悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ

文字の大きさ
106 / 435
ガルド城の秘密

第78話-魔法の存在-

しおりを挟む
「なるほどな。それで今年はフランソワ嬢達が挑戦者として選ばれたわけだ」

 去年の挑戦者であるバレルさんの今回の経緯を話す。情報を交換して何か手がかりがないかと思ったからだ。

「去年は資料室で終わっちまったからなぁ。俺もずっと調べたり考えたり出来てた訳でもないしな」
「本業のお仕事がありますもんね」
「だから半日も考えてなかったよ。だから今年は暇そうな子どもに木札を渡したのかもな」
「でも毎年ついて来てる暇な人に渡してるって言ってましたよ」
「俺はもしかしてお付きだと思われてたのか。それかガルド公が適当なこと言ってるだけだろうに」

 つまり手がかりになりそうな事はないと言う事だ。

「そう言えば去年資料室でチェルさんに何か言ったりしたんですか? 『去年の人はおっかない人』だって言ってましたけど』
「ほとんど喋ってないからなぁ。でも体が大きい男は苦手とか言ってたかな」

 どうなったらそんな会話になるのか気にはなる。
 けど結局の所チェルさんの主観で怖い人だったって事だ。そう思うとなんでもない謎だった気がしてくる。

「バレルさんの意見を聞いてみたいんですけど、なんでバレル公はこんな宝探しをさせてるんだと思いますか? それも『魔法』って言葉まで使って」
「そうだなぁ。『魔法』ってのは興味引かせるためだろう。目的は分からん。自分の城にあるものが把握出来ないから探してるとかじゃないか。『城主たる者が知らないなんて気に食わん』とかさ」

 そう言われたそうかも知れない、けどこれは本人でないと正解は分からない問題だろう。あくまで参考として覚えておくようにしよう。

「じゃあ『魔法』はあると思いますか?」

 バレルさんはどう考えているのか聞いてみた。去年半日でも考えた答えを聞いてみたかった。

「ない」

 一瞬の間もなく言い切った。

「ロマンは感じるさ。でも俺はないと思うね」

 その言葉には信念がはっきりと現れている。

「フランソワ嬢はどうだ? そっちのユリ嬢も」

 私だけでなく、ユリにも質問が来た。

「正直言います、ないと思います。そんな便利なものがあるのかと考えます」

 先をいくユリは言い放った。

「私は…あると思うの。なんとなくだけど」

 その裏付けは私自身の存在だ。でも2人にその事は言えない。だから理由を明確にはできない返事しか出来ない。

「まぁ考え方は人それぞれだ。でもあんまり盲信的になるなよ」

 少し微妙な空気になりかけた所をバレルさんがフォローしてくれた。
 肩に置かれた大きな手が暖かい。
 ユリも笑みを浮かべて私たちの一歩先を歩いてくれている。

「それで、目的の場所は後どのくらいだ?」
「そんな遠くないと思います。もう少しです」

 庭と言うには広すぎる場所を私たちは進む。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft
ファンタジー
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を拾ったことで物語は進展する。 ※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。 素材利用 ・森の奥の隠里様 ・みにくる様

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~

eggy
ファンタジー
 もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。  村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。  ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。  しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。  まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。  幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな
恋愛
市川みのり 31歳。 成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。 彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。 貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。 ※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

悪役令嬢ってもっとハイスペックだと思ってた

nionea
恋愛
 ブラック企業勤めの日本人女性ミキ、享年二十五歳は、   死んだ  と、思ったら目が覚めて、  悪役令嬢に転生してざまぁされる方向まっしぐらだった。   ぽっちゃり(控えめな表現です)   うっかり (婉曲的な表現です)   マイペース(モノはいいようです)    略してPUMな侯爵令嬢ファランに転生してしまったミキは、  「デブでバカでワガママって救いようねぇわ」  と、落ち込んでばかりもいられない。  今後の人生がかかっている。  果たして彼女は身に覚えはないが散々やらかしちゃった今までの人生を精算し、生き抜く事はできるのか。  ※恋愛のスタートまでがだいぶ長いです。 ’20.3.17 追記  更新ミスがありました。  3.16公開の77の本文が78の内容になっていました。  本日78を公開するにあたって気付きましたので、77を正規の内容に変え、78を公開しました。  大変失礼いたしました。77から再度お読みいただくと話がちゃんとつながります。  ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした

果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。 そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、 あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。 じゃあ、気楽にいきますか。 *『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。

処理中です...