異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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閑話:ヴァンパイアの旅行!

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「ここがロラカリアか。」
 オリハルコン級冒険者であるリシェードは魔導列車から降りると周りを見渡す。

「海の匂いが届いてるわね。」
「そうか?」
 アルデアは珍しく真っ白なワンピースにつばの広い帽子をかぶり微笑む。

「ええ、港町でしょ?」
「・・・この国には来た事がないからな。」
「あら、そうなのね。」
「アルデアは来た事があるのか?」
「ええ、チハルが行った事のある場所は眷属も一緒に来てるもの♪」
「それはアルデアが来た事にならないだろ。」
「同じよ?」
 悪戯っぽく笑うアルデア、歳は5000を超えているが、見た目は千春と変わらない、そして2人は荷物を持つと、駅から出る。

「まずは宿を取るか。」
 リシェードが言うと、アルデアは少し考え、リシェードに言う。

「チェリーサちゃんの所に行く?」
「ん?誰だ?」
「チェリーサ・モン・ロラカリア、この国の女王様よ。」
「・・・知り合いなのか?」
「ええ♪何度かお茶した事あるわよ♪」
「・・・やめとこう、俺が耐えられない。」
「気さくで良い子なのに。」
 女王に対し“良い子”と言うアルデアにリシェードは苦笑いだ、そしてロラカリア王都を歩く2人は、街を散歩しながら宿に向かう、大きな看板を掲げた立派な宿、そこへ2人は足を踏み入れた。

「いらっしゃいませ。」
 頭を下げ、礼をする男性に、アルデアは微笑み返し、受付に声を掛ける。

「泊まれるかしら?」
「何泊でしょうか?」
「リシェード、何日泊まるの?」
「さぁ?3日くらいで良いんじゃないか?」
「予定の無い旅行とはいえ、何日滞在するくらい考えた方が良くないかしら?」
 呆れたように言うアルデア、すると受付が言う。

「それでは3日間という事でよろしかったでしょうか。」
「ええ、延長も出来るのでしょう?」
「・・・それが、先程船が着きました、商人や冒険者が宿泊されると思われまして。」
「あら、そうなの?」
「はい、もしかすると・・・予約されるかもしれません。」
「ん~、一泊いくらかしら?」
「お部屋次第になりますが。」
「一番良い部屋は?」
「お二人で小金貨5枚になります。」
 金額を聞き、リシェードが目を見開く、冒険者時代、色々な宿に泊まって来た、そして冒険者が素泊りする宿は高くてもせいぜい銀貨2~3枚だ。

「そう、それじゃ、多めに預けておくわ。」
 そう言うとアルデアはアイテムボックスから巾着袋を取り出し、金貨を鷲掴みすると、カウンターに金貨を置いた。

「それじゃお願いして良いかしら?」
 カウンターに置かれた金貨10数枚を見て受付の男はコクリと頷き答える。

「はい、それではお預かりいたします、多い分はチェックアウトの際にお返しいたしますので。」
 受付の男は、宿帳を出す、アルデアはサラサラと名前を書く。

「・・・お、王族の方で御座いましたか。」
 アルデアのフルネームを見て頭を下げる受付の男、アルデアは笑みで答える、名前を書き終わると受付の男が腕を上げる、すぐにメイドが2人現れ、2人に声を掛ける。

「お嬢様、こちらで御座います。」
 緊張気味に声を掛けるメイド、アルデアはクスッと笑うと、リシェードも思わず苦笑した、そして最上階の部屋に案内された2人はメイドの開けた扉を通る。

「あら綺麗ね。」
「・・・豪華すぎだろ。」
 王族の客間かと言わんばかりの部屋を見て呆れるリシェード。

「メグの部屋よりは劣るわよ。」
「王妃殿下の部屋と比べるなよ。」
 2人は部屋に入ると、広い応接間を抜けベランダに出る。

「海が見えるわ♪」
「海好きなのか?」
「ええ♪海中探索が最高なの♪」
「ああ、そういえば言ってたな。」
 2人は海の見えるベランダでのんびり話す、するとメイドが声を掛けて来た。

「お嬢様、お茶は如何ですか?」
「あら、良いの?ありがとう♪」
「私たち2人がお嬢様のお泊りの際にお世話させて頂きます。」
「メイド付きの宿なのね。」
 アルデアが言うと、リシェードが答える。

「そりゃ一泊小金貨5枚とられるわけだ。」
 リシェードは荷物を置くとアルデアを見る、アルデアは蝙蝠を数匹ベランダから飛ばしていた。

「アルデア・・・」
「一応ね♪」
 意味深な言葉にリシェードは肩を軽く上げる、アルデアの行動にあまり突っ込まないリシェードはメイドの入れたお茶を口に含む。

「・・・美味いな。」
 リシェードは思わず声を漏らす、メイドは嬉しそうに答えた。

「ジブラロール王国ムカイ領で作られた最高級の紅茶で御座います。」
「へぇ、アルデア知ってたか?」
「ええ、家にも有るわよ?」
「俺飲んだこと無いぞ?」
「あなた家で紅茶なんて飲まないでしょ。」
「・・・そう言えば飲まないな、今度から誘われたら飲むとしよう。」
 暫くロラカリアの話をメイドから聞き、紅茶を飲み終えると、2人は立ち上がった。

「それじゃ、ロラカリア王都観光に行こうか。」
「そうね♪」
 2人はそう言うと、メイドを残し部屋を出る、階段を降りると、受付ホールには人が溢れていた、そして。

「一番良い部屋を準備しろと言っておるのだ!」
「申し訳ございません。」
 アルデアの受付をした男が頭を下げる、商人らしき男は聞き入れるつもりは無いのかさらに言う。

「この国一番の宿と聞いたから来たのだ、金ならある!」
「既にお客様が入っておられます。」
「ふん、そいつらに金を返して私を泊まらせろといっておるのがわからんのか?ん?」
「申し訳ございません。」
 頭を下げる受付の男、すると、その商人の護衛がカウンターを強く叩く。

「サパスダ商会のサパス様がこう言ってるんだ、すぐに部屋をあけて来いと言っている。」
 護衛が凄みながら言うと、アルデアが声を掛ける。

「失礼♪ちょっと出かけて来るわね♪」
 何事も無いようにアルデアは受付に言う。

「何だお前、こっちが話をしている。」
 護衛の男がアルデアを睨みつけるが、アルデアはクスッと笑い答える。

「それ以上面倒を起こすようなら排除するわよ♪」
「あぁ?お前、死にたいのか?」
 護衛はそう言うとアルデアの方を向く、そしてアルデアを掴もうとしたその手が止まる。

「・・・な・・・うごか・・・な・・・」
 男は動きを止め、声も出さなくなる、そして。

「ひっ!?」
 商人の男が声を上げる、護衛が石になったのだ。

「へぇ、聖女に悪意を持つとこうなるのか。」
 話を聞いていたリシェードは、石になった護衛の腕をコンコンと叩く。

「私も初めてよ、私に悪意を持つ人間なんてジブラロールに居ないから。」
「ひっ!ひいぃぃぃぃ!!!」
 商人は腰を落とし、這いずるように後ずさる。

「これ、聖女全員についた祝福なんだよな?」
 リシェードが言うと、アルデアは首を横に振りながら答えた。

「チハルの周りにいる者ね、石になる祝福は聖女だけみたいだけれど。」
「呪いじゃねぇか。」
「あら、そんな事言うと女神様から怒られるわよ?」
 クスクス笑うアルデア、すると宿の入り口が騒がしくなり、騎士が入って来る、そしてその後ろから少女が現れた。

「はぁ~い♪アルデアちゃん♪」
「チェリーサちゃん久しぶりね♪」
「国に来るなら言ってくれればいいのに。」
「フェアリーリングじゃなく、魔導列車で気ままな旅だもの。」
 女王と気さくに話すアルデア、受付の男も驚き動きが止まり、腰を抜かした商人は膝をついたまま土下座するようにチェリーサ女王に頭を下げる。

「・・・なにこれ。」
 チェリーサは石になった護衛を見て問いかける。

「聖女の祝福で石になったのよ。」
「・・・アルデアちゃんに攻撃しようとしたのね。」
「ええ、その人の護衛らしいわ。」
 アルデアに言われ、商人は頭を伏せたままブルブルと震える。

「あなた達、この男を城に案内してあげなさい。」
 チェリーサは騎士に言うと、騎士たちは商人を連れて行く。

「さ♪お城でお茶しましょ♪」
 チェリーサが言うと、アルデアは断った。

「王都を観光するのよ?」
 アルデアはリシェードの腕に抱きつきながら言うと、チェリーサは微笑む。

「あら、それは邪魔しちゃダメね、夕食は?ご馳走するわよ♪」
「そうね、それじゃ観光終わったら遊びに行くわ。」
 アルデアの返事を聞き、嬉しそうにするチェリーサ、そして騎士を連れ、城に帰るチェリーサを見送ると、アルデアは何事も無かったように言う。

「リシェード、行きましょ♪」
「・・・」
「どうしたの?」
「いや、あの王女殿下もたいがいだが、俺の彼女もたいがいだなと思ってな。」
「失礼ね、チハルよりはマシでしょ。」
「・・・ソウダナ。」
 腕を組み、2人は宿を出た、昼前の陽光がロラカリア王都の石畳を優しく照らし、海風が頬を撫でる、2人は自然と笑みを浮かべ、他の聖女達が見れば口から砂糖でも吐きそうな程甘々な午後を王都で過ごした。





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感想 3,724

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みんなの感想(3724件)

太真
2026.01.15 太真

 閑話:ヴァンパイアの旅行❗🧛‍♀️👜
金にモノを言わせて無理を押し通したらこうなるよね😅アルデアちゃんと会ったのが運のつき( ̄ー ̄)ニヤリ。

解除
駆逐艦雪風
2026.01.15 駆逐艦雪風

アルデア&リシェード夫婦のラブラブイチャイチャ新婚旅行ですかい!!😅
さあ!皆さんご一緒に!!あま~い!!😆
そして阿呆な商人さん達は喧嘩売る相手間違ったな!!😅取り敢えず、合掌🙏

解除
猫暇人!
2026.01.15 猫暇人!

しっ🤫時間の事は言っちゃダメニャ!ってそれは置いといて〜
今日のお話しはデート回!甘甘で困った人も出る話!
二匹はまだプルプル中Σ( ̄。 ̄ノ)ノえ?ウニャ?

解除

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