追放された魔法使いの巻き込まれ旅

ゆり

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1章 商業都市フレンティア

ながいよる (リリーside)

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「ルーク………」

こんばんは。おひさしぶりです。
リリーです。

きょうは、おじさんにルークがたくさんけられて、ルークがつらそうで、リリーがたすけてって言ったら、クレアさんが来てくれて、ほっとして、ねちゃいました。

ちょっとまえにおいしゃさんが来てくれて、まほうをつかってくれました。
ルークは『すごくいたい』から『ちょっといたい』になったみたいです。

リリーもおねつがひどかったけど、おいしゃさんのおかげで『びねつ』ってねつになったみたい。

おかげでけいびしゃから、こじいんにもどってこれました。


今はちょっと体がおもいけど、ルークの手をにぎってる。

………ほんとうは、ねてると、こわいゆめを見ちゃうから、ルークのそばにいる。



ルークはおいしゃさんのあとも、ずっとくるしそうにしてる。


どうしてぜんぶ治さないの?ってきいたら、じぶんで治す力がへっちゃうから、治るのをおてつだいするだけなんだよって、おしえてくれた。


ルークがくるしそうにしてるのはいやだけど、今いたいのと、たたかってるってことだから、リリーはがんばれって、おもうことしかできない。

はやく、目をさましてほしいなぁ。

リリーがルークを見てたら、げんかんのほうから声がした。

リリーたちがこじいんにもどったときは、もうお月さまがしずみはじめてた。
でもまだまっくらだから、まよなかに人が来たみたい。


ルークを見てたいけど、げんかんも気になる。


ルークのことをちらちら見て、リリーはげんかんを見にいくことにしました。


まえにシスターとルークがはなしてるのを、かくれて見てたところまでいって、げんかんをのぞいてみた。

シスターがはなしてるのは……ぎんいろのかみのけのおねえさん。
あっ、もしかして!

「クレアさん!」

リリーが声を出しちゃって、ふたりともリリーのことに気づいちゃった。
リリーが手で口をおさえたのに、おそかったみたい。

ふたりともびっくりしてる。
このまえもルークとシスターがびっくりしてたな。

クレアさんのところまでいって、リリーがくっついたら、クレアさんがもっとかたまっちゃった。
クレアさん、おはなしするのもにがてで、くっつくのもにがて?

リリーがクレアさんのかおを見ようとおもってたら、シスターがリリーとクレアさんをはなした。


「リリー?どうしてまだ起きてるの?熱があるから寝てないとダメでしょう?」
「ごめんなさい……。でも、こわいゆめを見ちゃうからねたくないの!
それでねてなくて、えっと、ルークのこと見てて、そしたら音がしたから、きちゃって、えっと」


シスターはおこるとこわい。
だから、ねれないりゆうをシスターに言わないとって、ひっしにはなしてたら、シスターがリリーのことをぎゅってしてくれた。

どうしたのかなってシスターを見たら、シスターはリリーにずっとあやまってた。

なんでリリーにあやまるの?
ねれないリリーがわるい子なのに。
シスターはあやまらなくていいのに。

シスターのうでの中で、あわあわしてるリリーを見て、クレアさんがわらった。


クレアさんはリリーと目を合わせるために、ゆかにひざをついた。

「眠れないなら、私と一緒に寝ようか」
「………クレアさんと?」

びっくりしてききかえしちゃった。
クレアさんはくっくのがにがてみたいだから、いっしょにねたら、石みたいになっちゃいそうだもん。
でも、いっしょにねてみたいな……。

リリーのおもってることをクレアさんは気づいたみたいにわらって、うなずいた。

「そう、私と。リリーちゃんが怖い夢を見たら、私が楽しい夢してあげる。
だから、私が怖い夢を見たときは、リリーちゃんが楽しい夢にしてほしい」

クレアさんはリリーの手をにぎっておねがいしてきた。

そっか。リリーはこのまえ、クレアさんがくるしそうにねてるのを見たことがある。
あれは今のリリーとおなじだったんだ!

リリーもクレアさんも、いっしょにねたら、たのしいゆめになるなら、クレアさんのためにリリーがそばにいないと!

でも………。


リリーがもじもじしてるのを見て、クレアさんがしんぱいしてくれた。
ちゃんといわないと……。


「あのね、リリーはクレアさんともねたいし、ルークともねたいの。
今ね、ルークはたたかってるんだよ!だからリリーが手をにぎって、ルークのことおうえんしてるの!
そしたら、ルークもくるしくなくなるとおもって……」

「………うん、そうだね。ルークさんも怖い夢と戦っているなら、一緒に寝たいね」


リリーがそこまでいったら、クレアさんはやさしくわらって、リリーの手をぎゅってした。
クレアさんもルークのことをおうえんしてくれるって。

それじゃあ、ルークはもっとくるしくなくなるかな?

リリーは嬉しくなってクレアさんにくっついた。
クレアさんはまたかたまっちゃった。












「ねるまでおはなししたい!」


シスターがさんにんでねれる、ひろいへやをあけてくれた。
今はルークをまんなかにして、リリーとクレアさんでルークをはさんでる。

ねようとおもったけど、目がまだおきてるよーって言ったから、目がもうねたいよーって言うまでクレアさんとおはなしすることにした。


クレアさんのことをたくさんおしえてもらった。


リリーより8才年上だけど、まだ子どもなこと。
ローブがだいすきなこと。
いろんなまほうを、すぐに出せること。
さむい北に2年くらい、イソウロウしてたこと。
おともだちとひさしぶりに会うために、たびをはじめたこと。
たびのとちゅうで知り合った人のこと。
おともだちと会うためにむかってる、西の方にはこわい人がたくさんいること。

明日、フレンティアをさよならすること。


たくさん、たくさんおしえてくれたけど、さいしょのほうしかおぼえてない。
どんどんねむくなって、クレアさんのはなしがこもりうたの代わりになっちゃった。
もっとききたかったのに、ねちゃうなんてもったいないなぁ………。






リリーがねたのは、お月さまがしずんで、たいようがおはようってするあたりだった。
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