながらすることができた。
「鑑定スキルの?」
僕の提案にノエルは疑問符のついた返しをする。
「ああ。
僕がカード収納スキル持ちの面倒を見ている間、君にも何かないか考えたとき始めは商人スキルのレベリングのためにハーベスさんにお願いしようかとも思ったけどやっぱり君と離れて訓練するのはちょっと寂しいからね。
君も僕自身も鑑定スキルはサブスキルだけど上げておいて損はない有能なスキルだからこの際レベル5まで上げるのも有りかなと思ってね。
それに僕の場合はレベルの限界突破もあるからサブスキルのレベルマックス時のことも気になるし、これからの旅にはまず必要になるだろうしね」
僕は結論に至った経緯を説明してノエルの反応を待った。
「一緒にいて良いのよね?」
「当たり前だよ。
逆に一緒にいないでいい意味が分からないよ」
「良かった」
ノエルは安心した様子でそう呟いた。
「――じゃあ早速だけどレベリング方法の方針を決めようか」
僕はそう言うと考えていたやり方をノエルに説明していく。
「そんなこと本当に出来るの?」
「おそらくだけどね。
実は僕もこの方法を思いついたのは最近のことでまだそれほど試してないんだけど出来るのは間違いないよ。
だから絶対とは言えないけれど試す価値はあると思ってる」
「ミナトがそう言うならやってみるわ」
ノエルはそう言って微笑んだ。
――次の日の朝、朝食を食べる僕たちのもとへ迎えの連絡が入る。
「ハーベスさんはやっぱり商人なんだね。
やると決めたら即座に進めるところなんかコスト意識が高い証拠だよね」
僕は渡された手紙を読みながら既に2ヶ月後の事を考えていた。
* * *
「今日から約2ヶ月間スキルアップの指導をよろしくお願いします」
指定の場所へ着くと5名の男女が揃って挨拶をしてくる。
「この度はお世話になりますミナト様。
私とこちらの女性はサポートを仰せつかっている者で私がホセイで彼女がホナンと言います。
そしてこちらの男性3名が今回研修を受ける予定の者で全員サブスキルにカード収納スキルを持っておりますが、やはり昔からの慣習で使えないと言われていたために一切レベリングはしていませんので全員レベルは1となっており手前からミギー、ナカー、ダリーと言います」
そう言ってホセイがその場にいるメンバーの紹介をしてくれる。
「一応、私がお世話係のリーダーを仰せつかっていますので何か必要なものや商会長への連絡があれば私に伝えてくだされば対応しますのでお願いします」
ホセイはお辞儀をしてそう言うとこれから2ヶ月の間寝泊まりする施設へと僕たちを招き入れてくれた。
「――カード収納スキルの早いレベリング方法はとにかく制限ぎりぎりサイズの物質をカード化することを繰り返すことなんだ」
僕はまだレベル1でコイン程度しかカードに出来ない3人にレベリングのコツを教えてどんどん訓練を重ねる。
「――実際のところ最高レベルまでにはどのくらいかかるものなのでしょうか?」
魔力が減って休憩をとるあいだにはいろいろと質問を受けつけて疑問の解消や目標の設定などを話し合う。
「どんなに早くても1年はかかると思う。
ただ、もし先天的に魔力を多く持ったひとがいたらその限りではないと思ってるよ」
「1年ですか……。
でしたら今回の2ヶ月程度てはとてもではないですが足りないのですね」
「ははは。
それは仕方ないことだと思うし、普通に使っている限りだとそれこそ何十年もかかることもあるんだからね。
たった2ヶ月程度で極められるとは君たちも本気で思ってないんだろう?」
「まあ、そうですけど」
ミギーは残念そうな表情でそう答える。
「まあ、この方法でしっかりとやっていけばレベル3にはまずなれるはずだからしっかりと頑張ろう」
「「「はい!」」」
3人はそう返事をするとまた黙々と修練にもどった。
* * *
「――さてと、じゃあ僕たちの方も修練を始めようか」
カード収納スキルのレベリング内容を指示した僕は自らもレベリングをすると伝えて隣の部屋に移る。
そこにはテーブルの上に並べられた多くのカードがありそれを真剣な表情で鑑定するノエルの姿があった。
「あ、ミナト。
そっちの方はもう大丈夫なの?」
部屋に入ってきた僕に気がついた彼女は一旦スキルを解除して話しかけてきた。
「とりあえず今日のところは課題をこなしてもらうだけだからね。
もし、何かあれば隣だし直ぐに呼びにくるさ。
魔力の回復薬も念のために置いてあるから倒れる前にはホセイさんが対処してくれると思うから大丈夫だろう」
「じゃあ今からは私と一緒に居られるのね」
「まあ、遊びじゃないのが残念かもしれないけどレベリングはやっておいて損はないから頑張ろう。
ところでどこまで出来るようになったの?」
この方法はカード収納メンバーの研修を始める前にノエルに対して提案したやり方で簡単に言えば冒険者がカード化したカードを裏にして伏せた状態で何がカード化されているかを鑑定スキルで当てるゲーム形式の修練内容となっている。
「今しがた二列目に入ったばかりです。
単純なものの場合は分かるのですけど複数のものがカード化されていた場合、詳しく認識出来ないことも多くて何かコツでもあればと考えてました」
「スキルに関してはコツよりもレベルに大きく影響されるのでとにかく経験を増やすのがコツといえばコツなのかな」
「それって多分コツとは言わないと思うけどまあそうなんでしょうね。
とにかく早くレベル5に引き上げたいから頑張るわね。
でも、やっぱりサブスキルだとレベル5で頭打ちなんだよね?」
「理論上はそうなるね。
でも、僕にはその常識が当てはまらないようだからもしかするとカード収納スキルの時みたいに人の限界を引き上げるスキルを習得できるかもしれないからもしもそんな事があれば真っ先に入った君に使いたいと思ってるよ」
「ふふ。
期待しちゃうわよ」
その後もお互い軽口を言い合いながら僕たちは鑑定スキルのレベリングを楽しみながらすることができた。
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