おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

文字の大きさ
115 / 147
スローライフよ永遠に!編

第115話 たそがれの創造神

しおりを挟む
 昼過ぎころに浮遊島を見上げると、シーツおばけとファンが並んでぼーっと座り込んでいた。
 珍しいメンツである。

「どうしたの」

 気になったので話を聞きに行った。
 スローライフは忙しいが、それはそれとして暇もたくさんあるものなのである。

 設置した縄梯子で、すぐに浮遊島に行けるから便利だなあ。

『おお……ちょっと感慨にふけっていたのだ。余を主神の座から追い落とした兄弟神たちは、もうただの一柱も残ってはおらぬのだなと思ってな……』

「そうだな。全部ヌキチータがやっつけてしまった」

 どうやってやっつけてるんだろうな。
 いつも事務所に座ってパソコンカタカタやってるようにしか見えないんだが。

『だが、これから外の世界より、ヘルズテーブルを手中に収めんとする神々が降りてくると言う……。ヒィーッ、考えただけで恐怖に震える! 地獄に終わりは無いのかーっ』

「何柱かの神をこてんぱんにしてだな、あそこは割に合わないって周知させるまでは続くんじゃないか?」

『タマルよ、そなたは戦い続けるというのか』

「俺は戦わない。スローライフを丁寧にやっていくだけだ……。一見して雑に見えると言われることがあるが気のせいだ」

 ヌキチータ曰く、悪しき外なる神々は、己の世界観をこちらに展開することで侵略してくるそうだ。
 つまり、テラフォーミングをかましてくるというわけだな。

 そうされたら、どう返せばいいのか。
 テラフォーミングし返せばいい。
 奴らの世界観を、俺のスローライフしやすい環境に作り変えるのだ。

「より一層、スローライフするためのスキルやアイテムが必要になってくるだろう。これから忙しいぞ。あ、それと」

『あっ、忘れていた。創造神レシピの3つ目を手渡そう』

▶DIYレシピ
 ※創造神ねんど
 素材:星の欠片+生命の欠片+土

「粘土ですか。創造神レシピ、どれも小学生の工作で使われそうなものばかりだな」

『余の本来の権能は、そなたのスキルとして搭載されつつあるだろう。なのでこういう味付けみたいなところがレシピになる』

「ははあ、なるほど」

 早速創造神ねんどを作って試してみた。
 グニャグニャと色々な形にできるようだ。

 どーれ、俺の彫像を……できた!
 ロックスターの衣装を身に着けて、空に向かって人差し指を突き立てているかっこいいポーズの俺だ。
 これを創造神ペンキでビャっと色を塗り、創造神えんぴつで細かいディテールを書き込む。

「俺になった」

『自分を作る辺りがタマルらしい』

 俺と創造神で並んで感心する。
 これはつまり、動力を持たない調度品なら何でも作ることができる粘土なのである。
 ただし、美観は俺の実力に比例するので、既製品の方が見た目はいいかもしれない。

「それはそうと、ファンはなんで創造神と並んで黄昏れていたんだ」

『わたくしは空を見ていたのです。それが仕事ですから』

「ほうほう」

『外なる神は空から来るでしょう?』

「言われてみればそうだ」

『あとはタマルさんがあの鳥女と進展してしまったので、ショックを受けていたのです』

「それはご愁傷さまでした……」

 これに関してはポタルの押せ押せ作戦が功を奏したのだ。
 俺は押せば簡単に落ちるからな。

 ファンのような恋の駆け引きみたいな高等技術は、俺相手にはあまりにもオーバースペックだったのである。
 むしろキャロルくらい雑に接された方が落ちるぞ。

「話は変わるが、外なる神は流星群みたいにやって来るの?」

『ちょっと違います。例えば直近ですと、ヌキチータさんと彼の友朋たる神々が降り立った時ですが。こう、斜めに落ちていく星ではなく、まっすぐに落下してくる星が出現します。それが外なる神の来訪です。わたくしは繭の中にいたので、うっすらと認識できるだけだったのですけれど、タマルさんも』

 どうやら俺もまた、まっすぐ落ちてくる星として認識されたようだ。
 そうして、ガイコツがたくさんいる場所に落ちてきたのだな。

 ちなみにあそこ、人類軍最後となる戦いが行われた場所で、羅刹侯爵によって全滅させられていたらしい。
 つまり骨次郎や他の骨たちは、羅刹侯爵が仇だったのだ。

 骨次郎は全く覚えてないそうだが。

『ということで、傷心を慰めつつ、それはそれとしてお仕事をしていたら創造神様が隣にやって来たのです』

『ここはちょっと高いところにあるし、誰か来たら縄梯子のきしみで分かるし、いいところだ……。花畑なのもポイントが高い』

「だろ? 俺が植えた」

『タマルが!? アヒーッ、意外な美観!!』

「失敬な! いや、確かに埋めればすぐに花畑になるタイプの舗装路なんだけどな。タマル村周辺も花で舗装しとくか?」

『花に満ちた世界……。いい……』

「よし、じゃあやるか! 創造神もついてきてくれ。あんたの美的センスでやってみよう」

『アヒーッ! 久しぶりの創造的作業! 余の神的センスを見せつけるしかない!』

『何それ面白そうです。わたくしも混ぜて下さい!』

 ちょっと珍しい三人で、村の周りを花畑で覆う作業を開始するのである。

▶DIYレシピ
 創造神ねんど

しおりを挟む
感想 51

あなたにおすすめの小説

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...