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■38.ひとつ
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夏の終りの昼下り。
小洒落た外観のコンドミニアムに足を踏み入れた。
青と白を基調とした、開放感のある広い部屋。
カーテンを開けると、バルコニーからは海が一望出来る。
大型TVに革張りのゆったりしたソファー。
広いカウンターキッチンに大型冷蔵庫が完備されている。
大理石の広々とした浴室。
クイーンサイズのベッド。
私と同じまだ高校生の拓真くん。
こんな場所を宿に……!?
え!?サーフィンとか、マリーンスポーツやる人って2、3千円の激安素泊まり宿使うんじゃないの!?違うの?
もしや、おぼっちゃま!?
と驚いた。
「ねぇ、素敵すぎてびっくりなんだけど…!めっちゃ高いんじゃないの!?
こんな広くてオシャレで綺麗な所!!」
そう聞いたら、お盆を過ぎたので、観光シーズンのピーク時より値段がだいぶ安くなっているらしかった。
「へぇぇ~。そうなんだー。」
それにしても豪華だ…と感心しながら、広い部屋をあちこち見渡す。
「サーフボードは持ってきたの?」
「ボードロッカーに預けてあるよ。」
「あ、預けてあるんだ。
そうだよね、電車でわざわざ持ってくるの大変だもんね……。」
「うん、濡れたウェットスーツ持ち帰るのも大変だから、セットで預けてあるんだ。」
大輝先輩の知り合いの所に、ボードとウェットスーツを保管してくれる所があって、月契約で借りてるんだそう。
「そっか~。
大輝先輩顔広いなぁ~。」
「うん、そうなんだよ。
色々教えてくれるし、すごく助かる。」
「へぇ~。優しいね。
拓真くんが良い人だからじゃない?」
「ははw そんなことないよw」
「あははw そんな事あるよw」
……………。
キョロキョロキョロ……。
ソワソワソワ………。
ああ……。
どうしよう。
こんな素敵なお部屋に拓真くんと二人きり…。
かなり緊張してる。
黙って座ってられない。
ふぅふぅ、
落ち着け、私。
深呼吸。
そうは思っても、ドキドキと大きな音を立てる心臓の鼓動は治まらず、落ち着くことなど出来なった。
私の身体はガチガチに強張り、とても緊張していた。
拓真くんは、そんな私を気遣って、ソファーに隣同士に座り緊張を解すように海の家でのバイトの話をし始めた。
「俺ね、バイト始めた時からずっとるあちゃんしか見えてなかったんだよ。」
「そうなの?////」
「そうだよ。
光も、アランくんも、るあちゃんの事狙ってたから、凄く焦ったなー。」
「光くんは、拓真くんを煽ってた
だけだと思うけど…w」
「俺より先に光がるあちゃんと会ってたでしょ?
その時から『バイト先に可愛い娘がいる!』って光は騒いでたんだよ。」
「アハハw
それは皆に言ってるからな、光くんw
綺麗なお客さんが来ると、めっちゃテンション上がってたしw」
「ははw そういう所確かにあるけどねw」
「実は私も、拓真くんの事がずっと気になってたよ。」
「え?本当に??」
「うん!重い物持ってくれたり、優しい言葉かけてくれたり、気遣ってくれる事が嬉しかったし、それに、見かけもめっちゃカッコイイなぁって思ってた/////
だから、付き合う事が出来て驚いてるよ。」
「本当!?
るあちゃんがそう思ってくれてたって知れて嬉しいよ。」
拓真くんに優しく抱きしめられる。
私は身を委ねた。
唇が重なる。
一度離して見つめ合う。
もう一度重ねる。
深いキスをする。
そしてもっともっと深いキス…。
苦手だった大人のキス。
全然嫌な感じがしなかった。
それよりも、『愛おしい』って気持ちが溢れていた。
その日、私は拓真くんと心も身体も結ばれる事が出来ました。
小洒落た外観のコンドミニアムに足を踏み入れた。
青と白を基調とした、開放感のある広い部屋。
カーテンを開けると、バルコニーからは海が一望出来る。
大型TVに革張りのゆったりしたソファー。
広いカウンターキッチンに大型冷蔵庫が完備されている。
大理石の広々とした浴室。
クイーンサイズのベッド。
私と同じまだ高校生の拓真くん。
こんな場所を宿に……!?
え!?サーフィンとか、マリーンスポーツやる人って2、3千円の激安素泊まり宿使うんじゃないの!?違うの?
もしや、おぼっちゃま!?
と驚いた。
「ねぇ、素敵すぎてびっくりなんだけど…!めっちゃ高いんじゃないの!?
こんな広くてオシャレで綺麗な所!!」
そう聞いたら、お盆を過ぎたので、観光シーズンのピーク時より値段がだいぶ安くなっているらしかった。
「へぇぇ~。そうなんだー。」
それにしても豪華だ…と感心しながら、広い部屋をあちこち見渡す。
「サーフボードは持ってきたの?」
「ボードロッカーに預けてあるよ。」
「あ、預けてあるんだ。
そうだよね、電車でわざわざ持ってくるの大変だもんね……。」
「うん、濡れたウェットスーツ持ち帰るのも大変だから、セットで預けてあるんだ。」
大輝先輩の知り合いの所に、ボードとウェットスーツを保管してくれる所があって、月契約で借りてるんだそう。
「そっか~。
大輝先輩顔広いなぁ~。」
「うん、そうなんだよ。
色々教えてくれるし、すごく助かる。」
「へぇ~。優しいね。
拓真くんが良い人だからじゃない?」
「ははw そんなことないよw」
「あははw そんな事あるよw」
……………。
キョロキョロキョロ……。
ソワソワソワ………。
ああ……。
どうしよう。
こんな素敵なお部屋に拓真くんと二人きり…。
かなり緊張してる。
黙って座ってられない。
ふぅふぅ、
落ち着け、私。
深呼吸。
そうは思っても、ドキドキと大きな音を立てる心臓の鼓動は治まらず、落ち着くことなど出来なった。
私の身体はガチガチに強張り、とても緊張していた。
拓真くんは、そんな私を気遣って、ソファーに隣同士に座り緊張を解すように海の家でのバイトの話をし始めた。
「俺ね、バイト始めた時からずっとるあちゃんしか見えてなかったんだよ。」
「そうなの?////」
「そうだよ。
光も、アランくんも、るあちゃんの事狙ってたから、凄く焦ったなー。」
「光くんは、拓真くんを煽ってた
だけだと思うけど…w」
「俺より先に光がるあちゃんと会ってたでしょ?
その時から『バイト先に可愛い娘がいる!』って光は騒いでたんだよ。」
「アハハw
それは皆に言ってるからな、光くんw
綺麗なお客さんが来ると、めっちゃテンション上がってたしw」
「ははw そういう所確かにあるけどねw」
「実は私も、拓真くんの事がずっと気になってたよ。」
「え?本当に??」
「うん!重い物持ってくれたり、優しい言葉かけてくれたり、気遣ってくれる事が嬉しかったし、それに、見かけもめっちゃカッコイイなぁって思ってた/////
だから、付き合う事が出来て驚いてるよ。」
「本当!?
るあちゃんがそう思ってくれてたって知れて嬉しいよ。」
拓真くんに優しく抱きしめられる。
私は身を委ねた。
唇が重なる。
一度離して見つめ合う。
もう一度重ねる。
深いキスをする。
そしてもっともっと深いキス…。
苦手だった大人のキス。
全然嫌な感じがしなかった。
それよりも、『愛おしい』って気持ちが溢れていた。
その日、私は拓真くんと心も身体も結ばれる事が出来ました。
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