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3章 依存国ツィーシャ
魔導具
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「よくここにいるってわかったね?何も言ってなかった気がするけど………」
クレアの突然の来訪に驚いたリュカオンが後ろの映し出された魔法陣をいじるのをやめて聞いてきた。
クレアは自身の目を指さして答えた。
「私、魔力が視えるからそれで辿ってきたの。ご飯を食べたからお礼を言いにきたんだけど………何してるの?」
「あぁ、今魔導具を造ってるんだ」
疑問が解消されて納得した表情を見せたリュカオンに、クレアが質問すると、リュカオンは少し楽しそうな様子で答えてくれた。
しかし、リュカオンの返答にクレアは眉根を寄せた。
後ろの何かをまじまじと見てみる。
人が1人入れるほどの円柱型カプセルの形をしていて、外側にいろいろと操作するパネルらしきものがついている。
今はカプセルの表面がモニターのようになってパネルから送り出された情報を大きく映し出している。
クレアは余計に訝しんだ表情をリュカオンに向けた。
リュカオンはクレアの反応にむっとした。
「『こんな形のものが?』とか聞くなよ?よく見る形じゃないけどれっきとした魔導具だよ」
クレアの反応はもっともで、実際いろんな魔導具が世の中では使われている。
人の気配で明かりがつくものや、体を温めたり冷やしたりしてくれるもの、ファルが使っていた大量のものを収納できる袋などがある。
魔導具は魔力の有無に関わらずに使えるようにつくられていて、とても便利であり、需要があるために生活に役立つ系統の魔導具が大半である。
しかも大体は身につけたり部屋においても邪魔にならない大きさだったりする。
だからこそ、カプセル型のよくわからない大きな物体が魔導具と言われても、あまりぴんとこないのだ。
「何をするものなの?」
「転移」
「………? でも、リュカオンは転移ができるでしょ?」
気になって聞いてみた答えに、クレアは首を傾げた。
また新たに現れた疑問を投げると、リュカオンは苦笑いしながら答えてくれた。
「確かに使えるけど、僕は『シャルア』みたいにもともと転移系統の属性でもないから後から覚えたんだ。おかげで魔力の消費が酷いし、座標もよくずれるからまだまだ使い勝手が悪くてね。それに………いや、なんでもない。
とにかくぴったりとした座標に転移できたらいいなと思って造ってるところ」
「………つまり、自分の『転移』の精度を上げるよりも魔導具をつくるほうが効率的ってこと?」
「まあそんな感じだね」
片手でパネルをいじりながら、もう片方ではメモをとるといった器用っぷりにクレアは少し感心した。
アナスタシアにいたときは、手合わせで魔法を使うことはあっても、こんなふうに魔導具をつくるリュカオンを見たことがなかったのだ。
まじまじと見てくるクレアにリュカオンは気恥ずかしそうにクレアのほうを向いた。
「ずっと見てるけど……そんなに気になるの?」
「え?……あぁ、たしかに気になるけど、それよりも私はリュカオンが魔導具をつくれることにびっくりしてるというか……」
魔導具はデザインや設計を考えて図面におこすのは誰にでも許されているが、造るには資格が必要になる。
資格の種類もさまざまで、簡単なものだけつくれる資格から、個人的研究や国家事業などに使われる危険なものなどをつくれる資格までと幅広い。
資格取得の試験は極めて公正で公平で、実技試験を除くすべての試験で魔法の使用が禁止される。替え玉だってカンニングだってできない。
そんな試験を受けてようやく得られるため、最も低次な資格でさえも合格率は2桁になることがあまりない。
リュカオンのこの魔導具は、個人的なものに分類されるだろうからとても高度な資格のはずだ。
だが、資格を得る試験に行けば指名手配の人間だとばれてしまう。
だとしたら指名手配されるより前になるが、一体いつ取ったというのか。
考えれば考えるほどわからず、リュカオンの返事を待つと、リュカオンはクレアのほうを向きながらもパネルを触る手だけは止めずに作業をしながら答えてくれた。
「もともと、何かを造るのが趣味でさ。大魔協に引き取られてからは手先の器用さを買われて、資格を取得させられたんだ。
おかげでアナスタシアでは表向き魔導具を造りつつ任務として『シャルア』たちを見ることができたり、今こうして罪に問われることなく造れたりしてるからこの資格にはいろいろと助けてもらってるけど、ちょっと複雑ではあるかな」
話しながらパネルを動かしていた手が止まり、なんとも言えないや、とうつむきがちにつぶやいたリュカオンに、クレアも黙ってしまった。
大魔協は、人を駒として見る者の集まりだ。
目的を果たせるならあるだけの死んでもいい駒を投下して、死んだら見捨ててまた駒を増やしていく。
その点、使い勝手のいい駒というのは重宝される。
計画が進みやすくなったり、無駄に駒を浪費しないで済んだりするからだ。
リュカオンが資格を、しかも高度な資格を取らされたのはきっと、いい駒になると思われたからだろう。
「……『シャルア』、この魔導具に魔力を流すのを手伝ってほしいって言ったら手伝ってくれる?」
沈黙がいたたまれなくなったのか、リュカオンは話を切り替えて何事もなかったように口を開いた。
クレアもそれを察して、少し間を置いて頷いた。
「ありがとう。まずここに手を置いてもらって、人にするのと同じ要領で魔力を流してほしい。
僕がいいって言うまで流してね」
クレアはリュカオンの指示通り、さっきまでリュカオンが触っていたパネルの前まで来て、パネルに手を置いた。
そうして体をめぐる魔力をを手先に集中させて、パネルに魔力を流していく。
リュカオンは近くでその様子を見守りつつ、時折ちらりと足もとを見ている。
魔力を確認しているのだろう。
そんなことを気にせず、クレアが魔力を流し続けること数十秒。
「………うん、いいよありがとう」
「えっ、もういいの?」
あまりにすぐ終わったため、クレアは驚いてしまった。
魔導具は、誰でも使えるようにできているが、道具との違いは魔力にある。
魔力が吹き込まれたら、システムが作動して道具として動く。言い換えるならば電池や電力のようなものだ。
一回の使用でどれだけの魔力が消費されるかの計算し、どれくらいの期間で使う魔力を出す。そうしてその必要分の魔力を魔法使いが入れたり、魔法石で移していくことで魔導具が出来上がる。
消費される魔力は効能や大きさによってさまざまだ。
魔導具の中の魔力がなくなったら、もう一度魔力を込めたら使うことができる。
しかし、また長い間使いたい場合は魔力量の多い魔法使いが時間をかけて魔力を込めるか、大量の魔法石の魔力を移すなどを行う必要がある。
大きさからして、稼働には相当な魔力を使うだろう。
魔法石だけで補えない場合に備えて、魔力を溜めるのはよくあることで、クレアは何度かやったことがあった。
今まで経験したものはこの魔導具よりも小さいものが大半で、それでさえ何日かに分けて十数分だった。
大きなこの魔導具ならなおさらだと思っていたために、拍子抜けしてしまったのだ。
聞き返されたリュカオンは、当たり前のように頷いた。
「……魔力を流すのはそれで十分。ありがとう」
「それなら、よかったけど………」
リュカオンは本当に?と言った表情で見てくるクレアの頭を優しくなでて、また作業に戻った。
クレアはなでられた部分を触りながらリュカオンの背中を少しの間見つめて、邪魔にならないように静かに去って行った。
キィ………
キィ………
扉の軋む音が2回聞こえて、クレアがいなくなったことを確認すると、リュカオンはパネルを操作して何かを決定した。
