「魔力がない」と婚約破棄されましたが、私を拾ったのは剣聖と呼ばれる傭兵王でした〜金で地位を買った元婚約者様、私の夫に勝てると思いましたか?〜

放浪人

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第十三話:隣人トラブルは火力で解決〜商売敵の悪徳領主様、その私兵団で私の『新兵器』に勝てると思いましたか?〜

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 東の地平線から昇る朝日が、荒野に伸びる一本道を照らし出していました。  かつては閑散としていたその道も、今では多くの商人や移住者の馬車が行き交う動脈となっています。  ですが、今日の客人は、商売をしに来たわけではないようです。

 街の入り口に築かれた防壁の上から、私は眼下の光景を冷ややかに見下ろしていました。

「……来ましたね。予想通り、正面からです」

 砂煙を上げて迫ってくるのは、三百人ほどの武装集団。  掲げられている旗印は、隣接する領地の主、バルバロッサ子爵家の「怒れる猪」の紋章。  正規の騎士団ではありません。金で雇われたゴロツキや、無理やり徴兵された農民たちで構成された私兵団です。  彼らの目的は明白。  この街を破壊し、富を略奪し、私たちの成功を灰にすること。

「へっ、三百か。数だけは揃えてきやがったな」

 隣に立つヴォルフガングが、面白くもなさそうに鼻を鳴らしました。  彼はすでに臨戦態勢です。黒い鎧を隙なく装着し、愛剣『黒牙』を背負っています。  その顔には、緊張の色は微塵もありません。あるのは、害虫駆除に向かう作業員のような、淡々とした義務感だけです。

「相手は烏合の衆です。装備もバラバラ、統率も取れていない。……ですが、数が多いのは事実です。まともにぶつかれば、こちらも無傷では済みません」

 私は冷静に分析します。  私たちの『鉄の牙』は精鋭ですが、数は五十名。新しく雇った自警団を含めても百名程度です。  乱戦になれば、せっかく築いた街に被害が出るかもしれません。  建設中の工房が壊されたり、住民が怪我をしたりするのは、絶対に避けなければなりません。

「ですから、今回は『近寄らせない』戦法をとります」

 私は防壁の上に並べられた、異様な形状の『装置』を撫でました。  それは、巨大な弓を台座に固定したような兵器。  職人たちが集まったことで、設計図から実用化にこぎつけた、私のとっておきの切り札です。

「準備はいいですか、砲兵隊長?」 「おうよ、軍師様! いつでもぶっ放せるぜ!」

 元・大工の棟梁で、今は砲兵隊を任されている男が、頼もしく親指を立てました。  彼らが操るのは『バリスタ(大型石弓)』。  攻城兵器としても使われるそれを、私は対人用に改良し、防壁の上に五台設置させました。  射程は五百メートル。威力は、人間一人なら鎧ごと串刺しにして、さらに後ろの馬まで貫通するほどです。

「それと、錬金術師ギルドの方々も」 「ヒヒッ、任せとくれ。特製の『薬』をたっぷりと仕込んでおいたからねぇ」

 薄汚いローブを纏った怪しげな老人たちが、ニヤニヤと笑いながら木箱を抱えています。  中に入っているのは、彼らが調合した『化学兵器』。  魔力などなくても、知識があれば爆発も毒霧も作れるのです。

「では、お客様をお出迎えしましょうか。……団長、あなたは『仕上げ』をお願いします」 「了解。美味しいとこ取りで悪ぃな」

 ヴォルフガングが防壁を降りていきます。  私は大きく息を吸い込み、迫り来る敵軍を見据えました。

 さあ、ビジネスの時間です。  喧嘩を売る相手を間違えた代償を、たっぷりと支払っていただきましょう。

          ◇

 バルバロッサ子爵の私兵団は、街の防壁から三百メートルほどの距離で停止しました。  先頭に馬を進めてきたのは、派手な羽飾りのついた帽子を被った、肥満体の中年男。バルバロッサ子爵本人です。  彼は安全な距離(だと思っている)場所から、拡声器代わりの魔道具を使って喚き散らし始めました。

「おーい! 聞こえるか、卑しい傭兵ども! この地の正当なる支配者、バルバロッサ子爵である!」

 その声は、脂ぎっていて不快な響きを持っていました。

「貴様らは、王国の法を無視し、不当な手段で商人を惑わせ、我が領地の利益を侵害した! これは反逆である! 直ちに門を開け、街を明け渡せ! そして、その生意気な女狐と傭兵頭を差し出せば、他の者たちの命だけは助けてやろう!」

