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白と黒の騎士
第35話-涙の吐露-
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「アル。ヤンを助けに行きましょう」
その言葉にアルは戸惑っているのが分かる。「行きたい」と「護衛」が彼の中でせめぎ合っているんだ。「希望」と「責務」その2つが彼を今迷わせている。
「アル。手前勝手な願いで済まない。ヤンを頼めないだろうか」
オーガストさんも私に続いてアルに訴えかけてくれた。言葉の追撃にアルは一層眉間のしわが増えた。
「オーガストさんは昔剣の技術と共に僕に教えてくれました。騎士は主を守るものだと。今それを破るようなことを言っている。どちらが正しいんですか……」
絞り出すような声でオーガストさんに問いかけた。自分の信じてきた教えを教えてくれた人の矛盾の言葉に混乱しているのかもしれない。
「都合がいいことかもしれない。だけど、主の願いを叶えるのも騎士の務めだと私は思っている。でも、私はそれが出来なかった。君と同じく迷って、中途半端に行動して、主を怒らせた。結果もうそれを反省して挽回することもできなくなった」
自分の右足を撫でながら言った。
アルは何も言わずにその仕草を眺めている。
「君にはそうなってほしくない。ここで危険から遠ざけて守って、結果彼女の願いであるヤンが助けられなかった時に君はどうする?」
「悔しいに決まってるじゃないですか! 自分が嫌いになりますよ! なんで行かなかったんだって! ここまで言ってくれるフランソワ様と剣を教えてくれたオーガストさんがいたのに!」
吠えた。アルの今までにない咆哮に驚いた。こんな一面もあるんだと。
そんな自分の心を吐露したアルに私ができる事は手を差しのべる事だけ。
「だったら行きましょう。ヤンを助けに」
「必ず。あなたもお守りします」
涙を溜めた目を拭ってアルが私の手を取ってくれた。こうしてようやく役者は出そろった。
その言葉にアルは戸惑っているのが分かる。「行きたい」と「護衛」が彼の中でせめぎ合っているんだ。「希望」と「責務」その2つが彼を今迷わせている。
「アル。手前勝手な願いで済まない。ヤンを頼めないだろうか」
オーガストさんも私に続いてアルに訴えかけてくれた。言葉の追撃にアルは一層眉間のしわが増えた。
「オーガストさんは昔剣の技術と共に僕に教えてくれました。騎士は主を守るものだと。今それを破るようなことを言っている。どちらが正しいんですか……」
絞り出すような声でオーガストさんに問いかけた。自分の信じてきた教えを教えてくれた人の矛盾の言葉に混乱しているのかもしれない。
「都合がいいことかもしれない。だけど、主の願いを叶えるのも騎士の務めだと私は思っている。でも、私はそれが出来なかった。君と同じく迷って、中途半端に行動して、主を怒らせた。結果もうそれを反省して挽回することもできなくなった」
自分の右足を撫でながら言った。
アルは何も言わずにその仕草を眺めている。
「君にはそうなってほしくない。ここで危険から遠ざけて守って、結果彼女の願いであるヤンが助けられなかった時に君はどうする?」
「悔しいに決まってるじゃないですか! 自分が嫌いになりますよ! なんで行かなかったんだって! ここまで言ってくれるフランソワ様と剣を教えてくれたオーガストさんがいたのに!」
吠えた。アルの今までにない咆哮に驚いた。こんな一面もあるんだと。
そんな自分の心を吐露したアルに私ができる事は手を差しのべる事だけ。
「だったら行きましょう。ヤンを助けに」
「必ず。あなたもお守りします」
涙を溜めた目を拭ってアルが私の手を取ってくれた。こうしてようやく役者は出そろった。
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