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サブストーリー(クロード視点):凍てついた心に射した光
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俺の世界は、ずっと、灰色だった。
あの大戦で、『魂喰らい』の呪いを受けてから、色彩も、感情も、味さえも、全てが、色褪せて、消えてしまった。
夜ごと、身を、内側から、引き裂かれるような、激痛。
日に日に、心が、魂が、蝕まれていく、感覚。
英雄、などと、呼ばれては、いるが、その内実は、死を待つだけの、抜け殻に、すぎなかった。
そんな、灰色の、モノクロの世界に、あいつは、突然、現れた。
冷たい、雨の降る、汚れた、裏路地。
泥水に、まみれて、倒れていた、ちっぽけな、女。
最初は、ただ、邪魔だ、としか、思わなかった。
しかし、その女に、近づいた瞬間、俺は、感じたのだ。
ごく、微かな、しかし、間違いなく、温かい、清浄な、気配を。
それは、長年、俺を、苦しめてきた、呪いの、冷たい、邪気とは、正反対の、陽だまりのような、心地よい温もりだった。
気まぐれ。
そう、ただの、気まぐれだった。
この女を、傍に置けば、この、地獄のような苦しみが、少しは、和らぐかもしれない。
そんな、淡い、打算的な、期待。
『お飾りの婚約者になれ』
そう、告げた時の、あいつの顔を、今でも、鮮明に、覚えている。
驚き、戸惑い、そして、ほんの少しの、反抗心。
だが、その、潤んだ瞳の奥には、決して、折れることのない、強い、強い、光が宿っていた。
リンドバーグ家から、追放された、『無能才女』。
その、不名誉な肩書きとは、まるで、不釣り合いな、魂の輝き。
その時から、俺は、この、エリアーナという女に、興味を、惹かれていたのかもしれない。
そして、あの夜。
呪いの発作に、苦しむ、俺の前に、あいつは、現れた。
『来るな』と、拒絶する、俺の言葉も、聞かずに。
その、小さな手で、俺の胸に、触れた、瞬間。
体の中から、溢れ出した、黄金の光。
長年、俺の魂を、蝕み続けていた、呪いの楔が、すうっと、音もなく、溶けていく、あの、奇跡のような感覚。
痛みと共に、俺の、固く、凍てついていた心が、少しずつ、解かされていくのが、分かった。
それからの日々は、驚きの、連続だった。
書庫で、熱心に、本を読む、真剣な横顔。
護身術の訓練で、何度も、転びながらも、決して、諦めない、強い、眼差し。
そして、時折、俺に向ける、花が綻ぶような、屈託のない、笑顔。
その、一つ一つが、俺の、灰色の世界に、少しずつ、色を、取り戻させていく。
食事の、味が、分かるようになった。
庭に咲く、薔薇が、美しいと、思えるようになった。
あいつが、笑うと、俺の胸が、温かくなることを、知った。
これが、『恋』という、感情なのか。
忘れていた、いや、生まれて初めて、知った、甘く、そして、切ない、心の疼き。
リューンの街で、あいつが、俺に、真っ向から、逆らった時。
『パートナーです』と、真っ直ぐな、瞳で、俺を、見つめた、あの時。
俺は、完全に、負けを、認めた。
この女は、俺が、守るべき、か弱い、存在などではない。
俺と、共に、立ち、共に、戦う、唯一無二の、魂の、片割れなのだ、と。
エリアーナ。
俺の光。
俺の世界の、全て。
この命に代えても、必ず、お前を、守り抜く。
そして、全ての、戦いが、終わった時。
今度こそ、俺の、本当の言葉で、お前に、伝えよう。
俺の、全てを、お前に、捧げる、と。
あの大戦で、『魂喰らい』の呪いを受けてから、色彩も、感情も、味さえも、全てが、色褪せて、消えてしまった。
夜ごと、身を、内側から、引き裂かれるような、激痛。
日に日に、心が、魂が、蝕まれていく、感覚。
英雄、などと、呼ばれては、いるが、その内実は、死を待つだけの、抜け殻に、すぎなかった。
そんな、灰色の、モノクロの世界に、あいつは、突然、現れた。
冷たい、雨の降る、汚れた、裏路地。
泥水に、まみれて、倒れていた、ちっぽけな、女。
最初は、ただ、邪魔だ、としか、思わなかった。
しかし、その女に、近づいた瞬間、俺は、感じたのだ。
ごく、微かな、しかし、間違いなく、温かい、清浄な、気配を。
それは、長年、俺を、苦しめてきた、呪いの、冷たい、邪気とは、正反対の、陽だまりのような、心地よい温もりだった。
気まぐれ。
そう、ただの、気まぐれだった。
この女を、傍に置けば、この、地獄のような苦しみが、少しは、和らぐかもしれない。
そんな、淡い、打算的な、期待。
『お飾りの婚約者になれ』
そう、告げた時の、あいつの顔を、今でも、鮮明に、覚えている。
驚き、戸惑い、そして、ほんの少しの、反抗心。
だが、その、潤んだ瞳の奥には、決して、折れることのない、強い、強い、光が宿っていた。
リンドバーグ家から、追放された、『無能才女』。
その、不名誉な肩書きとは、まるで、不釣り合いな、魂の輝き。
その時から、俺は、この、エリアーナという女に、興味を、惹かれていたのかもしれない。
そして、あの夜。
呪いの発作に、苦しむ、俺の前に、あいつは、現れた。
『来るな』と、拒絶する、俺の言葉も、聞かずに。
その、小さな手で、俺の胸に、触れた、瞬間。
体の中から、溢れ出した、黄金の光。
長年、俺の魂を、蝕み続けていた、呪いの楔が、すうっと、音もなく、溶けていく、あの、奇跡のような感覚。
痛みと共に、俺の、固く、凍てついていた心が、少しずつ、解かされていくのが、分かった。
それからの日々は、驚きの、連続だった。
書庫で、熱心に、本を読む、真剣な横顔。
護身術の訓練で、何度も、転びながらも、決して、諦めない、強い、眼差し。
そして、時折、俺に向ける、花が綻ぶような、屈託のない、笑顔。
その、一つ一つが、俺の、灰色の世界に、少しずつ、色を、取り戻させていく。
食事の、味が、分かるようになった。
庭に咲く、薔薇が、美しいと、思えるようになった。
あいつが、笑うと、俺の胸が、温かくなることを、知った。
これが、『恋』という、感情なのか。
忘れていた、いや、生まれて初めて、知った、甘く、そして、切ない、心の疼き。
リューンの街で、あいつが、俺に、真っ向から、逆らった時。
『パートナーです』と、真っ直ぐな、瞳で、俺を、見つめた、あの時。
俺は、完全に、負けを、認めた。
この女は、俺が、守るべき、か弱い、存在などではない。
俺と、共に、立ち、共に、戦う、唯一無二の、魂の、片割れなのだ、と。
エリアーナ。
俺の光。
俺の世界の、全て。
この命に代えても、必ず、お前を、守り抜く。
そして、全ての、戦いが、終わった時。
今度こそ、俺の、本当の言葉で、お前に、伝えよう。
俺の、全てを、お前に、捧げる、と。
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