《完》わたしの刺繍が必要?無能は要らないって追い出したのは貴方達でしょう?

桐生桜月姫

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番外編

精霊たちの大運動会 3

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▫︎◇▫︎

 2人の精霊王の戦いを観戦中の精霊たちの中で、エステルとユエに次いで仲の悪い精霊2匹が、ちょっとしたことで揉め始めていた。

「《僕の隣で暑くしないでよ!!フー!!》」
「《そっちこそ!私の隣で冷たくしないでよ!!アクア!!》」

 アイーシャの契約精霊であり炎の高位精霊フーと、同じくアイーシャの契約精霊であり水の高位精霊であるアクアは、性格がとても似ている故に、ぶつかってしまうことが多かった。どちらかが少し譲ればいいところで、どちらも我を通そうとするために、ちょっとしたことで大きな喧嘩になってしまうのだ。
 今日の喧嘩の理由も、見ての通りしょうもない問題だ。水の精霊であり涼しいところを好むアクアと炎の精霊であり熱いところを好むフーが隣同士に座ってしまったが故に、温度がぶつかって普通の人間からしたらちょうどいい温度になってしまっているが故に、2匹ともそれが気に入らないのだ。

「《あーあー、まーた始まったよ。どうする~、エアデ~》」
「《どうするもこうするもないわよ。周囲に影響が無ければ、さして問題もないし、放っておけばいいわ。ヴィント》」
「《りょうか~、うわっ!!》」

 姉御肌な土の高位精霊エアデとのんびりでマイペースな風の上位精霊ヴィントが穏やかに会話をしているところに、水の球が飛んできてヴィントがびしゃんこになった。

「《………2人とも、いい加減にしなさーい!!》」
「「《びゃああああぁぁぁ!!》」」

 土の矢がたくさん飛んできて、水と炎の精霊はビクッと身体を震わせて戦いを辞めた。

「「《ご、ごめんなさあーい!!》」」

 2匹の精霊の悲鳴は、夕方のオレンジ色に染まった空に高く高く響き渡っていった。

****************************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊
もう少し続きます。

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