転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

文字の大きさ
187 / 191

第187話

しおりを挟む
 今日は訓練所にやってきた、理由は製作開始からいろいろあり遅れていたキッドとエイダの武器のお披露目があるのだ。まぁ途中で起きた出来事のお陰で様々な追加加工がおこなわれた結果、普通の剣とは言えなくなってしまったけど。
「いいか、そいつらは刻まれた魔術の事しか実行しないし発動の度に魔力を食うから下手に使うと魔力切れを起こす。上手く加減して使うんだぞ」
「わかった!」
「あいよっ」
 エイダは早速武器を構える、元々長物を得意としていた彼女のために作られた武器は一言でいえば薙刀だ。柄は長く振り回す事を重視し、本人の癖に合わせてバランスが調整された専用魔剣……いや、魔槍というべきかな、それとも薙刀は刀っぽいし妖刀か?
「ミカ、やってくれ」
 ガンプの合図を受けたミカは魔法を発動させる。彼女も神の加護を失い勇者としての力は失っているが修練の結果、魔導士としての才能がしっかりとあるらしく前と比べると見劣りはするがそれでも十分な力を見せてくれた。
「はい、奴を倒せ! ウッドマン!」
 転がっていた丸太が魔力を受けて人型へと変化しエイダを囲む、ウッドマンは戦闘能力もそれなりにあるため練習台として持って来いなのだ。
「はぁぁ!!」
 エイダは早速ウッドマン相手に斬りかかる。今回はあえて一対多の乱戦を想定した、彼女の本領はそこにあるから。
「いいねぇ、振り回すのに丁度いいし強度もしなやかさも完璧!」
 流石冒険者というべきか初めて扱うはずの武器を見事なまでに使いこなしている。
「そして何より、この切れ味はヤバイ! 面白いくらい的がズタズタだ!」
 ウッドマンはそこそこの硬度があるはずなのだがバターでも切るようにバラバラにされていく。実際武器の核はエイダの魔力を使っているからすぐに馴染むしベースの素材も俺の素材やコボルト達の掘った質のいい鉱石が使われているし何よりガンプの腕が最高なのが大きいだろう。
「それじゃ準備運動はこの辺でっ、こいつの力、見せてもらおうか!」
 突然薙刀が光形が変わっていく、その形は柄の下部が分離し小型のナイフへと変わり刀身は小さく片手で振り回せる槍へとなった。
「ジャベリンか、いってきな!!」
 エイダが小型の投擲槍ジャベリンとなった部位を勢いよくウッドマンへ投げつけるとそれは瞬間的に加速し容易に貫くどころかその先に鎮座していた大岩すら砕いていった。
「すげぇ威力……」
「あの娘っ子は魔法に関して才能は無いし魔力も並みだ、正直魔道具と相性は良くない。しかし戦闘に関しては本物だ、ならば少量の魔力であらゆる戦況に対応できるように変化術式のみに特化させたんだ」
「ホノカの刀と同系か」
「嬢ちゃんも魔法の才能は無かったが仮にも勇者、素の魔力がなかなかに高いから自己強化系の魔術を刻み込んだ。それが違う点だな」
 ガンプと話していると投げたジャベリンがエイダの手元へと勝手に帰ってきた。
「ジャベリンは投擲槍、消耗品だがあれは左手で持っているナイフと対になっている。どんなに離れていようが絶対に引き合い一つに戻る、まぁ投げてる間は最低限の自衛しかできなくなる欠点はあるがそこは連携でどうにかしてもらおう」
 自身の作品なだけありガンプも楽しそうだ、ホノカの時は急ぎだったのもあり試し斬りなどができていなかったからなおさらなのだろう。
「次!」
 ジャベリンとナイフを繋げると再び形を変え、今度はシンプルな長槍へとなりウッドマンを近づけずに次々と貫いていく。
「斬、突、投を切り替えて戦えるのか」
「他にもまだ組み込める余地は残しているがそこは今後娘っ子の希望に合わせて改良って感じだな」
 そして話している間にウッドマンを全て倒し、エイダの試験運用が終了した。
「どうだった?」
「あたしさ、どんな状況にも対応するためにハルバードを使ってたんだけど、瞬時に各種特化した形態に変化できるこいつはホントに理想だよ」
「気に入ったなら良かった、修正や追加はガンプとやってくれ」
「おう!」
 ニコッとエイダは笑ってみせた。ちなみにこの武装が形を変えれるのは俺の素材の持つ独自の特性らしくそれが無ければ作れなかったとのことだ、なんでも俺が人や竜の姿を自由に変えることができる能力を素材もしっかりと維持しているらしく魔力を吸って形を変えれると判明し、実験的に術式として組み込んだのがこの魔槍らしい。
「じゃあ次はキッドだな」
 エイダがバシッとキッドの背中を叩いて広場へと送り出す。
「いっ!? たぁ……」
 キッドが装備している物はシンプルな赤い片手剣と手甲一体型の腕部を覆う盾ガントレットシールドとか呼ばれてた居たものだ。これは普通の盾と違い小型ではあるが左腕の動きに合わせて柔軟に動く使い勝手のいい物となっている、ちなみに防御力も高くそう簡単には傷すらつかない代物に仕上がったらしい。
「キッド、準備はいいか?」
「はい!」
「ミカ、やってくれ!」
 ミカは頷き、再びウッドマンを生成して試し斬りが開始した。
「はぁ!!」
 ウッドマンの攻撃を受け流し次々と切り裂いていく赤い剣と盾、今のところ特に変わった魔剣というようなところは見当たらない。それよりもキッドの動きが凄くよくなっている方が驚きだ、皆にボコボコ……訓練を受けていた成果がしっかりと出ているようだ。
「ガンプ、あれの能力は無いのか?」
「あの剣と盾は魔法攻撃を受けた時に本領を発揮する。ああいう単純な相手なら最高級の武具と変わりないな」
「ふ~ん、どの位までなら耐えれる?」
「盾が砕けない限り理論上、制限はないぜ」
 ガンプは俺が何を考えているかわかっている、というよりそれをやってほしくて期待しているみたいだ。
「キッド、死にたくなければしっかり受け止めろ!」
「え? ……うそだぁぁぁぁ!?!?」
 俺はキッドに向けて火の息を吐いた。ウッドマンは魔法は使わない、ならばこうしてあげるのが手っ取り早い。
「キッド、避けずに盾で受け止めろ! その魔剣の性質は説明しただろ!!」
 ガンプの声を聞きキッドは盾を構える、まぁそもそも逃げ切れない範囲に吐いてるからそれしかできる事が無いんだけど。
「へぇ、すごいな」
 驚いた、広範囲にまき散らす炎の息を盾が吸収していく、加減してるとはいえこの広範囲を焼くブレスを阻害して全てを飲み込んでいくのだからあの小さな盾には自分だけでなく味方を守る大きな力があるのは明白だった。
「魔力で作られた現象ならほぼすべてを吸収できるぜ」
 ブレスを辞めるとキッドの盾にはめ込まれた宝玉が一つ光輝きだした。
「エンチャント!」
 キッドはその宝玉に刀身の腹を擦り付けていく。すると剣本体が炎を纏い赤々と燃え上がりだした。
「はぁぁぁ!!」
 剣を振ると炎も敵を焼き切らんと暴れだす、それはまるで炎の竜が敵を破壊するかのようだった。
「キッドは、魔法の才能が全くないくせに魔力は勇者並みに高い変な力だった。こいつはその力を存分に発揮させるための武具、並みの奴にゃ盾で吸収した瞬間に魔力を食い尽くされてぶっ倒れる」
 せっかくある膨大な魔力を存分に活かすための魔剣ってところかな。相手が用意した魔法を自分の力として行使する相手が魔法に特化してればしてるほど強くなるらしい。
「ただし溜めれる魔法は三種類までだ。それ以上は吸収すらできないから気を付けな」
「まぁこれなら魔術の才能が無くても自分のこうしたい、ああしたいという意思を受け取った魔剣が再現してくれる。魔法の使えない者の魔法って感じかな?」
「よくわからんが、キッド専用なのはわかったよ」
 ガンプが嬉しそうに見ている、あの剣は形を変えはしないが本人の力を最大限引き出す専用武器として最高の完成をしているのは伝わってくる。
「後は精度を上げてもらいつつ微調整をすれば完璧だな!」
「皆の装備も考えているんだろ?」
「勿論、最高の装備を作ってみせるぜ!」
 ガンプはそう言うと大笑いしてお酒を一気に煽っていく……ちょっとまて、その酒はどこから持ってきた? 後ろを振り向くと答えはあった、この試験運用を見世物にちょっとした宴会が開かれていた。まぁ最近こういうのやってなかったし、幸か不幸か余興もある。
「とりあえず、もう好きにしてくれ」
 そしてこの後魔剣のテストを兼ねて興味のある強者達がガンプのデータ収集もこみでド派手な演習を何度も繰り返し宴会はますます盛り上がっていくのであった。
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる

シンギョウ ガク
ファンタジー
※2019年7月下旬に第二巻発売しました。 ※12/11書籍化のため『Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。』から『おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる』に改題を実施しました。 ※第十一回アルファポリスファンタジー大賞において優秀賞を頂きました。 俺の名はグレイズ。 鳶色の眼と茶色い髪、ちょっとした無精ひげがワイルドさを醸し出す、四十路の(自称ワイルド系イケオジ)おっさん。 ジョブは商人だ。 そう、戦闘スキルを全く習得しない商人なんだ。おかげで戦えない俺はパーティーの雑用係。 だが、ステータスはMAX。これは呪いのせいだが、仲間には黙っていた。 そんな俺がメンバーと探索から戻ると、リーダーのムエルから『パーティー追放』を言い渡された。 理由は『巷で流行している』かららしい。 そんなこと言いつつ、次のメンバー候補が可愛い魔術士の子だって知ってるんだぜ。 まぁ、言い争っても仕方ないので、装備品全部返して、パーティーを脱退し、次の仲間を探して暇していた。 まぁ、ステータスMAXの力を以ってすれば、Sランク冒険者は余裕だが、あくまで俺は『商人』なんだ。前衛に立って戦うなんて野蛮なことはしたくない。 表向き戦力にならない『商人』の俺を受け入れてくれるメンバーを探していたが、火力重視の冒険者たちからは相手にされない。 そんな、ある日、冒険者ギルドでは流行している、『パーティー追放』の餌食になった問題児二人とひょんなことからパーティーを組むことになった。 一人は『武闘家』ファーマ。もう一人は『精霊術士』カーラ。ともになぜか上級職から始まっていて、成長できず仲間から追放された女冒険者だ。 俺はそんな追放された二人とともに冒険者パーティー『追放者《アウトキャスト》』を結成する。 その後、前のパーティーとのひと悶着があって、『魔術師』アウリースも参加することとなった。 本当は彼女らが成長し、他のパーティーに入れるまでの暫定パーティーのつもりだったが、俺の指導でメキメキと実力を伸ばしていき、いつの間にか『追放者《アウトキャスト》』が最強のハーレムパーティーと言われるSSランクを得るまでの話。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

処理中です...