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第173話
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魔王国と帝国の最終決戦は魔王の大規模地脈魔法グランカラミティの発動で幕を上げた。これは星の力を借りて発動する大規模魔法で地脈とは星の血管みたいなものらしい、今回のグランカラミティは早い話が地面が割れる程の超大規模地震でさらに割れ目からマグマが噴き出すという無差別大災害を引き起こすもので対策している魔王軍はともかく初動から帝国は結界の発動不能、兵士の被害甚大と出鼻をくじかれた形になっていた。
「落ち着け、俺達は作戦通り目標地点に玉を設置する。そうすれば勝てるんだ!!」
勇者達は五つのチームに分かれてなにかの儀式に使うらしい玉の設置に向かった。既に瀕死間際の帝国には余裕がなかった。
「セイジ! 誰かいる……」
「敵か!?」
中央の最も重要な場所へ設置しに来たセイジ達は正面で自分達を待ち受ける人影を見つける。
「まって……あれって。ホノカ!?」
「ホノカ!?」
全員その姿に驚いて駆け寄る。なにせもう死んでしまったと思っていた友人が目の前に現れたのだから無理もない。
「皆、元気そうでよかった」
「ホノカこそ! 生きててよかった!! てかなにその装備! めっちゃかっこいいじゃん!!」
「よく無事で!」
「うん……」
再会を喜ぶ同級生達、しかし冷静なハクアの声がそれを遮る。
「再会は喜ばしいですけど、今は作戦の遂行を! 我々には余裕がないのですから」
「そうだった……ホノカ! 会えて早々で悪いんだが協力してくれるな?」
「……」
「ホノカ?」
急に黙るホノカにシホは不思議そうに声をかける。
「皆、そのことだけど。今すぐ戦うのをやめて私と一緒に逃げて欲しいの」
空気が変わった。
「ホノカ? 何を言ってるの?」
「ちゃんと説明する。だから今は一緒に!」
「お前……ホントにホノカか?」
セイジの声が急に冷たくなった。目つきも鋭く攻撃的な雰囲気だ……
「そうよ!」
「俺達は世界を救って地球に帰る……そう約束したよな……?」
「……」
「なのに今更戦いを辞めろ? ふざけているのか?」
「本気よ、それに仮に勝ったとしても帰れないわよ……」
「ホノカ? 何言ってるの?」
シホが不安そうに問いかける。わかっていた……友人が多く死に、すでに敗北は時間の問題。そのタイミングで現れたホノカが戦いを辞めろといったところで……
「そうか、魔王め……こんなグロい事を……ゆるせないっ!!」
セイジが急に激昂しだし訳も分からずホノカは困惑した。
「ホノカを操って俺達の相手をさせるなんて……悪趣味すぎる」
「待って皆!! 私はっ!」
「もう黙れ! ホノカを愚弄することは俺達が許さない!!」
セイジは剣を抜きホノカと向き合う。
「ハクア、このホノカどう思う?」
「洗脳されてる、もしくは死んだ体を操っている可能性が高いかと……しかし魔王も馬鹿ですね、正義感の強い真面目なホノカがこんな馬鹿げたことを言うはずがありませんからね」
「あぁ! とにかく無力化してホノカを取り返す!」
「っ……どうして!」
ホノカはグッと唇を噛みしめた……こうなることは覚悟していた。でもここまで信じてもらえないなんて……ショックでしかない。
「ホノカには悪いがまずは手足を動かないようにする! 行くぞ!」
シホ達がライフルを構え手足を狙い発砲を開始する。しかし……
「弾が弾かれる?」
「違います、それているんです! おそらく何かの魔法かと!」
弾丸はホノカには届かず、まるで彼女を避けるようにそれていき地面に吸い込まれていくだけだった。
「お願い、話を……聞いて」
「くどい!!」
セイジはそう叫びながらホノカに斬りかかる。多少荒くても無力化を優先する!