 典型的な悪役の台詞です。  私は防壁の上から、彼を見下ろしました。  隣にいる傭兵たちが、殺気立って武器を握りしめています。

「どうします、軍師様? あの豚、一発お見舞いしてやりましょうか?」 「待ちくたびれましたよ。早くやりましょう」

 彼らはやる気満々です。  自分たちの新しい故郷を、自分たちの手で守る。その気概が満ちています。

「慌てないでください。まずは、最後通告です。……これも、後のための『大義名分』ですから」

 私は手元の魔道具(拡声器)のスイッチを入れました。  私の声が、戦場全体に響き渡ります。

「ようこそ、バルバロッサ子爵。お出迎えもできず、申し訳ありません」

 私の澄んだ声に、子爵がギョッとしてこちらを見上げました。

「わ、私は『鉄の牙』軍師、エリスと申します。……子爵、一つ訂正させていただきます。私たちは王命によりこの地を拝領したヴォルフガング辺境伯の家臣です。反逆者呼ばわりは、陛下への不敬に当たりましてよ?」

「黙れ黙れ! 元はと言えば、どこの馬の骨とも知れぬ傭兵ではないか! 貴族の真似事など片腹痛い! いいからさっさと降伏しろ!」

「降伏、ですか。……残念ながら、その言葉は私たちの辞書にはありません。それよりも、あなた方に忠告いたします。今すぐ兵を引けば、今回の無礼は不問に処します。ですが、これ以上一歩でも近づくならば……」

 私は一度言葉を切り、冷徹な声で告げました。

「『敵対行為』と見なし、相応の『火力』をもってお答えいたします」

「はっ! 笑わせるな! たかが木造の壁と、数十人の傭兵で何ができる! 数で押し潰してくれるわ! 者ども、かかれぇぇぇ! 一番乗りには金貨十枚をやるぞ!」

 子爵の号令と共に、私兵団が一斉に雄叫びを上げました。  金に目が眩んだゴロツキたちが、我先にと防壁に向かって殺到します。  何の隊列も、作戦もありません。ただの暴力の波です。

 私は小さく溜息をつき、右手を高く掲げました。

「……交渉決裂ですね。残念です」

 そして、その手を振り下ろしました。

「バリスタ隊、射撃開始!」

 ズドンッ!! ズドンッ!!

 重厚な発射音と共に、防壁の上に設置された五台のバリスタが火を噴きました。  放たれたのは、通常の矢ではなく、腕の太さほどもある巨大な槍のようなボルトです。  風を切り裂く轟音。  それは、突進してくる敵兵の密集地帯に、水平に突き刺さりました。

「ぎゃっ!?」 「な、なんだぁ!?」

 凄惨な光景でした。  先頭を走っていた兵士の胸板を貫いたボルトは、そのまま勢いを殺さずに背後の兵士をも貫き、さらにその後ろの兵士の盾を砕いて、ようやく地面に突き刺さりました。  一射で三人が串刺しになる威力。  物理法則を無視したかのような運動エネルギーの塊が、敵の集団をボウリングのピンのように弾き飛ばしていきます。

「ひ、ひぃぃッ! なんだあれは!?」 「槍が飛んできたぞ!?」

 敵兵の足が止まります。  恐怖。  圧倒的な『質量』の暴力に、彼らは縮み上がりました。  魔法なら防ぐ手立てもあるかもしれません。盾で受けるとか、魔法障壁を展開するとか。  ですが、純粋な物理攻撃、それも攻城兵器クラスの運動エネルギーを防ぐ術など、歩兵の装備には存在しないのです。

「次弾、装填!」

 砲兵たちがハンドルを回し、キリキリと弦を引き絞ります。  このバリスタには、私が考案した『滑車式装填機構』が組み込まれており、少人数でも短時間で次弾の発射が可能になっています。

「撃てッ!」

 二射目。  再び死の槍が敵陣を襲います。  今度は、指揮官クラスが乗っている馬を狙い撃ちました。  馬ごと吹き飛ばされる隊長たち。指揮系統が寸断され、敵軍は完全にパニックに陥りました。

「さあ、次は『目くらまし』です。投擲部隊、用意!」

 防壁の陰から、錬金術師たちが顔を出しました。  彼らの手には、素焼きの壺が握られています。  中に入っているのは、魔獣の油脂と硫黄、そして特殊な発煙剤を調合したものです。

「ほれほれ、若いの! 遠くまで投げとくれ!」

 錬金術師に渡された壺を、腕力自慢の傭兵たちが思い切り投げつけました。  ヒュンヒュンと空を舞った壺は、敵軍の足元で砕け散りました。

 ボンッ! ボシュッ!

 壺が割れると同時に、中から猛烈な勢いで白煙が噴き出しました。  ただの煙ではありません。唐辛子成分を含んだ、目と喉を強烈に刺激する催涙ガスです。

「ぐわぁぁぁッ! 目が、目があぁぁ!」 「げほっ、げほっ! 息ができねぇ!」 「毒ガスだ! 毒を使いやがった!」

 敵兵たちは目と喉を押さえてのたうち回ります。  視界を奪われ、呼吸もままならない状態で、彼らは完全に戦闘能力を喪失しました。  混乱の極み。  同士討ちを始める者、逃げようとして味方にぶつかる者。  そこはもう、戦場ではなく、阿鼻叫喚の地獄絵図でした。

 私は防壁の上で、冷ややかにその様子を見つめました。   「……少し、刺激が強すぎましたか? 配合の調整が必要ですね」 「軍師様、あんた本当に鬼だな……」

 隣にいた砲兵隊長が、顔を引きつらせて呟きました。  褒め言葉として受け取っておきましょう。

「さて、舞台は整いました。……団長、お願いします」

 私が合図を送ると、煙の向こう側から、一つの影が現れました。  混乱する敵軍の中へ、悠然と歩み入る黒い影。  ヴォルフガングです。

「よう。楽しそうじゃねぇか」

 煙の中で、彼の黄金の瞳だけがギラリと光りました。  手には大剣『黒牙』。  その威圧感だけで、周囲の空気が凍りついたように感じられます。

「お前ら、俺の庭に土足で踏み込んで、タダで帰れると思ってねぇよな?」

 彼はニヤリと笑いました。

「入場料、払ってもらうぜ? ……命でな!」

          ◇

 そこから先は、戦いというよりは『掃除』でした。  ヴォルフガングが大剣を一振りするたびに、数人の敵兵が宙を舞います。  煙で視界を奪われ、咳き込んでいる彼らに、抵抗する術はありません。  そもそも、万全の状態でも『剣聖』には勝てないでしょうに、この状況では赤子同然です。

「ひぃぃッ! 化け物だ!」 「助けてくれぇ!」

 敵兵たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出そうとしますが、煙が方向感覚を狂わせ、どこへ逃げればいいのかもわかりません。  そこへ、防壁の横から出撃した『鉄の牙』の歩兵隊が、側面から包囲を縮めていきます。

「逃がすな! 一人残らず捕まえろ!」 「武器を捨てて降伏しろ! 抵抗する奴は殺す!」

 訓練された傭兵たちの動きは無駄がなく、効率的でした。  次々と捕縛されていく敵兵たち。  その中には、さっきまで威勢よく吠えていたバルバロッサ子爵の姿もありました。

「は、離せ! 無礼者! 私は子爵だぞ!」

 彼は泥まみれになりながら、二人の傭兵に両脇を抱えられて連行されてきました。  帽子は落ち、高価な服は破れ、見る影もありません。

「放せと言っておるのだ! これは何かの間違いだ! くそっ、煙で前が見えなかっただけだ! 卑怯だぞ!」

 ヴォルフガングの前で、彼はドサリと地面に放り出されました。  見上げる先には、返り血一つ浴びていない、涼しい顔の『剣聖』が立っています。

「よう、豚野郎。……あ、失礼。子爵様だったか」

 ヴォルフガングは剣を肩に担ぎ、子爵を見下ろしました。

「卑怯? 何言ってんだ。ここは戦場だぜ? 勝った方が正義だ。……それに、三百人で囲んでおいて負けたのは、テメェが無能だからだろうが」 「ぐぬぬ……! 貴様ら、ただでは済まんぞ! 王家に訴えてやる! 貴族への狼藉、万死に値する!」

 まだ状況が理解できていないようです。  私は防壁を降り、ゆっくりと彼らの元へ歩み寄りました。  背後には、武装した傭兵たちがズラリと並んでいます。

「訴える? どうぞ、ご自由に」

 私は冷ややかに言い放ちました。

「ですが、その前に……こちらへの『賠償』についてお話し合いをさせていただきましょうか」

 私は懐から、計算書を取り出しました。  戦闘中に、頭の中で弾き出しておいた概算です。

「防壁の修繕費、使用したバリスタの矢と発煙剤の代金、兵士たちの危険手当、そして……精神的苦痛に対する慰謝料。締めて、金貨一千枚になります」

「い、一千枚だと!? ふざけるな! そんな金、払えるわけが……」 「払えないなら、あなたの領地をいただきます。鉱山がありましたよね? あの権利書を譲渡していただければ、借金と相殺して差し上げます」

 私はニッコリと微笑みました。  最初から、それが狙いでした。  バルバロッサ子爵の領地にある鉱山からは、良質な鉄鉱石と、稀に魔石が採掘されます。  職人の街として発展しつつある私たちにとって、原材料の確保は最優先課題。  彼が喧嘩を売ってきてくれたおかげで、正当な理由でそれを手に入れることができるのです。

「き、貴様……最初から、それを狙って……!」 「ビジネスです、子爵。損得勘定のできない経営者は、市場から退場するしかないのですよ」

 バルバロッサ子爵は、ガックリと項垂れました。  彼の野望も、財産も、すべてはこの荒野の砂塵と共に消え去ったのです。

          ◇

 戦後処理は、迅速に行われました。  バルバロッサ子爵は捕虜として拘束し、身代金と引き換えに解放しましたが、その際に鉱山の採掘権と、主要な交易路の通行権を譲渡させました。  また、彼の私兵団の多くは、金で雇われていた傭兵や、無理やり連れてこられた農民たちでした。  私は彼らに、「このまま帰って罰を受けるか、ここで働いてまともな給料をもらうか」という選択肢を提示しました。  結果、八割以上の兵士が、私たちの街に残ることを選びました。  貴重な労働力と、警備兵力の確保です。

 街は、勝利の祝杯に酔いしれていました。  広場では屋台が振る舞われ、音楽が鳴り響き、人々が踊っています。  自分たちの街が、外敵を撃退し、守り抜かれたこと。その事実は、住民たちに強い結束と自信を与えていました。

 その喧騒から少し離れた、領主の館のテラス。  私とヴォルフガングは、並んで夜空を見上げていました。  満天の星空。  王都では見ることのできない、圧倒的な星の輝きが、荒野を照らしています。

「……終わったな」

 ヴォルフガングが、ワイングラスを揺らしながら呟きました。

「ああ、忙しい一日だった。でもま、悪くねぇ気分だ」 「ええ。これで当分は、近隣の領主たちも手出しをしてこないでしょう。私たちの『火力』と『容赦のなさ』を見せつけましたから」

 私はグラスを彼のグラスに軽く当てました。チン、と澄んだ音が響きます。

「ありがとう、ヴォルフ。あなたがいてくれて、本当によかったです」 「……よせよ。礼を言うのは俺の方だ」

 彼は照れくさそうに視線を逸らしました。

「お前がいなけりゃ、俺はいまだにその日暮らしの傭兵だった。こんな……自分の街を持って、守るべきもんができて、みんなと笑い合えるなんて、夢にも思わなかった」

 彼は手すりに寄りかかり、広場の方を見つめました。  そこには、彼の部下たちと、街の住民たちが一緒になって踊っている姿がありました。  かつては「野良犬」と呼ばれ、忌み嫌われていた彼らが、ここでは英雄として、家族として受け入れられている。

「ここは、いい街だ。……俺たちの、家だ」

 その言葉に、私の胸が熱くなりました。  家。  魔力がなくて実家を追い出され、居場所を失った私にとっても、ここは初めて心から安らげる場所になっていました。

「そうですね。……もっと、良い街にしましょう。世界一の街に」 「おう。お前となら、やれそうな気がするぜ」

 ヴォルフガングが私の肩を抱き寄せました。  彼の体温が、夜風の冷たさを忘れさせてくれます。  私たちはしばらく、言葉もなく星空を眺めていました。  契約という形から始まった関係でしたが、今、私たちの間にあるのは、もっと確かな、温かい絆でした。  それはきっと、愛と呼んでも差し支えないものだと、私は思い始めていました。

 ……ですが。  平和な時間は、そう長くは続きません。  街が大きくなればなるほど、新たな火種も生まれます。  そして、私の過去――王都に残してきた因縁も、まだ完全に断ち切れたわけではないのです。

 翌朝。  王都から、一人の使者がやってきました。  その人物は、私たちが予想もしなかった知らせを持っていました。

「エリス様。……王家より、召喚命令です」

 使者が差し出した封筒には、王家の紋章と共に、『至急』の文字が刻印されていました。  それは、私の『出生の秘密』に関わる、重大な事件の幕開けでした。
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