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第一章 たとえ君が誰であろうと好きにならずにいられなかった
第六話
しおりを挟む「えっ、と?」
「樹木系の妖魔には餌を絡め取るための催淫毒があるんだ。ピンクの花を咲かせる奴には注意するように」
「は、い」
言いながら少尉は俺のズボンと下着を足からあっさりと抜き取る。
「三十分程度体が麻痺し、その間に毒は精液に溜まって射精感が高まる」
「ひっ、えっな、なにを??」
一条寺少尉はどこからか取り出してきたゴム、というにはすぐに外れそうなゆるいコンドームを俺の陰茎に被せると、赤い紐でぎゅっと根元を縛った。
「射精すれば毒は抜けるから催淫作用もなくなるよ。だけどその精液に毒があるから粘膜吸収すると毒に侵される」
「あっ!」
つまり俺は少尉の精液を飲んだから、麻痺してるし体が熱いってことが!?
「あの、それなら早く……」
イかせてください。というのは非常に恥ずかしく、思わず視線をそらした。
「うん、そうだね。我慢するのは……辛いよね」
優しい一条寺少尉の声音にほっと安堵したものの、近づいてきた顔はそれはもう冷ややかな笑みを浮かべていた。
「だから、衛には素直になってもらおうと思う」
「は、い?」
俺の驚愕などお構いなしに少尉はベッドサイドからなにか取り出すと俺の股の間に移動し、ヌチヌチと音をさせている。
いやなんとなく、なんとなくだがわかる。
これはあれだローションの音だ、と思った瞬間、左足首を捕まれ持ち上げられた。
陰茎から股の間をヌメヌメした指が伝い尻の穴にたどり着くと執拗に捏ね回される。
「ひっぅ!」
「まず、確認しておくけど……ああ、良かった。ここは使ってないね」
「あ、当たり前だろっ! ギャッ!」
思わず素で返事をしたらヌプリと何かが穴に入り込んできた。
それはクニクニと尻穴を広げるように動く。
「ふふ、そんな締め付けちゃって。……でもね衛、当たり前ではないんだよ。飢えたハイエナのように三枝も五木も四ツ谷までも……君を食べるチャンスを狙っている」
「?? そんな馬鹿なことは、ヒャァっ!」
「そうだね、馬鹿かもね。だけど……君なら分かるだろう? 僕たちは無償の愛に飢えているんだ」
無償の、愛?
意味が分からず首を傾げる。少しだけ麻痺が弱まってきたようだ。
だがその分下半身の熱が高まっている。……決してお尻をいじられて感じてる、訳では無い、と思いたい。
「僕らは優秀だ。だから人は寄ってくる……だけど彼らは誰かを蹴落とすことしか考えていない。実に醜い存在なんだ。しかし衛は違った」
「は? お、れ?」
「そう。僕の部隊を機能させるための人員を探しに行った月読館で君を見たときは驚いたよ」
いつの間にか増やされていた指がとある場所を掠めると、麻痺しているはずの俺の体がビクリと跳ねる。
「え? な、なに?」
「ああ、ここが衛の善いところだね。いっぱい触ってあげるよ」
「ひっ、ぁっやぁっ、あっ、んあ、アぁ……!」
ゴリ、ゴリ、ゴリとそこを擦られるたびに形容し難い感覚が全身に走り抜けて体がビクビク震え、声が出てしまう。
呼吸が浅くなる俺などお構いなしに少尉は話を続けた。
「退魔の力を持つものは大概おごっていて鼻持ちならない。だというのに君は偉ぶることなく、人の力になっていたね」
「あ、んアッ、なん、の……ヒィッ、ぅんん…っ」
「最初は彼女に気があってのことだと思ったが、違った。純然たる善意だった……それがわかって君に興味が湧いたんだ」
グチュグチュと下半身から聞こえる音が少尉の言葉をかき消すほど、俺は下半身に意識を持っていかれていた。
気持ちいい、気持ちいい……出したい!
なのに陰茎は縛られてるのでイクことができない。
腹の中に熱がぐるぐる渦巻いて、知らず腰を揺らしてしまう。
「ふふっ、顔がトロけてきたね。それでね、色々調べたよ、衛のこと」
ハッハッと自分の呼吸音が犬みたいに聞こえる。
少尉の顔が近づいてきて、俺の頬をべろりと舐めた。
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