強制ハーレムな世界で元囚人の彼は今日もマイペースです。

きゅりおす

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5th フェーズ 決

No.122 第二幕

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 ユキチカとジーナは施設にある砲台を破壊していた。

「これで最後だよ!マチェットさん!」
 ジーナが最後の砲台を破壊したことをマチェットに報告する。

「確認できた!これで心置きなく暴れる!行くぞおめぇら!ショー第二幕だ!」
 報告を受けたマチェットたちは空からの攻撃を再開する。

「浜辺の連中をまずは片付けるぞ!ビーチサイドでバカンス中のお前ら!巻き込まれるなよ!」

「爆弾投下!」
 ショットシェルが爆弾を浜辺に落とす。

「機銃掃射!」
 パラベラムは、その爆弾の範囲から逃れた敵に機銃を放つ。

「こちらの対空兵器が全て破壊されました!」
「浜辺の兵が!」
 その状況をモニター越しにみていた者達、彼女らは同様しながらもヴァーリに状況報告した。

 彼はなんとかMs.ストレングスから逃れたようだ。

「そうか、ならばエネルギーフィールドを展開するとしよう。少しアレの起動に回す電力が減るが、うるさいコバエを落とすとするか」
 ヴァーリは手元の端末を操作し始めた。

「え……!お待ちを!ヴァ―リ・ジョーンズ様!私達はまだ!」
「は、早く防護服を!」
 彼女たちは急いで壁に配置されている箱を取り出す。

 その場にいた誰もがまだ防護服を着用できていない時、無感情なアナウンスが流れる。

「エネルギーフィールド装置起動」
 ドーム状の光の壁が展開される。

 マチェット達が乗っている戦闘機が光の壁に飲み込まれる。

「これがユキチカが言ってた光るシャボン玉か」
 彼女らは既に脱出していた。

 パラシュートで降下しながら、島を覆う光の壁に目を向けるマチェット。

「飛行機の上で楽させて貰うのはここまでか」
「このベルトが無かったら焼け死ぬとは、おっかないものを作るな」
 彼女同様にパラシュートで降下するショットシェルとパラベラム。


 その頃司令室、その場にいた者達は防護服を着用できていなかった。だが彼女らは光のシャボン玉に焼かれる事はなく無事だ。

「だいじょうぶ?」
 彼女たちをよぶ声がする。
 
「え?」
 地面に伏せた職員たちは顔を上げた。

「あなたは鬼丸ユキチカ……どうして?」
 周囲を見渡すと、どうやらユキチカがバリアを張ってくれたお陰で彼女たちは焼かれずに済んだようだ。

「ほら、これつけて!早くこの施設から逃げてね!まったくヴァーリのやつ、自分の味方もろともなんてなに考えてるの」
 部屋に入ってきたジーナがその場にいるものにベルトを渡しつけさせる。ユキチカ製のバリア発生装置だ。

「あ、ぼくこっち行くから。ジーナはこの人たちをよろしくー!」

「分かった!気を付けてね!」
 ジーナがその者達を連れて外に出ていく。彼女はビーチに皆を連れて行く。

 ビーチでは味方が残った敵兵の対処をしていた。

「ジーナさん?」
「この人達をよろしくお願いします!」
 ジーナが連れてきた者達をみて、味方は頷く。

「おう!高速艇があるからそれに乗りな!」
 高速艇に乗り込む職員たち、囚人のうち何人かが護衛につく。

「……カ、カラ・ジーナ!」
 職員の1人が口を開く。

「ここの施設の地下、そこにおそらく君たちが探しているものがある」
「そんな事を言ってもいいの?あとでバレたら怒られるんじゃない?」
 ジーナが笑ってそう言った。

「問答無用で丸焼きにされそうになったんだ。これぐらいいいだろう」
「だね、それじゃあ気をつけて!」
 高速艇がビーチから離れていく。

 
 ジーナがそれを見届けると、施設から機体が現れる。アンドロイドだろうか、それとも強化アーマーを着た人間だろうか。機械の身体とヘルメットを着用しており、顔が見えない。

「おい、なんだあの機体!」
「味方じゃないぞ!」
「こいつ!」
 現れた謎の相手に向かって発砲するインファマスの囚人たち。

 しかし相手はその射撃を全て躱した。

「なに?!」
「くそ!もう一度だ!」

「まって!」
 ジーナがインファマスの囚人たちを止める。

「あなたもしかして……」
 相手はジーナを手招きし、その場から離れていく。

「ここはお願い!行ってくる!」
 ジーナはその相手の後を追いかける。

 追いかけた先の開けた場所で相手は立ってジーナを待っていた。相手はヘルメットを外す、現れた顔は、ジーナがよく知る人物の顔だった。

「オニツノ?」
「久しぶりやな、ジーナはん」
 オニツノはニッと笑ってみせた。

「ああ、オニツノさんや。随分なかっこうやろ?」
 両手を広げるオニツノは金属質の身体をみせる為にくるっとその場でひと回転する。

「そうだね、あんまり似合わないかも」
「はっきり言うやんか」
 オニツノはジーナの返しに笑う。

「ちょっと待っとき、今脱ぐわ」
 そういうとオニツノは金属の身体に手を伸ばし、装甲を引き剝がしていく。

「え?!それってそんな外し方していいの?」
「ええんや、これでええんや」
 彼女が装甲を引き剥がすと一瞬だけ出血する。

「今のワシは身体を改造されとる、この機能でジーナちゃんに勝ってもなんもおもろない。今、装甲を剥がした時の傷を治すのに、ワシの回復機能を殆ど使いきった。燃費悪い身体で助かったわ」

 全ての装甲を剥がし終わったオニツノを見てジーナは彼女の考えを読み取った。

「そういうことね」
 ジーナはアーマーの中から出てくる。

「なにしとんねん」
「あんたに、このアーマーの機能で勝っても意味ないと思ってね」
 ジーナは準備運動を始めた。

「はっ!流石はジーナちゃんや。ワイの扱いよくわかっとるやないか!」
 オニツノはニヤリと笑う。

 ふだんスーツを着ていた彼女だが、その下には入れ墨が入っていた。
「それ入れ墨?」
「あまり見せびらかすもんでもないんやけどな。ジーナちゃんには特別サービスや」
 
 そう言ってオニツノは背中を見せる、サラシのみをつけた彼女の背中には力強い鬼の姿が描かれていた。

「鬼?」
「そうや、ワイの目指すもんや」
 オニツノは構えた。

「さぁ、そっちも時間ないんやろ?早くはじめようや、ジーナちゃん!」
「いいよ、やろう」
 ジーナもオニツノに対して構えた。

「最終ラウンドや!」

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