転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

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第114話

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 とある満月の光る春の夜、俺はリュクスに呼ばれ彼女達がここに移り住んだ際に植えた精霊樹の元へとやってきた。
「主様、わざわざおこしくださりありがとうございます」
「アズハも落ち着いてるし大丈夫、それよりリュクスが用事っていうのも珍しいね」
 リュクスはここに来てから妖精の女王として数えるのもめんどくさい人数の妖精達を管理し、作物や日常生活に必要な植物の面倒を見てくれているのだ。
「用事と言うほどでもないんですけど、お見せしたいものがございまして」
 そう言うとリュクスはにこっと微笑んで見せた。
「見せたいもの?」
「ここに来てから二回ほど季節を廻り、ようやく土地に精霊樹が馴染みその役目を果たそうとしております」
「それって確か……」
 精霊樹は妖精達の繁殖に必要な木って前に言ってたよなぁ。
「新たなる妖精達が今宵産まれます」
 精霊樹にはここに住む妖精達が集まり彼女達の発光で昼間のように木の周辺だけ明るくなっていた。
「こんなに居たのね……」
 俺はその妖精の数に驚いた。ホントにすごい数だったのだ。
「実は私がここに住み始めた後、いくつかの一族が合流してきたのです。住む場所を奪われ、家族を失い生命の危機に陥った者達がすがる思いでやってきてまして……」
 普段の彼女を見ていればわかる。彼女は女王であり同族を愛する優しい女性、とてもじゃないけど追い返すなどできるはずもなかったんだと。
「いいさ、妖精達には作物の面倒とかこっちも助けてもらっているからね」
「迎えた際に主様に挨拶に行けばよかったんですけどね……」
 リュクスは少し申し訳なさそうに笑ってみせた。
「挨拶に来ても名前すら覚えきれないよ……」
 そう言いながら二人ではははと笑いあった。
「そろそろ産まれますよ」
 リュクスの声に精霊樹に向き直る。妖精達の発光で明るいんだと思っていたが、よくよく見ると木自体が光を発しているし枝に咲く花も発光しているようだった。
「始まります」
 妖精樹の花は付け根が膨らみ花びらを散らしながらどんどんと大きくなっていく。
「なんか、一瞬で成長してない?」
「人で言うと、花の時点で既に妊娠は終わっています。後は出産のみです」
 なんかすごいわかりやすいようなわかりにくいような……
「きますよ」
 大きくなり、実のようになった花に亀裂が走り中から何かが零れ堕ちる。それを妖精達が優しく受け止めていくのだ。何個も何個も割れては淡く光る何かを産み落とし、それを優しく妖精達が受け止めていくのだ。
「これが私達妖精の繁殖です」
 そう言いながらリュクスは妖精に手招きしてみせた。
「ティターニア、生命に満ち溢れた元気な子が生まれました」
「この子は魔力も高いし元気に成長してくれるでしょう」
「はい!」
 妖精に優しく抱きかかえられたそれは、まさに生まれたばかりの小さな赤ちゃんという感じだった。淡く光っていて小さな羽もあるが人の赤ちゃんと変わりない新たな命だった。
「すごいな」
「精霊樹が繁殖するのは不定期で環境や季節にも左右されますがこんなに活性化したのは私も初めて見ました、こんなに子供が産まれたのなら、もうしばらくは無いと思いますけど」
 すごく神秘的な光景を見せてもらった、これは一生忘れられないだろうしいつか自分の子供達にも見せてあげたいと思った。
「リュクスもこういう風に産まれたの?」
「私はちょっと例外ですね。シンシアもですけど人と同じくらい大きく成長する者は精霊樹の世代交代の時に産まれます、言うなれば私はこの木と姉妹みたいなものなのです」
「そうだったのか、無事にここに定着してくれてよかったよ」
「はい、私も嬉しいです。シンシアの産まれた時の木は焼かれて命を落としてしまったのですが、彼女もこの木を姉妹のように大切にしてくれていました」
 なんかさらっとすごく重い事を聞いてしまった気がする……
「ちなみに」
「うお!?」
 ふと後ろからシンシアが声をかけてきて驚いてしまった。それを見た二人に笑われてちょっと恥ずかしい……
「ちなみに、ティターニアと私は普通に性交からの出産も可能です。相手は人族など異種族でもです」
「ん?」
「その場合はアズハ様のように身ごもりゆっくりとお腹の中で育てていく感じですよ」
「ん??」
 雰囲気が怪しくなってきた気がする……今までこの二人は迫ってこない方の女性だったんだけどなぁ……
「私達は寿命も長いので急ぐ必要はありませんし、正妻のアズハ様が身ごもるまではと思っていたのですが」
「そちらも解決したので、お暇がある際は是非に!」
 なにを!?
「えっと……」
「今夜とかいかがですか?」
「妖精との交わりなど滅多に経験できませんよ?」
「せっかくなので二人同時にいかがですか?」
「上手くできるかわかりませんが、頑張りますね?」
「さ、行きましょう!」
「ささ!」
 リュクスとシンシアに両腕をガッチリ拘束され成すすべなく連れていかれる、てか勢いに完全に飲まれてる……てか女王様がすごく積極的で混乱してる。
「今夜は素敵なことが起こりましたね!」
 なんか意味が違う気がする!! この後何が起きたかは想像にお任せしたい満月の綺麗な夜だった。
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