408 / 517
三年目私の、新たなスタート編
第409話 突撃、ウワサのイカルガマンション伝説
しおりを挟む
やって来ましたイカルガマンション。
……と思ったら、なーんだ。
イカルガ本社ビルの裏じゃないか。
なんかトンカントンカン建築をやってるなーとずっと思ってたら、兄のマンションが建つところだったのだ。
「ここって本来、お家賃がお高いところなのでは? 私は一人暮らしとか全然わかんないんだけど」
「ああ。ワンルームでも十万を超えるのが普通だ。そこを家賃二万でやっている」
「お得!」
なるほど、すっごくお安い社宅になってた!
基本は1LDKで、一階につき七部屋ある。
四階までがそんな感じで、五階は2LDK四部屋。
六階が3LDK二部屋とトレーニングルーム。
七階が兄と受付さんの愛の巣だ。
さらに、このマンション、あくまで居住スペースに限って一階、二階と言ってきたけど。
下の方にテナントが入れるスペースが三階ぶん用意されているので、実質十階建てなんですねえ。
そうか、私が最近通ってる喫茶店、兄のマンションに入ってるテナントだったのか……。
「二階にはイカルガエンターテイメントのアンテナショップも入っている」
「なるほど効率的……」
そこにあるのは知らなかったけど、自社ビルみたいなマンションなら家賃も無料だ。
シアワセヤさんもシアワセヤビルに直営ショップ入ってるもんね。
同じようなものかあ。
ここは都内のいい感じの土地なので、テナントのお家賃もする。
人通りが多く、平日昼はビジネスマンと観光客で、それ以外はこの辺りのお店を利用する人達で賑わうのだ。
いいところだなあ。
「よくこんなとこにマンション建てたね」
「お前の配信でビルが幾つも建つくらい儲かったと言っただろう」
そう言えば……。
私の配信が巡り巡って、イカルガのみんなの住環境を支えてるんですねえ。
さらにテナントのお家賃で、固定資産税とかを賄えるようになってるとか。
よくできてらっしゃる。
「じゃあ、お二人の愛の巣を拝見」
「やだはづきちゃんったら、愛の巣だなんて! どうぞどうぞ……! 絶対三人は子供作るから」
「つよいー」
私と受付さんでキャッキャとはしゃぎながらエレベーターに乗った。
そしたら、イカルガの社員さんも乗り込んできて、「あっ、社長! お疲れ様です」とかペコペコした。
そして私を見て、ポカーンとする。
「あ、あれ!? はづきさん!? お、お疲れ様です!!」
兄よりも挨拶の声が大きいんだが!!
「いやあ、だってイカルガの今の社員はみんなはづきさんを尊敬してますよ。掛け値なしにこの星の救世主ですし、それと女子高生とイラストレーターを同時にやってるなんて超人ですからね! あ、僕ここで降ります」
居住スペースの一階で降りていってしまった!
なんか他の部屋の扉からトリットさんが出てきて、「お疲れー」とかやってる。
配信者の人も一緒に住んでるの本当なんだなあ!
「ここね、防音も完璧だから室内で配信できるようになってるの。そこはもう、配信者の会社のビルだからね、凄くこだわったの!」
「ああ。音を気にして配信できないなんてナンセンスだからな。だが、あえてハプニングを望むなら窓を開けて配信すればいい」
なるほどお。
イカルガマンション、こだわりの造りですねえ。
マンションから出ないままに、三階には居酒屋もあるから仲間とそこで飲んで、すぐに帰宅とかできるし。
えっ、今度三階スペースにスーパー銭湯が入るんです!?
エレベーターでだけいける最上階に特設露天風呂までできる!?
マンションから出ないままで生活が完結しちゃうじゃん……。
「俺の夢の城を作ろうと思っている」
「本気だこの人」
私は戦慄した。
己の欲望に忠実!
だけど社員の皆さんも望んでいる欲望だ!
今度私も入りに来ようっと、スーパー銭湯。
さてさて、居住スペースの七階に到着。
エレベーターから出たら、もういきなり玄関なのだ。
フロアまるごと一つが部屋になってるんです?
「ああ、そうだ。まあ俺は週の半分くらいしか帰って来ないがな」
「はづきちゃん言ってあげて! この人、かわいい奥さんを放っておいて仕事しまくるから!」
「あー、やりそう」
兄は人の心が分からないのでそういうことするね!
新婚でも平気でやるね!
「でもそういうところが好き」
受付さんもそうだろうと思ったね!
お似合いなんじゃないですか?
家に入れてもらうと、いきなり入口に私のフィギュアが鎮座していた。
「あひー!?」
「我が社の象徴だ。ここに飾らずしてどこに飾る」
「ずらーっと私が並んでるんだけど!!」
「発売した全てのお前をここに並べてある。まだまだスペースがあるし、二段目も拡張できるようになっているぞ」
こ、この兄、やる気だ……!!
「シスコン~」
受付さんがなんか羨ましそうなんですけど。
その後、部屋の中を見せてもらった。
寝室は夫婦の寝室と、お客さん用が二つあって、トイレが二箇所にお風呂が一つ、超広いリビングとタイニングとキッチン、さらにシューティングスペース……。
「シューティングスペース!?」
「ここで俺は技が錆びつかないように磨きをかけている。教え子たちも呼んで訓練をつけるつもりだ。こと、ガン=カタに関してはスタジオよりもこちらの方が優れた訓練設備だからな」
「愛の巣に他の女子を呼ぶ!!」
私は衝撃でクラクラした。
受付さんが不敵に笑いながら、「絶対負けない」とか言っているのである。
兄はこう、そういう恋愛関係全く分からない男なので大丈夫だと思います。
……と思ったら、なーんだ。
イカルガ本社ビルの裏じゃないか。
なんかトンカントンカン建築をやってるなーとずっと思ってたら、兄のマンションが建つところだったのだ。
「ここって本来、お家賃がお高いところなのでは? 私は一人暮らしとか全然わかんないんだけど」
「ああ。ワンルームでも十万を超えるのが普通だ。そこを家賃二万でやっている」
「お得!」
なるほど、すっごくお安い社宅になってた!