「このっ……わからずやぁ!!!」
「ぐあっ!?」
セイジが剣を振り下ろそうとした瞬間剣共々何かに弾き飛ばされた。
「もう、無理矢理にでも連れて行く……痛いだろうけど我慢しなさいね!」
緑色に光る黒銀の刀を抜き放ちクラスメイト達を睨みつける。
「このホノカ、ステータスがバグってて見えない……やっぱり何かあるみたい」
「とにかく動きを止めるぞ!」
「射撃は効かない、近接戦で押さえ付ける!!」
セイジを主軸に展開しホノカを囲み攻撃を仕掛けていく。
「くっ!?」
ホノカは連携のとれた勇者達にどんどん押されていく、仮にも勇者として呼ばれ戦ってきた彼らもまた経験を積んで強くなっているのだった。
「よしこのまま動きを止めて捕縛するぞ!」
後ろから一人が飛び掛かる。
「風陣、竜巻!!」
ホノカがそう叫び刀を水平に振り抜きながら自分を軸として一回転、すると彼女を中心に竜巻が広がりセイジ達をまとめて吹き飛ばすした。
「っち、人数で押してるのに、これでも攻めきれないなんて……」
「殺す気で行きましょう……そのくらいしないと倒せません!」
「だな!」
セイジは剣に魔力を溜めて一気に振り抜く。
「必殺、カラドヴォルフ!!」
螺旋を描きホノカに迫るそれは間違いなく直撃コースだった、しかしホノカは避けようとせずそれを真正面から刀で受け止めた。
「きゃあぁぁっ!?」
ホノカは受け止めきれず吹き飛ばされたがそれでもほとんど威力は相殺しきっていた。
「今だ!」
吹き飛ばされたホノカ目掛けてハクアは白い槍を投げつける。立ち上がろうとしているホノカは刀で槍を受け、それは足元に突き刺さる。
「なんですって!?」
「……?」
その瞬間ハクアの驚愕した叫びが響く。
「なぜ発動しない!? 神縛りの十字槍が機能しない??」
「おいハクア、どういうことだ?? あれは神に連なる力を持つ者を拘束する槍なんだろ??」
「はい、神の力が強ければ強いほどその捕縛力を増す、神の加護を持つ対勇者武器のはず。ホノカさんも強力な加護を持っていますし今の攻撃を受け切ったことで確信もしていました!」
しかし槍は反応しない。つまりホノカは神に連なる力の一切を持っていないという事になる。
「やはりこのホノカは偽物という事?」
「そんなっ! やっぱりホノカはっ……」
愕然とする勇者達を前にホノカはゆっくりと立ち上がる。
「私は……勇者じゃないし、こんな戦いをさせる神の力なんて間違ってる!!」
ホノカは腰のポーチから右手で二本の瓶を取り出し口で蓋を開け中身をそのまま飲み干していく。そして飲み終わった瓶を投げ捨て、口を拭い再びセイジ達を睨みつける。
「気を付けろ、雰囲気がっ」
セイジ達はその圧に若干後ずさる。
「四肢を砕いてでも全員連れて行く……それが私の覚悟!」
次の瞬間ホノカから膨大な魔力が溢れ、それは目視できるほどでそれだけで周囲のものを吹き飛ばしていく。
「ねぇ、見て! ホノカの体!」
魔力もだがホノカの顔に変化が表れている、小さいが頭から二本の角が生え、頬のあたりが鱗のようなものへ変化し瞳も鋭く瞳孔も縦長へと変化し犬歯が鋭い牙へと変わっていた。
「鬼? それよりもなんだか竜人みたい……」
「やはり偽物?」
「何とでも言いなさい……私はそれでも成し遂げて見せる。はあぁぁぁぁ!!!」
ホノカの声はまるで竜の咆哮のように響き渡る。それはそれは怖気づかせるのに十分なほどに。
「一気に決めるぞ! カラドヴォルフ!!」
再びセイジの技が放たれる。しかし……
「竜陣、斬爪烈風!!」
ホノカの一振りは竜の爪の一撃の如くそれを粉砕、風圧でセイジを吹き飛ばす。
「ぐおぉぉ!?」
「なっ!?」
「覚悟しろ、押し通る!!」
ホノカは刀を納刀しそのまま一気に距離を詰め勇者達の中心へと踏み込んだ。
「竜陣、狂乱翼」
抜刀と同時に周囲の全員を吹き飛ばし風圧で切り裂いていく、誰の目にも勝敗は明白だった。
「ちゃんと手当てするから、そのまま今は眠ってて」
「まだだっ! まだ終わってない!!」
セイジはまだ立ち上がり剣を構えホノカへと迫る。
「このわからずや……」
ホノカは刀を振り上げて綺麗な構えを見せる。
「竜陣、轟尾一閃!!」
セイジはホノカの目の前で動きを止めた、いや動けなくなった。剣は砕かれ、振り抜かれた衝撃で体が麻痺し鎧にも亀裂が走ってとてもじゃないが戦える状態ではなくなったのだ。
「はやく、他の皆も連れてこなきゃ」
「それはいけませんね……」
刀を納刀し次の場所を探そうとするホノカに声が聞こえた。
「誰!?」
若干の高低差がある場所からホノカを見下ろす男が二人と複数の兵士がそこには立っていた。
「落ち着け、俺達は作戦通り目標地点に玉を設置する。そうすれば勝てるんだ!!」
勇者達は五つのチームに分かれてなにかの儀式に使うらしい玉の設置に向かった。既に瀕死間際の帝国には余裕がなかった。
「セイジ! 誰かいる……」
「敵か!?」
中央の最も重要な場所へ設置しに来たセイジ達は正面で自分達を待ち受ける人影を見つける。
「まって……あれって。ホノカ!?」
「ホノカ!?」
全員その姿に驚いて駆け寄る。なにせもう死んでしまったと思っていた友人が目の前に現れたのだから無理もない。
「皆、元気そうでよかった」
「ホノカこそ! 生きててよかった!! てかなにその装備! めっちゃかっこいいじゃん!!」
「よく無事で!」
「うん……」
再会を喜ぶ同級生達、しかし冷静なハクアの声がそれを遮る。
「再会は喜ばしいですけど、今は作戦の遂行を! 我々には余裕がないのですから」
「そうだった……ホノカ! 会えて早々で悪いんだが協力してくれるな?」
「……」
「ホノカ?」
急に黙るホノカにシホは不思議そうに声をかける。
「皆、そのことだけど。今すぐ戦うのをやめて私と一緒に逃げて欲しいの」
空気が変わった。
「ホノカ? 何を言ってるの?」
「ちゃんと説明する。だから今は一緒に!」
「お前……ホントにホノカか?」
セイジの声が急に冷たくなった。目つきも鋭く攻撃的な雰囲気だ……
「そうよ!」
「俺達は世界を救って地球に帰る……そう約束したよな……?」
「……」
「なのに今更戦いを辞めろ? ふざけているのか?」
「本気よ、それに仮に勝ったとしても帰れないわよ……」
「ホノカ? 何言ってるの?」
シホが不安そうに問いかける。わかっていた……友人が多く死に、すでに敗北は時間の問題。そのタイミングで現れたホノカが戦いを辞めろといったところで……
「そうか、魔王め……こんなグロい事を……ゆるせないっ!!」
セイジが急に激昂しだし訳も分からずホノカは困惑した。
「ホノカを操って俺達の相手をさせるなんて……悪趣味すぎる」
「待って皆!! 私はっ!」
「もう黙れ! ホノカを愚弄することは俺達が許さない!!」
セイジは剣を抜きホノカと向き合う。
「ハクア、このホノカどう思う?」
「洗脳されてる、もしくは死んだ体を操っている可能性が高いかと……しかし魔王も馬鹿ですね、正義感の強い真面目なホノカがこんな馬鹿げたことを言うはずがありませんからね」
「あぁ! とにかく無力化してホノカを取り返す!」
「っ……どうして!」
ホノカはグッと唇を噛みしめた……こうなることは覚悟していた。でもここまで信じてもらえないなんて……ショックでしかない。
「ホノカには悪いがまずは手足を動かないようにする! 行くぞ!」
シホ達がライフルを構え手足を狙い発砲を開始する。しかし……
「弾が弾かれる?」
「違います、それているんです! おそらく何かの魔法かと!」
弾丸はホノカには届かず、まるで彼女を避けるようにそれていき地面に吸い込まれていくだけだった。
「お願い、話を……聞いて」
「くどい!!」
セイジはそう叫びながらホノカに斬りかかる。多少荒くても無力化を優先する!
