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Time can only move forward
第262話-私だけのお友達-
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呼びかけに応じるようにお友達が姿を現した。
無機質な物が集まって出来た身体と顔と呼べるような姿の友達は今までずっと私のお願いを聞いてくれていた。
「フランソワ様見えますか。私のお友達です」
フランソワ様の反応を見る限り見えてはいないらしい。同じ時間の記憶を持っているのならと思ったけどやっぱり私だけにしか見えないらしい。
そして少し寂しい気持ちになった。全て同じ世界の中で生きることは出来ない、そう言われてしまったように思えたから。
「ごめんなさい。また私のお願いを聞いてください」
私だけの友達が見えるようになったのはいつだっただろうか。もう覚えてない。何回も私のお願いを聞いてもらった。
『ヒトノコ。タスケル』
いつも通りの反応。私の名前を呼ばれたことはなかった。『ヒトノコ』、名前を言っても呼んでくれることはなかった。長い間一緒に過ごしているのに。
『タスケテホシイ?』
初めてお願いをした時の事は覚えてる。
この学院を卒業した時だった。フランソワ様は私の憧れの人だった。名声も友達も持っていた。
そんな凄い人を私は遠目で見ていただけだった。だけど、それが見れなくなるのが嫌だった。唯一の接点だった学院。そこを離れるともうダメなんだと悟っていた。覚悟はしていたつもりだったのに。
『ネガイ。タスケル』
だけど、その時友達が現れた。私だけにしか見えていない。無機質な言葉だけが私に聞こえていた。
夢だと思いながらも私はその声の通りに願いを言った。
「時間を巻き戻して下さい」
この言葉を何回伝えただろうか。何度も何度も何度も何度も言った。
その度にフランソワ様との関係性は変わった。前回のようにお側に置いてもらうこともあれば、フランソワ様から邪険にされることもあった。それでもフランソワ様への見方は変わらない。むしろ、様々なフランソワ様を見れたことが嬉しかった。
『ソレネガイ? ヒトノコノタスケル』
ただ、どんな関係性になっても学院を卒業すると繋がりはやはり消えた。お側にいた時でさえも。だから私はこの学院生である時間をずっとやり直していた。
だけど今回ははじめての事が起きた。私と同じ時間の記憶を持つフランソワ様。嬉しかった。
「それともう一つ」
喜んでいたのは私だけ。フランソワ様には怒られた。
「努力を無かったことにしてる」言われて当然のことだった。いや、私自身も分かってはいたけど、目を背けていた。
だって……私自身の努力も無かったことにしてるから。また最初からやり直しているから。いいじゃないですか。
その言葉を免罪符にしていた。だけど改めて、フランソワ様に言われて私は決断をした。フランソワ様を悲しませて、怒らせたのは私。
私だけのお友達は私の我儘を聞いてくれただけ、 弱くて狡いのは私だ。
「私のお願いは……」
無機質な物が集まって出来た身体と顔と呼べるような姿の友達は今までずっと私のお願いを聞いてくれていた。
「フランソワ様見えますか。私のお友達です」
フランソワ様の反応を見る限り見えてはいないらしい。同じ時間の記憶を持っているのならと思ったけどやっぱり私だけにしか見えないらしい。
そして少し寂しい気持ちになった。全て同じ世界の中で生きることは出来ない、そう言われてしまったように思えたから。
「ごめんなさい。また私のお願いを聞いてください」
私だけの友達が見えるようになったのはいつだっただろうか。もう覚えてない。何回も私のお願いを聞いてもらった。
『ヒトノコ。タスケル』
いつも通りの反応。私の名前を呼ばれたことはなかった。『ヒトノコ』、名前を言っても呼んでくれることはなかった。長い間一緒に過ごしているのに。
『タスケテホシイ?』
初めてお願いをした時の事は覚えてる。
この学院を卒業した時だった。フランソワ様は私の憧れの人だった。名声も友達も持っていた。
そんな凄い人を私は遠目で見ていただけだった。だけど、それが見れなくなるのが嫌だった。唯一の接点だった学院。そこを離れるともうダメなんだと悟っていた。覚悟はしていたつもりだったのに。
『ネガイ。タスケル』
だけど、その時友達が現れた。私だけにしか見えていない。無機質な言葉だけが私に聞こえていた。
夢だと思いながらも私はその声の通りに願いを言った。
「時間を巻き戻して下さい」
この言葉を何回伝えただろうか。何度も何度も何度も何度も言った。
その度にフランソワ様との関係性は変わった。前回のようにお側に置いてもらうこともあれば、フランソワ様から邪険にされることもあった。それでもフランソワ様への見方は変わらない。むしろ、様々なフランソワ様を見れたことが嬉しかった。
『ソレネガイ? ヒトノコノタスケル』
ただ、どんな関係性になっても学院を卒業すると繋がりはやはり消えた。お側にいた時でさえも。だから私はこの学院生である時間をずっとやり直していた。
だけど今回ははじめての事が起きた。私と同じ時間の記憶を持つフランソワ様。嬉しかった。
「それともう一つ」
喜んでいたのは私だけ。フランソワ様には怒られた。
「努力を無かったことにしてる」言われて当然のことだった。いや、私自身も分かってはいたけど、目を背けていた。
だって……私自身の努力も無かったことにしてるから。また最初からやり直しているから。いいじゃないですか。
その言葉を免罪符にしていた。だけど改めて、フランソワ様に言われて私は決断をした。フランソワ様を悲しませて、怒らせたのは私。
私だけのお友達は私の我儘を聞いてくれただけ、 弱くて狡いのは私だ。
「私のお願いは……」
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