基本は1LDKで、一階につき七部屋ある。
四階までがそんな感じで、五階は2LDK四部屋。
六階が3LDK二部屋とトレーニングルーム。
七階が兄と受付さんの愛の巣だ。
さらに、このマンション、あくまで居住スペースに限って一階、二階と言ってきたけど。
下の方にテナントが入れるスペースが三階ぶん用意されているので、実質十階建てなんですねえ。
そうか、私が最近通ってる喫茶店、兄のマンションに入ってるテナントだったのか……。
「二階にはイカルガエンターテイメントのアンテナショップも入っている」
「なるほど効率的……」
そこにあるのは知らなかったけど、自社ビルみたいなマンションなら家賃も無料だ。
シアワセヤさんもシアワセヤビルに直営ショップ入ってるもんね。
同じようなものかあ。
ここは都内のいい感じの土地なので、テナントのお家賃もする。
人通りが多く、平日昼はビジネスマンと観光客で、それ以外はこの辺りのお店を利用する人達で賑わうのだ。
いいところだなあ。
「よくこんなとこにマンション建てたね」
「お前の配信でビルが幾つも建つくらい儲かったと言っただろう」
そう言えば……。
私の配信が巡り巡って、イカルガのみんなの住環境を支えてるんですねえ。
さらにテナントのお家賃で、固定資産税とかを賄えるようになってるとか。
よくできてらっしゃる。
「じゃあ、お二人の愛の巣を拝見」
「やだはづきちゃんったら、愛の巣だなんて! どうぞどうぞ……! 絶対三人は子供作るから」
「つよいー」
私と受付さんでキャッキャとはしゃぎながらエレベーターに乗った。
そしたら、イカルガの社員さんも乗り込んできて、「あっ、社長! お疲れ様です」とかペコペコした。
そして私を見て、ポカーンとする。
「あ、あれ!? はづきさん!? お、お疲れ様です!!」
兄よりも挨拶の声が大きいんだが!!
「いやあ、だってイカルガの今の社員はみんなはづきさんを尊敬してますよ。掛け値なしにこの星の救世主ですし、それと女子高生とイラストレーターを同時にやってるなんて超人ですからね! あ、僕ここで降ります」
居住スペースの一階で降りていってしまった!
なんか他の部屋の扉からトリットさんが出てきて、「お疲れー」とかやってる。
配信者の人も一緒に住んでるの本当なんだなあ!
「ここね、防音も完璧だから室内で配信できるようになってるの。そこはもう、配信者の会社のビルだからね、凄くこだわったの!」
「ああ。音を気にして配信できないなんてナンセンスだからな。だが、あえてハプニングを望むなら窓を開けて配信すればいい」
なるほどお。
イカルガマンション、こだわりの造りですねえ。
マンションから出ないままに、三階には居酒屋もあるから仲間とそこで飲んで、すぐに帰宅とかできるし。
えっ、今度三階スペースにスーパー銭湯が入るんです!?
エレベーターでだけいける最上階に特設露天風呂までできる!?
マンションから出ないままで生活が完結しちゃうじゃん……。
「俺の夢の城を作ろうと思っている」
「本気だこの人」
私は戦慄した。
己の欲望に忠実!
だけど社員の皆さんも望んでいる欲望だ!
今度私も入りに来ようっと、スーパー銭湯。
さてさて、居住スペースの七階に到着。
エレベーターから出たら、もういきなり玄関なのだ。
フロアまるごと一つが部屋になってるんです?
「ああ、そうだ。まあ俺は週の半分くらいしか帰って来ないがな」
「はづきちゃん言ってあげて! この人、かわいい奥さんを放っておいて仕事しまくるから!」
「あー、やりそう」
兄は人の心が分からないのでそういうことするね!
新婚でも平気でやるね!
「でもそういうところが好き」
受付さんもそうだろうと思ったね!
お似合いなんじゃないですか?
家に入れてもらうと、いきなり入口に私のフィギュアが鎮座していた。
「あひー!?」
「我が社の象徴だ。ここに飾らずしてどこに飾る」
「ずらーっと私が並んでるんだけど!!」
「発売した全てのお前をここに並べてある。まだまだスペースがあるし、二段目も拡張できるようになっているぞ」
こ、この兄、やる気だ……!!
「シスコン~」
受付さんがなんか羨ましそうなんですけど。
その後、部屋の中を見せてもらった。
寝室は夫婦の寝室と、お客さん用が二つあって、トイレが二箇所にお風呂が一つ、超広いリビングとタイニングとキッチン、さらにシューティングスペース……。
「シューティングスペース!?」
「ここで俺は技が錆びつかないように磨きをかけている。教え子たちも呼んで訓練をつけるつもりだ。こと、ガン=カタに関してはスタジオよりもこちらの方が優れた訓練設備だからな」
「愛の巣に他の女子を呼ぶ!!」
私は衝撃でクラクラした。
受付さんが不敵に笑いながら、「絶対負けない」とか言っているのである。
兄はこう、そういう恋愛関係全く分からない男なので大丈夫だと思います。
71
あなたにおすすめの小説
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる