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打ち上げ! 私のロケット編
第385話 再び種子島へ!伝説
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大魔将出現!
私、出陣~。
ということになった。
旅仕度する暇も無く、割と着の身着のままでコートだけ羽織って飛び出す。
何しろ、目的地の種子島は遠い!
1月に二回も種子島行くことになるとは思わなかったなあ。
「大丈夫? はづき一人で行ける? 私も行く?」
「あっ。じゃあカナンさんには来てもらおうかな……」
旅慣れている人がいると心強いもんね!
それに今回は、ちょっと特殊な旅程になりそう。
私が駅まで向かってたら、途中で迷宮省から連絡が来たし。
「プライベートジェットを使って直で種子島行くって」
「旅の情緒がない……。だけど、今は旅ではなくて緊急事態だものね」
理解あるカナンさんで助かる。
二人で、やって来た迷宮省のリムジンに乗り込む。
運転手の他に、お前ら兼任のイギリスにも同行した女性スタッフの人もいた。
「はづきっち、お久しぶりです! 二人に分かれるところ見たいとか色々あるんですけど、それは後回し! 今は世の中に大きな影響は出てませんけど……ここから、世界的な気候変動が予測されます! 急ぎましょう!!」
「あひー! 思ってたより大事に!」
「この世界の外に、新しい星が出現して向かってきているのだろう? だったら大事になって当然という気がする。火の大魔将はいわば、一つの世界なのだな」
カナンさんがなんか深いことを仰る。
迷宮省長官がさっき書いた、ロケット打ち上げ任務の委任状みたいなのもあり、私はここに拇印を押した。
迷宮省リムジン、走りながら車の上にパトライトみたいなのが出現する。
ピカピカ光る。
全ての車は徐行せよ! という合図なんですって。
確かこの間導入された新型だよね、この車?
で、当然のように言うことを聞かない車もいるので、そういうのはガーッと走っていって車のパワーでどかせながら直進する。
信号だって守らなくていい。
迷宮省の緊急車両となったリムジン優先だ!
「はやいはやい。なんか逆走してきた車をポーンと跳ね飛ばして進みましたけど……」
「迷宮省最優先ですから。一人ひとりの権利を守っていたら、世界が滅びます。きら星はづきを種子島に送り届ける。これが今、私達が帯びている世界最重要の任務なんです!!」
おおーっ、スタッフさんが燃えている!!
「風情が……」
なんかカナンさんが唖然としているなあ。
また一緒に旅配信しようね。
そうこうしている間にも、私のAフォンにはどんどんと世界中で知り合った配信者たちから応援メッセージが届く。
ちょっとずつ、世の中に異変が起こり始めてるみたい。
ぐにゃぐにゃの色になった空から、パラパラと火の大魔将の眷属が降りてきてるとか?
大都市のあちこちで戦いが始まってる。
あっ、かたわらのタワマンへ、真っ赤に燃え上がる巨人が降りてきた。
もうね、大魔将っていうのはこっちの現実世界をまるごとダンジョンに書き換えて来ますからね。
外も内もない。
ダンジョンハザードのもっととんでもないのが起こるのだ。
今回は空から敵が降りてくるので、まさに逃げ場なし!
全国の配信者の皆さん、がんばれー!!
おっと、忘れていた。
世の中のみんなは不安よな。
きら星はづき、ツブヤキックスします。
『えー、これから種子島で打ち上げられて、宇宙で炎の大魔将をやっつけて来ます。あれ? 火の大魔将だっけ? まあいいや』
書き込んだら、ウワーッとリツブヤキとかいいねされた。
で、どんどん返信が付く。
『うおおおおおはづきっち最強はづきっち最強』『ゴボウ、宇宙へ!』『星を救うかきら星はづき!』『頼むぞはづきっち!』『世界を救ってー!』
うんうん、私がやるしかないなら、任せていただきたい……。
小惑星みたいな恒星相手に、ゴボウ一本で立ち向かうっぽいけど。
スケール感がおかしくなるなあ。
おっと、空港到着ですねこれは。
なんか知ってる人がいるー。
「やあ、待っていたぞママ」
「スレイヤーVさん!」
「君が打ち上げられるまでの護衛として、及ばずながら俺も力を貸すことにした。力を温存していろ。襲ってくる相手は俺と、カナンさんで受け持とう」
「ゴボウアースの英雄と肩を並べて戦えるとは光栄ね」
カナンさんも大人っぽい笑みを!
