142 / 154
142 逃れられない責任
しおりを挟む
エノラに地の精霊の加護が付いているという話は、以前聞いた気がした。
あれは、そう――石けん職人のエミリアの手紙にサラマンダーの気配を感じるとテオが話したことが切っ掛けだった。
ガストンはその頃まだこの工房に来たことはなかったから、水の守護が付いているという話が出なかったのは仕方がない。
カモミールはヴァージルの看病をしているエノラに声を掛け、工房に来て貰えるようにと頼んだ。
「ええ……ヴァージルちゃんを助けるためですものね」
協力を快諾しながらも、エノラは腰をすぐには上げない。
昨日の夜、今にも死んでしまいそうだった時よりもヴァージルはいくらか状態がよく見えるが、楽観視できる要素は何ひとつない。側を離れるのは不安でならないだろう。
「これからガストンを呼びに行くんですが、タマラにも声を掛けてきます。手を貸してくれる人は多い方がいいし……それに、タマラに教えなかったらきっと後で怒られちゃう」
「そうね、それがいいわ。……ええ、そうよ、こういう時に蚊帳の外に置かれたら、心配で居ても立ってもいられなくなるわ。私にできることがあることを喜ばなければね」
「できること……」
確かにそれはそうだろう。ガストンだけに何もかもを任せ、祈ることしかできなかったら、カモミールも理性を保っていられたかどうかわからない。
最後の錬成へ向けてテオとギルド長は準備をし、キャリーは念のためにもう一度食べる物を買いに行った。今は、動いている方がカモミールも気が楽だ。
「ヴァージル、あとちょっとよ。待っててね」
ぎりぎりまで体温を下げられた恋人の冷たい手をそっと握って、ほんの僅かだけ体温を移す。
不安を口に出さないのは、そうなってしまったら怖いからだ。
待っててねと言えば、今までの彼は必ず待っていてくれた。
カモミールの願いの中で唯一ヴァージルが叶えなかったのは、彼女の記憶を消すことだったのだ。
彼の側に付いていたい気持ちもあったが、カモミールはエリクサーを作らなければならない。
あとちょっと、は自分に言い聞かせる言葉でもあった。
魔法毒を確実に解毒するためにエリクサーを作っていることを話すと、ガストンは椅子から落ちた。こちらも昨日の夜から診察に検査と忙しく、睡眠を取れていない状況だ。
今もヴァージルの血液を調べて毒を割り出す検査は暗礁に乗り上げており、錬金医の頭を大いに悩ませていた。
「確かにエリクサーならば、どんな毒であろうとも癒やせるだろう。通常医学の枠を飛び越える治癒だからな」
ガストンはすぐに白衣を脱ぎ、外出の支度を始めた。それを見守りながらもカモミールは尋ねずにはいられない。
「ねえ、ヴァージルはエリクサーがあれば助かると思う?」
「テオが言ったのならそうなのだろう。テオドールが生きた時代の錬金術は私たちには想像するしかできないが、テオはその目で見ているのだから」
「そう、だよね」
錬金術のことに関して、テオ以上に知っている存在はいない。
1000年を経た錬金釜の精霊であり、存在そのものが錬金術の申し子なのだから。
テオの言葉は信じられる。けれど、薄布のような不安がカモミールにまとわりついている。
信じることができないのは、自分のことだ。
タマラにヴァージルのことを簡潔に話して看病を頼むと、彼女は手早く準備をしてエノラの家へと歩きながらも、散々ヴァージルに対して罵詈雑言を吐いた。
けれどそれはタマラの心配の裏返しだ。それくらいはカモミールにもわかる。
エノラと看病を交代したタマラは、痛ましげな目をヴァージルに向け、輸液についてガストンから受ける説明を真剣に聞いていた。
もし異変があったらすぐに工房に来て欲しいとだけ頼んで、カモミールはエノラとガストンを伴って工房へ戻った。
時刻は既に正午になっているが、緊張のせいか食欲はない。
「よし、やるか」
テオには気負いは一切ないようだった。精霊の加護を持つ人間が揃ったのを見ると、彼は4属性の最上位素材をぽんぽんと手渡していく。
エノラには土の華、ガストンにはセイレーンの涙、マシューには炎の核、そしてギルド長にはグリーンドラゴンの鱗。
エクスポーションはビーカーに入ったままで美しい若草色をきらめかせており、側には深紅の輝きを持つ賢者の石のかけらがある。
あとは、これらを調合すれば、エリクサーができあがる――理論上はそうなのに、カモミールは急激な緊張に襲われてカタカタと奥歯を鳴らした。
「最終的に水属性にする必要があるから、入れる順番は風火土水だな。カモミールはもう賢者の石をエクスポーションに入れていいぞ。んで、グリーンドラゴンの鱗から……」
「待って」
焦るカモミールの心を置き去りにして、テオの説明が進む。カモミールの震える手は賢者の石を手に取ることはできず、頼りなく宙を掻いた。
「わたし、できない……無理よ、魔力無しだもの。私に大錬金術はできない」
今まで押さえていた不安が、ここに来て心の堤防を決壊させようとしていた。
ここにある4元素の最上位素材はいずれも稀少な品だ。お金を掛ければ再度錬成できるセイレーンの涙や炎の核はともかくとして、グリーンドラゴンの鱗や土の華を入手することは難しいだろう。
金に糸目を付けないならば、グリーンドラゴンの素材は手に入る。けれど、王都で偶然手に入れただけの土の華は、替えられる存在がない。まして、賢者の石はこれが最後のかけらなのだ。
「もしも私が失敗したら――ヴァージルは助からない」
カモミールの知る最も優秀な錬金医であるガストンにも毒は特定できず、エリクサーを作る機会を失ってしまったら。
急激に恐怖がせり上がってきて、カモミールは嗚咽した。
震える背中に、そっと手が当てられる。皺の刻まれた老いた手は、マシューとエノラのものだった。
言葉の慰めではなく、そっと寄り添われる温かさに心が少しだけ力を取り戻す。
「恐れるべからず――とはいえ、カモミールさんのその不安もわからないでもない。ただグリーンドラゴンの鱗を入れるだけだというのに、私もこの通り震えているからね」
錬金術師の最初の心得を語るギルド長は、その言葉の通り白くなった指先を震えさせていた。この場でカモミールと同じくらいに素材の貴重さを思い知っているのは彼なのだろう。
「大錬金術の水の最上位素材だと? そんな物を渡されて平気な顔でいられるわけがない」
吐き捨てるように言ったのはガストンだ。彼も先程より若干顔色が悪い。
「カモミールさんがやらないなら、私がやりますよ。魔力無しでもできるんでしょう?」
「待って、キャリーさん! でも私がやらないと」
ガラス棒に手を伸ばしたキャリーを、カモミールは思わず止めた。そして、うっすらと口元に笑いを浮かべたキャリーと眼が合う。してやられたと気づいたのは一瞬経ってからだった。
「大丈夫だ、自分を信じろ。おまえには魔力はないが、これだけの素材や人を集めて繋げた力がある。おまえのそういう根性は、この俺も本当に一目置いてるんだぜ? カモミールひとりで作るんじゃない、ここにいる全員が関わってるんだ」
最後に背中を押したのはテオの言葉だった。ぴしゃりと自分の頬を叩いて、カモミールは両足に力を入れた。
「ああ……もう。うん、わかってるの、やるわ。――もしも王都で土の華を手に入れてなかったら、ここでもう詰んでいたかもしれないのよ。全ての物事は繋がっている。だから自分の望む未来があるなら、それをたぐり寄せる努力をしなきゃ」
どんなにか細い糸であろうと、まず引かないことには事態は動かないのだ。
そして、事態が動かなければ、ヴァージルは刻一刻と悪化していくばかりである。
「ガストン、マシュー先生、エノラさん、ギルド長――ヴァージルを助けるために力を貸してください。キャリーさん、テオ、お願いだから私の背中を支えてて。ひとりじゃ怖いの」
「いくらでも支えますよ、いつもしてることじゃないですか」
「おう、おまえ自身が責任を負うなら、支えるくらい軽いもんだぜ」
歳上の知人たちは頷き、テオとキャリーは頼もしい表情でカモミールの揺らぐ心を支えてくれる。
ひとりではない。ここにいる全員でエリクサーを作るのだ。
そう実感できるようになって、指の震えがようやく止まる。
白く細い指先で賢者の石を摘まみ上げたカモミールは、深呼吸をしてからエクスポーションにそれを落とした。
あれは、そう――石けん職人のエミリアの手紙にサラマンダーの気配を感じるとテオが話したことが切っ掛けだった。
ガストンはその頃まだこの工房に来たことはなかったから、水の守護が付いているという話が出なかったのは仕方がない。
カモミールはヴァージルの看病をしているエノラに声を掛け、工房に来て貰えるようにと頼んだ。
「ええ……ヴァージルちゃんを助けるためですものね」
協力を快諾しながらも、エノラは腰をすぐには上げない。
昨日の夜、今にも死んでしまいそうだった時よりもヴァージルはいくらか状態がよく見えるが、楽観視できる要素は何ひとつない。側を離れるのは不安でならないだろう。
「これからガストンを呼びに行くんですが、タマラにも声を掛けてきます。手を貸してくれる人は多い方がいいし……それに、タマラに教えなかったらきっと後で怒られちゃう」
「そうね、それがいいわ。……ええ、そうよ、こういう時に蚊帳の外に置かれたら、心配で居ても立ってもいられなくなるわ。私にできることがあることを喜ばなければね」
「できること……」
確かにそれはそうだろう。ガストンだけに何もかもを任せ、祈ることしかできなかったら、カモミールも理性を保っていられたかどうかわからない。
最後の錬成へ向けてテオとギルド長は準備をし、キャリーは念のためにもう一度食べる物を買いに行った。今は、動いている方がカモミールも気が楽だ。
「ヴァージル、あとちょっとよ。待っててね」
ぎりぎりまで体温を下げられた恋人の冷たい手をそっと握って、ほんの僅かだけ体温を移す。
不安を口に出さないのは、そうなってしまったら怖いからだ。
待っててねと言えば、今までの彼は必ず待っていてくれた。
カモミールの願いの中で唯一ヴァージルが叶えなかったのは、彼女の記憶を消すことだったのだ。
彼の側に付いていたい気持ちもあったが、カモミールはエリクサーを作らなければならない。
あとちょっと、は自分に言い聞かせる言葉でもあった。