「このっ……わからずやぁ!!!」
「ぐあっ!?」
セイジが剣を振り下ろそうとした瞬間剣共々何かに弾き飛ばされた。
「もう、無理矢理にでも連れて行く……痛いだろうけど我慢しなさいね!」
緑色に光る黒銀の刀を抜き放ちクラスメイト達を睨みつける。
「このホノカ、ステータスがバグってて見えない……やっぱり何かあるみたい」
「とにかく動きを止めるぞ!」
「射撃は効かない、近接戦で押さえ付ける!!」
セイジを主軸に展開しホノカを囲み攻撃を仕掛けていく。
「くっ!?」
ホノカは連携のとれた勇者達にどんどん押されていく、仮にも勇者として呼ばれ戦ってきた彼らもまた経験を積んで強くなっているのだった。
「よしこのまま動きを止めて捕縛するぞ!」
後ろから一人が飛び掛かる。
「風陣、竜巻!!」
ホノカがそう叫び刀を水平に振り抜きながら自分を軸として一回転、すると彼女を中心に竜巻が広がりセイジ達をまとめて吹き飛ばすした。
「っち、人数で押してるのに、これでも攻めきれないなんて……」
「殺す気で行きましょう……そのくらいしないと倒せません!」
「だな!」
セイジは剣に魔力を溜めて一気に振り抜く。
「必殺、カラドヴォルフ!!」
螺旋を描きホノカに迫るそれは間違いなく直撃コースだった、しかしホノカは避けようとせずそれを真正面から刀で受け止めた。
「きゃあぁぁっ!?」
ホノカは受け止めきれず吹き飛ばされたがそれでもほとんど威力は相殺しきっていた。
「今だ!」
吹き飛ばされたホノカ目掛けてハクアは白い槍を投げつける。立ち上がろうとしているホノカは刀で槍を受け、それは足元に突き刺さる。
「なんですって!?」
「……?」
その瞬間ハクアの驚愕した叫びが響く。
「なぜ発動しない!? 神縛りの十字槍が機能しない??」
「おいハクア、どういうことだ?? あれは神に連なる力を持つ者を拘束する槍なんだろ??」
「はい、神の力が強ければ強いほどその捕縛力を増す、神の加護を持つ対勇者武器のはず。ホノカさんも強力な加護を持っていますし今の攻撃を受け切ったことで確信もしていました!」
しかし槍は反応しない。つまりホノカは神に連なる力の一切を持っていないという事になる。
「やはりこのホノカは偽物という事?」
「そんなっ! やっぱりホノカはっ……」
愕然とする勇者達を前にホノカはゆっくりと立ち上がる。
「私は……勇者じゃないし、こんな戦いをさせる神の力なんて間違ってる!!」
ホノカは腰のポーチから右手で二本の瓶を取り出し口で蓋を開け中身をそのまま飲み干していく。そして飲み終わった瓶を投げ捨て、口を拭い再びセイジ達を睨みつける。
「気を付けろ、雰囲気がっ」
セイジ達はその圧に若干後ずさる。
「四肢を砕いてでも全員連れて行く……それが私の覚悟!」
次の瞬間ホノカから膨大な魔力が溢れ、それは目視できるほどでそれだけで周囲のものを吹き飛ばしていく。
「ねぇ、見て! ホノカの体!」
魔力もだがホノカの顔に変化が表れている、小さいが頭から二本の角が生え、頬のあたりが鱗のようなものへ変化し瞳も鋭く瞳孔も縦長へと変化し犬歯が鋭い牙へと変わっていた。
「鬼? それよりもなんだか竜人みたい……」
「やはり偽物?」
「何とでも言いなさい……私はそれでも成し遂げて見せる。はあぁぁぁぁ!!!」
ホノカの声はまるで竜の咆哮のように響き渡る。それはそれは怖気づかせるのに十分なほどに。
「一気に決めるぞ! カラドヴォルフ!!」
再びセイジの技が放たれる。しかし……
「竜陣、斬爪烈風!!」
ホノカの一振りは竜の爪の一撃の如くそれを粉砕、風圧でセイジを吹き飛ばす。
「ぐおぉぉ!?」
「なっ!?」
「覚悟しろ、押し通る!!」
ホノカは刀を納刀しそのまま一気に距離を詰め勇者達の中心へと踏み込んだ。
「竜陣、狂乱翼」
抜刀と同時に周囲の全員を吹き飛ばし風圧で切り裂いていく、誰の目にも勝敗は明白だった。
「ちゃんと手当てするから、そのまま今は眠ってて」
「まだだっ! まだ終わってない!!」
セイジはまだ立ち上がり剣を構えホノカへと迫る。
「このわからずや……」
ホノカは刀を振り上げて綺麗な構えを見せる。
「竜陣、轟尾一閃!!」
セイジはホノカの目の前で動きを止めた、いや動けなくなった。剣は砕かれ、振り抜かれた衝撃で体が麻痺し鎧にも亀裂が走ってとてもじゃないが戦える状態ではなくなったのだ。
「はやく、他の皆も連れてこなきゃ」
「それはいけませんね……」
刀を納刀し次の場所を探そうとするホノカに声が聞こえた。
「誰!?」
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