65 / 68
63 脱出3
しおりを挟む
ヤマーダさんと副所長は余裕の笑みを浮かべて悠々と乗り込んできました。
「全員揃っていますか?」
ヤマーダさんの声に騎士が小さく頷きました。
どうやら作戦は成功したようです。
後はなるべく早く出港するだけですが、実際に動き出すまで心臓がバクバクして貧血を起こしそうなほど緊張してしまいました。
「出港!錨をあげよ!」
その声を聞いた途端、涙が出てしまったのは仕方がないと思います。
後は打ち合わせ通り沖まで移動し、夕方まで停泊してからイーリス国に向かうだけです。
沖に停泊している間にシージャックする予定ですが、船員たちは何も疑問を感じていないようですから、熟練の騎士達にかかれば簡単に制圧できるでしょう。
私たちは会議室に集まって、夕方までじっと息を殺していました。
港を離れて数時間後には、部屋の外でバタバタと音がしていましたが、呆気ないほど早く制圧は完了したようです。
アンナお姉さまが会議室に入って来られました。
「完了しました。もう自由ですよ。ご苦労様でした」
船員たちはほぼ無抵抗で落ちたようです。
イーリス国での身分と仕事を保証すると言ったら、とても素直に寝返ったそうです。
こんなところにも国の弱体化が伺えますね。
静かに走り出した船の甲板から小さくなっていく街の明りを眺めました。
私の両隣にはジョアンとエスメラルダがいます。
『上手くいきました。二日後にはハイド領に到着する予定です』
私はサミュエル殿下に頭の中で報告しました。
『ご苦労だったね。良かったよ。安心した。カーティス兄上もサリバン博士たちと合流してこちらに向かっている。ルーカス兄上は裁判を引っ搔き回した後で、怒って席を立ってすぐに出国したよ。国境に待機していたワイドル国軍とはもう合流したはずだ』
『予定通りですね』
『ああ、後は叔母上に頑張っていただこう』
私はエヴァン様との婚約を白紙にしたあの日から初めて、心から安心できました。
私とエヴァン様の分の夕食をもってエヴァン様が寝かされている部屋に行きます。
「エヴァン様、夕食ですよ」
「ああ、ローゼリアか。寝てるだけだからあまり腹は減ってないけど君と一緒なら少し食べようかな」
「ええ、きちんと食べないと傷の治りも遅くなりますからね」
「わが愛しの妻はなかなか夫の管理が上手なようだ」
エヴァン様はそう言ってベッドの横に座った私の手を握りました。
その手の温もりが本当にうれしくて、私はエヴァン様の頬にきすをしました。
「よく頑張ったね。本当に大変な日々だった。今だからいえるけれど、何度ももうここで死ぬんだなって考えたよ」
「エヴァン様…」
「君が生きる心の支えだった。ありがとうローゼリア」
「私もです。エヴァン様、本当に生きていてよかった」
「ああ、恐らく私の足には障害が残るだろう。でも私は文官だからそれほど困ることもないと思っている。出張中の怪我による障害だから、有給だし見舞い金も補償金もぶんどってやるかな。そうそう、王宮の階段の横にスロープを作らせよう。でもそうなると王都で暮らすことになるから君の領地のこととかいろいろ考えなくてはいけないね」
「ええ。それにマリア王女とアランのことも考えないといけません」
「あいつらのこと?何だったら今からアンナに言って海に投げ捨てる?」
「いやっ!それは…」
「そう?全然いいと思うけど。まあ、ローゼリアが寝覚めが悪いなら諦めよう。きっと君のことだからハイド領で暮らせるように手配するつもりなんだろう?」
「ええ、アランを代官にしてはどうかと思うのです」
「信用するの?」
「明日にでも一緒に話してもらえませんか?二人の様子を見極めてから決めたいと思うのです」
「ああ、その方がいいね。物凄く厳しい目で見極めるよ」
「それと地質研究所のことですが…」
「うん。私もずっと考えて一つのプランに辿り着いたのだけれど、これはローゼリアの同意が必要だからじっくりと話したいと思っていたんだけど、聞いてくれる?」
「もちろんです」
「ジョアンは頑張って話せるようになってきたけれど、かなり無理していると思うんだ。まだ幼いし父と母から離すのは可哀想だ。たぶん母上が手放さない」
「そうでしょうね」
「我がドイル家は領地を持たない伯爵家だ。そして君のワンド伯爵家は広大な土地と地質研究所、そして交易港を有している」
「そうですね」
「でも私はこの体だし王都を離れるわけにはいかない。そして君とも離れたくない。そうなると君が領地経営をするのは難しい。ここまでは良い?」
「はい」
「幸い父上は凄腕の経営者だ。交易も商品開発も絶対に上手く回すと思う、だからドイル家とワンド家を交換するのはどうだろう。ドイル伯爵家がワンド領を経営する。そして私とローゼリアでワンド家として王都で暮らすんだ。ジョアンは君の後継者として地質調査研究所を担いつつドイル家を継ぐんだ。どうかな?」
「え?でもそうなるとエヴァン様は?」
「私はワンド家に婿養子に入るよ」
「エヴァン様が婿入りして下さるのですか?」
「うん。君はドイル家が持っている商会の経営をしてもいいし、商会経営はララ夫婦に任せて今のまま子供たちの先生として研究所に勤務してもいいと思うよ」
「ドイル伯爵がお許しになるでしょうか?」
「絶対って言えるけど反対はしないさ。できればエスメラルダとジョアンを婚約させて一緒に行かせたい。あの二人なら脳内で会話できるだろ?無理して喋る必要が無いからジョアンの心も休まるだろう?もちろんエスメラルダも楽なはずだ」
「それは本当にそうですね。無理に頑張っていたジョアンは痛々しかったですから」
「そうか、それほどジョアンは頑張ったのか」
「ええ、本当に頑張りましたよ。褒めてあげてくださいね」
「父上たちにはワンド領から全体を統治してもらって、ハイド領の代官をアラン達にさせるのが理想だけれど、アランはまだしもマリアがどう変わるかが問題だな」
「そうですね…私は卒業以降お会いすることも無かったのでなんともいえませんが」
「ああそうだね。私は何度かあったけれど見る影もないほど大人しくなっていたよ。しかも今回の事件でかなり消耗しているだろうし。マリアはアラン次第だな」
「良い方に変わって下されば良いのですが」
「そうだね。もしローゼリアがそれでいいなら伯爵家同志の領地交換については問題ないよね。皇太子は私が動かすから」
「まあ!素敵です。私は大賛成です。私としてはできれば研究所の仕事を続けたいと思っています」
「では明日のアラン達との面談で決定だな。もしもダメだと判断したら他の方法を考えよう。まあ、代官を誰にするかだけだから何とでもなるさ」
「そうですね。ああ!なんだか夢みたいです!」
「あっ!そうだ。一番大事なことを後回しにしてしまった!」
「えっ!なんですか?」
「ローゼリア・ワンド伯爵、私エヴァン・ドイルと結婚してください。できれば婚約期間など設けずに、すぐにでも一緒になりたい!」
「はい、喜んでお受けいたします。でも結婚式はエヴァン様の怪我が完治してからですね」
「そうか…早く治そうっと!」
私たちは微笑みながら誓いのキスを交わしました。
「全員揃っていますか?」
ヤマーダさんの声に騎士が小さく頷きました。
どうやら作戦は成功したようです。
後はなるべく早く出港するだけですが、実際に動き出すまで心臓がバクバクして貧血を起こしそうなほど緊張してしまいました。
「出港!錨をあげよ!」
その声を聞いた途端、涙が出てしまったのは仕方がないと思います。
後は打ち合わせ通り沖まで移動し、夕方まで停泊してからイーリス国に向かうだけです。
沖に停泊している間にシージャックする予定ですが、船員たちは何も疑問を感じていないようですから、熟練の騎士達にかかれば簡単に制圧できるでしょう。
私たちは会議室に集まって、夕方までじっと息を殺していました。
港を離れて数時間後には、部屋の外でバタバタと音がしていましたが、呆気ないほど早く制圧は完了したようです。
アンナお姉さまが会議室に入って来られました。
「完了しました。もう自由ですよ。ご苦労様でした」
船員たちはほぼ無抵抗で落ちたようです。
イーリス国での身分と仕事を保証すると言ったら、とても素直に寝返ったそうです。
こんなところにも国の弱体化が伺えますね。
静かに走り出した船の甲板から小さくなっていく街の明りを眺めました。
私の両隣にはジョアンとエスメラルダがいます。
『上手くいきました。二日後にはハイド領に到着する予定です』
私はサミュエル殿下に頭の中で報告しました。
『ご苦労だったね。良かったよ。安心した。カーティス兄上もサリバン博士たちと合流してこちらに向かっている。ルーカス兄上は裁判を引っ搔き回した後で、怒って席を立ってすぐに出国したよ。国境に待機していたワイドル国軍とはもう合流したはずだ』
『予定通りですね』
『ああ、後は叔母上に頑張っていただこう』
私はエヴァン様との婚約を白紙にしたあの日から初めて、心から安心できました。
私とエヴァン様の分の夕食をもってエヴァン様が寝かされている部屋に行きます。
「エヴァン様、夕食ですよ」
「ああ、ローゼリアか。寝てるだけだからあまり腹は減ってないけど君と一緒なら少し食べようかな」
「ええ、きちんと食べないと傷の治りも遅くなりますからね」
「わが愛しの妻はなかなか夫の管理が上手なようだ」
エヴァン様はそう言ってベッドの横に座った私の手を握りました。
その手の温もりが本当にうれしくて、私はエヴァン様の頬にきすをしました。
「よく頑張ったね。本当に大変な日々だった。今だからいえるけれど、何度ももうここで死ぬんだなって考えたよ」
「エヴァン様…」
「君が生きる心の支えだった。ありがとうローゼリア」
「私もです。エヴァン様、本当に生きていてよかった」
「ああ、恐らく私の足には障害が残るだろう。でも私は文官だからそれほど困ることもないと思っている。出張中の怪我による障害だから、有給だし見舞い金も補償金もぶんどってやるかな。そうそう、王宮の階段の横にスロープを作らせよう。でもそうなると王都で暮らすことになるから君の領地のこととかいろいろ考えなくてはいけないね」
「ええ。それにマリア王女とアランのことも考えないといけません」
「あいつらのこと?何だったら今からアンナに言って海に投げ捨てる?」
「いやっ!それは…」
「そう?全然いいと思うけど。まあ、ローゼリアが寝覚めが悪いなら諦めよう。きっと君のことだからハイド領で暮らせるように手配するつもりなんだろう?」
「ええ、アランを代官にしてはどうかと思うのです」
「信用するの?」
「明日にでも一緒に話してもらえませんか?二人の様子を見極めてから決めたいと思うのです」
「ああ、その方がいいね。物凄く厳しい目で見極めるよ」
「それと地質研究所のことですが…」
「うん。私もずっと考えて一つのプランに辿り着いたのだけれど、これはローゼリアの同意が必要だからじっくりと話したいと思っていたんだけど、聞いてくれる?」
「もちろんです」
「ジョアンは頑張って話せるようになってきたけれど、かなり無理していると思うんだ。まだ幼いし父と母から離すのは可哀想だ。たぶん母上が手放さない」
「そうでしょうね」
「我がドイル家は領地を持たない伯爵家だ。そして君のワンド伯爵家は広大な土地と地質研究所、そして交易港を有している」
「そうですね」
「でも私はこの体だし王都を離れるわけにはいかない。そして君とも離れたくない。そうなると君が領地経営をするのは難しい。ここまでは良い?」
「はい」
「幸い父上は凄腕の経営者だ。交易も商品開発も絶対に上手く回すと思う、だからドイル家とワンド家を交換するのはどうだろう。ドイル伯爵家がワンド領を経営する。そして私とローゼリアでワンド家として王都で暮らすんだ。ジョアンは君の後継者として地質調査研究所を担いつつドイル家を継ぐんだ。どうかな?」
「え?でもそうなるとエヴァン様は?」
「私はワンド家に婿養子に入るよ」
「エヴァン様が婿入りして下さるのですか?」
「うん。君はドイル家が持っている商会の経営をしてもいいし、商会経営はララ夫婦に任せて今のまま子供たちの先生として研究所に勤務してもいいと思うよ」
「ドイル伯爵がお許しになるでしょうか?」
「絶対って言えるけど反対はしないさ。できればエスメラルダとジョアンを婚約させて一緒に行かせたい。あの二人なら脳内で会話できるだろ?無理して喋る必要が無いからジョアンの心も休まるだろう?もちろんエスメラルダも楽なはずだ」
「それは本当にそうですね。無理に頑張っていたジョアンは痛々しかったですから」
「そうか、それほどジョアンは頑張ったのか」
「ええ、本当に頑張りましたよ。褒めてあげてくださいね」
「父上たちにはワンド領から全体を統治してもらって、ハイド領の代官をアラン達にさせるのが理想だけれど、アランはまだしもマリアがどう変わるかが問題だな」
「そうですね…私は卒業以降お会いすることも無かったのでなんともいえませんが」
「ああそうだね。私は何度かあったけれど見る影もないほど大人しくなっていたよ。しかも今回の事件でかなり消耗しているだろうし。マリアはアラン次第だな」
「良い方に変わって下されば良いのですが」
「そうだね。もしローゼリアがそれでいいなら伯爵家同志の領地交換については問題ないよね。皇太子は私が動かすから」
「まあ!素敵です。私は大賛成です。私としてはできれば研究所の仕事を続けたいと思っています」
「では明日のアラン達との面談で決定だな。もしもダメだと判断したら他の方法を考えよう。まあ、代官を誰にするかだけだから何とでもなるさ」
「そうですね。ああ!なんだか夢みたいです!」
「あっ!そうだ。一番大事なことを後回しにしてしまった!」
「えっ!なんですか?」
「ローゼリア・ワンド伯爵、私エヴァン・ドイルと結婚してください。できれば婚約期間など設けずに、すぐにでも一緒になりたい!」
「はい、喜んでお受けいたします。でも結婚式はエヴァン様の怪我が完治してからですね」
「そうか…早く治そうっと!」
私たちは微笑みながら誓いのキスを交わしました。
57
あなたにおすすめの小説
言いたいことはそれだけですか。では始めましょう
井藤 美樹
恋愛
常々、社交を苦手としていましたが、今回ばかりは仕方なく出席しておりましたの。婚約者と一緒にね。
その席で、突然始まった婚約破棄という名の茶番劇。
頭がお花畑の方々の発言が続きます。
すると、なぜが、私の名前が……
もちろん、火の粉はその場で消しましたよ。
ついでに、独立宣言もしちゃいました。
主人公、めちゃくちゃ口悪いです。
成り立てホヤホヤのミネリア王女殿下の溺愛&奮闘記。ちょっとだけ、冒険譚もあります。
【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ
リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。
先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。
エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹?
「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」
はて、そこでヤスミーンは思案する。
何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。
また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。
最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。
するとある変化が……。
ゆるふわ設定ざまああり?です。
良いものは全部ヒトのもの
猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。
ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。
翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。
一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。
『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』
憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。
自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。
完結 女性に興味が無い侯爵様 私は自由に生きます。
ヴァンドール
恋愛
私は絵を描いて暮らせるならそれだけで幸せ!
そんな私に好都合な相手が。
女性に興味が無く仕事一筋で冷徹と噂の侯爵様との縁談が。 ただ面倒くさい従妹という令嬢がもれなく付いてきました。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
婚約破棄された私は、号泣しながらケーキを食べた~限界に達したので、これからは自分の幸せのために生きることにしました~
キョウキョウ
恋愛
幼い頃から辛くて苦しい妃教育に耐えてきたオリヴィア。厳しい授業と課題に、何度も心が折れそうになった。特に辛かったのは、王妃にふさわしい体型維持のために食事制限を命じられたこと。
とても頑張った。お腹いっぱいに食べたいのを我慢して、必死で痩せて、体型を整えて。でも、その努力は無駄になった。
婚約相手のマルク王子から、無慈悲に告げられた別れの言葉。唐突に、婚約を破棄すると言われたオリヴィア。
アイリーンという令嬢をイジメたという、いわれのない罪で責められて限界に達した。もう無理。これ以上は耐えられない。
そしてオリヴィアは、会場のテーブルに置いてあったデザートのケーキを手づかみで食べた。食べながら泣いた。空腹の辛さから解放された気持ちよさと、ケーキの美味しさに涙が出たのだった。
※本作品は、少し前に連載していた試作の完成版です。大まかな展開や設定は、ほぼ変わりません。加筆修正して、完成版として連載します。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
【完結】すり替えられた公爵令嬢
鈴蘭
恋愛
帝国から嫁いで来た正妻キャサリンと離縁したあと、キャサリンとの間に出来た娘を捨てて、元婚約者アマンダとの間に出来た娘を嫡子として第一王子の婚約者に差し出したオルターナ公爵。
しかし王家は帝国との繋がりを求め、キャサリンの血を引く娘を欲していた。
妹が入れ替わった事に気付いた兄のルーカスは、事実を親友でもある第一王子のアルフレッドに告げるが、幼い二人にはどうする事も出来ず時間だけが流れて行く。
本来なら庶子として育つ筈だったマルゲリーターは公爵と後妻に溺愛されており、自身の中に高貴な血が流れていると信じて疑いもしていない、我儘で自分勝手な公女として育っていた。
完璧だと思われていた娘の入れ替えは、捨てた娘が学園に入学して来た事で、綻びを見せて行く。
視点がコロコロかわるので、ナレーション形式にしてみました。
お話が長いので、主要な登場人物を紹介します。
ロイズ王国
エレイン・フルール男爵令嬢 15歳
ルーカス・オルターナ公爵令息 17歳
アルフレッド・ロイズ第一王子 17歳
マルゲリーター・オルターナ公爵令嬢 15歳
マルゲリーターの母 アマンダ・オルターナ
エレインたちの父親 シルベス・オルターナ
パトリシア・アンバタサー エレインのクラスメイト
アルフレッドの側近
カシュー・イーシヤ 18歳
ダニエル・ウイロー 16歳
マシュー・イーシヤ 15歳
帝国
エレインとルーカスの母 キャサリン帝国の侯爵令嬢(前皇帝の姪)
キャサリンの再婚相手 アンドレイ(キャサリンの従兄妹)
隣国ルタオー王国
バーバラ王女
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる