転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

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第148話

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「やぁ!」
「……」
 なんというか、絶対この人はタイミングを見て来ていると思う。いや、正確には来てるというのも違うと思うけど……
「なんか反応して欲しいんだけどなぁ~」
「神様、最近よく話しかけてきますね」
「この前のデバックの報酬を届けに来たんだよ、基本的に僕達は不干渉だからね。世界の出来事は世界の住人でどうにかする、できなかったらまぁドンマイ! ってね」
 すっごく神様らしい、理不尽極まりない話だ……
「で、報酬って?」
「軽くスルーしたね? まぁいいや、今回の報酬だけどまず一つ目、君の能力を拡張します」
「拡張ですか?」
「そう、君にはこっちに来た時に最上位のドラゴンとして存在の書き換えとそれに伴う能力修正、火、水、風の三属性の付与ここに加えて能力を追加してあげる!」
 あらためて聞くとすごい能力だ、よくあるラノベのステータスで表示されるであろう俗に言うチート能力系すべてがドラゴンという一言にまとめられているのがなんとも言えない雑さを感じるけど……
「それだけあるともう拡張の余地はないんじゃ?」
「まぁ十分すぎるとは思うけど、今回は三属性に加えて更に地属性を追加してあげる」
「属性追加できるんですか!?」
 地属性が使えるなら農業や土木作業がめっちゃ捗る! 
「いや、真っ先に農業とかに使うこと考えられても……普通戦闘とか魔法のこと考えない?」
「人の考え勝手に読まないでくれませんか?」
「ごめん、ごめん、一応説明しておくけど。これで君は基本四属性全てを行使できる存在となる、これは組み合わせの上位魔法である氷や雷応用系の重力といった今まで使えなかったあらゆる魔法が解禁されるということだ」
 つまり想像した魔法やアニメやマンガの技もほとんどが再現可能ということらしい。
「もちろん、応用系は制御が難しいし威力の加減とかも格段に難しいから使う時は気を付けてくれ」
「でも今までそこまで苦労したことなかったですよ?」
「そりゃ君はドラゴンのブレスとしてイメージを固定してるし行使する魔法系も手加減無しの広域殲滅ばっかだからね、膨大な魔力をそのままぶっ放してるだけで制御してるわけじゃない。人の時はその分イメージが小さくなって威力が弱まってるだけだしね」
 確かに俺は魔法を使う時敵や物を破壊する目的がほとんどだから手加減の必要がないしブレスとしてイメージすればガスバーナーの火力調整するイメージである程度の制御は簡単にできていた。
「確かにブレスという形にイメージするのは上手いと思うよ、知識がなくても威力の制御が簡単だからね。でもここに来てからそれに頼ってたせいでいざ魔法を使おうとするとまともに制御できないだろう。大きな力というのはそれだけ取り扱いも難しいんだよ……」
 反論できない、確かに今まで吹き飛ばす、破壊するという単純な思考、発想からの大規模殲滅しかしていなかった。いわゆる魔法使いというものを一度もやっていないかった。
「その点に関しては君の奥さん達の方がちゃんとしてると思うよ、君は大きな力を持っているがそれを完全にコントロールしているわけではないんだ。それを忘れないでね」
「はい……」
「まぁ、君の力の使い方はドラゴンとしては間違ってないと思うよ。人々のドラゴンという力の印象に対する、畏怖、憧れ、それを体現しているのは間違いないからね」
 確かに俺がしていたことは自分の持つドラゴンへの憧れそのものだった。
「でも、その力に飲まれないでしっかり自我を保って人間として意識しているのも評価できる。そのお陰で君は象徴として世界に台頭してきている」
「ドラゴンになる時、体を大きくすればするほどなんというか、意識が本能に飲まれるような気がする。あれも何か関係あるんですか?」
「巨大化する時その体はドラゴンとしての君のイメージとそれに必要な???が使用されるんだ。その時君の意志と???が天秤に掛けられ比重の重い方に偏る、想像できてると思うけど完全に傾いたらもう戻ることができない、なぜかわかる?」
 天秤の片方が自分の意志でもう片方がドラゴンとしての存在。確かに重い方に意識が偏るというわかりやすい例えだ。
「人間としての君の意志が飲み込まれた時点で人に戻ろうという君という存在が消滅するからだよ」
「俺が俺じゃなくなる?」
「君ではある、しかしその巨大なドラゴンの力が必要になった目的。戦うためや破壊するというのがほとんどだと思うけどその思考に飲み込まれ本能のままに暴れる生きた災害となる」
 つまりあのまま意識がなくなったら破壊衝動のままに暴れまわり思考のない本能のままに生きる動物になるということなのか?
「もちろん例外もあるし戻れるかもしれないけど、君は一歩間違えれば世界を滅ぼす化け物に簡単になれる。今回力を拡張するということはそのリスクが強くなるということも忘れないでくれ」
「拒否権はなし?」
 そんな話を聞かされたら素直に喜べない……
「無し!」
 ダメらしい。
「今後君に必要になる力であるのは確かだからね」
 この神様、何かを隠してる? 思い返すと今回の会話は何か引っかかる……最初に教えてくれてもいい力のリスクといい、まるで俺を見極めていたような違和感を感じる。
「今回君に教えられるのはここまでかな、今後また話す機会はあると思うからその時に続きを教えてあげるよ。君は間違いなく僕の見込んだ人間だよ、期待している」
「はぁ……?」
「あまり呑み込めていないみたいだね、けどごめんね、僕もあまり話すわけにはいかないんだ……今はまだね」
「今は?」
「それでは神に魅入られし黒鱗の竜よ更なる成長に期待する! 君の活躍楽しみに見させてもらうから頑張ってね!!」
 そう言って神様は遠のいていく。
「あ、ちょっとまって!!」
「あ!」
 神様は何かを思い出したように急に止まった。
「神様?」
「もう一つ報酬があったんだ、そっちは現物報酬だから皆で好きに使うといいよ! じゃあね~」
「え? ちょっとまっ……」
 次の瞬間とてつもない轟音により現実に強制送還された、全て計算尽くかあの野郎!!
「主様!!」
 俺を呼ぶ声、まだ暗い夜の中、夢の世界から無理矢理連れ戻され、その轟音の対応に追われるのであった……
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