408 / 435
時を操った少女
第377話-再会の友-
しおりを挟む
馬車を家の前へと近づけると扉が開いた。開いた扉から見えたのは屈強な身体を持つ男性だった。
こっちをまじまじと見て来て一人に目を止めた。
「ヤンか……?」
恐る恐ると言った様子で思い当たる人物の名前を口にした。
「久々だなシャバーニ。元気してたか?」
ヤンはどこか嬉しそうにかつての同級生に向かって返事をした。
今この瞬間は初めてヤンが年齢よりも幼く見えた。
「なんだゾロゾロと。俺に用事でもあるのか?」
「残念だったな。俺たちが用事あるのはお前の雇い主だよ。特に俺の雇い主の要望だ」
「ふむ……フランソワ様か。後ろにいらっしゃるのか?」
「いんや。俺の今の雇い主な」
「事情が飲み込めんが……まぁ少しまて」
そう言ってシャバーニは家の中に戻って言った。そしてすぐにまた出て来てくれた。今度は一人じゃない。
傍らには一人の少女がいた。幼かった顔つきは可愛いと言うよりも綺麗と呼ぶにふさわしい顔つきに、身長も私が知っている時よりも大きい。白のワンピースが彼女の魅力を引き出している。
でも一番目を引いた彼女の変化はそこじゃない。彼女は車椅子に乗っている。
私とユリィは荷台から降りた。
「ユリィ……様?」
「久しぶりアリス。様はやめてって昔約束したじゃない」
「そ、そうでした。すみません。つい」
そう言って口元を慌てて塞ぐアリス。その仕草は私の知っているアリスで間違いない。
「ユリィさんが訪ねて来て来てくれるなんて……嬉しいです」
「会えて嬉しいわアリス。後紹介したい人がいるの」
「紹介?」
そう言って私はアリスの目の前へと引っ張られた。
ユリィとアリスに挟まれた私にユリィは話しだすように催促代わりに肘で身体を突いてくる。
アリスを見下げてしまうような構図。うっかりするとアリスの綺麗な目の色に吸い込まれそうな気さえする。
「わ、私は……も、元フランソワです!!」
テンパった私はもう慣れたはずの説明をかなり簡略化してすっ飛ばしてしまった。冷静に思い返すと意味がわからないことを言っている。
ほらその証拠にアリスも目をぱちくりとさせている。とりあえず可愛い。シャバーニは目を瞑って何かを考え込んでいる。
前の二人をよそに後ろからは笑い声が聞こえて来た。ユリィもヤンも笑っている。かすかに荷台からも笑い声が聞こえてくる。
分かってる。口にした自分が一番分かっているんです。笑われると恥ずかしくてたまらないんですって。
「えーーーと。もう一回説明させて……」
深呼吸をしてこの場を一度仕切り直すことを選択した。
こっちをまじまじと見て来て一人に目を止めた。
「ヤンか……?」
恐る恐ると言った様子で思い当たる人物の名前を口にした。
「久々だなシャバーニ。元気してたか?」
ヤンはどこか嬉しそうにかつての同級生に向かって返事をした。
今この瞬間は初めてヤンが年齢よりも幼く見えた。
「なんだゾロゾロと。俺に用事でもあるのか?」
「残念だったな。俺たちが用事あるのはお前の雇い主だよ。特に俺の雇い主の要望だ」
「ふむ……フランソワ様か。後ろにいらっしゃるのか?」
「いんや。俺の今の雇い主な」
「事情が飲み込めんが……まぁ少しまて」
そう言ってシャバーニは家の中に戻って言った。そしてすぐにまた出て来てくれた。今度は一人じゃない。
傍らには一人の少女がいた。幼かった顔つきは可愛いと言うよりも綺麗と呼ぶにふさわしい顔つきに、身長も私が知っている時よりも大きい。白のワンピースが彼女の魅力を引き出している。
でも一番目を引いた彼女の変化はそこじゃない。彼女は車椅子に乗っている。
私とユリィは荷台から降りた。
「ユリィ……様?」
「久しぶりアリス。様はやめてって昔約束したじゃない」
「そ、そうでした。すみません。つい」
そう言って口元を慌てて塞ぐアリス。その仕草は私の知っているアリスで間違いない。
「ユリィさんが訪ねて来て来てくれるなんて……嬉しいです」
「会えて嬉しいわアリス。後紹介したい人がいるの」
「紹介?」
そう言って私はアリスの目の前へと引っ張られた。
ユリィとアリスに挟まれた私にユリィは話しだすように催促代わりに肘で身体を突いてくる。
アリスを見下げてしまうような構図。うっかりするとアリスの綺麗な目の色に吸い込まれそうな気さえする。
「わ、私は……も、元フランソワです!!」
テンパった私はもう慣れたはずの説明をかなり簡略化してすっ飛ばしてしまった。冷静に思い返すと意味がわからないことを言っている。
ほらその証拠にアリスも目をぱちくりとさせている。とりあえず可愛い。シャバーニは目を瞑って何かを考え込んでいる。
前の二人をよそに後ろからは笑い声が聞こえて来た。ユリィもヤンも笑っている。かすかに荷台からも笑い声が聞こえてくる。
分かってる。口にした自分が一番分かっているんです。笑われると恥ずかしくてたまらないんですって。
「えーーーと。もう一回説明させて……」
深呼吸をしてこの場を一度仕切り直すことを選択した。
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜
naturalsoft
ファンタジー
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を拾ったことで物語は進展する。
※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。
素材利用
・森の奥の隠里様
・みにくる様
最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
悪役令嬢ってもっとハイスペックだと思ってた
nionea
恋愛
ブラック企業勤めの日本人女性ミキ、享年二十五歳は、
死んだ
と、思ったら目が覚めて、
悪役令嬢に転生してざまぁされる方向まっしぐらだった。
ぽっちゃり(控えめな表現です)
うっかり (婉曲的な表現です)
マイペース(モノはいいようです)
略してPUMな侯爵令嬢ファランに転生してしまったミキは、
「デブでバカでワガママって救いようねぇわ」
と、落ち込んでばかりもいられない。
今後の人生がかかっている。
果たして彼女は身に覚えはないが散々やらかしちゃった今までの人生を精算し、生き抜く事はできるのか。
※恋愛のスタートまでがだいぶ長いです。
’20.3.17 追記
更新ミスがありました。
3.16公開の77の本文が78の内容になっていました。
本日78を公開するにあたって気付きましたので、77を正規の内容に変え、78を公開しました。
大変失礼いたしました。77から再度お読みいただくと話がちゃんとつながります。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる