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セブンセンス法国編
第113話 嘘・スナーク・大聖女
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ガガンにチュートリアルした俺。
強力な前衛戦力を得たので、行動が実に楽になった。
「な、何者だ!!」
「戦神の領域の方から来た!」
「ウグワーッ!!」
それっぽく勘違いさせる名乗りをしたガガンが、技巧神の信者を蹴散らす。
放たれた魔法にも対策はバッチリ。
突き出された拳が魔法を弾き、信者たちだけを打つぞ。
「お、おい! あんた、蛮神の信者なんだろ? 嘘をつくのはいいのかい!?」
ちょっと驚いたらしいナルカが尋ねる。
それに対して、ガガンは胸を張るのだ。
「蛮神バルガイヤーは生き残るためにつく嘘を許しているんだ」
ほうほう、心が広い神様だ。
というか、あの厳しい環境で生きていくため、なんでもありな教義だったりするのだろう。
こうして、技巧神の領域の隅っこにも邪神の神殿を建てた。
『徐々に俺様の支配領域が広がっているな。それでどうだマナビ。入り込んだ間者らしき連中は発見できたか』
神殿の建造を終えたオクタゴン。
彼の質問に、俺は肩をすくめるのである。
「表に出て来ないな。これは多分、能力を持った異世界召喚者ではなく、人間に化けられる魔族が入り込んでると考えた方がいいだろ」
『なるほど、情報を撹乱したり、思考を誘導したりするタイプか。面倒だな。末端を潰してても意味は無いぞ』
「おう。上の方に直接仕掛けるか」
そういうことになった。
「どこに行くつもりだい?」
「マスターがやる気になったということは、一番目立つところを目指すと思います。つまり……光輝神の神殿ですね」
「正解!」
さすがアカネル、俺のことをよく分かっている。
頭をなでなでしてあげよう……。
「マスター!」
「なんだね」
「やはり夫婦になったのですから、当機能はナデナデよりワンランク上のお褒めをいただきたいと思います」
「ははあ、それは一体」
「マウストゥマウス……です……!」
「キッスとな!?」
俺は狼狽する。
なんてことを言うんだ、この機械っ娘は。
ルミイとだってまだなのに。
……あれ?
なんで結婚式をしたのにキスすらしてないんだ俺は。
うおお、と悩んでいたら、ガーッとアカネルが突撃してきて、ぶちゅーっと唇を奪われてしまった。
「ウグワーッ!?」
衝撃!
アカネルは耳まで真っ赤になりつつ、ニヤリと笑って唇に指を当てるのだった。
恐ろしい子!
「はわわわわわわ」
ナルカがなんか震えている。
君もそう言う方向に耐性が無いんだな。
「いいなあ……」
『羨ましいなあ……』
ガガンとオクタゴンがじーっと見てくる。
二人とも、もうちょっと待ってろよ。
落ち着いたところで、移動を開始する。
街の中に邪神の神殿が二個生まれ、そこを守るアビサルワンズがわらわらと出現したのだ。
この辺の連中は、対応で手一杯だろう。
途中、中立地帯だというところで飯を食った。
ここは、慈愛神の神殿が運営しているらしい。
食事に宿に、なんと大人のお店まである。
「大人のお店も愛なんですか」
「愛です」
ウエイトレスさんに聞いたら、にっこり微笑んでそう返してきた。
いいなあ!
すると、アカネルが俺のふとももをむぎゅっとつねるのだ。
「あいたた!」
「そ、そういうムラムラは当機能で解消して下さい! お二人がいない以上、マスターのお気持ちを落ち着かせるのは当機能の仕事ですから!」
むふーっと鼻息も荒いアカネル。
今日の彼女の圧は凄いぞ!!
このまま長引くと、ファースト初夜は100%アカネルに持っていかれる!
「迅速に片付けるぞ! 身の危険を感じる。ルミイより先に済ませちゃうとなんかほんと申し訳ないので!」
「あっ、マスター! マスター!!」
「こわあ」
なんかガガンが引いてるな。
女は怖いぞ!
