2 / 32
第2話:極寒の辺境と氷の公爵
しおりを挟む
王都を追放されてから、三週間が過ぎようとしていた。
与えられたのは、最低限の路銀と、今にも壊れそうな粗末な馬車だけ。
リンドバーグ公爵家の紋章も、華やかなドレスも、すべて剥ぎ取られた。手元に残ったのは、母の形見である、小さなペンダントだけ。
「……寒い」
あてもなく馬車を北へ、北へと進めるうち、景色は次第に荒涼としたものに変わっていった。
緑豊かな王都周辺とはまるで違う、ごつごつとした岩肌と、針葉樹の森が延々と続く、寂しい土地。
ここは、ヴォルフガング公爵が治める辺境の地。
王都では、「氷の公爵」の異名を持つ、謎多き人物が領主だと噂されていた。
噂によれば、彼は人を一切寄せ付けない冷酷非情な男で、その身には強大すぎる魔力が宿っており、触れるものすべてを凍らせてしまうのだとか。
その力ゆえに、誰からも疎まれ、孤独な城で一人、静かに暮らしているのだと。
(……孤独、ね)
今の私には、少しだけ、親近感が湧く言葉だった。
そんなことを考えていた、その時だった。
ゴオオオオオッ!!
突如、地響きと共に、馬車が大きく揺れた。
バランスを崩し、御者台から転げ落ちそうになるのを、必死でこらえる。
「きゃっ!」
驚いて顔を上げると、目の前に、信じられない光景が広がっていた。
道の先、巨大な影がうごめいている。
猪のような体に、まるで岩石のような硬い皮膚を持つ魔物――***ロックボア***だ。
体長は馬車の倍以上はあるだろう。Aランクに分類される、凶悪な魔物。
「……嘘でしょ……っ!」
こんな場所で、Aランクの魔物に遭遇するなんて。
衛兵もいない、丸腰の私では、どうすることもできない。
ロックボアが、血のように赤い瞳を爛々と輝かせ、こちらに狙いを定めている。
獲物を見つけた、という歓喜が、その全身から溢れ出しているのが視える。
荒い鼻息が、ここまで届く。
(……ここまで、なの……?)
追放された挙句、魔物に喰われて死ぬ。
あまりにも、惨めで、滑稽な最期。
皮肉な運命に、思わず自嘲の笑みが浮かんだ。
ロックボアが、突進の体勢に入った。
地を蹴る、轟音。大地が震える。
もう駄目だ、と目を固く閉じた、その瞬間――。
――ヒュンッ!
鋭い風切り音と共に、何かが私の目の前を、音速で通り過ぎた。
次に聞こえたのは、氷河が砕けるような、荘厳で、甲高い音。
恐る恐る目を開けると、信じられない光景が広がっていた。
あれほど巨大で、凶暴だったロックボアが、その場に凍り付いている。
まるで、精巧に作られた、巨大な氷の彫像のように。
突進しようとした、その躍動感のある形のまま、完全に。
「……え?」
何が起こったのか、まったく理解できず、呆然と立ち尽くす。
すると、私の背後から、静かで、芯のある声がした。
「……無事か」
はっと振り返ると、そこに一人の男性が立っていた。
月明かりを反射するような、艶やかな黒髪。
そして、氷のように冷たく、けれど吸い込まれそうなほど美しい、澄んだ青い瞳。
神が精魂込めて作り上げたかのような、彫刻のように整った顔立ちは、人間が持つべき感情というものを、一切感じさせない。
ただ、その身から放たれる魔力のオーラは、尋常ではなかった。
私の【魔力鑑定EX】の瞳には、それがはっきりと視える。
まるで、極地の吹雪をそのまま凝縮したかのような、どこまでも冷たく、どこまでも深く、そして、途方もなく***強大な青色の魔力***。
今まで見てきたどんな魔術師よりも、エドワード様よりも、比べ物にならないほどの、絶対的な力。
この人はいったい、何者――?
「……怪我はないかと、聞いている」
再び、感情の乗らない、けれど不思議と耳に残る声が、私に投げかけられる。
私ははっとして、慌てて首を横に振った。
「は、はい……! あ、ありがとうございます! お助けいただきまして……」
「そうか」
彼は短くそう答えると、私を一瞥し、すぐに興味を失ったように、凍り付いたロックボアへと視線を移した。
「この辺りは魔物が多い。女一人の旅は無謀だ」
「……申し訳ありません。少々、事情がございまして」
「事情、か」
彼はふ、と小さく息を吐いた。
その息さえも、白く凍って見えるような気がした。
「その粗末な身なり……追放者か」
「……!」
図星だった。
みすぼらしい平民の服。貴族の娘が持つには不釣り合いな、硬くなった手。
聡い彼には、一目で見抜かれてしまったらしい。
隠すことでもないか、と私は小さく頷いた。
「はい。王都から参りました」
「……そうか」
また、それだけ。
彼はそれ以上、何も聞いてこなかった。
ただ、その氷の瞳が、じっと私を見つめている。
まるで、私の魂の奥底まで、その内側にあるものすべてを、見透かそうとするかのように。
その鋭い視線に耐えきれず、私が俯いた、その時だった。
「……っ!」
突然、彼が苦しげに顔を歪め、片膝をついた。
彼の体から溢れ出す青い魔力が、嵐のように渦を巻き、制御を離れて暴れ始める。
「ぐ……っ、く……!」
彼の周囲の地面が、パキパキと音を立てて凍り付いていく。
木々も、草も、すべてが瞬く間に白い霜に覆われていく。
(まさか……魔力の、暴走!?)
噂は、本当だったんだ。
この人は、自分でも制御できないほどの、強大な魔力をその身に宿している。
だから、「氷の公爵」と――。
彼の魔力は、あまりにも純粋で、強大すぎる。
まるで、器から溢れ出す水のように、彼の体を内側から蝕んでいるのが、私の瞳にはっきりと視えた。
放っておけば、彼自身の命が危ない。
気づけば、私は駆け出していた。
助けてもらった恩を返すとか、そんな綺麗な感情じゃない。
ただ、目の前で苦しむこの人を、放っておけなかった。
そして何より、この美しくも荒々しい、孤高の魔力に、私は強く、強く、惹かれていたのだ。
与えられたのは、最低限の路銀と、今にも壊れそうな粗末な馬車だけ。
リンドバーグ公爵家の紋章も、華やかなドレスも、すべて剥ぎ取られた。手元に残ったのは、母の形見である、小さなペンダントだけ。
「……寒い」
あてもなく馬車を北へ、北へと進めるうち、景色は次第に荒涼としたものに変わっていった。
緑豊かな王都周辺とはまるで違う、ごつごつとした岩肌と、針葉樹の森が延々と続く、寂しい土地。
ここは、ヴォルフガング公爵が治める辺境の地。
王都では、「氷の公爵」の異名を持つ、謎多き人物が領主だと噂されていた。
噂によれば、彼は人を一切寄せ付けない冷酷非情な男で、その身には強大すぎる魔力が宿っており、触れるものすべてを凍らせてしまうのだとか。
その力ゆえに、誰からも疎まれ、孤独な城で一人、静かに暮らしているのだと。
(……孤独、ね)
今の私には、少しだけ、親近感が湧く言葉だった。
そんなことを考えていた、その時だった。
ゴオオオオオッ!!
突如、地響きと共に、馬車が大きく揺れた。
バランスを崩し、御者台から転げ落ちそうになるのを、必死でこらえる。
「きゃっ!」
驚いて顔を上げると、目の前に、信じられない光景が広がっていた。
道の先、巨大な影がうごめいている。
猪のような体に、まるで岩石のような硬い皮膚を持つ魔物――***ロックボア***だ。
体長は馬車の倍以上はあるだろう。Aランクに分類される、凶悪な魔物。
「……嘘でしょ……っ!」
こんな場所で、Aランクの魔物に遭遇するなんて。
衛兵もいない、丸腰の私では、どうすることもできない。
ロックボアが、血のように赤い瞳を爛々と輝かせ、こちらに狙いを定めている。
獲物を見つけた、という歓喜が、その全身から溢れ出しているのが視える。
荒い鼻息が、ここまで届く。
(……ここまで、なの……?)
追放された挙句、魔物に喰われて死ぬ。
あまりにも、惨めで、滑稽な最期。
皮肉な運命に、思わず自嘲の笑みが浮かんだ。
ロックボアが、突進の体勢に入った。
地を蹴る、轟音。大地が震える。
もう駄目だ、と目を固く閉じた、その瞬間――。
――ヒュンッ!
鋭い風切り音と共に、何かが私の目の前を、音速で通り過ぎた。
次に聞こえたのは、氷河が砕けるような、荘厳で、甲高い音。
恐る恐る目を開けると、信じられない光景が広がっていた。
あれほど巨大で、凶暴だったロックボアが、その場に凍り付いている。
まるで、精巧に作られた、巨大な氷の彫像のように。
突進しようとした、その躍動感のある形のまま、完全に。
「……え?」
何が起こったのか、まったく理解できず、呆然と立ち尽くす。
すると、私の背後から、静かで、芯のある声がした。
「……無事か」
はっと振り返ると、そこに一人の男性が立っていた。
月明かりを反射するような、艶やかな黒髪。
そして、氷のように冷たく、けれど吸い込まれそうなほど美しい、澄んだ青い瞳。
神が精魂込めて作り上げたかのような、彫刻のように整った顔立ちは、人間が持つべき感情というものを、一切感じさせない。
ただ、その身から放たれる魔力のオーラは、尋常ではなかった。
私の【魔力鑑定EX】の瞳には、それがはっきりと視える。
まるで、極地の吹雪をそのまま凝縮したかのような、どこまでも冷たく、どこまでも深く、そして、途方もなく***強大な青色の魔力***。
今まで見てきたどんな魔術師よりも、エドワード様よりも、比べ物にならないほどの、絶対的な力。
この人はいったい、何者――?
「……怪我はないかと、聞いている」
再び、感情の乗らない、けれど不思議と耳に残る声が、私に投げかけられる。
私ははっとして、慌てて首を横に振った。
「は、はい……! あ、ありがとうございます! お助けいただきまして……」
「そうか」
彼は短くそう答えると、私を一瞥し、すぐに興味を失ったように、凍り付いたロックボアへと視線を移した。
「この辺りは魔物が多い。女一人の旅は無謀だ」
「……申し訳ありません。少々、事情がございまして」
「事情、か」
彼はふ、と小さく息を吐いた。
その息さえも、白く凍って見えるような気がした。
「その粗末な身なり……追放者か」
「……!」
図星だった。
みすぼらしい平民の服。貴族の娘が持つには不釣り合いな、硬くなった手。
聡い彼には、一目で見抜かれてしまったらしい。
隠すことでもないか、と私は小さく頷いた。
「はい。王都から参りました」
「……そうか」
また、それだけ。
彼はそれ以上、何も聞いてこなかった。
ただ、その氷の瞳が、じっと私を見つめている。
まるで、私の魂の奥底まで、その内側にあるものすべてを、見透かそうとするかのように。
その鋭い視線に耐えきれず、私が俯いた、その時だった。
「……っ!」
突然、彼が苦しげに顔を歪め、片膝をついた。
彼の体から溢れ出す青い魔力が、嵐のように渦を巻き、制御を離れて暴れ始める。
「ぐ……っ、く……!」
彼の周囲の地面が、パキパキと音を立てて凍り付いていく。
木々も、草も、すべてが瞬く間に白い霜に覆われていく。
(まさか……魔力の、暴走!?)
噂は、本当だったんだ。
この人は、自分でも制御できないほどの、強大な魔力をその身に宿している。
だから、「氷の公爵」と――。
彼の魔力は、あまりにも純粋で、強大すぎる。
まるで、器から溢れ出す水のように、彼の体を内側から蝕んでいるのが、私の瞳にはっきりと視えた。
放っておけば、彼自身の命が危ない。
気づけば、私は駆け出していた。
助けてもらった恩を返すとか、そんな綺麗な感情じゃない。
ただ、目の前で苦しむこの人を、放っておけなかった。
そして何より、この美しくも荒々しい、孤高の魔力に、私は強く、強く、惹かれていたのだ。
95
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
婚約破棄された悪役令嬢ですが、英雄にも聖女にもなりません
鷹 綾
恋愛
王太子からの婚約破棄。
悪役令嬢として断罪され、処刑エンド確定――
その瞬間、エレナは前世の記憶を思い出した。
ここは乙女ゲームの世界。
そして自分は、必ず破滅する“悪役令嬢”。
だが彼女は、復讐も、英雄になることも選ばなかった。
正義を掲げれば、いずれ誰かに利用され、切り捨てられると知っていたから。
エレナが選んだのは、
「正しさ」を振りかざさず、
「責任」を一人で背負わず、
明日も続く日常を作ること。
聖女にも、英雄にもならない。
それでも確かに、世界は静かに変わっていく。
派手なざまぁはない。
けれど、最後に残るのは――
誰も処刑されず、誰か一人が犠牲にならない結末。
これは、
名前の残らない勝利を選んだ悪役令嬢の物語。
「可愛げがない」と婚約破棄された公爵令嬢ですが、領地経営をしていたのは私です
希羽
恋愛
「お前のような可愛げのない女との婚約は破棄する!」
卒業パーティの会場で、婚約者である第二王子デリックはそう宣言し、私の義妹ミナを抱き寄せました。 誰もが私が泣き崩れると思いましたが――正直、せいせいしました。 だって、王子の領地経営、借金返済、結界維持、それら全ての激務を一人でこなしていたのは「可愛げのない」私だったのですから。
「承知しました。では、あとはミナと二人で頑張ってください」
私は手切れ金代わりに面倒な仕事を全て置いて国を出ました。 すると、国境で待っていたのは、隣国ガルガディア帝国の冷徹皇太子ことクライド様。なぜか彼は私を溺愛し、帝国で最高の地位と環境を与えてくれて……。
婚約破棄された公爵令嬢ですが、王太子を破滅させたあと静かに幸せになります
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エレナは、
誕生日の舞踏会で突然、婚約破棄を宣言される。
「地味で役に立たない」と嘲笑され、
