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3 手紙
しおりを挟む「手紙?アベール様から?」
「ええ。婚約破棄したのに宝石と、貴方の好きなお菓子、お花も送られてきたの」
母は動揺していた。もちろん私も戸惑っている。
「どうして?」
「どうしてかしら?恋人のマリア令嬢と間違えたのかしら」
「それもあるわね。手紙を読んでみるわ」
手紙を開け、お母様にも分かるように声を出して読む。
「ガーネット、昨日は勢いで婚約破棄してやったが、やはり家のために俺たちは結婚しなければならない。お前の両親に迷惑かけたくなければ結婚しろ。お前がマリアのことを気にしているならもう関わらないようにする。お前の好きなものを送ってやるから機嫌を直せ。宝石が気に入らなければ一緒に買いに行ってやってもいい。
……だそうです」
私は呆然とする。
母は怒りにぶるぶると震えていた。
「馬鹿にして……!!」
「お母様、
「送り返せ!!!」
振り向くと父が立っていた。
父の顔は怒りに塗れておりガーネットは恐怖を感じた。
「今すぐ送り返せ。婚約破棄したのだからもう関わらなくていい。向こうの両親にも抗議しておこう」
「そうしましょう」
母が頷く。私も二度と関わりたくないので一緒に頷いた。
脅迫みたいな手紙だ。彼は何をしたいのだろう。
私みたいなブスと婚約破棄できて嬉しいのでは?
私のことなんて今までみたいに放っておいて、可愛らしいマリア様と婚約したらいいのに。
意味がわからない。
一緒に送られてきた花と宝石の量にぞっとする。
運んできた使用人もさぞかし大変だっただろう。
「早く送り返しましょう」
なんだか気味が悪くて視界にも入れたくなかった。
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