強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。

きゅりおす

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5th フェーズ 決

No.119 子のために

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 施設の中を走るキビ。
 シャーロット、ウルル、チザキたちとはぐれた彼女は合流の為のルートを探して進んでいた。 

 最初にウルルからもらったマップを適宜確認しながら先に進む。

「この施設はどこをみても同じようにしか見えねぇ。図面によればぁ……こっちか」
 マップと睨めっこしながら仲間と合流するための最短ルートを探していく。

「アンドロイドたちも結構数が減って来たな」
 道中の敵を倒しながら先に進むキビ。

「みんな散らばってるな。これは敵の作戦だと思った方がいいよな」
 マップを見るに味方の殆どが散らばっているようだ。

 ある程度進んだ所で足を止めた。

「誰だ、この距離でも出て来ないで隠れてるって事は人間か?」
 キビは銃を構えた。

 物陰から現れたのはコウノだった。

「……」
「……お前か」
 キビは銃を下げる。

「アーマー解除」
 彼女はアーマーを外しコウノに歩み寄る。

「あの……ッ!」
 何かを言おうとしたコウノだったが、キビに殴り飛ばされてしまう。

「何やってんだ構えろ、敵だぜ私は」
 キビは拳を鳴らした。

「決着つけてやるよ、コウノ!」
 彼女が放った力強い声にコウノは感情を大きく揺さぶられた。

「ッ!……そうですね」

 キビは上に着ていたスーツを脱ぎ捨てる。
 サラシのみをつけた彼女の上半身、その背中には入れ墨が掘られていた。

「うちの子を攫った落とし前をつけさせてもらう」

 彼女の背中には口を開き、激情を表現する金剛力士像、阿形の姿があった。

「来いっ!コウノォォッ!」
「行くぞ、キビ・カオルッ!」


一方その頃、ガンマと戦うシドーとヤスシ
「まったく何だ、あのバケモンは」
 ヤスシはガンマをみてそう言い放つ。

「ヒハハハ!素晴らしい、戦争だ!待ちに待った戦争だ!最高だ!また戦えるなんて!」
 ガンマはかなり上機嫌なようだ。

「歴戦の日本兵が2名……戦果として最高だ!」
 彼は2人をみて笑みを浮かべる。
 
「さっきから何言ってんだアイツ。頭のなか焼け野原かよ、魂を戦場に置いて来たってか?」

「どうだろうな。魂が抜け落ちている割には嫌に生き生きとしてるが」
 ヤスシとシドーは呆れた様子でガンマを見ていた。

「日本だのなんだの、細かいことに囚われてる奴の話は聞いててつまらねぇな。うちを見てみろ国際色豊かだぜ」

「国際色豊かな重犯罪者たちか」
 2人が話しているとガンマが攻撃を仕掛けてきた。

「うおっと」
 ヤスシは自分を狙った攻撃をギリギリで回避する。

「ふん、良い感をしているな」

「あれ?くそっ!息子からのアーマーが壊れちまったじゃねぇか」
 度重なる戦闘でヤスシのアーマーは限界に到達したようだ。

「おれもさっき、ダイ……ユキチカに貰ったのが壊されちまった」 
「別に無理してユキチカって呼ばなくていいぞ?」
 ヤスシがシドーにそう伝えると、シドーは首を振った。

「いや、これが今のあの子の名前だ。なによりいい名前だ」
「ふふん、そうだろ」
 ユキチカの事を褒められ胸を張るヤスシ。

 そんな彼らの元にガンマが詰め寄る。

「貴様らを殺し、その次は小僧だ!」

「小僧……?」
「てめぇ……」
 次の瞬間ガンマは大きく後ろに吹き飛んだ。

「があっ!」
 口から赤と青が混ざった血を吐くガンマ。

「小僧だと?ひょっとしてダイキの事か?」
「ユキチカを殺すつったかテメェッ!」

 ガンマを殴り飛ばした衝撃のせいか、ヤスシのアーマーが崩れ落ちた。

「あんたその背中」

「ああ久しぶりに日の目に出しちまったな」

 ヤスシの背中には口を力強く閉じ、内に怒りを秘めた顔をした金剛力士像、吽形が彫られていた。


「元ヤクザもんか?」
「な訳ないだろ、悪い奴が寄ってこないか目を光らせる、おれたちが目指す理想像なんだ、この方々は」
 
 彼の背中のものをみて驚くシドーにそう答えるヤスシ。

「あんなのを子ども達に近づかせるわけにいかねぇ」
「ああ、そうだなアイツはおれ達で」
 二人は構える。

「「ぶっ潰す!」」

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