悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ

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新たなる始まり

第286話-旅の目的-

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 束の間ではあるけど懐かしい顔ぶれと触れ合ってから私とユリィはフランソワのいる場所を後にした。
 正直話したい事はあった。だけど、向こうは領主のため仕事が詰まっている。
 皆んなとの再会の少し後に仕事の補佐役が来て予定の面会時間を過ぎている事を伝えにきた。
 私たちが直接話す事は無かったけど、多分少しながらでも怒っていた様にも見えた。
 時間を過ぎたフランソワに向けた怒りなのか、それとも時間を過ぎる迄いた私達へ向けられたのかは分からない。

「領主となると忙しいのねやっぱり」
「勿論です。フランソワ様の時間は貴重ですから、私たちが追い出されても仕方ありません」
「そっか。それもそうか」
「でもどういたしますか? この町にもう少し滞在してまた別の時間を貰うと言うのも……」
「あー。気を使わせちゃってごめん。いいの、言ってた通りにユリィと一緒にこの世界を見て回りましょ」

 ユリィの気遣いは身に染みるけど、今はそんな時じゃない。

「それも私としては楽しみなの」
「本当にですか?」
「嘘じゃない。私の見た世界はフランソワの生活圏内だけだったから、他にも見たいのよ」
「分かりました。ありがとうございます」
「そんなのいいって。だから改めてよろしくね」
「はい。よろしくお願いします」

 通りの中でお互いにお礼を言い合うものだから側から見たら滑稽だったかも知れない。

「そしたらこれからどこに行くかですね」
「そうよね。目指す先がないとだめね」

 私たちの旅の目的はゴールはある程度あってもそこに至る過程がまだ定まっていない。
 だからこそまず集めるものは決まってる。

「ユリィが会って話した人を探しましょう。まずは私もその人と話をしたい。今は正直胡散臭い印象がないからさ」
「はっきり言いましたね」

 ユリィの苦笑は立場としては分かるけど、私としてはその人は未だに胡散臭い印象だ。

「だからこそその胡散臭さを少しでも解消する為に話を聞くのよ」
「だけど行く先は分からないのでどこにいるのか……」
「そしたらそのあたりの町とか集落に寄りながらでも足取りを掴んでいきましょう」
「そうですね。それにそしたら優子さんにもこの世界をもっと見て頂けますから」
「ユリィは優しいなぁ。なら私も楽しみながらこの世界を回るわね」

 目的は決まった。そしたらやる事をやってしまわないといけない。

「旅の準備とかしないといけないんじゃない?」
「そうですね。優子さんの服とかも買いましょう」
「旅の資金ならたんまりあるわ」

 フランソワから受け取ったお金はちゃんと持っている。買い物をするのにも困らないはずだ。

「でもその前に一ついい?」
「はい?」

 私の一言にユリィが気を張った。

「ここにきた時に見つけてた露店でご飯軽く食べよ。気にはなってたの」

 ユリィは私の言葉に張っていた気を緩めた様に笑いながら「はい」と言ってくれた。











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