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晩秋な私の魔王編
第338話 二人?で早朝ランニング伝説
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もともとランニングはちょこちょこやっていたんだけど、本格的にやることにしたのだった。
カンナちゃんのスパルタ特訓を受けた私。
ここは本気で取り組まねばならない。
夜遅くまで起きて配信しているタイプではないし、10時半には寝ることが多い。
なので朝5時半に起きた!
牛乳だけ飲んで、ランニングに出発する。
朝ご飯が出てきたり、父のお弁当詰めをする7時台には帰れればよし!
ちなみに。
当たり前みたいに二人に分かれているのだ。
だって、二人で運動すると効率が二倍になることが分かったから。
「一緒に脂を燃焼して行こう!」
『おー!』
「というかベルっちは飛んだほうがカロリー消費大きかったりしないの?」
『あれはねえ、なんか違うところのエネルギー。あまりお肉は減らない』
「じゃ、だめかあ」
こうしてコツコツとランニングで減らすのだ。
主に、登り坂。
私が暮らす街は登り坂が多いので助かる。
二人でお揃いのジャージを着て、ベルっちには私に似たアバターを被せて。
完璧。
朝のまだ暗い中を、二人でふうふう言いながら走る。
うーん、エネルギーを消費している気がするぞー。
他にも早朝ランニングの人たちがいて、こんにちはーとか挨拶をする。
「双子や。かわいい」
なんか声が聞こえた。
私も見知らぬ人に、挨拶くらいはできるようになった。
すっかり陽キャであろう。
『ほんとにぃ?』
「私がちょっぴり懐いてた疑念を口にしないでー」
もう一人自分がいるというのは、自分を騙せなくなるのでなかなか厄介。
というわけで、それなりに高いところまで走ってきた。
十五分くらい登り坂や起伏に富んだところを走ったので、ちょっと息が上がっている。
二人に分かれると、無限体力って感じじゃなくなるからちょうどいいねー。
持ってきたお茶を二人で飲む。
『冷たい空気が気持ちいいねえ』
「走って暑くなってるもんねー」
ぺちゃぺちゃ喋って一休みなのだ。
ここから、街がちょっと見渡せる。
気を抜くとまったりしてしまいそうになるので、五分だけの休憩!と決めてある……。
『イカルガ感謝祭のチケット売り切れたってさ』
「そうなの? チェックしてなかったー」
『今チェックしたとこー。また一緒になれば私の記憶もはづきに行くでしょー』
「そうだねー。でもこうやってお喋りをすることに意味がある」
『うんうん、自分同士なら人見知りしないしね』
全くー、と笑い合う私同士なのだ。
で、イカルガ感謝祭。
これ、12月の終わりくらいに大きいホールを借り切ってやる大イベントで、一般のリスナーさんが参加してイカルガの配信者とコミュニケーションが取れるっていうやつ。
割と前から計画は進んでいたんだけど、私がめちゃめちゃ忙しくて全然関われていなかった。
それで先日チケットが発売して……。
定員分は一瞬で売り切れた!
その後、宇宙さんの式神と術が発動して、またチケットが半分戻ってきた。
転売で買い占めた人を倒したらしい。
で、結構たくさんのリスナーさんが参加できることになったんだって。
『あの日、日本中で沢山の人が病院に搬送されたって』
「ひょえー、そんなにたくさん転売しようとする人いたんだー」
イカルガは強固なセキュリティをやってるので、転売しようとして買い占めると即座に呪詛が襲いかかってくる。
宇宙さんの術式とウェスパース氏の魔法が組み合わさったやつなので、市販の護符とかだと百枚あっても全然防げないよ!
「フードとかそろそろ考えなくちゃねー。私だけネタがたくさんありそう」
『色んなとこ行ったもんねえ。でも、一つは決定じゃない? イギリスで食べたあの甘いお菓子』
「あー、焼きキャラメルみたいなやつ! いいですねえー」
パワーを使いまくった後でペコペコお腹に染み渡った糖分!
