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第4話:氷の城と無愛想な主人
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彼に連れられてたどり着いたのは、まるで夜の闇そのものを切り出して造られたかのような、荘厳な黒い城だった。
山の頂に、天を突くようにそびえ立つその城は、周囲の険しい自然と一体化し、絶対的な孤高を主張している。
城全体が、主である彼と同じ、冷たく静謐な空気をまとっていた。
ここが、ヴォルフガング公爵の居城――通称「氷の城(アイスガルド)」。
「……こちらだ」
無言で前を歩く彼の後についていく。
巨大な城門をくぐると、外見の威圧的な印象とは裏腹に、城の中は驚くほど静かで、そして整然としていた。
磨き上げられた黒曜石の床には塵一つなく、壁には質実剛健ながらも、歴史の重みを感じさせる品の良いタペストリーがかけられている。
ただ、人の気配が、ほとんどしない。
時折すれ違う使用人たちは、皆一様に無表情で、私たちを見ると深く、深く頭を下げ、まるで何かから逃げるように足早に去っていく。
主人である彼を、心から恐れているのが分かった。
(……本当に、人を寄せ付けないのね)
彼の孤独が、この城の石の一つ一つにまで染み込んでいるような、そんな錯覚に陥る。
通されたのは、城の最上階にある、広大な執務室だった。
天井まで届く本棚には、古今東西の書物がぎっしりと並んでいる。暖炉には赤々と火がくべられているはずなのに、部屋の空気はなぜか、ひんやりと肌寒い。
彼の強大すぎる魔力が、無意識のうちに周囲の熱を奪っているのだろう。
「座れ」
彼に革張りの重厚なソファを勧められ、私はおずおずと腰を下ろした。
彼は私の正面にどかりと座ると、テーブルに肘をつき、その射抜くような青い瞳で、じっと私を見つめてくる。
まるで、品定めをされているようで、居心地が悪い。
「……自己紹介がまだだったな」
重い沈黙を破ったのは、彼の方だった。
「私はカイ・フォン・ヴォルフガング。この地を治める公爵だ」
「存じ上げておりますわ、ヴォルフガング公爵様。私は――」
「アリア・フォン・リンドバーグ。リンドバーグ公爵家の令嬢で、王太子エドワードの元婚約者。そして三週間前、『偽りの聖女』の汚名を着せられ、王都を追放された。……違うか?」
私の言葉を遮り、彼はこともなげに言った。
やはり、私の素性もすべてお見通しのようだ。この辺境にいながら、王都の動向を正確に把握しているらしい。
「……その通りですわ」
「なぜ追放された。具体的に聞かせろ」
有無を言わさぬ口調。
私は、あの忌まわしい玉座の間での出来事を、淡々と、事実だけを話して聞かせた。
同情を引こうとは思わなかったし、今更誰かに信じてもらおうとも思っていなかったから。
私の話を聞き終えても、カイ様の表情は変わらない。
ただ、その瞳の奥の光が、さらに冷たさを増したように見えた。
「……くだらん」
ぽつり、と吐き捨てられた言葉。
「くだらん茶番だ。リンドバーグ公爵家の養女か。あの小娘の仕業だな」
「ご存知なのですか? リナのことを」
「噂くらいはな。急に現れた平民上がりの聖女とやらが、あの愚鈍な王太子を誑かしていると。……それにしても、リンドバーグ公爵も落ちたものだ。娘一人、見抜けんとは」
彼の口調には、王家や他の貴族に対する、隠しきれない侮蔑の響きがあった。
この人は、誰のことも信用していないのかもしれない。
「……お前の瞳には、本当に視えているのだな。あの小娘の力が、まがい物だと」
「……はい。彼女の魔力は、不自然に継ぎ接ぎされた、歪なものですわ」
私の答えに、カイ様はふん、と鼻を鳴らした。
「だろうな。お前ほどの、清浄な魔力を持つ者が、そんな小娘に遅れを取るはずがない」
「……私の、魔力?」
意外な言葉だった。
私には、【魔力鑑定EX】のスキルはあるけれど、自分自身の魔力量が多いと思ったことは一度もなかった。どちらかといえば、少ない方だと思っていた。
「自覚がないのか? お前の魔力は、澄んでいる。量こそ多くはないが、質が極めて高い。まるで、磨き上げられた***純粋な水晶(クリアクォーツ)***のようだ。不純物が、一切ない」
私の瞳に彼の魔力が視えるように、彼にも私の魔力が視えるのだろうか。
いや、違う。
この人は、その鋭敏すぎる感覚で、魔力の「質」や「本質」を、肌で感じ取っているのだ。
「私の力が本物かどうか、確かめると仰いましたわね」
私は本題を切り出した。
このまま世間話をしていても仕方がない。
「ああ。もう一度、俺の魔力を視てみろ」
カイ様がそう言うと、彼の体から再び、あの青い魔力がふわりと立ち上った。
暴走しているわけではない。彼が自らの意思で、魔力を解放しているのだ。
私の瞳には、彼の体を中心に広がる、美しいオーロラのような光景が視える。
「……やはり、綺麗ですわね。あなたの魔力は」
思わず、心の声が漏れた。
「綺麗、だと?」
カイ様は、初めて、心から意外そうな顔をした。
「誰もが、俺の力を不気味だと言った。恐ろしい、と。触れれば凍ると、呪われていると」
「恐ろしくなどありませんわ。ただ、あまりにも強大で、純粋で……そして、少しだけ……***寂しそう***です」
私の言葉に、カイ様の青い瞳が、わずかに、本当にわずかに、揺れた。
今日、初めて見る、彼の感情の揺らぎ。
「……お前の瞳には、何が視える。俺の、何が分かる」
「あなたの魔力が流れる『道』ですわ。それは、あなたの体の中を複雑に巡っています。けれど、その道はあまりにも細く、脆い。あなたの強大すぎる魔力を流すには、あまりにも頼りないのです。だから、些細なことで溢れ出し、暴走してしまう……」
私は立ち上がり、彼のそばへ歩み寄る。
そして、恐る恐る、彼の腕に指先で触れた。
ひんやりとしているけれど、凍るような冷たさではない。大丈夫だ。
「例えば、この腕。ここを流れる魔力は、本来ならもっと滑らかに指先へ抜けるはず。ですけれど、肘の内側で、道が少しだけ、ねじれていますわ。だから時々、腕が痺れたり、感覚が鈍くなったりしませんこと?」
「……なぜ、それを」
カイ様が、今度こそ、驚愕に目を見開く。
「俺の体は、俺が一番よく分かっているはずだ。だが、お前は……俺以上に、俺の体を、魂を、理解しているかのようだ」
「ですから、申し上げましたでしょう?」
私は小さく、けれどはっきりと微笑んだ。
「私には、視えるのですわ。あなたの、真実の姿が」
その瞬間、カイ様は私の手首を、ぐい、と力強く掴んだ。
突然のことに、心臓が大きく、高鳴る。
「……決めた」
力強い、声。
彼の青い瞳が、真っ直ぐに私を射抜いていた。
「アリア・フォン・リンドバーグ。お前は今日から、俺の専属魔力鑑定士だ」
「……え?」
「俺の魔力制御に、全面的に協力してもらう。その代わり、お前の身分と生活は、俺が保証しよう。衣食住も、安全も、お前のすべてを、俺が守る」
それは、あまりにも一方的で、けれど、抗いがたいほどに力強い提案だった。
追放され、すべてを失った私に差し伸べられた、唯一の救いの手。
たとえ、この無愛想で冷たい、孤独な公爵様の気まぐれだったとしても。
今の私に、断る理由など、どこにもなかった。
山の頂に、天を突くようにそびえ立つその城は、周囲の険しい自然と一体化し、絶対的な孤高を主張している。
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「……こちらだ」
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磨き上げられた黒曜石の床には塵一つなく、壁には質実剛健ながらも、歴史の重みを感じさせる品の良いタペストリーがかけられている。
ただ、人の気配が、ほとんどしない。
時折すれ違う使用人たちは、皆一様に無表情で、私たちを見ると深く、深く頭を下げ、まるで何かから逃げるように足早に去っていく。
主人である彼を、心から恐れているのが分かった。
(……本当に、人を寄せ付けないのね)
彼の孤独が、この城の石の一つ一つにまで染み込んでいるような、そんな錯覚に陥る。
通されたのは、城の最上階にある、広大な執務室だった。
天井まで届く本棚には、古今東西の書物がぎっしりと並んでいる。暖炉には赤々と火がくべられているはずなのに、部屋の空気はなぜか、ひんやりと肌寒い。
彼の強大すぎる魔力が、無意識のうちに周囲の熱を奪っているのだろう。
「座れ」
彼に革張りの重厚なソファを勧められ、私はおずおずと腰を下ろした。
彼は私の正面にどかりと座ると、テーブルに肘をつき、その射抜くような青い瞳で、じっと私を見つめてくる。
まるで、品定めをされているようで、居心地が悪い。
「……自己紹介がまだだったな」
重い沈黙を破ったのは、彼の方だった。
「私はカイ・フォン・ヴォルフガング。この地を治める公爵だ」
「存じ上げておりますわ、ヴォルフガング公爵様。私は――」
「アリア・フォン・リンドバーグ。リンドバーグ公爵家の令嬢で、王太子エドワードの元婚約者。そして三週間前、『偽りの聖女』の汚名を着せられ、王都を追放された。……違うか?」
私の言葉を遮り、彼はこともなげに言った。
やはり、私の素性もすべてお見通しのようだ。この辺境にいながら、王都の動向を正確に把握しているらしい。