平民の少女を新たな婚約者に選ぶ王太子。
家族にも見放され、エレナは王都を追われることに――。
しかし彼女は、ただの“癒しの令嬢”ではなかった。
静かに力を蓄え、事実と証拠だけで王太子の虚飾を暴き、
自らの手で破滅へと導いていく。
復讐の果てに選んだのは、
誰かに与えられる地位でも、名誉でもない。
自分で選び取る、穏やかな幸せ。
これは、
婚約破棄された公爵令嬢が
王太子を終わらせたあと、
本当の人生を歩き出す物語。
-
「異常」と言われて追放された最強聖女、隣国で超チートな癒しの力で溺愛される〜前世は過労死した介護士、今度は幸せになります〜
赤紫
恋愛
私、リリアナは前世で介護士として過労死した後、異世界で最強の癒しの力を持つ聖女に転生しました。でも完璧すぎる治療魔法を「異常」と恐れられ、婚約者の王太子から「君の力は危険だ」と婚約破棄されて魔獣の森に追放されてしまいます。
絶望の中で瀕死の隣国王子を救ったところ、「君は最高だ!」と初めて私の力を称賛してくれました。新天地では「真の聖女」と呼ばれ、前世の介護経験も活かして疫病を根絶!魔獣との共存も実現して、国民の皆さんから「ありがとう!」の声をたくさんいただきました。
そんな時、私を捨てた元の国で災いが起こり、「戻ってきて」と懇願されたけれど——「私を捨てた国には用はありません」。
今度こそ私は、私を理解してくれる人たちと本当の幸せを掴みます!
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
追放令嬢の発酵工房 ~味覚を失った氷の辺境伯様が、私の『味噌スープ』で魔力回復(と溺愛)を始めました~
メルファン
恋愛
「貴様のような『腐敗令嬢』は王都に不要だ!」
公爵令嬢アリアは、前世の記憶を活かした「発酵・醸造」だけが生きがいの、少し変わった令嬢でした。 しかし、その趣味を「酸っぱい匂いだ」と婚約者の王太子殿下に忌避され、卒業パーティーの場で、派手な「聖女」を隣に置いた彼から婚約破棄と「北の辺境」への追放を言い渡されてしまいます。
「(北の辺境……! なんて素晴らしい響きでしょう!)」
王都の軟水と生ぬるい気候に満足できなかったアリアにとって、厳しい寒さとミネラル豊富な硬水が手に入る辺境は、むしろ最高の『仕込み』ができる夢の土地。 愛する『麹菌』だけをドレスに忍ばせ、彼女は喜んで追放を受け入れます。
辺境の廃墟でさっそく「発酵生活」を始めたアリア。 三週間かけて仕込んだ『味噌もどき』で「命のスープ」を味わっていると、氷のように美しい、しかし「生」の活力を一切感じさせない謎の男性と出会います。
「それを……私に、飲ませろ」
彼こそが、領地を守る呪いの代償で「味覚」を失い、生きる気力も魔力も枯渇しかけていた「氷の辺境伯」カシウスでした。
アリアのスープを一口飲んだ瞬間、カシウスの舌に、失われたはずの「味」が蘇ります。 「味が、する……!」 それは、彼の枯渇した魔力を湧き上がらせる、唯一の「命の味」でした。
「頼む、君の作ったあの『茶色いスープ』がないと、私は戦えない。君ごと私の城に来てくれ」
「腐敗」と捨てられた令嬢の地味な才能が、最強の辺境伯の「生きる意味」となる。 一方、アリアという「本物の活力源」を失った王都では、謎の「気力減退病」が蔓延し始めており……?
追放令嬢が、発酵と菌への愛だけで、氷の辺境伯様の胃袋と魔力(と心)を掴み取り、溺愛されるまでを描く、大逆転・発酵グルメロマンス!
婚約破棄したくせに、聖女の能力だけは貸して欲しいとか……馬鹿ですか?
マルローネ
恋愛
ハーグリーブス伯爵家には代々、不思議な能力があった。
聖女の祈りで業務の作業効率を上げられるというものだ。
範囲は広いとは言えないが、確実に役に立つ能力であった。
しかし、長女のエメリ・ハーグリーブスは婚約者のルドルフ・コーブル公爵令息に婚約破棄をされてしまう。そして、進めていた事業の作業効率は計画通りには行かなくなり……。
「婚約破棄にはなったが、お前の聖女としての能力は引き続き、我が領地経営に活かしたいのだ。協力してくれ」
「ごめんなさい……意味が分かりません」
エメリは全力で断るのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる