転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

文字の大きさ
35 / 191

第35話

しおりを挟む
「ピャアールルルルルルラー!!」
 春もそろそろ終わりが近いのかなと思う今日もシラユキの咆哮から一日が始まる。出産後すっかり体力も回復し骨も繋がったようで最近では少しずつ歩きながらリハビリを始めている、子供達もそれについてピコピコ飛び回っているのがすごく可愛らしく毎日癒されている。
「ピィーヒャルルルルルラー!!」
 しかし今日はいつもと違った。咆哮に返事があったのだ、だいぶ遠くだと思うが間違いなくシラユキに反応している。証拠にシラユキが普段見せないほどに落ち着きが無くなって今すぐにでも飛び立ちたそうにしだしたのだ。
「シラユキ、落ち着け!」
「おチビ達も居るんだから落ち着いて!」
 起きていた皆でどうにかなだめているが常にソワソワして落ち着く気配がない。絶対に何かある、そう確信できる。
「ルーフェ、レフィ起きてる?」
「もちろんですご主人様!」
「ワタクシも起きてますよ~」
 声をかけると二人とも既に後ろに居た。
「さっきの鳴声の方見に行ってみようと思うんだけど付いて来てくれる?」
「お任せください!」
「は~い」
 そういうと俺はドラゴンモードへと変身した。
「じゃあちょっと見に行ってくるね」
「いってらっしゃい、気を付けてね」
「アズハ、シラユキの事任せるね」
「うん!」
 そうして俺達は様子を見るために家を飛び立ったのだった。
「今までなかった返事が返ってきた、二人はどう思う?」
「シラユキさんはずっと吠えていましたし返事を待ってたのはわかるんですけど、今まで聞こえていても返事がなかったことを考えるとシラユキさんを迎えに来たというより助けを求めるような気がしますね」
「少しづつでも近づいて来ていたと考えても、急に返事をしたのがすぐに行ける距離になったからなのか、何か危険が迫って助けを求めたのか意図がわかりません」
「とりあえずミラーハイドで姿を隠すから様子を見ながら判断しようか」
「はい!」
 俺は自分とルーフェ達を魔法で包み姿を覆い隠す。これは敵対した時に不意打ちで攻めれる以外に無駄な混乱を避ける意図もあるので最優先で習得して正解だった。ドラゴンになるといろいろ大変なのだ、去年一年で実感した。
「見えてきました」
「何かが戦ってますね」
 空中で止まり、戦闘の様子を窺うことにした。正面では漆黒のグリフォンが頭と下半身はライオン、上半身はゴリラ、サソリのような尻尾に蝙蝠のような巨大な翼、おまけに水牛のような大きな角と鋭い鎌のように長い牙と爪を持つ化け物と激闘を繰り広げているようだった。
「あのグリフォンが戦ってる奴は?」
「マンティコアですね、アレクロン王国がヘルハウンド同様に使役している魔獣です」
「全部で五匹ですかね、しかも全部上位種、王国秘蔵のレアな種族ですよ」
「なんでそんなのが出てきてるんだよ……」
「捕獲もしくは殲滅、どうしても手に入れたいもしくは何処にも渡すわけにはいかない相手なんでしょうかね」
「人ですかね? もう一人マンティコアと戦ってる方が居ます」
 ルーフェの声に視点をグリフォンの下に向けると空中でマンティコアと戦っている人影が見えた。
「人? 空飛んでない?」
「珍しいですね、あれは妖精族です。しかも戦妖精、ウォーフェアリーです」
「通常のフェアリーやピクシーは手に乗るほどの大きさですごく小さいのですが、ウォーフェアリーは通常の人間と同じくらいの大きさに成長するんです」
 なにそれ? という雰囲気を醸し出してたら教えてくれた、二人とも優秀です。
「主に妖精王ティターニアの警護に着くと言われている特別な存在なんですけど……」
「強いの?」
「普通に強いはずですよ、ただ今回は相手が悪いですね。一対一ならまだ戦いようはあると思いますけど五匹をグリフォンと分担して受け持ってるのでそうとうキツイかと」
 実際さっきから戦闘を見ているがグリフォンは三匹を受け持ち防戦一方、反撃する余裕が全くないしフェアリーの方は苦しそうで次第に押されている。もうやられるのは時間の問題という雰囲気だ。
「ちなみにルーフェ達ならどう? 倒せそう?」
「余裕です、むしろこの剣の試し斬りがしたくて……」
 うずうずしてるのね。ルーフェはここに来てから、というか堕天してから装備を一新した。ヴリトラに使える者として戦闘用の鎧と剣を俺の鱗で作った漆黒の物に変えてずっと試したいと言っていたのだ。ちなみにレフィの方もお姉さまと同じものを! と言ってアリッサにお願いしていた。
「あ、妖精さん不味いですよ。剣が折れちゃいました」
 ウォーフェアリーが攻撃を受け流そうとした瞬間剣が砕け、マンティコアの殴りつけが直撃し墜落していく、流石に不味い雰囲気が強くなってきた。
「レフィ、あの妖精を見てあげて。ルーフェ、あの二匹好きにしていいよ」
「了解いたしました」
「は~い」
 俺は咆哮を上げ、迷彩を解除してグリフォンの相手していた一匹に急接近し鼻先の角で胸の辺りを貫き勢いのままに吹き飛ばし、別のマンティコアには尻尾で思いっきり殴りつけ地面に叩き落した。
「助けてやるから頑張りな」
 漆黒のグリフォンもシラユキのようにこっちの意図をしっかりと理解してくれているようだった。突然仲間を二匹も叩き落され吠えながら怒り狂ってるマンティコアがそのまま襲い掛かってくる。
「滅べ、バスターストリーム!!」
 襲い掛かってくるマンティコアに風属性のブレスを正面から浴びせる、イメージ通り奴はブレスの直撃と同時にズタズタに引き裂かれそのまま墜落していった。昔遊んでいたカードゲームに似たような技を使うドラゴンが居てすごくイメージに残っていたのだ。実際自分で撃てるのはめっちゃ楽しい!
「まず一つかな」
 着地すると同時に周囲を見るとズタズタになりたぶん即死した個体が力なく転がっている、さっき叩き落したのは三匹残り二匹はどこだろう……そう思っていたら背後と正面から同時に飛び掛かってきた。でも残念、ドラゴンにはそんなこと通用しない。後ろは尻尾で殴り飛ばし正面はそのまま受け止めてしまえばいい。
「二つ目!」
 正面の個体の掴みやすい二本の角を両手でギュッと握りしめて車のハンドルを切るように力いっぱいひねり上げるとゴキゴキゴキと音を立てて明後日の方向を向いて動かなくなった。
「グアァアァア!」
 尻尾で払っていた最後の一匹がブチギレてサソリのような尻尾で突き刺そうと振り回してくる。毒攻撃っぽいし当たりたくないなぁ……そう思いながら体を反らして尻尾避けながら掴んで見せる。どうでもいいかもだけど、ドラゴン相手に怖がりもせず攻撃してくるあたりこいつらってめっちゃ強いの? それとも馬鹿なのかな?
「馬鹿ですね」
 あ、心読まれた……
「ご主人様~それが最後の一匹ですよ~」
 笑顔のルーフェが手を振っている。俺が遊んでいるように見えてるようだ……確かにこいつは胸に穴開いてるしほっとけば死ぬと思うけど、それは可愛そうかな?
「えい!」
 爪に風を纏わせ刃をイメージ、そのまま首元を薙いでみた。実験感覚だったけどズルりとマンティコアの首が落ちてびっくりした、身体強化というか魔法を纏う感覚は新鮮だし結構な威力が出るみたいだ、覚えとこ……
「お見事ですご主人様!」
「早かったね」
「格下でしたし、ご主人様も練習台にしてたじゃないですか」
 確かに実験台にしたけど……遠くでスライスされてるマンティコアを見るとやっぱルーフェって強かったんだなぁ。
「主様~」
「レフィ、その娘は無事?」
「はい、重傷ですしだいぶ消耗してますけど大丈夫だと思います」
 レフィは治癒魔法が使えるらしく意識を失っている妖精の介護をしてくれていた。
「ご主人様、お客さんが降りてきますよ」
 上を見上げると何が何だかまだ驚いているような困った顔のグリフォンが降りてきた。
「無事そうだね」
「怪我はしていますが飛べているし彼は問題ないかと思います」
 体中に怪我はしているが漆黒のグリフォンは無事そうだった、そしてなにより敵意が無いのを理解しているのか警戒もしていないようで助かっている。
「それよりももう一人お客様みたいですよ~」
 レフィがそういうとグリフォンの後方の茂みがガサガサと揺れたと思ったらそこから緑がかった金髪の美しい女性が姿を現した。
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる

シンギョウ ガク
ファンタジー
※2019年7月下旬に第二巻発売しました。 ※12/11書籍化のため『Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。』から『おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる』に改題を実施しました。 ※第十一回アルファポリスファンタジー大賞において優秀賞を頂きました。 俺の名はグレイズ。 鳶色の眼と茶色い髪、ちょっとした無精ひげがワイルドさを醸し出す、四十路の(自称ワイルド系イケオジ)おっさん。 ジョブは商人だ。 そう、戦闘スキルを全く習得しない商人なんだ。おかげで戦えない俺はパーティーの雑用係。 だが、ステータスはMAX。これは呪いのせいだが、仲間には黙っていた。 そんな俺がメンバーと探索から戻ると、リーダーのムエルから『パーティー追放』を言い渡された。 理由は『巷で流行している』かららしい。 そんなこと言いつつ、次のメンバー候補が可愛い魔術士の子だって知ってるんだぜ。 まぁ、言い争っても仕方ないので、装備品全部返して、パーティーを脱退し、次の仲間を探して暇していた。 まぁ、ステータスMAXの力を以ってすれば、Sランク冒険者は余裕だが、あくまで俺は『商人』なんだ。前衛に立って戦うなんて野蛮なことはしたくない。 表向き戦力にならない『商人』の俺を受け入れてくれるメンバーを探していたが、火力重視の冒険者たちからは相手にされない。 そんな、ある日、冒険者ギルドでは流行している、『パーティー追放』の餌食になった問題児二人とひょんなことからパーティーを組むことになった。 一人は『武闘家』ファーマ。もう一人は『精霊術士』カーラ。ともになぜか上級職から始まっていて、成長できず仲間から追放された女冒険者だ。 俺はそんな追放された二人とともに冒険者パーティー『追放者《アウトキャスト》』を結成する。 その後、前のパーティーとのひと悶着があって、『魔術師』アウリースも参加することとなった。 本当は彼女らが成長し、他のパーティーに入れるまでの暫定パーティーのつもりだったが、俺の指導でメキメキと実力を伸ばしていき、いつの間にか『追放者《アウトキャスト》』が最強のハーレムパーティーと言われるSSランクを得るまでの話。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

処理中です...