「……用途は言ってないけど、悪いことには使ってないし大丈夫なはず」
ひとりごとをいいながらリュカオンは参考文献を探すために魔導具の前をあとにした。
モニターには『変更完了』の字が浮かび上がっていた。
クレアの突然の来訪に驚いたリュカオンが後ろの映し出された魔法陣をいじるのをやめて聞いてきた。
クレアは自身の目を指さして答えた。
「私、魔力が視えるからそれで辿ってきたの。ご飯を食べたからお礼を言いにきたんだけど………何してるの?」
「あぁ、今魔導具を造ってるんだ」
疑問が解消されて納得した表情を見せたリュカオンに、クレアが質問すると、リュカオンは少し楽しそうな様子で答えてくれた。
しかし、リュカオンの返答にクレアは眉根を寄せた。
後ろの何かをまじまじと見てみる。
人が1人入れるほどの円柱型カプセルの形をしていて、外側にいろいろと操作するパネルらしきものがついている。
今はカプセルの表面がモニターのようになってパネルから送り出された情報を大きく映し出している。
クレアは余計に訝しんだ表情をリュカオンに向けた。
リュカオンはクレアの反応にむっとした。
「『こんな形のものが?』とか聞くなよ?よく見る形じゃないけどれっきとした魔導具だよ」
クレアの反応はもっともで、実際いろんな魔導具が世の中では使われている。
人の気配で明かりがつくものや、体を温めたり冷やしたりしてくれるもの、ファルが使っていた大量のものを収納できる袋などがある。
魔導具は魔力の有無に関わらずに使えるようにつくられていて、とても便利であり、需要があるために生活に役立つ系統の魔導具が大半である。
しかも大体は身につけたり部屋においても邪魔にならない大きさだったりする。
だからこそ、カプセル型のよくわからない大きな物体が魔導具と言われても、あまりぴんとこないのだ。
「何をするものなの?」
「転移」
「………? でも、リュカオンは転移ができるでしょ?」
気になって聞いてみた答えに、クレアは首を傾げた。
また新たに現れた疑問を投げると、リュカオンは苦笑いしながら答えてくれた。
「確かに使えるけど、僕は『シャルア』みたいにもともと転移系統の属性でもないから後から覚えたんだ。おかげで魔力の消費が酷いし、座標もよくずれるからまだまだ使い勝手が悪くてね。それに………いや、なんでもない。
とにかくぴったりとした座標に転移できたらいいなと思って造ってるところ」
「………つまり、自分の『転移』の精度を上げるよりも魔導具をつくるほうが効率的ってこと?」
「まあそんな感じだね」
片手でパネルをいじりながら、もう片方ではメモをとるといった器用っぷりにクレアは少し感心した。
アナスタシアにいたときは、手合わせで魔法を使うことはあっても、こんなふうに魔導具をつくるリュカオンを見たことがなかったのだ。
まじまじと見てくるクレアにリュカオンは気恥ずかしそうにクレアのほうを向いた。
「ずっと見てるけど……そんなに気になるの?」
「え?……あぁ、たしかに気になるけど、それよりも私はリュカオンが魔導具をつくれることにびっくりしてるというか……」
魔導具はデザインや設計を考えて図面におこすのは誰にでも許されているが、造るには資格が必要になる。
資格の種類もさまざまで、簡単なものだけつくれる資格から、個人的研究や国家事業などに使われる危険なものなどをつくれる資格までと幅広い。
資格取得の試験は極めて公正で公平で、実技試験を除くすべての試験で魔法の使用が禁止される。替え玉だってカンニングだってできない。
そんな試験を受けてようやく得られるため、最も低次な資格でさえも合格率は2桁になることがあまりない。
リュカオンのこの魔導具は、個人的なものに分類されるだろうからとても高度な資格のはずだ。
だが、資格を得る試験に行けば指名手配の人間だとばれてしまう。
だとしたら指名手配されるより前になるが、一体いつ取ったというのか。
考えれば考えるほどわからず、リュカオンの返事を待つと、リュカオンはクレアのほうを向きながらもパネルを触る手だけは止めずに作業をしながら答えてくれた。
「もともと、何かを造るのが趣味でさ。大魔協に引き取られてからは手先の器用さを買われて、資格を取得させられたんだ。
おかげでアナスタシアでは表向き魔導具を造りつつ任務として『シャルア』たちを見ることができたり、今こうして罪に問われることなく造れたりしてるからこの資格にはいろいろと助けてもらってるけど、ちょっと複雑ではあるかな」
話しながらパネルを動かしていた手が止まり、なんとも言えないや、とうつむきがちにつぶやいたリュカオンに、クレアも黙ってしまった。
大魔協は、人を駒として見る者の集まりだ。
目的を果たせるならあるだけの死んでもいい駒を投下して、死んだら見捨ててまた駒を増やしていく。
その点、使い勝手のいい駒というのは重宝される。
計画が進みやすくなったり、無駄に駒を浪費しないで済んだりするからだ。
リュカオンが資格を、しかも高度な資格を取らされたのはきっと、いい駒になると思われたからだろう。
「……『シャルア』、この魔導具に魔力を流すのを手伝ってほしいって言ったら手伝ってくれる?」
沈黙がいたたまれなくなったのか、リュカオンは話を切り替えて何事もなかったように口を開いた。
クレアもそれを察して、少し間を置いて頷いた。
「ありがとう。まずここに手を置いてもらって、人にするのと同じ要領で魔力を流してほしい。
僕がいいって言うまで流してね」
クレアはリュカオンの指示通り、さっきまでリュカオンが触っていたパネルの前まで来て、パネルに手を置いた。
そうして体をめぐる魔力をを手先に集中させて、パネルに魔力を流していく。
リュカオンは近くでその様子を見守りつつ、時折ちらりと足もとを見ている。
魔力を確認しているのだろう。
そんなことを気にせず、クレアが魔力を流し続けること数十秒。
「………うん、いいよありがとう」
「えっ、もういいの?」
あまりにすぐ終わったため、クレアは驚いてしまった。
魔導具は、誰でも使えるようにできているが、道具との違いは魔力にある。
魔力が吹き込まれたら、システムが作動して道具として動く。言い換えるならば電池や電力のようなものだ。
一回の使用でどれだけの魔力が消費されるかの計算し、どれくらいの期間で使う魔力を出す。そうしてその必要分の魔力を魔法使いが入れたり、魔法石で移していくことで魔導具が出来上がる。
消費される魔力は効能や大きさによってさまざまだ。
魔導具の中の魔力がなくなったら、もう一度魔力を込めたら使うことができる。
しかし、また長い間使いたい場合は魔力量の多い魔法使いが時間をかけて魔力を込めるか、大量の魔法石の魔力を移すなどを行う必要がある。
大きさからして、稼働には相当な魔力を使うだろう。
魔法石だけで補えない場合に備えて、魔力を溜めるのはよくあることで、クレアは何度かやったことがあった。
今まで経験したものはこの魔導具よりも小さいものが大半で、それでさえ何日かに分けて十数分だった。
大きなこの魔導具ならなおさらだと思っていたために、拍子抜けしてしまったのだ。
聞き返されたリュカオンは、当たり前のように頷いた。
「……魔力を流すのはそれで十分。ありがとう」
「それなら、よかったけど………」
リュカオンは本当に?と言った表情で見てくるクレアの頭を優しくなでて、また作業に戻った。
クレアはなでられた部分を触りながらリュカオンの背中を少しの間見つめて、邪魔にならないように静かに去って行った。
キィ………
キィ………
扉の軋む音が2回聞こえて、クレアがいなくなったことを確認すると、リュカオンはパネルを操作して何かを決定した。
「……用途は言ってないけど、悪いことには使ってないし大丈夫なはず」
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