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14話 逆転 その2
しおりを挟む「リシア様……あなたは一体?」
「エメリ様、如何なさいましたか?」
「い、いえ……」
なんだか単純なルドルフ様の婚約者には見えなかった。コーブル公爵家とは雰囲気が違うというか……まあ、別の家のお方だから当たり前なんだけど。
なんだか不思議な雰囲気を持っている人だと感じてしまっていた。
「私のことなど、後でも良いではありませんか。まずは話を進めることが先決では?」
「あ、そうでしたね」
そうだった、危うく話が脱線するところだったわ。とにかく今は、コーブル公爵家が情報取集能力が皆無だというところまで進んだのよね。
「さてラグディ様、ルドルフ様。娘のエメリの話は本当なのです。これで、娘がお二人のところへ向かえない理由を分かっていただけましたかな?」
「しかし、サドレイ殿……! 我が公爵家も困っているのだぞ? 元婚約者という立場を考えれば、協力するのが筋というものではないのか!?」
「なっ、ラグディ様……」
ラグディ様は驚いたことに、激昂していたのだった。眉間にしわを寄せながら、私達を説得し始めた。
「ハーグリーブス伯爵家でしかないお前達が、公爵家である私達の頼みを断るなど。こうして出向いてやっているのに、なんという態度か!」
ラグディ様は感情の鎖が外れてしまったのか、とんでもないことを言いだした。リシア様は溜息を吐いているけれど、ルドルフ様も驚いている様子だ。
「ラグディ様……そのような発言をされても大丈夫なのですか?」
「なんだと? どういう意味だ、エメリ嬢?」
「いえ、私は公爵家の仕事は手伝えない旨を説明致しました。それで納得されないということは、王家に対して反論しているように思われますが?」
「な、なんてことを言うのだ! 其方を雇ったのはフラック第三王子殿下だったか?」
「はい、その通りです」
「べ、別にフラック王子殿下のことを悪く言ったのではない! もちろん、王家に対して喧嘩を売ったわけでもな!」
ラグディ様は突然、焦った様子を見せ始めたけれど同じことのような気がする。私は強気で攻めてみた。
「同じことだと思います。それに、私はフラック王子殿下のところで働いていますので、どのみち公爵家のお手伝いは不可能です」
金額面でも雲泥の差があるからね。それを言うつもりはなかったけれど。
「バカな……可能ではないか。宮殿内での仕事をしつつ、私達の仕事を手伝ってくれれば良いのだ」
滅茶苦茶なことを言いだしたわ……最早、信じられないとかそういうレベルではない。
「なるほど……そういう考えでございますか。と、いうことのようですが、王子殿下。如何なさいましょうか?」
「なに……王子殿下だと?」
「えっ……お父様?」
お父様の言葉の意味を私やラグディ様は分かっていなかった。
しかし、お父様の言葉に呼応するかのように、応接室に入って来る人物……フラック王子殿下がそこには居たのだ。えっ……先ほどの話は全て王子殿下に筒抜けになっていた……? ラグディ様が凄い顔になっているけれど。
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