Ring a bell〜冷然専務の裏の顔は独占欲強めな極甘系〜

白山小梅

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7 五分後の熱情

2-2

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「あのね……その……吉村くんとは今も繋がりがあるの?」

 高臣は真顔になり、それから申し訳なさそうに杏奈を抱きしめる。

「もう繋がりはないよ」
「そっか……良かった」
「俺の存在以上に吉村を気にしているはずなのに、気付かなくてごめん。あいつとは高校までで、それ以降の繋がりはほとんどないから安心してほしい」

 ほとんどない--完全にないと言い切らないのは何故だろうか。杏奈の眉間の皺がさらに深くなる。

「ほとんどって?」
「……よく聞いてるね。まぁ秘密にしたところで杏奈の疑念は晴らせないだろうし、隠すほどのことではないからな」

 高臣はゆっくりと起き上がるとヘッドボードに寄りかかり、布団の中で動けない杏奈の頭を撫でる。

「俺も杏奈と同じく、大学は外部に出たから会っていなかったのは事実なんだ。元々吉村とも腐れ縁で一緒にいただけだし、杏奈の目にどう映っていたかはわからないが、互いに心を許せるほどの関係ではなかったよ。むしろ離れられて清々した部分もあるからね」

 それは杏奈も感じていた。一緒にいるのに、あの空間にいる人間は皆それぞれが壁を作っていた。馬鹿騒ぎをしているけど、心から楽しそうには見えない。それを一種の冷たさのように感じていた。

「三年ほど前だったかな。祖母からある相談を受けたんだ。突然家を訪ねてきた不動産会社の男に『土地を売ってくれ』と言われて困っているって。よくある詐欺の手口だよ。だから弁護士に相談するように言ったんだ」
「おばあさま……」
「祖父に相談するより、俺の方が話しやすいらしい。その問題は弁護士からの勧告もあって、祖母の件は解決した」

 しかし高臣の表情は何も解決していないように見えた。

「ただね、相手から提示されていた契約書がかなり良く出来たもので、法律に知識のある人物が関与しているような印象を受けたよ。そして同じような案件を調べていくうちに、ある人物に辿り着いた--」
「まさかそれが吉村くんだったの……?」
「正確には吉村の親の法律事務所で、あいつも今はそこで働いている」

 彼は弁護士になったのか--それは卒業してから初めて聞く情報だった。高臣は雑誌に取り上げられることもあるから目につきやすかったが、吉村もやはり親と同じ道を選んだのか。

 とはいえ、人の気持ちがわからないような奴に弁護士が務まるのか疑問だった。
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