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黒い獣
第336話-獣人-
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暗闇でうっすらと見えたシルエットはさっきまで見ていた黒い獣ではなかった。四つ足で地面を走る獣でなく、二足で立ち上がり、腰を中腰に構えている姿だった。
その姿に一瞬考えが止まった。
「ぼさっとすんな!」
ヤンの声に我にかえる。まるで人のように地面を蹴り、こっちに凶器のような黒い爪の攻撃をヤンと一緒に寸前の所を私の魔法で距離を取った。
「その三匹分からないけどさっきまでの獣と違います」
「んなこたみりゃ分かる!」
ユリィが言うように見たらわかる。どけど、そんなわかりきったことをユリィが言うだろうか。
「違うんです」
「違う?」
「三匹だけ魂があるんです。見えるんです。他の獣たちからは見えないのに」
ますます混乱してしまう事を言われた。
「ユリィ! つまりどう言う事!?」
「私にもわかりません! 来ますよ! 気をつけて」
言葉通り今度は二匹が襲いかかってくる。時間差での波状攻撃。でも私がいる限り波状攻撃は怖くない。
二匹の背後を取るように飛んでカウンターをヤンに任せる。これで早い攻撃も鋭い爪も無力化出来る。
「ダメだ! こっちに飛べ!」
バレルさんの声を聞いて反射的にバレルさんとユリィのいる場所に飛んだ。地面につくと肩に熱と痛みが走る。
「あっ……いっ……」
いや、正確には飛ぶ前に既に痛みはきていた。
三匹目が私に攻撃を仕掛けていた。魔法を連続で使うには一瞬のラグがある。それを知ってか、知らずか三匹目の獣人は私達が飛んだ先で攻撃を仕掛けてきた。
それを避けきれずに私の肩は爪で裂かれた。とは言っても傷は浅い。もっとクリーンヒットしていたら私の腕はなかったかも知れない。
「手当てするからな」
バレルさんが傷口に掌を当てた。一瞬痛かったけどすぐに痛みが消えて、傷も血が止まった。
「応急処置だ。無理すんなよ」
私とユリィ、そして獣人達の間に壁のようにヤンとバレルさんが立った。
「なんかあったら逃げろ。あのやべーのは俺と嬢ちゃんの近衛騎士でなんとかする」
「ヤンだ」
「分かった」
「おっさんこそ無理すんなよ」
「ダメでも盾ぐらいになってやるさ」
「それを無茶ってんだよ」
獣人は私達に狙いを定めたらしい。三匹の視線がこっちに釘付けだ。
「あの三匹以外、魂が見えません。だから安心して下さい。普通の獣は見えませんけど」
ユリィが断言した。その一言は大きい。まだ隠れているのがいたら厄介この上ない。
「やるぜおっさん」
「嬢ちゃん達も守りながら戦うぜヤン」
その姿に一瞬考えが止まった。
「ぼさっとすんな!」
ヤンの声に我にかえる。まるで人のように地面を蹴り、こっちに凶器のような黒い爪の攻撃をヤンと一緒に寸前の所を私の魔法で距離を取った。
「その三匹分からないけどさっきまでの獣と違います」
「んなこたみりゃ分かる!」
ユリィが言うように見たらわかる。どけど、そんなわかりきったことをユリィが言うだろうか。
「違うんです」
「違う?」
「三匹だけ魂があるんです。見えるんです。他の獣たちからは見えないのに」
ますます混乱してしまう事を言われた。
「ユリィ! つまりどう言う事!?」
「私にもわかりません! 来ますよ! 気をつけて」
言葉通り今度は二匹が襲いかかってくる。時間差での波状攻撃。でも私がいる限り波状攻撃は怖くない。
二匹の背後を取るように飛んでカウンターをヤンに任せる。これで早い攻撃も鋭い爪も無力化出来る。
「ダメだ! こっちに飛べ!」
バレルさんの声を聞いて反射的にバレルさんとユリィのいる場所に飛んだ。地面につくと肩に熱と痛みが走る。
「あっ……いっ……」
いや、正確には飛ぶ前に既に痛みはきていた。
三匹目が私に攻撃を仕掛けていた。魔法を連続で使うには一瞬のラグがある。それを知ってか、知らずか三匹目の獣人は私達が飛んだ先で攻撃を仕掛けてきた。
それを避けきれずに私の肩は爪で裂かれた。とは言っても傷は浅い。もっとクリーンヒットしていたら私の腕はなかったかも知れない。
「手当てするからな」
バレルさんが傷口に掌を当てた。一瞬痛かったけどすぐに痛みが消えて、傷も血が止まった。
「応急処置だ。無理すんなよ」
私とユリィ、そして獣人達の間に壁のようにヤンとバレルさんが立った。
「なんかあったら逃げろ。あのやべーのは俺と嬢ちゃんの近衛騎士でなんとかする」
「ヤンだ」
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「あの三匹以外、魂が見えません。だから安心して下さい。普通の獣は見えませんけど」
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「嬢ちゃん達も守りながら戦うぜヤン」
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