あたし、料理をする為に転生した訳ではないのですが?

ウサクマ

文字の大きさ
99 / 122
菜食主義者と炭酸水

鼻の刺激に泣かされました

しおりを挟む
まさかの炭酸飲料を作った翌日……

流石にアマミズが足りるか不安だったので残念ツァトゥ様を崇める神殿にアマミズの水か粉を貰いに来たのですが……因みにどっちでもカラメルに出来ますよ。

粉の方が時間が掛からないのであれば有難いなぁぐらいです。

尚、あたしはアマミズの絞り方を知らないのでデストさんにも来て貰いましたよ。

「司祭殿、リンゴの代わりにアマミズとレモンの汁を混ぜた物に一晩漬けたイチゴを包んでみましたが意外とイケますぞ!」

「此方は塩茹でしたジャガイモを潰して包んでみましたがこれも中々ですぞ!」

「それは素晴らしい!きっと女神様もお喜びになるでしょう、では今日……は流石に無理だから明日から売りましょう!」

一昨日教えたばかりなのにもう応用してるし……何というバイタリティー。

でもジャガイモのはちょっと食べてみたいですね。

「おやキュアさん……本日はどの様な要件で?」

「ちょっとアマミズが足りなくなったので仕入れに」

「そうでしたか、キュアさんならば何時でも無料で提供して良いと仰せつかっておりますので此方へどうぞ……デスト殿はちょっと採集を手伝って下さい」

あ、ならついでにあたしも絞り方を教えて貰いましょう。

割と使う機会がありますし、覚えて損はない筈です。




「アマミズはまず根を半分くらいまで抜いて、その場で水洗いするんだ……全部抜いたら次から生えなくなるから注意してくれ」

半分まで……って中々に難しいですね。

「そしたら空き瓶を用意して洗った部分をスパッと切る、固いから注意しろよ?そこから出るのが甘味料になる」

思ったよりも採れない上に時間も掛かるんですね……

最初に頂いた時に大変だったろうに、とか言ってたし予測はしていましたけど。

「採れたらアマミズを弦ごと、魔力を通した緑と一緒に埋めておく……こうすれば明日また採集が出来るからな」

日本だったら物凄く貴重になりそうですね……主に人件費で。

確かにこれは大変です、腰にきますし。

うん、今日からは感謝して使う事にします。

しかしこれは見れば見る程に甘草みたいですが、採れるのはほぼシロップ……

試しにこのまま舐めてみたら確かに青臭いですね。

「そういえばこの弦は食べられるんですか?」

「いや、弦にも甘味はあるが固いんだよなぁ……何て言うか、ゴムを噛んでる様な感じでよ」

……そりゃ固いですね。

「というか試した事あったんですね?」

「姐さんと出会う前にな……家も金も食い物もない時に飢えを凌ごうと思ったんだが」

固くて食べられなかった、と……

というか残念ツァトゥ様、転生させるんならその辺り最低限は用意しましょうよ。

「まあそんな生活を半年ぐらい送って……身体は鍛えられたが姐さんに出会うのがもう少し遅かったら言葉すら忘れてる可能性があったな、自分の名前すら忘れて思い出すのも時間が掛かったし」

改名したのは元の名前を忘れてしまっていたから、だったんですね……

しかもその理由が色々と酷い!

「それ、残念ツァトゥ様を怨んでも文句は言われないと思いますが?」

あたしだったら再会した時にぶん殴りますよ?

本神ほんにんは自分をクソザコとか言ってましたが仮にも女神だし当たるとは思えませんけど。

「ツァトゥ様には地縛霊になりかけていたお袋を成仏させて貰った恩もあるからな、怨みはしねぇさ」

「……残念ツァトゥ様の眷属になるのを受け入れたのもそれが理由なんですか?」

「聞いてたのか?まあ、借りって奴はちゃんと返さないとロクな人間になれないってのがお袋の口癖で、姐さんの教えだからな……それに所々抜けてるせいか放っておけないし」

母親の霊を成仏させてくれた恩と自分を生き返らせてくれた恩……転生時の処遇を考えても後1つ残っていますか。

というか残念ツァトゥ様の残念っぷりはご存知だったんですね?

「その辺、嬢ちゃんは大変そうだよな……ロウから聞いたが女神4人から色々されてるらしいじゃねぇか」

「あー……あたしも他人事じゃなかったですね」

といっても眷属になってくれと言ってきたのはトゥール様だけですけど。

そういえばハイドラ様はロウをスカウトしているとか言ってましたが……ロウはどうするつもりなんですかね?




アマミズを集めてカラメルにして、コーラにして屋台で売り出したら思ったよりも早く売り切れてしまいましたね……

まあ1杯2ハウトで売ったから安さに釣られたのかもですけど。

大体3割の方は喉が痛ぇ!とか言っておりましたが中々に好評でしたね。

特に子供に人気がある様で、口の中でパチパチするのが面白いそうです。

「予想より早く売れちまったな……夕飯はちょいと変わった物でも作るか」

「それはいいのですが何を作るつもりですか?」

「ま、嬢ちゃんなら気に入るだろう物だな」

言われるがまま農地の側を流れる川まで来たのですが……何やら川底の泥を漁っていますね?

「ほれ、こいつを見てみな」

「これは……シジミ!?」

ムーでも結局見付からなかった貝がこんな所で採れるとは……

あ、見付かりはしたんですがそれはモンスターだったんでしたね。

アプさんが釣り上げた……確かキラースカロップとか呼ばれていた奴でしたがライコが一瞬で倒してくれました。

「こいつの泥を吐かせて味噌汁の具に、どうだ?」

「最高ではありませんか」

成程……この世界の水質は綺麗だから川魚やシジミは沢山居るのですね。

貝が採れるのは海だけとは限らない……いい勉強が出来ました。

「ん?上流で釣りをしてる奴が居ると思ったら……ナクアじゃねぇか」

あ、本当ですね……

ムーで釣りをして以来すっかりハマってしまった様で。

「お、割といいサイズの鮭を釣りやがったな……あの腹の膨らみ具合からして卵持ちか?」

「鮭の卵……よし、味噌漬けにしましょう!」

「イクラの味噌漬けだと……最高じゃねーか」

「あ、キュアお姉ちゃんにデストお兄ちゃん!こんなおっきいの釣れたよー!」

うん、活きが良い鮭ですね。

ってよく見たら鮭をもう2匹も釣ってるし!

「ねぇねぇ、このお魚さんはお刺身に出来る?」

「川魚の刺身は危険だと聞いた事があるんですが……」

「いや、出来なくはないぞ……ちょいと時間は掛かるが」

マジですかデストさん……?

「んじゃこれを持って帰るか……嬢ちゃんはちょいと氷を買ってきてくれ、氷柱割りに使う様な奴を2枚ぐらい」

あたしが氷柱割りを知ってる前提ですか?

そりゃ知ってますしやった事もありますけど。

「おっと、刺身ならこいつも採っておくか」

ん?

何やら白いニンジンの様な物を抜いていますが……何ですかあれ?



アスラさんから氷を買って帰宅……ガリガ○君もどきのお礼だとかで半額にしてくれたのは有り難かったです。

「鮭を3枚におろして、皮を剥いで、骨を抜いたら背と腹に切り分けて……背側は氷で挟む」

氷で……そんな事したら冷凍焼けしませんかね?

「心配すんな、それよりこの鮭にジャンプを頼む……経過は大体3日ぐらいで」

ふむ……まあデストさんだし間違いはないでしょう。

「そして油の多い腹側は……酒で洗ってから塩漬けして、ハーブを刷り込んで、密閉できる金属の箱の中にに吊るして、リンゴの木のチップで燻すんだ」

あ、それなら解ります……いわゆるスモークサーモンですね。

確か煙で燻す事で寄生虫が死滅するから安全に食べられるとか……

それを油の乗った腹側だけで作るとは贅沢ですね。

「嬢ちゃんは塩漬けも頼むぜ……ジャンプは大体1晩ぐらいでな」

「解りました」

おっと、終わったらシジミの泥抜きもしないと……それにイクラを味噌漬けにしなくては。

後はトウカに干物とピーニャにクックー肉、リコッタにグリン……今日は時間に余裕があって良かった。



そんなこんなで夕飯……鮭のお刺身2種、シジミの味噌汁、イクラの味噌漬け、ジェネさんの希望で唐揚げも作りましたよ。

それと鮭の皮をパリパリになる様に焼いて醤油で味付けした物も。

鮭の皮は大変美味しいですからね……捨てるなんて勿体ない事はしません。

「この氷に挟んだ鮭がシャリシャリ、トロリと……面白い食感ですね」

「そいつはルイベって言ってな、確か北海道で冬に食べられてる料理だ」

ルイベ……確かアイヌ語でしたっけ?

これは美味しいので作り方を覚えておきましょう。

「このスモークサーモンっていうのも美味しーよ!」

出来立ては初めてで、香りが強いのが気になりますけど本当に美味しいですね……

次に作る時はタマネギの薄切りと一緒にサラダにしましょう。

「イクラの味噌漬け……本当に美味しいね」

「確かに、こいつは酒が進むねぇ」

あたしの好物ですからね、不味い訳がありません。

醤油漬けも美味しいですが、あれは下手すると塩辛くなり過ぎますからね……

それに少しでも加減を間違えたら醤油の味しかしなくなりますし、生のお酒も使うからナクアちゃんが食べれなくなってしまいます。

「シジミが美味ぇ……」

「鮭の皮も美味いぜ」

「ってデストさん、そのルイベに乗せてる……大根おろしみたいな物は何ですか?」

「こいつはホースラディッシュだ、名前を聞いた事ぐらいはないか?」

あー、確か西洋わさびとか言われてるハーブでしたっけ?

主にローストビーフの薬味として使われているとか……川辺でデストさんが採ってたのはそれだったんですね。

「ワサビの様な香りはないがこいつも薬味として優秀な奴だぜ?」

「へぇ、確かにこいつを乗せると妙な臭いが抜けて美味くなったじゃないか」

やはりアプさんは薬味があれば食べられましたね。

ふむ……あの香りがないならちょっと試してみますか。

ルイベに少しだけ乗せて1口……鼻が!鼻がぁ!?

「あー、嬢ちゃんとお嬢にナクアはこの刺激が苦手だったか」

よく見たらコカちゃんとナクアちゃんも鼻を押さえて悶えてました……

釣られて食べたのか翡翠さんとピーニャにトウカまで悶えてるし。

平気なのはデストさんとジェネさん、アプさんだけですね。

「因みにホースラディッシュは川辺に雑草の如く生えてるからな、少し探せば幾らでも採れるぞ」

次から海辺の村に行く前に集めておきましょう。

お刺身の美味しさを広める際に役に立つでしょうし。




「ホースラディッシュがあると解ると……アレが食いたくなってきたな」

「なら明日の昼にでもどうだ?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】 普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます) 【まじめなあらすじ】  主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、 「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」  転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。  魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。  友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、 「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」 「「「違う、そうじゃない!!」」」  これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。 ※他サイトにも投稿中 ※旧タイトル 病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

処理中です...