「……その通りですわ」
「なぜ追放された。具体的に聞かせろ」
有無を言わさぬ口調。
私は、あの忌まわしい玉座の間での出来事を、淡々と、事実だけを話して聞かせた。
同情を引こうとは思わなかったし、今更誰かに信じてもらおうとも思っていなかったから。
私の話を聞き終えても、カイ様の表情は変わらない。
ただ、その瞳の奥の光が、さらに冷たさを増したように見えた。
「……くだらん」
ぽつり、と吐き捨てられた言葉。
「くだらん茶番だ。リンドバーグ公爵家の養女か。あの小娘の仕業だな」
「ご存知なのですか? リナのことを」
「噂くらいはな。急に現れた平民上がりの聖女とやらが、あの愚鈍な王太子を誑かしていると。……それにしても、リンドバーグ公爵も落ちたものだ。娘一人、見抜けんとは」
彼の口調には、王家や他の貴族に対する、隠しきれない侮蔑の響きがあった。
この人は、誰のことも信用していないのかもしれない。
「……お前の瞳には、本当に視えているのだな。あの小娘の力が、まがい物だと」
「……はい。彼女の魔力は、不自然に継ぎ接ぎされた、歪なものですわ」
私の答えに、カイ様はふん、と鼻を鳴らした。
「だろうな。お前ほどの、清浄な魔力を持つ者が、そんな小娘に遅れを取るはずがない」
「……私の、魔力?」
意外な言葉だった。
私には、【魔力鑑定EX】のスキルはあるけれど、自分自身の魔力量が多いと思ったことは一度もなかった。どちらかといえば、少ない方だと思っていた。
「自覚がないのか? お前の魔力は、澄んでいる。量こそ多くはないが、質が極めて高い。まるで、磨き上げられた***純粋な水晶(クリアクォーツ)***のようだ。不純物が、一切ない」
私の瞳に彼の魔力が視えるように、彼にも私の魔力が視えるのだろうか。
いや、違う。
この人は、その鋭敏すぎる感覚で、魔力の「質」や「本質」を、肌で感じ取っているのだ。
「私の力が本物かどうか、確かめると仰いましたわね」
私は本題を切り出した。
このまま世間話をしていても仕方がない。
「ああ。もう一度、俺の魔力を視てみろ」
カイ様がそう言うと、彼の体から再び、あの青い魔力がふわりと立ち上った。
暴走しているわけではない。彼が自らの意思で、魔力を解放しているのだ。
私の瞳には、彼の体を中心に広がる、美しいオーロラのような光景が視える。
「……やはり、綺麗ですわね。あなたの魔力は」
思わず、心の声が漏れた。
「綺麗、だと?」
カイ様は、初めて、心から意外そうな顔をした。
「誰もが、俺の力を不気味だと言った。恐ろしい、と。触れれば凍ると、呪われていると」
「恐ろしくなどありませんわ。ただ、あまりにも強大で、純粋で……そして、少しだけ……***寂しそう***です」
私の言葉に、カイ様の青い瞳が、わずかに、本当にわずかに、揺れた。
今日、初めて見る、彼の感情の揺らぎ。
「……お前の瞳には、何が視える。俺の、何が分かる」
「あなたの魔力が流れる『道』ですわ。それは、あなたの体の中を複雑に巡っています。けれど、その道はあまりにも細く、脆い。あなたの強大すぎる魔力を流すには、あまりにも頼りないのです。だから、些細なことで溢れ出し、暴走してしまう……」
私は立ち上がり、彼のそばへ歩み寄る。
そして、恐る恐る、彼の腕に指先で触れた。
ひんやりとしているけれど、凍るような冷たさではない。大丈夫だ。
「例えば、この腕。ここを流れる魔力は、本来ならもっと滑らかに指先へ抜けるはず。ですけれど、肘の内側で、道が少しだけ、ねじれていますわ。だから時々、腕が痺れたり、感覚が鈍くなったりしませんこと?」
「……なぜ、それを」
カイ様が、今度こそ、驚愕に目を見開く。
「俺の体は、俺が一番よく分かっているはずだ。だが、お前は……俺以上に、俺の体を、魂を、理解しているかのようだ」
「ですから、申し上げましたでしょう?」
私は小さく、けれどはっきりと微笑んだ。
「私には、視えるのですわ。あなたの、真実の姿が」
その瞬間、カイ様は私の手首を、ぐい、と力強く掴んだ。
突然のことに、心臓が大きく、高鳴る。
「……決めた」
力強い、声。
彼の青い瞳が、真っ直ぐに私を射抜いていた。
「アリア・フォン・リンドバーグ。お前は今日から、俺の専属魔力鑑定士だ」
「……え?」
「俺の魔力制御に、全面的に協力してもらう。その代わり、お前の身分と生活は、俺が保証しよう。衣食住も、安全も、お前のすべてを、俺が守る」
それは、あまりにも一方的で、けれど、抗いがたいほどに力強い提案だった。
追放され、すべてを失った私に差し伸べられた、唯一の救いの手。
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