悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ

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ガルド城の秘密

第52話-ガルド城の探索-

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 私は1番に入り口へと向かった。
 玄関となる間はそれだけでも広い、2階からの階段が両サイドに広がっていて、間の真ん中にはフードを被った女性の像が寂しげに立っている。
 空に向かって手をかざす女性の像は儚い表情をフードで隠しているようにも見える。
 空に向けた手は何を意味するのか。考えさせられる像になっている。
 そして階段の途中の壁には絵が飾られている。風景画から人物像まで様々な場面が描かれている。その中でも1番大きな絵はこの城を描いた2枚の絵だ。
 1枚は正面から、もう1枚は向かいの山から書いたかのような城より上の目線で書いた絵だ。
 絵の中でもこの城は圧倒的な存在感を放っている。書いた人の力量もあって、驚く程力強い絵であるのは間違いない。

「この像は綺麗だろう。『天を探す魔女』って言われているんだ」

 突然横から声をかけられてびっくりした。体がビクッとするのが止められなかった。

「こりゃすまないな。びっくりさせてしまったか」
「急だったので失礼しました。すみません貴方様はどちら様だったでしょうか?」

 少なくとも私の記憶にはなかった。過去のパーティーでフランソワと面識のある人かもしれないけど、とりあえず名前を聞いてみる。

「これは失礼、お嬢さん。俺はバレル。今日のパーティーの出席者だ」
「私はフランソワ=ソボールと申します。私も両親の付き添いではありますが、パーティーに参加させて頂きます」
「ソボール領主のお嬢様でしたか。これは知らずに声をかけてしまって申し訳ない。勉強不足だったな」
「いえ、お気になさらず。所でこの像を名前をご存知だったんですか?」

 ガタイのいいバレルと名乗る男性。フランソワ父よりも若いだろう。物怖じしない話し方、豪胆とも取れる会話は気前のいい兄気肌と言った雰囲気を醸し出している。
 そんな見た目なのに芸術方面に詳しいと言うのが少し意外だった。人は見た目ではないけど、今判断できる材料は見た目しかなかった。

「あぁ。これでも芸術方面なんかには興味があってな。特にこのガルド城の芸術品は毎年見るのが楽しみでな、いつの間にか詳しくなってしまった」

 そう笑いながら豪語するバレルさん。

「でもへんな名前ですね。『魔女』って。そんな要素全くないのに」

 魔女要素と言われるとフード部分しかないように見える。杖もなければ、怪しげなとんがり帽子もない。ただの女性の像にしか見えない。

「なるほどなぁ。そう見えるか。それはつまりこのガルド城の持ち主であるガルド公の事を知らないって事だな」
「ガルド公ですか? このパーティーの主催のですよね?」
「あぁそうさ、ガルド一族の初代当主は魔法が使えたと言われているんだ。御伽噺みたいだろう。それでガルド一族は魔法と呼ばれる技術につながりがあるとされていて、この像は『魔女』と呼ばれるようになったんだ」
「魔法ですか? 本当なら面白い話ですね」
「そうだろう。本当であれば夢のある話だ。だから面白い」

 2人でそんな話をしながら笑っていると、さっき私を案内してくれた男性がバレルさんを見つけて声を掛けた。
 バレルさんは部屋に案内されるらしくその場を後にした。
 別れ際に「パーティーで会ったらソボール領主共々あいさつさせてもらうよ」と元気に言い放って2階へと上がっていった。
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