おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

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スローライフよ永遠に!編

第112話 炸裂、新アイテム! 羅刹侯爵の最期

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『オー、タマルさーん! ハイドラさんからコンタクトイズカミーング!』

「今まさに羅刹侯爵を追い詰めてゲットしようというところでなんだなんだ」

 フランクリンからインカムを受け取って装着すると、ハイドラのお姉さんボイスが放たれる。

『ハイドラです。お忙しいところごめんなさい。ですから要件だけお伝えします。魔人商店についに入荷しました』

「なにっ、ついに!?」

 俺は飛空艇に固定されている馬車の中に飛び込んだ。
 ゴッドモジュールを超えて、タマル村へ。
 魔人商店の扉を開く。

「お待ちしていましたあ」
「ましたあ」

「あの商品が入荷していまあす」
「まあす」

「買ったあ!!」

 そして猛スピードで帰ってくる。

「タマル、何買ってきたの? ポイントいっぱい減った?」

「減った」

『しかしタマル様がこれほどの勢いで買ってきたということは、重要な品であることは間違いありませんぞ』

「ああ。いつかレシピが手に入る可能性もあったが、早く手に入るならそれに越したことはない。行くぞ、飛空艇に設置だ! その名は……底引き網!」

 飛空艇ゴッドタマル号から、デッドランドマウンテン目掛けて巨大な網がバッサーと落とされる!

『な、なんだこれはーっ!! 降りてこい! こんな攻撃方法があるなど、私は知らんぞーっ!!』

 羅刹侯爵がめちゃくちゃいきり立っている。
 クロスボウをピュンピュン連射してくるのだが、底引き網に引っ張られ始めると、『ウグワー!』
 まともに狙いをつけられなくなったな。

 魔人旅団なんかは完全に成すすべなく、『ウグワー』とか叫びながら引っ張られていく。
 これが底引き網の威力だ!
 恐らく、空から仕掛けることができれば、ヘルズテーブルに存在するドラゴン以外のあらゆる相手をキャッチできることであろう。

「さらばだ、羅刹侯爵! 底引き網巻き上げ開始ィー!」

『カタカタ!』

 骨軍団が底引き網についたハンドルをぐるぐる回す。
 すると、魔人たちがめちゃめちゃに絡みついた網が巻き上げられてきた。

『うぬおおおおおっ! 許さぬ……許さぬぞ……! 私は必ずや貴様にぃぃぃぃ』

 ピョインッ!
 無慈悲な音がした。

 羅刹侯爵とその一味は、まとめてゲットである。
 俺のアイテムボックスが埋まってしまった。

 アイコンを感慨深く眺める。

『勝ちましたなー。我は信じてましたぞ』

「ラムザーが案外平然としている」

『我、完全にタマル様サイドになってますしな。羅刹侯爵は恐ろしい相手でしたが、向こうの想定以上にタマル様の手数が多かったのが勝因だったのでしょうな』

「うむ、油断はしてなかったもんなあ、こいつ。だがいつも通り売却する」

 底引き網がなんと驚きの15000ptだった。
 エーテルバスターキャノンより高いってどういうことなの、と冷静になった今なら一瞬思うが、先ほどの威力を見ると納得しか無い。

 なにせ、こいつで巻き取った対象をまとめて全部ゲットできてしまうのだ。
 強すぎる。
 そしてこれを使うことで、スローライフの風情は確実になくなってしまうことだろう……。

 新しいモノに出会う喜びもなくなる。

「カエル人間みたいなのをまとめてゲットする時にだけ使おう」

『封印はしないんですな』

「便利じゃないか。スローライフは不便をちょっとずつ便利に変えていくものなのだ」

『これ、まとめて獲物をゲットしたりできるの? たくさん食材があるといいわね……』

「キャロル、勝手に使ってはいかんぞ。獲り尽くしちゃうからな」

『獲り尽くす……?』

「その種がいなくなってな。二度と獲れなくなって食べられなくなる」

『洒落になんないじゃない』

 キャロルが真顔になった。
 食べ物に関することなら、理解力が高くなるな。

 こうして、全ての魔人侯を下した俺である。
 村に戻ると、ヌキチータがニッコニコだった。

『ついにやったんだなタマルさーん! これでヘルズテーブル地方は僕のものなんだなもしー!!』

「完全に私利私欲に振り切った発言をしてるな!」

『まあまあ。僕の支配地域が増えればタマルさんのスローライフも豊かに……あれっ?』

「不穏な疑問符が出てきたな。どうしたの」

『し、支配地域が僕のじゃなくてタマルさんのものになってるんだなもし……』

「そりゃあ実働部隊は俺だからな」

『おかしいんだなもしー! これ、僕が始めた地上げなのに主従が入れ替わってるんだなもしー!?』

「ヌキチータがじたばたしてる!」

「こいつもこいつで苦労してるしなー。よーし、じゃあどういう仕組みか分からないが、ヘルズテーブルは俺とヌキチータの共同経営ということにしよう」

 俺が発言したら、ゴッドモジュールがピカピカと輝いたのである。

『お、おおおーっ! これを見て欲しいんだなもしー!』

 ヌキチータが見せてきたのは、どこからどう見てもタブレットだ。

「ゴッドモジュールと言い、メール機能と言い、ハイテクがスローライフに入ってくるのはどうかと俺は思うんだよ」

『コンクリで大地を舗装してる人に言われたくないんだなもし。これを見て欲しいんだなもし。過去ログでは、タマルさんが魔人侯を下すたびにほら、僕の顔のアイコンが地方にペタペタ貼られて行っているんだなもし。それが……こう』

「あっ、俺の顔のアイコンで埋め尽くされた。アイコンの数もめっちゃ増えてない?」

『タマルさんがメインになると、行った場所みんなタマルさんの領地になるんだなもし。ちなみにこれは宇宙の法則なので僕でも覆せないんだなもし』

 宇宙の法則、ストラテジーゲームみたいなマップで支配地域が分かるようになってるのか……。

『ねえタマル! あたしお腹減ったんだけど! 難しい話ばっかりしてないでご飯食べようよ』

「そだねー。ご飯行こうご飯」

 女子チームが行ってしまった。

「よしヌキチータ、今後のことについては飯を食いながら話し合おう。これ、どうせここで終わるわけじゃないんだろ?」

『鋭いんだなもし! ヘルズテーブル地方、と僕がこの間言ったと思うんだけど……』

 というわけで、食事とともに次の展開なのである。
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