あたし、料理をする為に転生した訳ではないのですが?

ウサクマ

文字の大きさ
20 / 122
首都に向かって

魔力不足を痛感しました

しおりを挟む
さて、とりあえず時間稼ぎは出来た物の……

あのスライムは魔法食べたり毒に弱かったりするんでしょうか?

「あいつはマジックスライムを部下にしてたが、もしかしたら魔法に弱いからマジックスライムを従えてたんじゃないか?」

「成程、自分の弱点を隠そうとしたのか……ありえるな」

マジックスライムってかなり頭が悪いと思いましたが……スライム同士で通じる何かがあったんですかね?

もしそうだとしたらマジックスライムは既に9割近く減らしたので何とかなりそうですね。

「……よし、キュアは後方で支援、コカは隙を見て魔法を打ちな、あたいとロウはアイツの足止め、デストは釣竿を貸してやるからサーグァ様と一緒に残ったマジックスライムを片付けな!」

さて、作戦も決まりましたしいよいよバトルが始まります。

うん、思えば戦闘らしい戦闘ってこれが初めてなんじゃないですかね?

「ようやく終わったか、待ちくたびれたぞ!」

しかしいくらお約束だからってよくここまで待ってくれましたね……

此方としては非常に有難いんですけど。

「では参りましょう……【ディフ】!【ブレス】!」

こちらの魔法は……ディフは一時的に自分、または味方の耐久力、ブレスは速度を上げる支援魔法です。

これで少しは安全になったとは思いますが状況次第で回復を連打しなくてはいけません。

怪我しないでくれればそれに越した事はないのですけども……あのアバズレが作ったモンスターですからね、油断は禁物でしょう。



「支援魔法とは小賢しい真似をする……【キャンセル】!」

……は?

あたしの支援魔法が消された?

「今だ……【フレイムボール】!」

「無駄無駄無駄ぁ!【キャンセル】!」

今度はコカちゃんの攻撃魔法まで消したのですか!?

「ちょっと!それ姉さんがコカさんに教えようとしてたエンドと同じ禁呪じゃないですか!」

マジですかサーグァ様?

「ええ、あれはあらゆる魔法の効果を倍の魔力を消費する事で消してしまうだけの魔法なのですが……余りにも消費する魔力が多過ぎる為に禁呪になったんです」

使い方次第で国ですら滅ぼせてしまいそうな魔法ではありますが使い勝手は最悪なのですね。

禁呪にされた理由はよく解りましたよ……神様でなければ簡単には使えないでしょうからね。

「ほう、そうであったのか?だが我はこれ以外の事は知らぬし、出来ん!」

つまりあのスライムはあの魔法以外の事が出来ないのですか。

それはそれでどうなんだ?と、思わなくもないですが……かなりお喋り者ですねこのスライム。

ですが先程サーグァ様が仰った「倍の魔力を消費して」という言葉はヒントになりましたよ……

ならばやるべき事は決まりです。

「コカちゃん、今から……ゴニョゴニョ」

「わ、解った!」




「もう一度行きますよ!【ディフ】!」

「させるか!【キャンセル】!」

「こっちも……【バーストレイン】!」

「お前もか!【キャンセル】!」

やはりおバカですねこのスライム。

条件反射で消してる雰囲気はありますが、此方としては好都合です。

「続けて行きます!【ブレス】!」

「しつこいぞ!【キャンセル】!」

「まだ、行けるよ……【フレイムウェイブ】!」

おや、初めて見る魔法……炎というよりマグマの波みたいに見えますけど。

「いい加減にせんか!【キャンセル】!」

それにしてもこのスライム、頭が悪そうなのに随分と魔力を蓄えている様ですね。

コカちゃんやサーグァ様から魔力は知力に影響される、と聞いていましたが……あたしはスライムより頭が悪いなんて事はありませんよね?