魔法毒を確実に解毒するためにエリクサーを作っていることを話すと、ガストンは椅子から落ちた。こちらも昨日の夜から診察に検査と忙しく、睡眠を取れていない状況だ。
今もヴァージルの血液を調べて毒を割り出す検査は暗礁に乗り上げており、錬金医の頭を大いに悩ませていた。
「確かにエリクサーならば、どんな毒であろうとも癒やせるだろう。通常医学の枠を飛び越える治癒だからな」
ガストンはすぐに白衣を脱ぎ、外出の支度を始めた。それを見守りながらもカモミールは尋ねずにはいられない。
「ねえ、ヴァージルはエリクサーがあれば助かると思う?」
「テオが言ったのならそうなのだろう。テオドールが生きた時代の錬金術は私たちには想像するしかできないが、テオはその目で見ているのだから」
「そう、だよね」
錬金術のことに関して、テオ以上に知っている存在はいない。
1000年を経た錬金釜の精霊であり、存在そのものが錬金術の申し子なのだから。
テオの言葉は信じられる。けれど、薄布のような不安がカモミールにまとわりついている。
信じることができないのは、自分のことだ。
タマラにヴァージルのことを簡潔に話して看病を頼むと、彼女は手早く準備をしてエノラの家へと歩きながらも、散々ヴァージルに対して罵詈雑言を吐いた。
けれどそれはタマラの心配の裏返しだ。それくらいはカモミールにもわかる。
エノラと看病を交代したタマラは、痛ましげな目をヴァージルに向け、輸液についてガストンから受ける説明を真剣に聞いていた。
もし異変があったらすぐに工房に来て欲しいとだけ頼んで、カモミールはエノラとガストンを伴って工房へ戻った。
時刻は既に正午になっているが、緊張のせいか食欲はない。
「よし、やるか」
テオには気負いは一切ないようだった。精霊の加護を持つ人間が揃ったのを見ると、彼は4属性の最上位素材をぽんぽんと手渡していく。
エノラには土の華、ガストンにはセイレーンの涙、マシューには炎の核、そしてギルド長にはグリーンドラゴンの鱗。
エクスポーションはビーカーに入ったままで美しい若草色をきらめかせており、側には深紅の輝きを持つ賢者の石のかけらがある。
あとは、これらを調合すれば、エリクサーができあがる――理論上はそうなのに、カモミールは急激な緊張に襲われてカタカタと奥歯を鳴らした。
「最終的に水属性にする必要があるから、入れる順番は風火土水だな。カモミールはもう賢者の石をエクスポーションに入れていいぞ。んで、グリーンドラゴンの鱗から……」
「待って」
焦るカモミールの心を置き去りにして、テオの説明が進む。カモミールの震える手は賢者の石を手に取ることはできず、頼りなく宙を掻いた。
「わたし、できない……無理よ、魔力無しだもの。私に大錬金術はできない」
今まで押さえていた不安が、ここに来て心の堤防を決壊させようとしていた。
ここにある4元素の最上位素材はいずれも稀少な品だ。お金を掛ければ再度錬成できるセイレーンの涙や炎の核はともかくとして、グリーンドラゴンの鱗や土の華を入手することは難しいだろう。
金に糸目を付けないならば、グリーンドラゴンの素材は手に入る。けれど、王都で偶然手に入れただけの土の華は、替えられる存在がない。まして、賢者の石はこれが最後のかけらなのだ。
「もしも私が失敗したら――ヴァージルは助からない」
カモミールの知る最も優秀な錬金医であるガストンにも毒は特定できず、エリクサーを作る機会を失ってしまったら。
急激に恐怖がせり上がってきて、カモミールは嗚咽した。
震える背中に、そっと手が当てられる。皺の刻まれた老いた手は、マシューとエノラのものだった。
言葉の慰めではなく、そっと寄り添われる温かさに心が少しだけ力を取り戻す。
「恐れるべからず――とはいえ、カモミールさんのその不安もわからないでもない。ただグリーンドラゴンの鱗を入れるだけだというのに、私もこの通り震えているからね」
錬金術師の最初の心得を語るギルド長は、その言葉の通り白くなった指先を震えさせていた。この場でカモミールと同じくらいに素材の貴重さを思い知っているのは彼なのだろう。
「大錬金術の水の最上位素材だと? そんな物を渡されて平気な顔でいられるわけがない」
吐き捨てるように言ったのはガストンだ。彼も先程より若干顔色が悪い。
「カモミールさんがやらないなら、私がやりますよ。魔力無しでもできるんでしょう?」
「待って、キャリーさん! でも私がやらないと」
ガラス棒に手を伸ばしたキャリーを、カモミールは思わず止めた。そして、うっすらと口元に笑いを浮かべたキャリーと眼が合う。してやられたと気づいたのは一瞬経ってからだった。
「大丈夫だ、自分を信じろ。おまえには魔力はないが、これだけの素材や人を集めて繋げた力がある。おまえのそういう根性は、この俺も本当に一目置いてるんだぜ? カモミールひとりで作るんじゃない、ここにいる全員が関わってるんだ」
最後に背中を押したのはテオの言葉だった。ぴしゃりと自分の頬を叩いて、カモミールは両足に力を入れた。
「ああ……もう。うん、わかってるの、やるわ。――もしも王都で土の華を手に入れてなかったら、ここでもう詰んでいたかもしれないのよ。全ての物事は繋がっている。だから自分の望む未来があるなら、それをたぐり寄せる努力をしなきゃ」
