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兄弟
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よく考えた。寝ないで考えた。
最初から最後まで間違っていると思う。
やっぱり霜が1番で他の人なんてどうでもいい。
傲慢だし、自分勝手で本当にクズで最低な人間だ。
霜が幸せになれるなら、なんでもいい。
僕といるより、先生といた方がいい。
運命の番で霜を大事にしてくれる。
霜を守って幸せにできる力もある。
コンコン__。
「どうぞ」
「おはようございます。体調はどうですか?」
発情期じゃないのに、僕のフェロモン値は戻らないから、相変わらず九条先生が担当している。
「元気です。いつ退院出来ますか?」
「まずは、検温とフェロモン値の測定してからです。結果はまた後で言いに行きますね」
フェロモン値の測定は綿棒を口に入れて唾液で測る。
「口開けてください。あー」
口を開け、上顎を擦られる。
「ふっ...はぁっ...」
いつもくすぐったくて声が出てしまう。
「口もっと大きく開けて下さい」
「......くすぐったくて」
「しょうがないですね。失礼します」
「ちょっ、え、あ」
顎を掴まれ、半ば強引に開けられる。
「ちょっと!何してるんですか」
「しょお、きょうはやいね」
「雪、大丈夫?」
「雪さんが口を開けてられないので少し押さえてただけです」
「くすぐったくて閉じちゃうんだよね」
「もう、終わったので安心してください。それに患者に手を出すなんてことしません」
「結果はいつでますか?」
「3時間後くらいですかね。低くなってるといいですね」
「はい!ありがとうございます」
「それでは」
「...」
「先輩と話さなくていいの?」
先輩と話すから遅れるって言ってたのに。
「いい。後で話す」
「そう?僕待ってるから話してきていいよ?」
「大丈夫だよ」
そう言って僕の頭を撫でる。
これじゃあ、僕の方が弟みたいだ。
「霜、僕さやっぱり...」
「聞いてあげない。番のことでしょ?絶対に聞いてあげない」
「でも、大事な話だからちゃんと聞いて欲しい」
「そんな顔しても聞いてあげない」
「いじわる」
話さないといけないのに。
話せば、霜を自由に出来るのに。
「ごめん。でも、聞いたらダメな気がする。俺の我儘」
「霜の我儘久しぶりに聞いた。もっと言っていいんだよ」
「後々困るのは雪だよ」
「今ならなんでも聞いてあげるよ」
離れるまでなんでも聞いてあげたい。
僕に出来ることなんかそれくらいだから。
「じゃあ、ずっと一緒にいてよ」
「...そういうのは無し。どこ一緒に行くとか、欲しいもの買ってあげるとか...」
「なんでもって言った」
「...」
僕もずっと側にいたかった。
でも、一緒にはいれないんだよ。
「ごめん...困らせた。俺たち、ただの兄弟ってだけだしね」
「霜、ごめんね。僕、やっぱり退院したら番を探そうと思う」
「俺は認めない。俺のこと捨ててまで番が欲しいの」
「うん」
「本当に?」
「うん」
気づいたら手が痛くて、力いっぱい握ったせいで爪が食い込んでいた。
霜は僕の手を取り、手についた爪の跡を見ている。
「もう、いいよ」
「...?何がもういいの?」
「兄さんはそれでいいんだね。苦しくならない?」
「...うん。大丈夫だよ」
その時、初めて霜の顔をしっかり見た。
泣きそうな顔。
なんだか懐かしい。
小さい頃に見た気がするそんな表情。
あぁ、あれだ。
霜が風邪ひいて、僕だけ保育園に行くことになった時だ。
泣かないように目を細めて、首を傾げる。
辛い時に見せる表情。
「なんで、そんな顔するの」
「分からない」
頭を撫でてあげようとしたけど、点滴が引っかかって届かなかった。
行き場の失った手を霜の顔に寄せ、頭の代わりに頬を撫でる。
「おいで」
そう言ってベットの縁を叩く。
いつもは子供扱いしないでとか、何か言うのに今日は何も言わなかった。
「霜、僕の幸せは霜が幸せになることだよ」
僕より少し高い位置にある頭を撫で、背中に手を回す。
「俺の幸せは雪とずっと...」
「今はそうでも、いつか後悔する時が来るかもしれない」
「後悔なんて」
「これから先の方が長いんだから」
「雪」
「うん」
久しぶりに抱きしめた霜はいつもより頼りなくて、なんだか小さいような気がした。
最初から最後まで間違っていると思う。
やっぱり霜が1番で他の人なんてどうでもいい。
傲慢だし、自分勝手で本当にクズで最低な人間だ。
霜が幸せになれるなら、なんでもいい。
僕といるより、先生といた方がいい。
運命の番で霜を大事にしてくれる。
霜を守って幸せにできる力もある。
コンコン__。
「どうぞ」
「おはようございます。体調はどうですか?」
発情期じゃないのに、僕のフェロモン値は戻らないから、相変わらず九条先生が担当している。
「元気です。いつ退院出来ますか?」
「まずは、検温とフェロモン値の測定してからです。結果はまた後で言いに行きますね」
フェロモン値の測定は綿棒を口に入れて唾液で測る。
「口開けてください。あー」
口を開け、上顎を擦られる。
「ふっ...はぁっ...」
いつもくすぐったくて声が出てしまう。
「口もっと大きく開けて下さい」
「......くすぐったくて」
「しょうがないですね。失礼します」
「ちょっ、え、あ」
顎を掴まれ、半ば強引に開けられる。
「ちょっと!何してるんですか」
「しょお、きょうはやいね」
「雪、大丈夫?」
「雪さんが口を開けてられないので少し押さえてただけです」
「くすぐったくて閉じちゃうんだよね」
「もう、終わったので安心してください。それに患者に手を出すなんてことしません」
「結果はいつでますか?」
「3時間後くらいですかね。低くなってるといいですね」
「はい!ありがとうございます」
「それでは」
「...」
「先輩と話さなくていいの?」
先輩と話すから遅れるって言ってたのに。
「いい。後で話す」
「そう?僕待ってるから話してきていいよ?」
「大丈夫だよ」
そう言って僕の頭を撫でる。
これじゃあ、僕の方が弟みたいだ。
「霜、僕さやっぱり...」
「聞いてあげない。番のことでしょ?絶対に聞いてあげない」
「でも、大事な話だからちゃんと聞いて欲しい」
「そんな顔しても聞いてあげない」
「いじわる」
話さないといけないのに。
話せば、霜を自由に出来るのに。
「ごめん。でも、聞いたらダメな気がする。俺の我儘」
「霜の我儘久しぶりに聞いた。もっと言っていいんだよ」
「後々困るのは雪だよ」
「今ならなんでも聞いてあげるよ」
離れるまでなんでも聞いてあげたい。
僕に出来ることなんかそれくらいだから。
「じゃあ、ずっと一緒にいてよ」
「...そういうのは無し。どこ一緒に行くとか、欲しいもの買ってあげるとか...」
「なんでもって言った」
「...」
僕もずっと側にいたかった。
でも、一緒にはいれないんだよ。
「ごめん...困らせた。俺たち、ただの兄弟ってだけだしね」
「霜、ごめんね。僕、やっぱり退院したら番を探そうと思う」
「俺は認めない。俺のこと捨ててまで番が欲しいの」
「うん」
「本当に?」
「うん」
気づいたら手が痛くて、力いっぱい握ったせいで爪が食い込んでいた。
霜は僕の手を取り、手についた爪の跡を見ている。
「もう、いいよ」
「...?何がもういいの?」
「兄さんはそれでいいんだね。苦しくならない?」
「...うん。大丈夫だよ」
その時、初めて霜の顔をしっかり見た。
泣きそうな顔。
なんだか懐かしい。
小さい頃に見た気がするそんな表情。
あぁ、あれだ。
霜が風邪ひいて、僕だけ保育園に行くことになった時だ。
泣かないように目を細めて、首を傾げる。
辛い時に見せる表情。
「なんで、そんな顔するの」
「分からない」
頭を撫でてあげようとしたけど、点滴が引っかかって届かなかった。
行き場の失った手を霜の顔に寄せ、頭の代わりに頬を撫でる。
「おいで」
そう言ってベットの縁を叩く。
いつもは子供扱いしないでとか、何か言うのに今日は何も言わなかった。
「霜、僕の幸せは霜が幸せになることだよ」
僕より少し高い位置にある頭を撫で、背中に手を回す。
「俺の幸せは雪とずっと...」
「今はそうでも、いつか後悔する時が来るかもしれない」
「後悔なんて」
「これから先の方が長いんだから」
「雪」
「うん」
久しぶりに抱きしめた霜はいつもより頼りなくて、なんだか小さいような気がした。
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