悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ

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ガルド城の秘密

第59話-影は誰なのか?-

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「さっき庭の所で怪しい人影を見たらしいの。警備している中でそんな知らせはあった?」

 手短に警備へと伝えた。
 それに対して警備兵は首を捻っている。こちらを全く信じていない。

「夜の暗闇の中での見かけたと言われてもなぁ」

 歯痒い。子どもだからと言って甘く見られている。そんな気がした。

「フランソワ様、警備の方の言う通りです。暗闇の中で見かけたでは信じろと言う方が難しい。だから降りてきましたが、はっきりと見つけることはできませんでしたし」
「でも、こんな要人が集まる場所よ。邪な考えを持った侵入者がいたら問題よ」
「はっきりと見たわけではないんだろ。私だってそれを上に伝えた時に説得できない。むしろ混乱させるなって怒られるよ」

 言いたいことは分かるけど、それでも用心はしておくべきだと伝える私に耳を傾けることない警備兵との溝は深い。

「騒がしいが何かあったのか?」

 突然階段の上から聞こえた声は重々しく、威厳のある声だった。しかもこの声を私は聞いたことがある。ついさっきだ。
 階段をゆっくりと降りてくる老人が声の主だ。傍らには護衛の騎士。
 ガルド公。ここの城主だ。
 遠目から見ても威厳があったのに、近くで見ると一層迫力のある人だ。

「はっ! こちらの少女2名が怪しい人影を庭の暗闇で見たと」
「ほほう。本当か?」

 こちらを見て問いかけてくる。私とユリは揃って即座に「はい!」と背筋を伸ばして返答していた。
 自然とそうなってしまう程の力強さがその問いにはあった。

「一名、庭の木々を縫うように移動していました。こちらを少し向いたようにも見えましたが、はっきりとは分かりませんでした」
「ふむ、要人狙いの暗殺者、もしくは物盗りか。はたまたそれ以外かは分からぬが、時期が時期じゃ、警戒しておくに越したことはないな。そうじゃろカルロス」

 警備兵ではなく、傍らに待機している騎士に問いかけた。

「はい。警備の方で情報の共有をしておけ。そして見回りを多くするように」

 騎士からの一言に警備兵は背筋を真っ直ぐに伸ばして大きく返事をした。

「しかし、普通の物盗りであればまだいいんじゃがな」
「普通の物盗り以外がいるんですか?」

 何気ないガルド公のつぶやき。私はその言葉をスルーできずに思わず聞いてしまった。

「おるよ。物ではなく、技術を盗りに来ると言った方がよいかもしれんがな」

 はっきりと言い切るが、その言葉はどこか浮ついていた。物盗りが来ると言うのにあっけらかんとしたその口調はどこか私とは気持ちの持ち方がズレている。

「城の建築方法ですか?」
「古くからある城だ。今更技術を盗む事はない」
「それなら何を?」
「魔法じゃよ」

 私の予想を遥か斜めに裏切る答えに思わず息を呑んだ。
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