何てやり取りをしてたらあたしの魔力が枯渇……もう【ヒール】1発打てません。

「ぼ、ボクも……もう、駄目ぇ」

はい、コカちゃんも完全に魔力切れです。

あたしもコカちゃんも、立っている事すら出来ずにその場でへたれ込んでしまいましたよ。

「フ、フフフ……どうした……もう、終わりか?………ゼハー、ゼハー」

まあ最初はスイカみたいな大きさだったスライムも、同じく魔力切れのせいかピンポン玉サイズにまで縮んでしまった様ですね。

作戦は上手く行きましたが……あたし自身の魔力不足を思い知らされました。

考えてみれば日本では学校はほぼ居眠り、家は劣悪な環境で勉強なんて出来なくて……ほぼ空手の稽古とレシピの暗記に全力を注いでいましたからね。

うん、暫くは魔力を増やすべくコカちゃんと一緒に本を読みましょう。

もしくはサーグァ様に魔法の訓練をして貰いましょう。




「ま、ここまで来れば耐性も何も関係ないねぇ」

「だな……踏み潰せば倒せそうだ」

流石に逃げようとしている様ですが所詮はスライム、動きがとても遅いですね。

あっという間に挟み撃ちされてましたよ。

「待ってくれ!幾ら何でもこんな終わり方はあぁんまりだぁあ!」

スライムの癖に我儘ですね……大人しく倒されてくれませんかね本当に。

「ならどんな終わり方がいいんだい?」

一応聞いてあげる辺り優しいですねアプさん……

「それはその……こう、伝説の勇者が伝説の剣で止めを刺す的な終わり方がいいなぁと」

スライムの癖に贅沢ですね!

というかあたしとロウは別に勇者としてこの世界に来た訳じゃないですからね……

そもそもあたしは拳、ロウは弓矢、コカちゃんはロッド、アプさんは盾、サーグァ様は戦えないしデストさんが使っているのは斧でしたから、剣を使う人が居ません。

うん、とても世界を救う一団とは思えないパーティーですね。

機会があったら剣士の仲間を入れた方がいいでしょうか?




「ゼェ、ハァ、やっと、見つけました、わよ……スパウン!」

「く、クティ様!?」

ここでアバズレが……ってやけに疲れていますね?

あたしとコカちゃんはもう暫くは動けないのでここはロウとアプさんに頑張って貰うしか……

「ハァ、ハァ……と、とにかく、帰りますわよ、いいですわね?」

「嫌だぁ!我はもう勉強なぞしたくないんだ!」

「我儘言うんじゃありませんわ!現にスパウンは今、魔力が足りないせいで殺されかけているではありませんか!」

……つまりあのイケボスライムは勉強が嫌になって家出していたのですね。

子供ですか!?



何て考えていたらあっという間にアプさんとロウの間に入ってスライムを回収……早い!

スライムも抵抗はしてましたがやがてアバズレの胸元に収納された……あたし達に対する嫌味ですか!?

「ふぅ、お騒がせ致しましたわ……ってキュアさん、随分と良い格好ですわね?」

しまった……アバズレが獲物を見つけた肉食獣の様な目であたしを見ています!?

もしかしなくてもピンチですか?

「本当ならクトゥルヒの仇を打って差し上げたいのですが……アルラ様からの御命令で人間にはかすり傷すら付けられませんし」

あ、そうなんですね……ちょっとだけ安心しました。

「今回の所はこれで許して差し上げますわ」

はて……何かそよ風が吹いたかと思いきやアバズレの右手にはやたらと見覚えのある水玉模様の布が?

「……【風】!」

今度はあたしの足元から風が……って、やけにスースーしますね?

風はすぐに止んだのですが何があったのでしょうか?

ロウとコカちゃんにデストさんが顔を赤くしてますが……一体?

「あ、これはお返し致しますわ……ではごきげんよう」

そう言ってアバズレは帰ってしまいましたが……まあ、今戦った所で絶対勝てませんし仕方ありません。

それはそうと一体何をくれたので……

「え……う、うにゃあーっ!?」

これ……あたしのパンツじゃないですか!?

あの一瞬でスリ盗ったんですか!

しかも風であたしの服を捲り上げるとか、恥ずかし過ぎて死んでしまうじゃないですかーっ!?

おのれアバズレェ……次会ったら同じ目に合わせてやりますよ!



「……すまん、見るつもりはなかったんだが」

「だ、大丈夫だよ……キュアちゃん、ボクはちゃんと……責任取るから」

「待って姐さん!俺は何も見てない!だからその盾を下ろしtぐふぉっ!」

……うん、まあデストさんはアプさんがシメてくれましたし、コカちゃんは同性だし、ロウはもっと見てくれて構わないので、思ったよりダメージはありませんでした。

それと責任ならロウに取って貰うから大丈夫です!

「後でデストさんの一部の記憶を消しておきますね……」

ありがとうございますサーグァ様……

お礼に夕飯はちょっと豪華にします。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】 普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます) 【まじめなあらすじ】  主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、 「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」  転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。  魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。  友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、 「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」 「「「違う、そうじゃない!!」」」  これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。 ※他サイトにも投稿中 ※旧タイトル 病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました

小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。 しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!? 助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、 「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。 幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。 ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく! ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...