どんなにか細い糸であろうと、まず引かないことには事態は動かないのだ。
そして、事態が動かなければ、ヴァージルは刻一刻と悪化していくばかりである。
「ガストン、マシュー先生、エノラさん、ギルド長――ヴァージルを助けるために力を貸してください。キャリーさん、テオ、お願いだから私の背中を支えてて。ひとりじゃ怖いの」
「いくらでも支えますよ、いつもしてることじゃないですか」
「おう、おまえ自身が責任を負うなら、支えるくらい軽いもんだぜ」
歳上の知人たちは頷き、テオとキャリーは頼もしい表情でカモミールの揺らぐ心を支えてくれる。
ひとりではない。ここにいる全員でエリクサーを作るのだ。
そう実感できるようになって、指の震えがようやく止まる。
白く細い指先で賢者の石を摘まみ上げたカモミールは、深呼吸をしてからエクスポーションにそれを落とした。
42
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
普段は地味子。でも本当は凄腕の聖女さん〜地味だから、という理由で聖女ギルドを追い出されてしまいました。私がいなくても大丈夫でしょうか?〜
神伊 咲児
ファンタジー
主人公、イルエマ・ジミィーナは16歳。
聖女ギルド【女神の光輝】に属している聖女だった。
イルエマは眼鏡をかけており、黒髪の冴えない見た目。
いわゆる地味子だ。
彼女の能力も地味だった。
使える魔法といえば、聖女なら誰でも使えるものばかり。回復と素材進化と解呪魔法の3つだけ。
唯一のユニークスキルは、ペンが無くても文字を書ける光魔字。
そんな能力も地味な彼女は、ギルド内では裏方作業の雑務をしていた。
ある日、ギルドマスターのキアーラより、地味だからという理由で解雇される。
しかし、彼女は目立たない実力者だった。
素材進化の魔法は独自で改良してパワーアップしており、通常の3倍の威力。
司祭でも見落とすような小さな呪いも見つけてしまう鋭い感覚。
難しい相談でも難なくこなす知識と教養。
全てにおいてハイクオリティ。最強の聖女だったのだ。
彼女は新しいギルドに参加して順風満帆。
彼女をクビにした聖女ギルドは落ちぶれていく。
地味な聖女が大活躍! 痛快ファンタジーストーリー。
全部で5万字。
カクヨムにも投稿しておりますが、アルファポリス用にタイトルも含めて改稿いたしました。
HOTランキング女性向け1位。
日間ファンタジーランキング1位。
日間完結ランキング1位。
応援してくれた、みなさんのおかげです。
ありがとうございます。とても嬉しいです!
刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。
木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。
その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。
本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。
リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。
しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。
なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。
竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ
あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」
学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。
家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。
しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。
これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。
「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」
王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。
どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。
こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。
一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。
なろう・カクヨムにも投稿
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる