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スローライフから逃げられると思うな編
第81話 冷えたマグマの迷宮
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迷宮から、ズボーン!という大きな音と振動が伝わってきた。
なんであろうか。
あ、地下にマグマとかがあったが、急に海水が流れ込んで冷えて水蒸気爆発的なのを起こしたのか。
通路が塞がっているかも知れないなあ。
すっかり両手に花状態に慣れ、思考している俺。
するとキャロルが腕をぐいぐい引っ張った。
『ちょっとあんた、付き合いなさいよ』
「な、なんだなんだ」
『水の中だと料理できないでしょ。食べられるもの用意してあるのよ』
「なんだって」
ここで脳裏に閃くのは、ポタルが話していたキャロルに成った果物の話である。
ポタルもははーんと理解したらしい。
「よーし、じゃあ三人で食べ物取りに行っちゃおうか。ついでにタマル何か心配してるでしょ。魔人商店で買ってきたら?」
「そうか、その手もあるな! 行こう!」
そういうことになった。
『おや、何かを準備して来られるのですな? ちょうど骨次郎が潜水艇を迷宮近くに寄せていますからな。行ってらっしゃいですぞー』
ラムザーに見送られつつ、潜水艇に戻る俺である。
キャロルとポタルが二階に行き、果物をアイテムボックスに放り込む。
その間に、俺はゴッドモジュールから魔人商店へゴーである。
「いらっしゃいませえ」
「ませえ」
「塞がってるかも知れない迷宮を切り開く手っ取り早い道具とかある?」
「でしたらこちらのハンドドリルはいかがでしょう~」
「でしょう~」
後ろにくるくる回すハンドルがついたドリルが出てきた。
これこれ。
「じゃあ買ってく。幾ら?」
「ひとつ500ptになりまあす」
「まあす」
「安うい」
五人分買った。
これでもまだ4200pt余っている。
仲間の集めたポイント様々である。
「なんでこんなに安いの?」
「サイズが小さいのと、本来は神々のおもちゃだからでえす」
「でえす」
「もちろん、使う人によってその効果は増減しまあす。タマルさんなら結構な力を発揮するかもしれませえん」
「ませえん」
ふむふむ。
それは実際に、迷宮で試してみねばな。
潜水艇に戻ってポタルとキャロルと合流。
ポタルの口の周りに果物の汁が!
「何をニヤニヤしているのだ! 美味しかったのか! 美味しかったんだな!」
「すっごい甘くて美味しかったのー!」
『あたしが食べてきた栄養がぎゅっと詰まってるんだもの。美味しいに決まってるじゃない』
「た、食べたい……」
『は? あんたレディの前でレディが実らせた果物食べるの? マナーってもんがあるでしょ!』
キャロルが、怒り以外の感情で顔を赤くしている気がする。
これはもしや……マンイーター世界のルール!
それはそうと、恥ずかしがるキャロル可愛いね。
ちなみにポタルは同じ女性なので問題ないそうだ。
マンイーターはメスしか存在せず、危機的状況になったら単為生殖で自分のクローンを種として残すらしい。
だが、ちょうどそこに人間などがいれば、子どもを残すこともできるのだそうだ。
不思議な生態である。
『カタカタカタ!』
「おう、行ってくる! 留守を頼むぞ!」
骨次郎と骨馬たちに留守を任せ、再び退廃帝の城へ。
すっかり迷宮への入り口は落ち着いたようだった。
「迷宮の空気があるところで食べられるよう、キャロル秘蔵の果物を持ってきた」
『おバカー! そういうのは人前で言うもんじゃないの!』
キャロルにポカポカ叩かれた。
はっはっは、痛い痛い。蔦も一緒に叩いてくるのは遠心力でほんとに痛いからやめなさい。
「もしかしてマンイーターの果物、ハーピーの無精卵みたいな感じなの? うちのお姉さまたちは無精卵産んでたけど」
「ハーピーにも不思議な生態が……」
「私は無精卵産まないハーピーなんだってー。よくわかんない」
フリア種のポタルと、ディーラ種のハーピーたちでは違うのだろう。
この話だけでたっぷり暇つぶしできちゃうけど、残念ながら今は暇ではないのだ。
五人ぶんのハンドドリルを配る。
『あたしはこんな重いの回せないわよ……!』
あっ、いきなりキャロルがギブアップした。
流石はタマル一味で一番運動が苦手な人。
『ピピー』
ここで立候補するポルポル!
「よーし、ハンドドリルを装備させてやろう。うおっ、砲塔が変形して装着できる!」
『ピピガガー!』
砲塔と一体化したドリルが、ぎゅるんぎゅるん回転を始めた。
カッコイー!!
ということで、タマル一味、退廃帝の迷宮へゴーである。
入ってみたら、暗い。
俺は手すきなキャロルにスポットライトを持たせた。
『これで照らし続けるの……!? 辛いんだけど……!』
「ドリルを持たない要員にも仕事はしてもらうのだ」
『ぐううう、戻ったら消費した栄養の分、たくさん美味しいもの食べさせなさいよね!』
「おう、存分に作ってやる」
『ならやるわ』
美味しいご飯さえ約束すれば、どんな任務でもやるキャロルなんである。
ポタルはこの光景をじーっと見ていてから、俺の脇腹をつついてきた。
「急接近はよくないと思う」
「なんですかな」
「ラムザーの真似してごまかしたらだめ!」
いてて!
脇腹を尖った爪の先でつつくのはやめるのだ!
俺たちがわいわいやっているのを、フランクリンがHAHAHAHAHAと笑いながら見ている。
『オー、タマルさんにもモテ期イズカミングですねー! ミーもブラッドとマッスルを持っていた頃は、ゴッドチルドレンにモテモテでしたねー。ミーはジョックスでしたからねー』
「スクールカーストみたいな言葉が出てきやがった」
『タマル様ー。こっちはマグマや岩が固まって通れなくなってますなー。ドリルは正解ですぞー。海水の力で冷えてしまってますから、むしろ脆くなってるかもですな! おっと、二人の愛のマグマに挟まれたタマル様なら、迷宮を溶かしてしまうかもしれませんな! わっはっは!』
「ダジャレじゃなくてちょっと小粋っぽいジョークを言ったな!? 何気に多芸だなラムザー」
俺はすすーっとラムザーの隣まで移動した。
なんか後ろで、ポタルとキャロルがじゃんけんしているが何なんだろう。
何なのかは察しがつくが、考えないでおこう!
こうして、俺たちはマグマにドリルを突き立て、グリグリ掘り進め始めるのであった。
▶UGWポイント
4200pt
獲得アイテム
ハンドドリル
キャロルの果物
なんであろうか。
あ、地下にマグマとかがあったが、急に海水が流れ込んで冷えて水蒸気爆発的なのを起こしたのか。
通路が塞がっているかも知れないなあ。
すっかり両手に花状態に慣れ、思考している俺。
するとキャロルが腕をぐいぐい引っ張った。
『ちょっとあんた、付き合いなさいよ』
「な、なんだなんだ」
『水の中だと料理できないでしょ。食べられるもの用意してあるのよ』
「なんだって」
ここで脳裏に閃くのは、ポタルが話していたキャロルに成った果物の話である。
ポタルもははーんと理解したらしい。
「よーし、じゃあ三人で食べ物取りに行っちゃおうか。ついでにタマル何か心配してるでしょ。魔人商店で買ってきたら?」
「そうか、その手もあるな! 行こう!」
そういうことになった。
『おや、何かを準備して来られるのですな? ちょうど骨次郎が潜水艇を迷宮近くに寄せていますからな。行ってらっしゃいですぞー』
ラムザーに見送られつつ、潜水艇に戻る俺である。
キャロルとポタルが二階に行き、果物をアイテムボックスに放り込む。
その間に、俺はゴッドモジュールから魔人商店へゴーである。
「いらっしゃいませえ」
「ませえ」
「塞がってるかも知れない迷宮を切り開く手っ取り早い道具とかある?」
「でしたらこちらのハンドドリルはいかがでしょう~」
「でしょう~」
後ろにくるくる回すハンドルがついたドリルが出てきた。
これこれ。
「じゃあ買ってく。幾ら?」
「ひとつ500ptになりまあす」
「まあす」
「安うい」
五人分買った。
これでもまだ4200pt余っている。
仲間の集めたポイント様々である。
「なんでこんなに安いの?」
「サイズが小さいのと、本来は神々のおもちゃだからでえす」
「でえす」
「もちろん、使う人によってその効果は増減しまあす。タマルさんなら結構な力を発揮するかもしれませえん」
「ませえん」
ふむふむ。
それは実際に、迷宮で試してみねばな。
潜水艇に戻ってポタルとキャロルと合流。
ポタルの口の周りに果物の汁が!
「何をニヤニヤしているのだ! 美味しかったのか! 美味しかったんだな!」
「すっごい甘くて美味しかったのー!」
『あたしが食べてきた栄養がぎゅっと詰まってるんだもの。美味しいに決まってるじゃない』
「た、食べたい……」
『は? あんたレディの前でレディが実らせた果物食べるの? マナーってもんがあるでしょ!』
キャロルが、怒り以外の感情で顔を赤くしている気がする。
これはもしや……マンイーター世界のルール!
それはそうと、恥ずかしがるキャロル可愛いね。
ちなみにポタルは同じ女性なので問題ないそうだ。
マンイーターはメスしか存在せず、危機的状況になったら単為生殖で自分のクローンを種として残すらしい。
だが、ちょうどそこに人間などがいれば、子どもを残すこともできるのだそうだ。
不思議な生態である。
『カタカタカタ!』
「おう、行ってくる! 留守を頼むぞ!」
骨次郎と骨馬たちに留守を任せ、再び退廃帝の城へ。
すっかり迷宮への入り口は落ち着いたようだった。
「迷宮の空気があるところで食べられるよう、キャロル秘蔵の果物を持ってきた」
『おバカー! そういうのは人前で言うもんじゃないの!』
キャロルにポカポカ叩かれた。
はっはっは、痛い痛い。蔦も一緒に叩いてくるのは遠心力でほんとに痛いからやめなさい。
「もしかしてマンイーターの果物、ハーピーの無精卵みたいな感じなの? うちのお姉さまたちは無精卵産んでたけど」
「ハーピーにも不思議な生態が……」
「私は無精卵産まないハーピーなんだってー。よくわかんない」
フリア種のポタルと、ディーラ種のハーピーたちでは違うのだろう。
この話だけでたっぷり暇つぶしできちゃうけど、残念ながら今は暇ではないのだ。
五人ぶんのハンドドリルを配る。
『あたしはこんな重いの回せないわよ……!』
あっ、いきなりキャロルがギブアップした。
流石はタマル一味で一番運動が苦手な人。
『ピピー』
ここで立候補するポルポル!
「よーし、ハンドドリルを装備させてやろう。うおっ、砲塔が変形して装着できる!」
『ピピガガー!』
砲塔と一体化したドリルが、ぎゅるんぎゅるん回転を始めた。
カッコイー!!
ということで、タマル一味、退廃帝の迷宮へゴーである。
入ってみたら、暗い。
俺は手すきなキャロルにスポットライトを持たせた。
『これで照らし続けるの……!? 辛いんだけど……!』
「ドリルを持たない要員にも仕事はしてもらうのだ」
『ぐううう、戻ったら消費した栄養の分、たくさん美味しいもの食べさせなさいよね!』
「おう、存分に作ってやる」
『ならやるわ』
美味しいご飯さえ約束すれば、どんな任務でもやるキャロルなんである。
ポタルはこの光景をじーっと見ていてから、俺の脇腹をつついてきた。
「急接近はよくないと思う」
「なんですかな」
「ラムザーの真似してごまかしたらだめ!」
いてて!
脇腹を尖った爪の先でつつくのはやめるのだ!
俺たちがわいわいやっているのを、フランクリンがHAHAHAHAHAと笑いながら見ている。
『オー、タマルさんにもモテ期イズカミングですねー! ミーもブラッドとマッスルを持っていた頃は、ゴッドチルドレンにモテモテでしたねー。ミーはジョックスでしたからねー』
「スクールカーストみたいな言葉が出てきやがった」
『タマル様ー。こっちはマグマや岩が固まって通れなくなってますなー。ドリルは正解ですぞー。海水の力で冷えてしまってますから、むしろ脆くなってるかもですな! おっと、二人の愛のマグマに挟まれたタマル様なら、迷宮を溶かしてしまうかもしれませんな! わっはっは!』
「ダジャレじゃなくてちょっと小粋っぽいジョークを言ったな!? 何気に多芸だなラムザー」
俺はすすーっとラムザーの隣まで移動した。
なんか後ろで、ポタルとキャロルがじゃんけんしているが何なんだろう。
何なのかは察しがつくが、考えないでおこう!
こうして、俺たちはマグマにドリルを突き立て、グリグリ掘り進め始めるのであった。
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ハンドドリル
キャロルの果物
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