あれは必須だね。
その後、メニューについて、あれはいい、これもいい、と話し合った。
三十分が経過しました。
「『あひー! まずいまずい!』」
慌てて戻ることにする私なのだった。
お喋りに夢中になって、ランニング時間がなくなるとか冗談じゃない。
流石私過ぎるー。
ベルっちも私だから、もうセーブが効かない。
これは大問題ですぞー。
『式神を作ってタイムキープさせよう』
「それだ! 明日はブタさん連れて走ろう!」
これは決定事項とする!
ということで、自宅に帰った私。
速攻でシャワーを浴びて汗を流し、髪を乾かしたりしてから制服を着込んでリビングへ!
「おはよう! 今朝はランニングしてたのねえ」
「おはよう。健康的でいいことだなあ」
「おはよおはよー」
両親に挨拶。
ビクトリアはまだ寝てる。
「年末はお兄ちゃんのとこでイベントなんでしょう? 大変ねえー。何か手伝えることある?」
現在、イカルガの事務業務の半分を担当している母。
まだ手助けをする余裕が……!?
「多分大丈夫だと思う。私も色々できるようになったから」
むふーっと鼻息も荒く、私は答えた。
母にあんまり負担かけてもよくないからね!
で、父のお弁当箱にほうれん草入り卵焼きとかを作ってぎゅっと詰める。
味付けしてあるので、卵焼きでご飯が食べられるやつだ!
美味しいぞー。
もちろん、私用と母のお昼用も用意してある。
ビクトリアは学食でファティマさんと食べてくるからね。
お弁当を受け取ると、父がニコニコした。
「今日もやる気をもらったよ! 頑張ってくる!」
「がんばってら!」
お見送りしてから、私も朝ご飯をもりもり食べて登校なのだ。
食べる時も分離して、よく噛みながら満腹感を上げる工夫……。
「そうねえ。あなたたちは、下半身周りの筋肉をもうちょっと鍛えるといいんじゃないかな」
「なるほどー」
『下半身の燃費を悪くする、と』
母からのアドバイスを受けて、新たなダイエットメニュー作成を決めるのだった。
こうして私の晩秋が終わって、そろそろ冬になる……!
カンナちゃんのスパルタ特訓を受けた私。
ここは本気で取り組まねばならない。
夜遅くまで起きて配信しているタイプではないし、10時半には寝ることが多い。
なので朝5時半に起きた!
牛乳だけ飲んで、ランニングに出発する。
朝ご飯が出てきたり、父のお弁当詰めをする7時台には帰れればよし!
ちなみに。
当たり前みたいに二人に分かれているのだ。
だって、二人で運動すると効率が二倍になることが分かったから。
「一緒に脂を燃焼して行こう!」
『おー!』
「というかベルっちは飛んだほうがカロリー消費大きかったりしないの?」
『あれはねえ、なんか違うところのエネルギー。あまりお肉は減らない』
「じゃ、だめかあ」
こうしてコツコツとランニングで減らすのだ。
主に、登り坂。
私が暮らす街は登り坂が多いので助かる。
二人でお揃いのジャージを着て、ベルっちには私に似たアバターを被せて。
完璧。
朝のまだ暗い中を、二人でふうふう言いながら走る。
うーん、エネルギーを消費している気がするぞー。
他にも早朝ランニングの人たちがいて、こんにちはーとか挨拶をする。
「双子や。かわいい」
なんか声が聞こえた。
私も見知らぬ人に、挨拶くらいはできるようになった。
すっかり陽キャであろう。
『ほんとにぃ?』
「私がちょっぴり懐いてた疑念を口にしないでー」
もう一人自分がいるというのは、自分を騙せなくなるのでなかなか厄介。
というわけで、それなりに高いところまで走ってきた。
十五分くらい登り坂や起伏に富んだところを走ったので、ちょっと息が上がっている。
二人に分かれると、無限体力って感じじゃなくなるからちょうどいいねー。
持ってきたお茶を二人で飲む。
『冷たい空気が気持ちいいねえ』
「走って暑くなってるもんねー」
ぺちゃぺちゃ喋って一休みなのだ。
ここから、街がちょっと見渡せる。
気を抜くとまったりしてしまいそうになるので、五分だけの休憩!と決めてある……。
『イカルガ感謝祭のチケット売り切れたってさ』
「そうなの? チェックしてなかったー」
『今チェックしたとこー。また一緒になれば私の記憶もはづきに行くでしょー』
「そうだねー。でもこうやってお喋りをすることに意味がある」
『うんうん、自分同士なら人見知りしないしね』
全くー、と笑い合う私同士なのだ。
で、イカルガ感謝祭。
これ、12月の終わりくらいに大きいホールを借り切ってやる大イベントで、一般のリスナーさんが参加してイカルガの配信者とコミュニケーションが取れるっていうやつ。
割と前から計画は進んでいたんだけど、私がめちゃめちゃ忙しくて全然関われていなかった。
それで先日チケットが発売して……。
定員分は一瞬で売り切れた!
その後、宇宙さんの式神と術が発動して、またチケットが半分戻ってきた。
転売で買い占めた人を倒したらしい。
で、結構たくさんのリスナーさんが参加できることになったんだって。
『あの日、日本中で沢山の人が病院に搬送されたって』
「ひょえー、そんなにたくさん転売しようとする人いたんだー」
イカルガは強固なセキュリティをやってるので、転売しようとして買い占めると即座に呪詛が襲いかかってくる。
宇宙さんの術式とウェスパース氏の魔法が組み合わさったやつなので、市販の護符とかだと百枚あっても全然防げないよ!
「フードとかそろそろ考えなくちゃねー。私だけネタがたくさんありそう」
『色んなとこ行ったもんねえ。でも、一つは決定じゃない? イギリスで食べたあの甘いお菓子』
「あー、焼きキャラメルみたいなやつ! いいですねえー」
パワーを使いまくった後でペコペコお腹に染み渡った糖分!
あれは必須だね。
その後、メニューについて、あれはいい、これもいい、と話し合った。
三十分が経過しました。
「『あひー! まずいまずい!』」
慌てて戻ることにする私なのだった。
お喋りに夢中になって、ランニング時間がなくなるとか冗談じゃない。
流石私過ぎるー。
ベルっちも私だから、もうセーブが効かない。
これは大問題ですぞー。
『式神を作ってタイムキープさせよう』
「それだ! 明日はブタさん連れて走ろう!」
これは決定事項とする!
ということで、自宅に帰った私。
速攻でシャワーを浴びて汗を流し、髪を乾かしたりしてから制服を着込んでリビングへ!
「おはよう! 今朝はランニングしてたのねえ」
「おはよう。健康的でいいことだなあ」
「おはよおはよー」
両親に挨拶。
ビクトリアはまだ寝てる。
「年末はお兄ちゃんのとこでイベントなんでしょう? 大変ねえー。何か手伝えることある?」
現在、イカルガの事務業務の半分を担当している母。
まだ手助けをする余裕が……!?
「多分大丈夫だと思う。私も色々できるようになったから」
むふーっと鼻息も荒く、私は答えた。
母にあんまり負担かけてもよくないからね!
で、父のお弁当箱にほうれん草入り卵焼きとかを作ってぎゅっと詰める。
味付けしてあるので、卵焼きでご飯が食べられるやつだ!
美味しいぞー。
もちろん、私用と母のお昼用も用意してある。
ビクトリアは学食でファティマさんと食べてくるからね。
お弁当を受け取ると、父がニコニコした。
「今日もやる気をもらったよ! 頑張ってくる!」
「がんばってら!」
お見送りしてから、私も朝ご飯をもりもり食べて登校なのだ。
食べる時も分離して、よく噛みながら満腹感を上げる工夫……。
「そうねえ。あなたたちは、下半身周りの筋肉をもうちょっと鍛えるといいんじゃないかな」
「なるほどー」
『下半身の燃費を悪くする、と』
母からのアドバイスを受けて、新たなダイエットメニュー作成を決めるのだった。
こうして私の晩秋が終わって、そろそろ冬になる……!
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