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62 誰も逆らえない
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「えっと、君が新しいイスペリトの娘になる………」
「元イスペリト公爵令嬢であるエミリアの娘のアイーシャと申します。以後お見知りおきを」
「あ、あぁ、よろしく頼む、イスペリト嬢」
ふんわりとした微笑みを浮かべると、国王が痛ましげに表情を歪めた。おそらく、母親の最後を知っているのだろうとアイーシャは予測し、今は幸せであると伝えるためにアイーシャは幸せそうに見える笑みを浮かべて言った。
「今はお祖父様やお婆さま、叔父さまや叔母さまのお陰でとても幸せに過ごしております。ですので、今すぐには難しいかもしれませんが、お気になさらないでください」
「………そうか………。イスペリト家は良い娘に恵まれたな」
しみじみと呟いた国王に、イスペリト家の皆は嬉しそうに微笑んだ。
「アイーシャちゃんはとってもいい子ですのよ。ちょっと謙虚すぎますけれど、それも長所ですわね」
ぱらりと扇子を開きながら言ったエカテリーナはアイーシャに優しい視線を向けた。
「あなたの息子、あぁ、王太子殿下の方を連れて来てくださる?きっと面白いことになると思いますの」
「え?面白いこと、ですか………?」
嫌な予感しかしないと言うふうなことを顔にデカデカと書いた国王は、けれどエカテリーナに逆らうことができないのか、渋々従者に息子を呼びに行かせた。終始不安げな表情の国王は何度もアイーシャに助けを求めたが、アイーシャは困ったような微笑みを返すことしか出来なかった。国王がエカテリーナに逆らえないように、アイーシャもエカテリーナには逆らえないのだ。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「元イスペリト公爵令嬢であるエミリアの娘のアイーシャと申します。以後お見知りおきを」
「あ、あぁ、よろしく頼む、イスペリト嬢」
ふんわりとした微笑みを浮かべると、国王が痛ましげに表情を歪めた。おそらく、母親の最後を知っているのだろうとアイーシャは予測し、今は幸せであると伝えるためにアイーシャは幸せそうに見える笑みを浮かべて言った。
「今はお祖父様やお婆さま、叔父さまや叔母さまのお陰でとても幸せに過ごしております。ですので、今すぐには難しいかもしれませんが、お気になさらないでください」
「………そうか………。イスペリト家は良い娘に恵まれたな」
しみじみと呟いた国王に、イスペリト家の皆は嬉しそうに微笑んだ。
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