お互い子持ちの大人ですもんねえ。
いつもの配信だとふざけてる二人がシリアスなのだ。
私もちょっと真面目な顔を作った。
「はづきは無理しなくていいのよ」
「君は気が抜けてるくらいが一番ちょうどいい」
「あっはい」
しゅるしゅるーっと気が抜ける私なのだった。
そしてプライベートジェットへ。
この飛行機にはアバター技術とか魔法みたいなのがふんだんに盛り込まれている。
なので、飛行機そのものが戦場の土台となりうるよう、上に乗った人が風圧を受けない処理が施されてるんだとか。
えーと、それはつまり……?
『やあみんな。スレイヤーVだ。今日はママであるきら星はづきさんの護衛のため、種子島へ向かうプライベートジェットの上からお送りするぞ。空から火の大魔将の眷属が降ってくる。これを迎撃しながらの耐久配信となる。楽しんでいってくれよな!』
おおーっ、凄いシチュエーションでもスマイルを忘れない!
向こうではカナンさんも機上戦闘配信をしているなあ。
飛行機は飛び上がり、全体に結界を纏う。
これは風圧とかGを軽減する効果しかないらしいから、眷属はどんどん降りてくるんだそうで。
そんな彼らを、足場になるように整形された飛行機の真上で、カナンさんとスレイヤーVさんが迎え撃つ。
あーっ、機内からも分かるくらい、空が赤くなっております。
どんどん降り注いでくる、真っ赤な人達。
大きいのから小さいのまで、色々いる。
で、このジェット機に集中してやって来てるみたいだ。
「ううー、私も出たい」
「はづきっちが出ていって、つるっと滑って落ちたら大変でしょう! はづきっちは無事だと思いますけど、間に合わなくなって世界の終わりです!」
お前らなスタッフさんに力強く説得されてしまった。
ほな、機内で大人しくするかあ……。
Aフォンの中では、カナンさんとスレイヤーVさんが大立ち回りを繰り広げているのだった。
二人共、がんばえー!!
私、出陣~。
ということになった。
旅仕度する暇も無く、割と着の身着のままでコートだけ羽織って飛び出す。
何しろ、目的地の種子島は遠い!
1月に二回も種子島行くことになるとは思わなかったなあ。
「大丈夫? はづき一人で行ける? 私も行く?」
「あっ。じゃあカナンさんには来てもらおうかな……」
旅慣れている人がいると心強いもんね!
それに今回は、ちょっと特殊な旅程になりそう。
私が駅まで向かってたら、途中で迷宮省から連絡が来たし。
「プライベートジェットを使って直で種子島行くって」
「旅の情緒がない……。だけど、今は旅ではなくて緊急事態だものね」
理解あるカナンさんで助かる。
二人で、やって来た迷宮省のリムジンに乗り込む。
運転手の他に、お前ら兼任のイギリスにも同行した女性スタッフの人もいた。
「はづきっち、お久しぶりです! 二人に分かれるところ見たいとか色々あるんですけど、それは後回し! 今は世の中に大きな影響は出てませんけど……ここから、世界的な気候変動が予測されます! 急ぎましょう!!」
「あひー! 思ってたより大事に!」
「この世界の外に、新しい星が出現して向かってきているのだろう? だったら大事になって当然という気がする。火の大魔将はいわば、一つの世界なのだな」
カナンさんがなんか深いことを仰る。
迷宮省長官がさっき書いた、ロケット打ち上げ任務の委任状みたいなのもあり、私はここに拇印を押した。
迷宮省リムジン、走りながら車の上にパトライトみたいなのが出現する。
ピカピカ光る。
全ての車は徐行せよ! という合図なんですって。
確かこの間導入された新型だよね、この車?
で、当然のように言うことを聞かない車もいるので、そういうのはガーッと走っていって車のパワーでどかせながら直進する。
信号だって守らなくていい。
迷宮省の緊急車両となったリムジン優先だ!
「はやいはやい。なんか逆走してきた車をポーンと跳ね飛ばして進みましたけど……」
「迷宮省最優先ですから。一人ひとりの権利を守っていたら、世界が滅びます。きら星はづきを種子島に送り届ける。これが今、私達が帯びている世界最重要の任務なんです!!」
おおーっ、スタッフさんが燃えている!!
「風情が……」
なんかカナンさんが唖然としているなあ。
また一緒に旅配信しようね。
そうこうしている間にも、私のAフォンにはどんどんと世界中で知り合った配信者たちから応援メッセージが届く。
ちょっとずつ、世の中に異変が起こり始めてるみたい。
ぐにゃぐにゃの色になった空から、パラパラと火の大魔将の眷属が降りてきてるとか?
大都市のあちこちで戦いが始まってる。
あっ、かたわらのタワマンへ、真っ赤に燃え上がる巨人が降りてきた。
もうね、大魔将っていうのはこっちの現実世界をまるごとダンジョンに書き換えて来ますからね。
外も内もない。
ダンジョンハザードのもっととんでもないのが起こるのだ。
今回は空から敵が降りてくるので、まさに逃げ場なし!
全国の配信者の皆さん、がんばれー!!
おっと、忘れていた。
世の中のみんなは不安よな。
きら星はづき、ツブヤキックスします。
『えー、これから種子島で打ち上げられて、宇宙で炎の大魔将をやっつけて来ます。あれ? 火の大魔将だっけ? まあいいや』
書き込んだら、ウワーッとリツブヤキとかいいねされた。
で、どんどん返信が付く。
『うおおおおおはづきっち最強はづきっち最強』『ゴボウ、宇宙へ!』『星を救うかきら星はづき!』『頼むぞはづきっち!』『世界を救ってー!』
うんうん、私がやるしかないなら、任せていただきたい……。
小惑星みたいな恒星相手に、ゴボウ一本で立ち向かうっぽいけど。
スケール感がおかしくなるなあ。
おっと、空港到着ですねこれは。
なんか知ってる人がいるー。
「やあ、待っていたぞママ」
「スレイヤーVさん!」
「君が打ち上げられるまでの護衛として、及ばずながら俺も力を貸すことにした。力を温存していろ。襲ってくる相手は俺と、カナンさんで受け持とう」
「ゴボウアースの英雄と肩を並べて戦えるとは光栄ね」
カナンさんも大人っぽい笑みを!
お互い子持ちの大人ですもんねえ。
いつもの配信だとふざけてる二人がシリアスなのだ。
私もちょっと真面目な顔を作った。
「はづきは無理しなくていいのよ」
「君は気が抜けてるくらいが一番ちょうどいい」
「あっはい」
しゅるしゅるーっと気が抜ける私なのだった。
そしてプライベートジェットへ。
この飛行機にはアバター技術とか魔法みたいなのがふんだんに盛り込まれている。
なので、飛行機そのものが戦場の土台となりうるよう、上に乗った人が風圧を受けない処理が施されてるんだとか。
えーと、それはつまり……?
『やあみんな。スレイヤーVだ。今日はママであるきら星はづきさんの護衛のため、種子島へ向かうプライベートジェットの上からお送りするぞ。空から火の大魔将の眷属が降ってくる。これを迎撃しながらの耐久配信となる。楽しんでいってくれよな!』
おおーっ、凄いシチュエーションでもスマイルを忘れない!
向こうではカナンさんも機上戦闘配信をしているなあ。
飛行機は飛び上がり、全体に結界を纏う。
これは風圧とかGを軽減する効果しかないらしいから、眷属はどんどん降りてくるんだそうで。
そんな彼らを、足場になるように整形された飛行機の真上で、カナンさんとスレイヤーVさんが迎え撃つ。
あーっ、機内からも分かるくらい、空が赤くなっております。
どんどん降り注いでくる、真っ赤な人達。
大きいのから小さいのまで、色々いる。
で、このジェット機に集中してやって来てるみたいだ。
「ううー、私も出たい」
「はづきっちが出ていって、つるっと滑って落ちたら大変でしょう! はづきっちは無事だと思いますけど、間に合わなくなって世界の終わりです!」
お前らなスタッフさんに力強く説得されてしまった。
ほな、機内で大人しくするかあ……。
Aフォンの中では、カナンさんとスレイヤーVさんが大立ち回りを繰り広げているのだった。
二人共、がんばえー!!
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