有能婚約者を捨てた王子は、幼馴染との真実の愛に目覚めたらしい

マルローネ

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36話 私の役目 その1

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「では、今一度確認しておこうか」

「はい、アルゼイ様」

「改めて問うとしよう、エリザ。君の役目はなんだ?」


 後日、私はアルゼイ様に呼び出しを受けていた。そして、何かのテストのように質疑を受けている。アルゼイ様の意図しない回答をした場合……最悪、婚約破棄になってしまうかもしれない。と、いうのは冗談だけれど。ただ、真面目に答える必要はあった。


「私はアルゼイ様のご子息を生む立場にあります……その為に、サポートも含めて男の子の出産に努力を向けて……」

「姉さま、アルゼイ王子殿下はそんなこと望んでないですよ、きっと」


 せっかく、昨日暗記した言葉を言おうとしていたのに、同室に居るシリカに邪魔されてしまった。そしてなぜか、エッセル公爵まで居るのだ。

「私ではアルゼイ様の真意は計れませんが……彼はもうちょい、エリザ嬢に人生を楽しんで欲しいと思ってるん違いますかな?」


 相変わらずの方言で私に話しかけて来るエッセル公爵。彼の発言にはアルゼイ様も強く頷いていた。


「大分、力は抜けたようだが……まだまだ、固さが残っているようだな、エリザ。まあ、そこが君の良いところでもあるのは分かっているが」

「も、申し訳ございません……アルゼイ様」


 確かに固すぎる発言だったかもしれない……シリカやエッセル公爵も居たので、なおさら緊張してしまったようだ。アルゼイ様はどうやら、そういう緊張を望んでいないようね。う~ん、難しいわ……。


「エリザ嬢の政治手腕はかなりのものになるでしょうね、アルゼイ王子殿下」

「そうですね、エッセル公爵。流石はお目が高いお方だ」

「でも、年齢的にはまだまだ若いんですから、どうしても穴は出て来るもんですよ。今の歳から、完璧を求めるのは逆に自分の才能を潰してしまうことになりかねませんしね」

「エッセル公爵……」


 確かに人生経験で勝るキングダム侯爵には、劣ってると感じさせられたこともあった。私くらいの年齢から傲慢を覚えてしまうとどうなるのか……先人達が教えてくれた気がするしね。フリック様を含めて。

「だから姉さまは、もっと馬鹿になっても良いと思うんですよね~~!」

「あのねシリカ……馬鹿って……」

「言い方は悪いですけど、もっと自由に羽ばたいた方が良いというか……きっと、そうした方がエリザ姉さまのスペックを活かせると思いますよ」

「羽ばたく……」

「その通りです!」


 シリカは相変わらずの元気さで私をフォロー? してくれる。今いち分からない部分があったけれど、アルゼイ様も頷いていた。私はもっと自由に羽ばたいた方が良いのかしら……?
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