おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

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スローライフが攻めてきたぞーっ編

第1話 えっ、ここでスローライフするんですか?

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 俺は上澄タマル。さっき過労死したところだ。
 するとふわふわっと神様が現れて、

『転生させてやるんだなもし。存分にお前の好きなスローライフをするといいんだなもし』

 なんて言ったので、

「うへへ、そいつはありがとうございます! チートください」

『よーし、大サービスでスローライフに便利な能力とスキルをあげちゃうんだなもし!』

 この、直立したタヌキに似た神はそんな事を言った。
 ついに俺にも運が向いてきたぞと思ったものだ。
 今まで最悪な人生だったからな。

 ということで、転生した姿で異世界に降り立つ俺。
 こんにちは異世界!!

 分厚い雲に覆われた暗い空!
 どこか灰色に見える薄汚れた大地!
 異形の獣たちが闊歩し、魔人が各地を支配する世界!
 人間たちはお互いを怪しみ、戦が絶えない世界!

 スローライフにはぴったりな……じゃねえ!!

「なんだここはーっ!!」

 俺は突っ込んだ。
 なぁーにが、存分にスローライフすればいいんだなもし、だ!
 スローどころかデッドライフだわこんな世界。

 俺の頭の中に流れ込んできた世界のイメージ。
 お節介な神がやってくれたのだろうが、どう考えても絶望しかないじゃないか。

 そして俺が降り立った場所は、森を背にした草原のど真ん中。
 遠くに、火を吹き続ける山がある。
 山の周囲に翼を持った巨大な生き物が、何匹も飛び回っているような。

「まあ落ち着け。ここはどこだ」

 俺が問うと、頭上に表示が出現した。

『ダウコムン戦場跡』

 ほう、戦場跡……。
 スローライフなのに、戦場跡……?

 とりあえず、ステータスなどなどが確認できるかどうかをチェックである。
 俺の能力は……。


タマル
▶DIYレシピ
 フレンド
 UGWポイント
 コレクション

 ?????????
 ステータス?
 数字がないんじゃが?

 首を傾げながら、俺は戦場跡とやらを歩く。

「いてっ」

 何かにつまずいた。
 なんであろうかこれは。
 拾い上げてみると……。

「ほう……こりゃあ手斧ですなあ」

 重量感抜群。
 試しに振ってみると、重さに体が引っ張られて、おっとっとっと……とよろける。
 これは俺の能力が足りないのだろうか?

 いやいやいや。
 さっきのステータス見たら、能力とかないでしょ。

 唸っていたら、周囲からカタカタと音がした。

「なにかなー?」

 キョロキョロする俺。
 草むらから、何かが立ち上がってくるところである。

 人の気配はなかったと思ったんだがな。
 立ち上がってくるものを見て納得。
 スケルトンである。

 人じゃない。
 俺を包囲するように立ち上がってくる。

「あひー」

 スケルトンたちは、剣や槍と言った武器を持っている。
 カチャカチャ音を立てて、俺に迫ってきた。

 ヒュンヒュンと武器が空を斬ってくる。

「あーれー」

 俺は悲鳴を上げながら逃げた。
 スケルトンがカチャカチャ追ってくる。
 俺を殺す気か。

 異世界転生して数分くらいなんだが、いきなり生命の危機か!
 殺意満点だなこの世界!

 するとちょうど目の前に、仰臥した巨漢のフルプレートの死体が。
 俺がこれを飛び越えると、スケルトンたちの動きがちょっと鈍った。

 おや?
 フルプレートの前でもじもじしている。
 もしかして飛び越えられない?

 俺はフルプレートの上に片足を載せて、斧をぶん、と振り回した。
 ガシャーンッと音を立てて、斧で殴られたスケルトンが砕ける。

 腕の骨がくるくる回って飛んできたので、思わずキャッチした。
 すると、ピコーン!と音がした。

『骨を手に入れた!』
『レシピが生まれた!』

「なんだなんだ!?」

 混乱するが、そっちに意識を取られている暇はない。
 スケルトンが回り込んできた。

 ……が、回り込んできただけで、フルプレートの周囲でまごまごしている。
 やっぱりこいつら、この鎧を着たやつに侵入できないんだな?
 どういうことだろう。

 俺はスケルトンに囲まれながら、フルプレートの死体を調べてみることにした。

『この死体は作業台として使えそうだ!』
『死体の腹を使わせてもらおうかな?』

「物騒な文章が出てきたな! だが、作業ができるならやるしかないだろう。どれどれ……」

 レシピを選択。
 すると、びっくりマークがついたレシピが展開された。

 ※骨の斧
  素材:骨+斧

 ほうほう。
 俺は死体の腹の上で、骨と斧を並べた。
 なんだか頭の中に、作業の手順が浮かんできたぞ。

 俺の手の中にハンマーが出現し、これで骨と斧をトンカントンカンやる。
 すると、どういうことなのかよく分からないが、骨と斧が融合してしまった。

 こいつは、ポールアックスというやつだな。
 長い柄の斧だ。
 つまり……。

「ほりゃ!」

 斧を振り回すと、スケルトンがガチャンガチャンと崩れる。
 何度かスケルトンを倒していて、あることに気づいた。

 スケルトンの頭上に赤いゲージがある。
 殴るとこれが減るのだが、ゲージを全部減らすとスケルトンが砕けて動かなくなるのだ。

 HPゲージだな。
 こいつらは巨漢の腹に侵入できないらしいし、なんなら俺を認識できないようだ。
 楽勝であった。

 跡には、ばらばらになったスケルトンが散らばっている。
 ひょいひょいと回収だ。

『レシピが生まれた!』

 おっ!!
 確認してみよう。
 どれどれ……?

 ※頭蓋骨の盃
 素材:骨

 信長かな?
 でも、とりあえず食器のレシピゲットだぜ。

 ここで俺は気づいた。
 この世界……どう見ても地獄のようなダークファンタジーだが……。

 スローライフができそうな気配があるぞ?
 神は間違いなく、俺にスローライフするための力を与えてくれた。
 いいだろう。

 この世界で楽しくスローな生活を送ってやろうではないか。

▶レシピ
 骨の斧
 頭蓋骨の盃

 UGWポイント
 ウグワーッ!初めてのDIY達成! 50ptゲット
 → 骨のレシピを5個作ろう!解放 進捗2/5

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