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第七話:過去の影と公爵の揺るがぬ庇護
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「竜の寝床」での一件以来、ヴァインベルク領の再建計画は、以前にも増して活気を帯びておりました。
領民たちのわたくしを見る目も、心なしか和らいだように感じられます。
もちろん、未だに「氷の悪女様」と陰で囁く声が完全に消えたわけではございませんけれど、それでも、以前のようなあからさまな敵意や不信感は薄れ、代わりに、どこか遠巻きながらも、興味や期待のようなものが感じられるようになったのです。
それは、わたくしにとって、大きな変化でした。
三年間、誰からも期待されることなく、ただ蔑まれ続けてきたわたくしにとって、その変化は、戸惑いと共に、ほんの少しの喜びをもたらしてくれたのです。
そして、それは、アレクシス公爵様のわたくしに対する態度にも、さらなる変化をもたらしたように思えました。
彼の金の瞳は、より深く、より真剣に、わたくしの内面を見つめようとしているかのようで…
その強い眼差しに、わたくしは戸惑いながらも、どこかで、その視線に応えたいと願っている自分に気づき始めておりました。
(この方は、本当に、わたくしのことを見ていてくださるのかもしれない…)
そんな淡い期待が、胸の奥で少しずつ膨らんでいくのを感じておりました。
しかし、そんな穏やかな日々は、長くは続きませんでしたわ。
ある日、王都から一通の手紙が届いたのです。
差出人は、わたくしの父、ヴァインベルク公爵。
その手紙には、信じられない内容が記されておりました。
「エレオノーラへ。近々、お前の異母妹であるクラリッサの婚約披露の夜会が王宮で催されることとなった。つきましては、お前もその夜会に出席し、クラリッサの門出を祝うように。これは、ヴァインベルク家当主としての命令である」
…クラリッサの、婚約披露の夜会?
わたくしに、それに出席しろと?
冗談ではございませんわ!
あの、わたくしを陥れ、この辺境の地に追いやった張本人であるクラリッサの晴れ姿を、わたくしが祝福しろというのですか!
しかも、その夜会には、きっと、三年前の事件に関わった貴族たちも大勢出席するのでしょう。
彼らは、わたくしの姿を見て、またしても嘲笑い、蔑むに違いありません。
考えただけで、全身の血が逆流するような、激しい怒りと屈辱感に襲われました。
(絶対に、行きたくない…! 行くものですか…!)
わたくしは、その手紙を握りしめ、わなわなと震えておりました。
その様子に気づいたアンナが、心配そうに声をかけてまいります。
「エレオノーラ様…? 何か、ございましたのですか…?」
「…アンナ。わたくしは、どうすればよいのかしら…」
思わず、弱音を吐いてしまいました。
アンナは、黙ってわたくしの傍に寄り添い、そっと肩を抱いてくれました。
その温もりに、少しだけ、心が落ち着くのを感じましたけれど…
その夜、わたくしは眠れぬまま、ベッドの中で悶々としておりました。
行きたくない。
けれど、父の命令に背けば、ただでさえ悪いヴァインベルク家におけるわたくしの立場が、さらに悪化することは目に見えています。
それに、もしわたくしが欠席すれば、それこそ「氷の悪女は、妹の幸せすら妬んでいる」などと、また新たな悪評を立てられるに違いありません。
(ああ、どうして、わたくしばかりがこんな目に…)
過去の辛い記憶が、次から次へと蘇ってまいります。
継母様とクラリッサからの陰湿ないじめ。
父からの冷たい仕打ち。
社交界での孤立。
そして、あの悪夢のような夜会…
わたくしは、知らず知らずのうちに、涙を流しておりました。
三年間、決して人前では見せまいと固く誓っていた涙が、今はもう、止めることができませんでした。
翌朝、重い足取りで公爵様の執務室へ向かいました。
昨夜の父からの手紙のことを、彼に報告しなければなりません。
そして、できれば、この理不尽な命令を撤回してもらえるよう、取り計らっていただけないものかと…
そんな、淡い期待を抱きながら。
執務室に入ると、公爵様はいつものように、山積みの書類に目を通しておられました。
わたくしが入室したことに気づくと、彼は顔を上げ、その金の瞳でわたくしを見据えました。
その瞬間、わたくしは、はっと息を呑みました。
彼の瞳には、いつもの冷徹さとは違う、何か、深い憂いのような色が浮かんでいるように見えたのです。
「…どうした、エレオノーラ嬢。顔色が悪いぞ」
その声も、心なしか、いつもより穏やかに響きました。
「…公爵様。実は…」
わたくしは、震える声で、父からの手紙の内容を伝えました。
そして、その夜会には、どうしても出席したくないという、わたくしの切実な想いも。
公爵様は、黙ってわたくしの話に耳を傾けておられました。
その表情からは、何を考えていらっしゃるのか、全く読み取ることができません。
わたくしが話し終えると、彼はしばし沈黙されました。
重苦しい時間が、ゆっくりと流れていきます。
やがて、彼が口を開きました。
「…そうか。辛い記憶が蘇るのであろうな」
その言葉は、意外なほど、優しく響きました。
「だが、エレオノーラ嬢。お前は、いつまでも過去の影に怯えているつもりか?」
「え…?」
「お前が『氷の悪女』という偽りの仮面を被り続ける限り、周囲の誤解は解けぬままぞ。そして、お前自身も、その仮面の下で苦しみ続けることになる」
彼の言葉は、まるで鋭い刃のように、わたくしの心の奥底を抉りました。
けれど、それは、決して不快な痛みではなく、むしろ、膿を出すための、必要な痛みであるかのように感じられたのです。
「…この夜会は、お前にとって、一つの好機かもしれん」
「好機…でございますか…?」
「そうだ。お前の真の姿を、そして、ヴァインベルク領の再建にかけるお前の情熱を、王都の者たちに示す絶好の機会だ。もちろん、そのためには、相応の覚悟と準備が必要となるがな」
公爵様の金の瞳が、強い光を放ってわたくしを射抜きます。
その眼差しは、もはや冷たいものではなく、むしろ、わたくしを励まし、奮い立たせようとするかのような、熱い力を秘めているように思えました。
「…私が、お前と共にその夜会へ出席しよう。そして、お前が不当な扱いを受けるようなことがあれば、この私が、全力でお前を守る」
「こ、公爵様…!?」
あまりにも力強い、そしてあまりにも心強い申し出に、わたくしは言葉を失いました。
この方は、本気で、わたくしのために、そこまでしてくださるというのですか…?
「お前は、もう一人ではないのだ、エレオノーラ」
彼の声は、どこまでも優しく、そして温かく響きました。
その言葉と、彼の揺るがぬ庇護の意志に、わたくしの心は、激しく揺さぶられました。
三年間、誰にも頼ることができず、ただ一人で戦い続けてきたわたくしにとって、それは、あまりにも…あまりにも、大きな救いだったのです。
気づけば、わたくしの目からは、またしても熱いものが溢れ出ておりました。
けれど、それは、昨夜流したような、悲しみや絶望の涙ではございません。
感謝と、安堵と、そして…この方への、抑えきれないほどの信頼感からくる、温かい涙でした。
「…ありがとう、ございます…アレクシス様…」
わたくしは、しゃくりあげながら、そう申し上げるのが精一杯でした。
公爵様は、そんなわたくしの姿を、ただ静かに、そしてどこか慈しむような眼差しで見守っておられました。
その時、わたくしは、確かに感じたのです。
この方の傍にいれば、きっと、どんな困難も乗り越えられる。
そして、いつか必ず、偽りの仮面を脱ぎ捨て、本当の自分を取り戻すことができる、と。
過去の影は、まだ完全には消え去ってはおりません。
けれど、アレクシス公爵という、揺るがぬ光が、今、確かにわたくしの行く末を照らし始めてくれている。
その光を信じて、わたくしは、もう一度、前を向いて歩き出す覚悟を決めたのでございます。
領民たちのわたくしを見る目も、心なしか和らいだように感じられます。
もちろん、未だに「氷の悪女様」と陰で囁く声が完全に消えたわけではございませんけれど、それでも、以前のようなあからさまな敵意や不信感は薄れ、代わりに、どこか遠巻きながらも、興味や期待のようなものが感じられるようになったのです。
それは、わたくしにとって、大きな変化でした。
三年間、誰からも期待されることなく、ただ蔑まれ続けてきたわたくしにとって、その変化は、戸惑いと共に、ほんの少しの喜びをもたらしてくれたのです。
そして、それは、アレクシス公爵様のわたくしに対する態度にも、さらなる変化をもたらしたように思えました。
彼の金の瞳は、より深く、より真剣に、わたくしの内面を見つめようとしているかのようで…
その強い眼差しに、わたくしは戸惑いながらも、どこかで、その視線に応えたいと願っている自分に気づき始めておりました。
(この方は、本当に、わたくしのことを見ていてくださるのかもしれない…)
そんな淡い期待が、胸の奥で少しずつ膨らんでいくのを感じておりました。
しかし、そんな穏やかな日々は、長くは続きませんでしたわ。
ある日、王都から一通の手紙が届いたのです。
差出人は、わたくしの父、ヴァインベルク公爵。
その手紙には、信じられない内容が記されておりました。
「エレオノーラへ。近々、お前の異母妹であるクラリッサの婚約披露の夜会が王宮で催されることとなった。つきましては、お前もその夜会に出席し、クラリッサの門出を祝うように。これは、ヴァインベルク家当主としての命令である」
…クラリッサの、婚約披露の夜会?
わたくしに、それに出席しろと?
冗談ではございませんわ!
あの、わたくしを陥れ、この辺境の地に追いやった張本人であるクラリッサの晴れ姿を、わたくしが祝福しろというのですか!
しかも、その夜会には、きっと、三年前の事件に関わった貴族たちも大勢出席するのでしょう。
彼らは、わたくしの姿を見て、またしても嘲笑い、蔑むに違いありません。
考えただけで、全身の血が逆流するような、激しい怒りと屈辱感に襲われました。
(絶対に、行きたくない…! 行くものですか…!)
わたくしは、その手紙を握りしめ、わなわなと震えておりました。
その様子に気づいたアンナが、心配そうに声をかけてまいります。
「エレオノーラ様…? 何か、ございましたのですか…?」
「…アンナ。わたくしは、どうすればよいのかしら…」
思わず、弱音を吐いてしまいました。
アンナは、黙ってわたくしの傍に寄り添い、そっと肩を抱いてくれました。
その温もりに、少しだけ、心が落ち着くのを感じましたけれど…
その夜、わたくしは眠れぬまま、ベッドの中で悶々としておりました。
行きたくない。
けれど、父の命令に背けば、ただでさえ悪いヴァインベルク家におけるわたくしの立場が、さらに悪化することは目に見えています。
それに、もしわたくしが欠席すれば、それこそ「氷の悪女は、妹の幸せすら妬んでいる」などと、また新たな悪評を立てられるに違いありません。
(ああ、どうして、わたくしばかりがこんな目に…)
過去の辛い記憶が、次から次へと蘇ってまいります。
継母様とクラリッサからの陰湿ないじめ。
父からの冷たい仕打ち。
社交界での孤立。
そして、あの悪夢のような夜会…
わたくしは、知らず知らずのうちに、涙を流しておりました。
三年間、決して人前では見せまいと固く誓っていた涙が、今はもう、止めることができませんでした。
翌朝、重い足取りで公爵様の執務室へ向かいました。
昨夜の父からの手紙のことを、彼に報告しなければなりません。
そして、できれば、この理不尽な命令を撤回してもらえるよう、取り計らっていただけないものかと…
そんな、淡い期待を抱きながら。
執務室に入ると、公爵様はいつものように、山積みの書類に目を通しておられました。
わたくしが入室したことに気づくと、彼は顔を上げ、その金の瞳でわたくしを見据えました。
その瞬間、わたくしは、はっと息を呑みました。
彼の瞳には、いつもの冷徹さとは違う、何か、深い憂いのような色が浮かんでいるように見えたのです。
「…どうした、エレオノーラ嬢。顔色が悪いぞ」
その声も、心なしか、いつもより穏やかに響きました。
「…公爵様。実は…」
わたくしは、震える声で、父からの手紙の内容を伝えました。
そして、その夜会には、どうしても出席したくないという、わたくしの切実な想いも。
公爵様は、黙ってわたくしの話に耳を傾けておられました。
その表情からは、何を考えていらっしゃるのか、全く読み取ることができません。
わたくしが話し終えると、彼はしばし沈黙されました。
重苦しい時間が、ゆっくりと流れていきます。
やがて、彼が口を開きました。
「…そうか。辛い記憶が蘇るのであろうな」
その言葉は、意外なほど、優しく響きました。
「だが、エレオノーラ嬢。お前は、いつまでも過去の影に怯えているつもりか?」
「え…?」
「お前が『氷の悪女』という偽りの仮面を被り続ける限り、周囲の誤解は解けぬままぞ。そして、お前自身も、その仮面の下で苦しみ続けることになる」
彼の言葉は、まるで鋭い刃のように、わたくしの心の奥底を抉りました。
けれど、それは、決して不快な痛みではなく、むしろ、膿を出すための、必要な痛みであるかのように感じられたのです。
「…この夜会は、お前にとって、一つの好機かもしれん」
「好機…でございますか…?」
「そうだ。お前の真の姿を、そして、ヴァインベルク領の再建にかけるお前の情熱を、王都の者たちに示す絶好の機会だ。もちろん、そのためには、相応の覚悟と準備が必要となるがな」
公爵様の金の瞳が、強い光を放ってわたくしを射抜きます。
その眼差しは、もはや冷たいものではなく、むしろ、わたくしを励まし、奮い立たせようとするかのような、熱い力を秘めているように思えました。
「…私が、お前と共にその夜会へ出席しよう。そして、お前が不当な扱いを受けるようなことがあれば、この私が、全力でお前を守る」
「こ、公爵様…!?」
あまりにも力強い、そしてあまりにも心強い申し出に、わたくしは言葉を失いました。
この方は、本気で、わたくしのために、そこまでしてくださるというのですか…?
「お前は、もう一人ではないのだ、エレオノーラ」
彼の声は、どこまでも優しく、そして温かく響きました。
その言葉と、彼の揺るがぬ庇護の意志に、わたくしの心は、激しく揺さぶられました。
三年間、誰にも頼ることができず、ただ一人で戦い続けてきたわたくしにとって、それは、あまりにも…あまりにも、大きな救いだったのです。
気づけば、わたくしの目からは、またしても熱いものが溢れ出ておりました。
けれど、それは、昨夜流したような、悲しみや絶望の涙ではございません。
感謝と、安堵と、そして…この方への、抑えきれないほどの信頼感からくる、温かい涙でした。
「…ありがとう、ございます…アレクシス様…」
わたくしは、しゃくりあげながら、そう申し上げるのが精一杯でした。
公爵様は、そんなわたくしの姿を、ただ静かに、そしてどこか慈しむような眼差しで見守っておられました。
その時、わたくしは、確かに感じたのです。
この方の傍にいれば、きっと、どんな困難も乗り越えられる。
そして、いつか必ず、偽りの仮面を脱ぎ捨て、本当の自分を取り戻すことができる、と。
過去の影は、まだ完全には消え去ってはおりません。
けれど、アレクシス公爵という、揺るがぬ光が、今、確かにわたくしの行く末を照らし始めてくれている。
その光を信じて、わたくしは、もう一度、前を向いて歩き出す覚悟を決めたのでございます。
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