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63.女子小学生はおませさん
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「……」
「ごめんて。そんな目で睨まないでよ」
デコピンされたおでこが痛いのか、松雪さんが顔を赤くしながらじとーっと睨んでくる。
そんな風に睨まれると悪いことでもしたみたいじゃないか。僕はただ罰ゲームをやり返しただけなのに……。
「酷いです比呂くん。……最低です」
「そんなに痛かった!?」
いや、けっこう思いっきりやっちゃったけどさ。中指に力を溜めてデコピンしちゃったけどさ。
それでも道具を使わなかったから、そんなに威力がないと思ってたんだけど……。
こういう友達同士での罰ゲームってのが初めてだったから、加減を間違えてしまったのかもしれない。
「比呂先輩……酷い」
「比呂さんってばひどーい♪」
城戸さんと唯花ちゃんにも言われてしまった。唯花ちゃんは面白がって真似しているだけだろうけども。
「さあ比呂くん。ゲームの続きを始めましょう」
松雪さんがゆらりとした動きで、テレビの前に座り直す。
「ま、松雪さん?」
「何しているのですか? 早くしてください」
いつになく冷たい声。これは怒らせてしまったかもしれない。
この後の松雪さんは容赦がなかった。
ゲームの強い彼女に狙われてしまった僕に勝ち目などなく、この後罰ゲームで散々痛めつけられてしまうのだった。
「ひゃうんっ!? ちょっ!? 今耳舐めたでしょっ!?」
「ななな、何を言っているのですか比呂くん! 舐めるわけないじゃないですかっ。ちょっと近づきすぎて……唇が当たっただけですよっ!!」
僕の弱点が耳だと知られてしまったからか、耳元での囁き攻撃ばかりされてしまった。
耳に吐息が当たるだけでも身体がビクビクと反応してしまう。そうしてうろたえたところでデコピンされるのは、無防備になるからかけっこう痛い。
「比呂さんの耳って、形がとっても綺麗だよね。可愛いなぁ……ふぅー♪」
「ゆ、唯花ちゃん……お願いだから耳に息を吹きかけないで……くぅんっ」
女子小学生にまで耳を徹底的に責められてしまう。
大人の余裕で受け流したいけれど、耳への刺激に対して弱すぎた。身体が跳ねるのを抑えられないのだ。
ゲームが終わる頃には、僕は息も絶え絶えになってソファにもたれかかるはめになってしまったのだった。
「比呂先輩、大丈夫?」
「は、ははっ……子供の相手をするのって大変だね……」
その「子供」には松雪さんも含まれているけどね。まあ根っこが悪ガキなのだから仕方がない。途中から僕に罰ゲームをする時の顔が悪戯っ子みたいになっていたし。
「おでこ、赤くなってるよ?」
「あれだけデコピンされたらね……」
ずっと僕の罰ゲームだったからね。デコピンされすぎて額の感覚がなくなっているよ。
城戸さんが僕の額に手を当ててくれる。ひんやりしていて気持ち良いな……。
「城戸さんの手、気持ち良いね……」
「そ、そう? なら、ずっとこうしてるね」
熱を測ってもらっているみたいに、おでこが城戸さんの手のひらで覆われる。
だけど体温が移ってしまったのか、城戸さんの手が次第に温かくなっていく。
それでもいいや。城戸さんに触れてもらっているだけでも気持ち良いから……。
「松雪先輩は本当に強いね。男子だってアタシに勝てる人なんかいなかったのに何回も負けちゃったよ」
「いえいえ、唯花ちゃんも相当な腕前ですよ。これは将来有望ですね」
休憩している僕と城戸さんとは対照的に、唯花ちゃんと松雪さんは意気投合したのか、ゲームの話で元気に盛り上がっていた。
精神年齢が近いから話が合うのだろう。ゲームだって、あれから一位は松雪さんか唯花ちゃんのどちらかだけだったし。
「で、話は変わるんだけどね」
唯花ちゃんは楽しそうな顔をしたまま、別の話題へと切り替えた。
「松雪先輩って、比呂さんと付き合ってるの?」
「「「ぶっ!?」」」
唯花ちゃんのぶしつけな質問に、僕たちは噴いた。
女子小学生ってこんなにもおませさんだったのか……。まだ小学三年生のはずなのに、恋愛関係ってわかるものなの?
「え、いや、私と比呂くんは……」
「ほら、比呂くんって言った。男子の名前をそんな風に呼ぶなんて、好きな人でもなきゃしないよね?」
無邪気なツッコミだ。唯花ちゃん、恐ろしい子……。
だからって放置するわけにもいかない。「私、恋というものがわからないんです……」と言っていた彼女にとって、この手の話題は苦手でしかないだろう。
「あのね唯花ちゃん。松雪さんは僕だけじゃなくてみんなを下の名前で呼んでいるんだよ」
「えー、なんで? みんなって、松雪先輩はみんなと仲良しなの? 知らない人でもそうなの? なんで?」
助け船を出したつもりだったのに、余計に唯花ちゃんの「なんで?」を誘発してしまった。
困った。これはどうしたものか。
松雪さんが人を名前呼びする経緯は、彼女の過去そのものに関わることだ。
僕が簡単に明かしていいことではないだろうし、ここで松雪さんが無理に話す必要もないと思う。
「ま、まあまあまあっ。あれだよ……松雪さんは人気者だからね。だから仲良しの人が多いんだよ、うん」
松雪さんにアイコンタクトを送ってみれば、彼女はすまなそうに頷いてくれた。
「ふーん。そうなんだ」
唯花ちゃんもとりあえずは納得してくれたらしい。
これで一安心だ。小学生って悪気なく理由を掘り下げようとしてくるから油断ならない。
「じゃあ、松雪先輩は比呂さんのこと好きじゃないの?」
「えっ!? そ、それは……」
松雪さんうろたえすぎだって。
好きだといっても小学生らしいプラトニックなものだろう。
それに唯花ちゃんは友達としての「好き」を確認しているだけかもしれない。たぶん深い意味なんてないのだろうし。
松雪さんは頬を染めながら僕をチラチラとうかがう。そんな風に見なくても勘違いしないってば。
「……っ」
口ごもる松雪さんを見た唯花ちゃんが大仰に頷く。小学生っていちいちリアクション大きいよね。
「よかった。じゃあ比呂さんは今フリーなんだね」
くるりと僕の方を振り返る唯花ちゃん。
天真爛漫な笑顔で、彼女は僕にこう言い放ったのである。
「比呂さん、アタシと付き合ってください♪」
「……はい?」
女子小学生に告白されるのは……犯罪ではありませんよね?
……って。
「「「えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇーーっ!?」」」
「ごめんて。そんな目で睨まないでよ」
デコピンされたおでこが痛いのか、松雪さんが顔を赤くしながらじとーっと睨んでくる。
そんな風に睨まれると悪いことでもしたみたいじゃないか。僕はただ罰ゲームをやり返しただけなのに……。
「酷いです比呂くん。……最低です」
「そんなに痛かった!?」
いや、けっこう思いっきりやっちゃったけどさ。中指に力を溜めてデコピンしちゃったけどさ。
それでも道具を使わなかったから、そんなに威力がないと思ってたんだけど……。
こういう友達同士での罰ゲームってのが初めてだったから、加減を間違えてしまったのかもしれない。
「比呂先輩……酷い」
「比呂さんってばひどーい♪」
城戸さんと唯花ちゃんにも言われてしまった。唯花ちゃんは面白がって真似しているだけだろうけども。
「さあ比呂くん。ゲームの続きを始めましょう」
松雪さんがゆらりとした動きで、テレビの前に座り直す。
「ま、松雪さん?」
「何しているのですか? 早くしてください」
いつになく冷たい声。これは怒らせてしまったかもしれない。
この後の松雪さんは容赦がなかった。
ゲームの強い彼女に狙われてしまった僕に勝ち目などなく、この後罰ゲームで散々痛めつけられてしまうのだった。
「ひゃうんっ!? ちょっ!? 今耳舐めたでしょっ!?」
「ななな、何を言っているのですか比呂くん! 舐めるわけないじゃないですかっ。ちょっと近づきすぎて……唇が当たっただけですよっ!!」
僕の弱点が耳だと知られてしまったからか、耳元での囁き攻撃ばかりされてしまった。
耳に吐息が当たるだけでも身体がビクビクと反応してしまう。そうしてうろたえたところでデコピンされるのは、無防備になるからかけっこう痛い。
「比呂さんの耳って、形がとっても綺麗だよね。可愛いなぁ……ふぅー♪」
「ゆ、唯花ちゃん……お願いだから耳に息を吹きかけないで……くぅんっ」
女子小学生にまで耳を徹底的に責められてしまう。
大人の余裕で受け流したいけれど、耳への刺激に対して弱すぎた。身体が跳ねるのを抑えられないのだ。
ゲームが終わる頃には、僕は息も絶え絶えになってソファにもたれかかるはめになってしまったのだった。
「比呂先輩、大丈夫?」
「は、ははっ……子供の相手をするのって大変だね……」
その「子供」には松雪さんも含まれているけどね。まあ根っこが悪ガキなのだから仕方がない。途中から僕に罰ゲームをする時の顔が悪戯っ子みたいになっていたし。
「おでこ、赤くなってるよ?」
「あれだけデコピンされたらね……」
ずっと僕の罰ゲームだったからね。デコピンされすぎて額の感覚がなくなっているよ。
城戸さんが僕の額に手を当ててくれる。ひんやりしていて気持ち良いな……。
「城戸さんの手、気持ち良いね……」
「そ、そう? なら、ずっとこうしてるね」
熱を測ってもらっているみたいに、おでこが城戸さんの手のひらで覆われる。
だけど体温が移ってしまったのか、城戸さんの手が次第に温かくなっていく。
それでもいいや。城戸さんに触れてもらっているだけでも気持ち良いから……。
「松雪先輩は本当に強いね。男子だってアタシに勝てる人なんかいなかったのに何回も負けちゃったよ」
「いえいえ、唯花ちゃんも相当な腕前ですよ。これは将来有望ですね」
休憩している僕と城戸さんとは対照的に、唯花ちゃんと松雪さんは意気投合したのか、ゲームの話で元気に盛り上がっていた。
精神年齢が近いから話が合うのだろう。ゲームだって、あれから一位は松雪さんか唯花ちゃんのどちらかだけだったし。
「で、話は変わるんだけどね」
唯花ちゃんは楽しそうな顔をしたまま、別の話題へと切り替えた。
「松雪先輩って、比呂さんと付き合ってるの?」
「「「ぶっ!?」」」
唯花ちゃんのぶしつけな質問に、僕たちは噴いた。
女子小学生ってこんなにもおませさんだったのか……。まだ小学三年生のはずなのに、恋愛関係ってわかるものなの?
「え、いや、私と比呂くんは……」
「ほら、比呂くんって言った。男子の名前をそんな風に呼ぶなんて、好きな人でもなきゃしないよね?」
無邪気なツッコミだ。唯花ちゃん、恐ろしい子……。
だからって放置するわけにもいかない。「私、恋というものがわからないんです……」と言っていた彼女にとって、この手の話題は苦手でしかないだろう。
「あのね唯花ちゃん。松雪さんは僕だけじゃなくてみんなを下の名前で呼んでいるんだよ」
「えー、なんで? みんなって、松雪先輩はみんなと仲良しなの? 知らない人でもそうなの? なんで?」
助け船を出したつもりだったのに、余計に唯花ちゃんの「なんで?」を誘発してしまった。
困った。これはどうしたものか。
松雪さんが人を名前呼びする経緯は、彼女の過去そのものに関わることだ。
僕が簡単に明かしていいことではないだろうし、ここで松雪さんが無理に話す必要もないと思う。
「ま、まあまあまあっ。あれだよ……松雪さんは人気者だからね。だから仲良しの人が多いんだよ、うん」
松雪さんにアイコンタクトを送ってみれば、彼女はすまなそうに頷いてくれた。
「ふーん。そうなんだ」
唯花ちゃんもとりあえずは納得してくれたらしい。
これで一安心だ。小学生って悪気なく理由を掘り下げようとしてくるから油断ならない。
「じゃあ、松雪先輩は比呂さんのこと好きじゃないの?」
「えっ!? そ、それは……」
松雪さんうろたえすぎだって。
好きだといっても小学生らしいプラトニックなものだろう。
それに唯花ちゃんは友達としての「好き」を確認しているだけかもしれない。たぶん深い意味なんてないのだろうし。
松雪さんは頬を染めながら僕をチラチラとうかがう。そんな風に見なくても勘違いしないってば。
「……っ」
口ごもる松雪さんを見た唯花ちゃんが大仰に頷く。小学生っていちいちリアクション大きいよね。
「よかった。じゃあ比呂さんは今フリーなんだね」
くるりと僕の方を振り返る唯花ちゃん。
天真爛漫な笑顔で、彼女は僕にこう言い放ったのである。
「比呂さん、アタシと付き合ってください♪」
「……はい?」
女子小学生に告白されるのは……犯罪ではありませんよね?
……って。
「「「えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇーーっ!?」」」
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