異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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魔国の食事!

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「買い物だと?」
「チーズ買いに来たんですよ。」
 魔国に来た理由を千春が言うと呆れた様に魔王は呟く。

「酒のあてか?」
「いえ?料理とかお菓子に使おうと思いまして・・・料理に使わないんですか?」
「飯は食えれば良いだろう、血の滴る肉と酒が有れば良い。」
「チハル、魔族に料理なんて縁のない話よ。」
 アルデアはクスクス笑いながら教える。

「血の滴るって、まさか生肉食べてる訳じゃないでしょ?」
「そのまさかよ。」
「うっそぉん。」
「私は焼いてるの食べてましたけれど、好きじゃ無かったわ。」
 ラミも少し遠い目をしながら答える。

「魔王さん厨房貸してください!」
 千春はありえない魔国の食事事情に不満を持つと声を上げる。

「厨房?・・・あぁ、解体場か。」
「厨房すら無いんかーい!」
「チーズとかお酒は何処にあるんですか?」
 頼子が聞くと魔王は考え出す。

「・・・知らないな。」
「メイドさん!調理できそうな所ありますか?!」
 この魔王使えねぇ!と判断した千春はメイドに確認するとあっさりと答えられる。

「厨房も食堂も御座います、普通の食事を取る種族もおりますので。」
「だよねぇ!どんな物出してるの?」
「焼いた肉、魚、パンやスープです。」
「千春、このメニューって千春が来る前のジブラロールと一緒じゃん?」
「・・・うん、私も思ったわ。」
「ねぇねぇメイドちゃん、パンって固い?」
 千春が来る前の食事事情を知らない青空は楽しげに問いかける。

「はい、物凄く固いです。」
「おー!食べてみたい!」
「うちも食べたい!」
「私も!」
 青空、大愛、日葵は楽しげに言う。

「一応ジブラロールでも食べれるよ?」
「美味しく無いけどね。」
「うん、あれは無理。」
「ウチ歯が折れるかと思ったもん。」
「マジそれな。」
 千春が言うと頼子、美桜、麗奈が話す。

「それじゃ買い物は後で行くとして何か作りましょう!」
「ウチらうどん食べたからなぁ。」
「サフィーちゃんうどん収納してたよね?」
「はい、有りますが肉好きのようなので肉料理の方が良いのでは?」
 サフィーナは頭を少し傾げながら答えると、千春がアイテムボックスからサンドイッチを取り出す。

「はい、魔王様これジブラロールで食べられてるパンです。」
「千春これコンビニのじゃん。」
「こまけぇこたぁいいのよ、このクオリティでルノアーさん作ってんじゃん。」
 魔王はパンと聞き嫌そうな顔をするが、千春から受け取り触ると驚く。

「これの何処がパンなんだ?柔らかいぞ?」
「ジブラロール王国や周辺の国じゃパンはコレですよ。」
 千春はサンドイッチを一度受け取りパッケージを開けまた渡す。

「食べてみてください。」
「・・・。」
「あ、王様だからこんな渡し方した物食べらませんよね。」
「いや、アルデアが連れて来た者を疑うつもりはない、いただこう。」
 魔王はそう言うとサンドイッチをパクリ・・・いや、ガブリと齧り付く。

「?」
「どうです?」
「・・・。」
「あれ?」
 魔王はもぐもぐと口を動かしながらサンドイッチを見つめる。

「ビア、何か言いなさいよ。」
 笑みを浮かべながらアルデアが言うと、魔王はゴクンと飲み込みカッと目を見開く。

「このパンは!!魔国でも作れるのか?!!!!」
「うわぁ!ビックリしたぁ!作れますよ、多分。」
「そうか!」
 嬉しそうに言うと、魔王はメイドに命令する。

「食堂の料理を作っている者を連れてこい!すぐに教えてもらえ!」
「は!はいっ!!!」
「あ、魔王様、これパン酵母作らないと作れないんで3~5日後ですよ、作って食べれるの。」
 千春が言うと魔王は崩れ落ちた。

「うわぁ大の大人が膝から崩れたよ。」
「しかも魔王様って言うね。」
「千春、パン酵母余ってないん?」
「あー・・・サフィーが一次発酵終わった生地持ってたよね。」
「有りますよ、魔王様だけなら5日分は有りますが、外に出すと腐りますね。」
「アイテムボックス使えそうな人居ないかなぁ。」
「そうそう居ないと思いますが魔力に長けた魔族なら居るかも知れませんね。」
「アルデアってアイテムボックス使えるじゃん?5日くらい滞在しt」
「嫌に決まってるでしょう。」
 かなり食い気味に答えるアルデア。

「アルデア!頼む!」
「嫌!」
「仮にも俺と婚約者だった時もあっただろう!」
「それが嫌だからこの国出たのよ!」
「頼む!パンを食べたいぞ!」
 珍しくキレ気味のアルデアに懇願する魔王。

「お姉様が父の魔王と結婚したら・・・お姉様がお母様に?!」
 初めて婚約の事を知ったラミが驚く。

「ラミ、それは無いわよ、あっちこっちで子供作ってるようなろくでなしよ?私は一途なのが良いの。」
「しっかり面倒は見てるぞ。」
「そう言う問題じゃ無いのよ、女心もわからない男は嫌!チハル達と帰るわよ。」
 しょんぼりする魔王を見つつ麗奈はリリに問いかける。

「リリ、フェアリーリング作れる?」
「えぇ、もちろん♪」
「ジブラロールの食堂で貰ってこようか?魔王様分の量ならちょっとだけっしょ?」
「本当か!?」
 魔王は麗奈の話を聞き麗奈の手を取ろうとした所でアルデアに叩かれる。

「この子達に触らない!滅ぼされるわよ?」
「触っただけでか!?」
「そうよ。」
「俺、この国の王だぞ?」
「王が何よ、私も女王してたわよ。」
「まぁまぁ、それじゃレナとリリはパン酵母お願い、私は食堂行ってみるよ。」
「私は荷物持ちでレナと言ってくるよ。」
「さんきゅーヨリ、お願いするわ、魔王さん庭にフェアリーリング作って良いですか?」
「構わないが・・・妖精までいるのか。」
「はい、他にも妖精は3人くらい居ます、あとこの犬が聖獣のフェンリルで、こっちは土地神の白蛇のビェリー、この子は神様の使いのコン、あとあっちにドラゴンのロイロ、あ、ドラゴンは今何頭いるんだっけ?」
「え~っとエーデルさん曰く30頭くらいって言ってた気がするなぁ。」
「あとはレナのペットで軍隊蜂が・・・何匹いんの?」
「さぁ?300匹超えたあたりから聞いてないね。」
「・・・アルデア。」
「何?」
「本当なんだよな?」
「本当よ、みんないい子よ?喧嘩売らなければ。」
 魔王は溜息を吐く。

「あー、なんだ、え~・・・仲良くしてくれ。」
 魔王は色々と諦めたように呟いた。





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