おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

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スローライフの夜明け編

第139話 艦隊の先鋒をゲットする

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 宇宙ステーションの設計図だが、ヌキチータが書いたものがある。
 これをモデルにして組み立てていたが、軌道エレベーターを囲むドーナツ型居住区ができた後は何も書かれていない。
 突貫作業だったので、そこまで手が回らなかったのだろう。

 ということで、俺は宣言した。

「はい。ここから先は自由でーす。自由に作ってくださーい」

 ウオーっと言う返答が響く。
 エーテル宇宙は音が聞こえるのだ!

「あっ、だけどタマルさん。自由と言われても僕らは困るんですわしかし」

「ケルベロス三兄弟ほどの邪神がどうしたというのだ」

「僕ら、この仕事自体が初めてだし、自由とは言われてもそこに責任が発生するかどうかがあるんですわしかし。誰もがラムザーさんやフランクリンさんやポタルさんやキャロルさんじゃないんですわしかし」

「あいつらもう動き始めてるもんな」

 ラムザーはパーツを組み合わせて、何か斜め方向に盛り上がった建物を作っている。
 フランクリンは明らかに大砲を作っており、ポタルはひたすら高く高く宇宙ステーションを伸ばしている。
 キャロルのあれは、空に張った植物の根みたいだな。

 うちの仲間たちは自由だ。

『ピピー』

「おっ、ポルポルも何か思いついたのか。手伝いがほしい? よし、骨ボウズ、行ってやれ」

『カタカタ!』

 ポルポルと骨ボウズがタッグを組んで、独自の建造物を作り始めた。
 あれは直立してかっこよくポーズを決め、空を指さしている巨大なガイコツかな……?

「……誰もがあんな何もかもから解き放たれたフリーダムの権化じゃないんですわ」

「それはそうね」

 俺はケルベロス三兄弟の言葉に全面的に同意した。

「じゃあ、あの好き勝手作ってるメンバーの手伝いをしてくれ。俺は部品をガンガンプリントアウトするから、みんなはこれを持って、あちこちでクラフトするように」

 ウオーっと返答の声が上がった。
 確かに、自由にやれと言われて本当に自由にやる奴というのは数少ないかも知れないな。
 うちの仲間たちは、俺の背中を見て来ているので、好き勝手やる能力を身に着けているのだ。

『うおーいタマル様ー。どうですかなー』

「ラムザー、それって力こぶじゃん! 何作ってるのー」

『力こぶの中に入れるのですぞー! 大きな空間になっていて、拳から出られますぞ』

「パズルみたい」

 プリンターが吐き出す宇宙ステーションの部品は、基本的に四角いキューブ状だ。
 これを組み合わせて作るのだが、ラムザーの力こぶは円形だと、丸く盛り上がっているように見える。
 かなりたくさんキューブを使ってるなあ。

「あれは多分、格納庫になったりするやつだな。そしてフランクリンは……」

『オーイエース!! グレートウォーシップ・キャノニズムでーす!!』

「凄いな、大艦巨砲主義知ってるのか!」

 宇宙ステーションの上に突如出現した、三連装の大型キャノン砲である。
 大きさが土台よりもずっとあるので、アンバランスなことこの上ない。

「これ撃ったら土台の宇宙ステーション壊れるだろ」

『シュートするシステムはナッシングでーす。フェイクでーす』

「筒だけの存在!!」

『キャノンのトップはウインドウがインしているので、中でライフできまーす』

「キャノン型の居住区画だったかあ」

「私のも見て、タマル!」

「むっ、そこはかとなくエッチな響き。どうしたんだねポタルくん」

 やって来たポタルに引っ張られていくと、塔みたいなものがある。
 先端が丸くなっているではないか。

「見張り塔かな……」

「この穴からね、釣り竿とか網を突き出せるようになってるの」

「おおっ、意外な攻撃的施設!!」

 丸くなってる部分も、近景だと四角いパーツを組み合わせているわけで、足場がたくさんある。
 なんだろうかと近づいた相手を、一撃で捕獲できるようにできている、寄せ餌みたいな設備なのだ。

 なお、キャロルはひたすら、惑星を覆うようにして網目状の構造体を広げていた。
 あれは足場になるなあ。
 
 あっという間に、宇宙ステーションが不思議な形になってしまった。
 力こぶを作った腕があり、その横から三連装キャノンが生え、すぐ近くからタワーがそびえ、居住区から一方向に向かって網状に構造物が伸びている。
 そして中央部に屹立する、巨大なガイコツ型の彫像!

「これは楽しくなってきたな……」

「想像以上に自由すぎるんですよしかし。あのキャノンなんて普通攻撃用の設備だと思いますからねしかし。ほら、ちょうどやって来たUFOがキャノンの先端を避けるように動いて……」

「あっ、UFO! 環境保護艦隊の尖兵じゃねえか! ラムザー!」

『了解ですぞ!』

 俺とラムザーで、用意したのは物干し竿。
 これを何本も繋げたものを突き出すのである。
 ちょうどポタルの設備を通すと、今までよりも遠くにリーチできる。

 キャノンを避けて低空まで来ていたUFOは、物干し竿でペチッと叩かれて揺らいだ。
 まさか宇宙で物干し竿に叩かれることなど想定しておるまい。
 
 俺とラムザーで両脇からUFOを挟み、こちらに引き寄せていく。
 向こうも抵抗しているようだが、びゅーんと飛んできたポルポルが、UFOのスラスター部分みたいなのにギュッと収まったので、UFOの推進力が消えた。

 そのまま宇宙ステーションの上に下ろす。

「よしよし、ではまずはゲットだ」

 駆け寄りざま、俺はゴッドキャプチャーを振るうのだった。
 一撃必中。
 UFOはアイテムボックスのアイコンになった。

『思ったよりも早かったですな』

「ああ。だがこちらも迎え撃つ準備は万端だ。あとは全員に物干し竿や投網を支給しておかないとな……!」

『スローライフだけに、スローできるアイテムが必要ですな』

「定番のダジャレだな……!」

『決戦前にはやはり王道をと思いましてな』

 顔を見合わせて、ふひゃふひゃ笑う俺とラムザーなのだった。
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