ナルカ、この有様を眺めては、目を白黒させるのだ。
なんか、色恋の修羅場的なのは今まで知らなかった世界らしいな。
そして到着、光輝神の領域。
戦神と技巧神側の連中が詰めかけてきていて、光輝神側とわあわあ言い合っている。
今にも殴り合いが起きそうだ。
「やはり混乱してるな」
「一体どういうことなんだい!?」
「うむ、ナルカに説明してあげよう。つまりな。人間は理解不能な状況に遭遇すると、それを理解するために分かりやすいストーリーに縋ったりするのだ」
「分かりやすい……?」
「つまり、いきなり邪神神殿が乱立し、信者が異形の者に変えられ大混乱。原因不明。犯人は誰か? もしかして、内戦をしている相手である他の神では無いか……」
「なるほど……」
「マスター! ヘルプ機能によると、技巧神側では戦神と衝突が発生しています! 知識神と戦神も衝突していますね!」
狙い通りだ。
「ガガン、ナルカ、この状況で必要以上にうろたえているヤツを見つけたら教えてくれ。俺は別の人を探す」
「分かった! ……別の人?」
「誰だい?」
「そりゃあもう、光輝神の元聖女様だ」
「あいつかい!」
「ナルカ、ここは分業で行こう。作戦遂行は俺の得意分野だが、信者たちの挙動のおかしさを見抜けるのはナルカの方が得意だろ。絶対に何人か、動きがおかしい……つまり予定外のことが起こってバグってる連中がいるから」
不承不承、頷くナルカ。
そして、わあわあと騒いでいる連中をにらみ始めるのだ。
「いたよ!」
「いたぜ。あれでいいのか?」
二人がほぼ同時に見つけた。
ナルカは知識から。
ガガンは気配やら表情からだろう。
「ヘルプ機能」
「変身型の魔族、スナークです」
「よし、あの連中マーク。後で仕留める」
こっちの作業は終わり。
スナークたちは、突如方向性を変えた信者の一団に、大慌てで走り回っているのだ。
せっかくここまでお膳立てしてきたのに、突然全面対決みたいになり、しかも各勢力の領域にいきなり邪神が生えてきてるんだからな。
それで、俺だが……。
「やっぱり出てきたな、光輝神の元聖女様」
遠目にも分かる、キラキラ輝くオーラを纏った少女が姿を現す。
元聖女……?
現役で聖女なんじゃないのか。
男にたぶらかされたりとか、そもそもどうしてそれが聖女の資格に関係があるんだ?
「ヘルプ機能。彼女は聖女か?」
「はい。ヘルプ機能によると……。大聖女アリスティア。未だに極めて高い聖女としての力を持つ、押しも押されぬ光輝神の聖女です」
資格は全然失われてなんかいなかったのだ。
強力な前衛戦力を得たので、行動が実に楽になった。
「な、何者だ!!」
「戦神の領域の方から来た!」
「ウグワーッ!!」
それっぽく勘違いさせる名乗りをしたガガンが、技巧神の信者を蹴散らす。
放たれた魔法にも対策はバッチリ。
突き出された拳が魔法を弾き、信者たちだけを打つぞ。
「お、おい! あんた、蛮神の信者なんだろ? 嘘をつくのはいいのかい!?」
ちょっと驚いたらしいナルカが尋ねる。
それに対して、ガガンは胸を張るのだ。
「蛮神バルガイヤーは生き残るためにつく嘘を許しているんだ」
ほうほう、心が広い神様だ。
というか、あの厳しい環境で生きていくため、なんでもありな教義だったりするのだろう。
こうして、技巧神の領域の隅っこにも邪神の神殿を建てた。
『徐々に俺様の支配領域が広がっているな。それでどうだマナビ。入り込んだ間者らしき連中は発見できたか』
神殿の建造を終えたオクタゴン。
彼の質問に、俺は肩をすくめるのである。
「表に出て来ないな。これは多分、能力を持った異世界召喚者ではなく、人間に化けられる魔族が入り込んでると考えた方がいいだろ」
『なるほど、情報を撹乱したり、思考を誘導したりするタイプか。面倒だな。末端を潰してても意味は無いぞ』
「おう。上の方に直接仕掛けるか」
そういうことになった。
「どこに行くつもりだい?」
「マスターがやる気になったということは、一番目立つところを目指すと思います。つまり……光輝神の神殿ですね」
「正解!」
さすがアカネル、俺のことをよく分かっている。
頭をなでなでしてあげよう……。
「マスター!」
「なんだね」
「やはり夫婦になったのですから、当機能はナデナデよりワンランク上のお褒めをいただきたいと思います」
「ははあ、それは一体」
「マウストゥマウス……です……!」
「キッスとな!?」
俺は狼狽する。
なんてことを言うんだ、この機械っ娘は。
ルミイとだってまだなのに。
……あれ?
なんで結婚式をしたのにキスすらしてないんだ俺は。
うおお、と悩んでいたら、ガーッとアカネルが突撃してきて、ぶちゅーっと唇を奪われてしまった。
「ウグワーッ!?」
衝撃!
アカネルは耳まで真っ赤になりつつ、ニヤリと笑って唇に指を当てるのだった。
恐ろしい子!
「はわわわわわわ」
ナルカがなんか震えている。
君もそう言う方向に耐性が無いんだな。
「いいなあ……」
『羨ましいなあ……』
ガガンとオクタゴンがじーっと見てくる。
二人とも、もうちょっと待ってろよ。
落ち着いたところで、移動を開始する。
街の中に邪神の神殿が二個生まれ、そこを守るアビサルワンズがわらわらと出現したのだ。
この辺の連中は、対応で手一杯だろう。
途中、中立地帯だというところで飯を食った。
ここは、慈愛神の神殿が運営しているらしい。
食事に宿に、なんと大人のお店まである。
「大人のお店も愛なんですか」
「愛です」
ウエイトレスさんに聞いたら、にっこり微笑んでそう返してきた。
いいなあ!
すると、アカネルが俺のふとももをむぎゅっとつねるのだ。
「あいたた!」
「そ、そういうムラムラは当機能で解消して下さい! お二人がいない以上、マスターのお気持ちを落ち着かせるのは当機能の仕事ですから!」
むふーっと鼻息も荒いアカネル。
今日の彼女の圧は凄いぞ!!
このまま長引くと、ファースト初夜は100%アカネルに持っていかれる!
「迅速に片付けるぞ! 身の危険を感じる。ルミイより先に済ませちゃうとなんかほんと申し訳ないので!」
「あっ、マスター! マスター!!」
「こわあ」
なんかガガンが引いてるな。
女は怖いぞ!
ナルカ、この有様を眺めては、目を白黒させるのだ。
なんか、色恋の修羅場的なのは今まで知らなかった世界らしいな。
そして到着、光輝神の領域。
戦神と技巧神側の連中が詰めかけてきていて、光輝神側とわあわあ言い合っている。
今にも殴り合いが起きそうだ。
「やはり混乱してるな」
「一体どういうことなんだい!?」
「うむ、ナルカに説明してあげよう。つまりな。人間は理解不能な状況に遭遇すると、それを理解するために分かりやすいストーリーに縋ったりするのだ」
「分かりやすい……?」
「つまり、いきなり邪神神殿が乱立し、信者が異形の者に変えられ大混乱。原因不明。犯人は誰か? もしかして、内戦をしている相手である他の神では無いか……」
「なるほど……」
「マスター! ヘルプ機能によると、技巧神側では戦神と衝突が発生しています! 知識神と戦神も衝突していますね!」
狙い通りだ。
「ガガン、ナルカ、この状況で必要以上にうろたえているヤツを見つけたら教えてくれ。俺は別の人を探す」
「分かった! ……別の人?」
「誰だい?」
「そりゃあもう、光輝神の元聖女様だ」
「あいつかい!」
「ナルカ、ここは分業で行こう。作戦遂行は俺の得意分野だが、信者たちの挙動のおかしさを見抜けるのはナルカの方が得意だろ。絶対に何人か、動きがおかしい……つまり予定外のことが起こってバグってる連中がいるから」
不承不承、頷くナルカ。
そして、わあわあと騒いでいる連中をにらみ始めるのだ。
「いたよ!」
「いたぜ。あれでいいのか?」
二人がほぼ同時に見つけた。
ナルカは知識から。
ガガンは気配やら表情からだろう。
「ヘルプ機能」
「変身型の魔族、スナークです」
「よし、あの連中マーク。後で仕留める」
こっちの作業は終わり。
スナークたちは、突如方向性を変えた信者の一団に、大慌てで走り回っているのだ。
せっかくここまでお膳立てしてきたのに、突然全面対決みたいになり、しかも各勢力の領域にいきなり邪神が生えてきてるんだからな。
それで、俺だが……。
「やっぱり出てきたな、光輝神の元聖女様」
遠目にも分かる、キラキラ輝くオーラを纏った少女が姿を現す。
元聖女……?
現役で聖女なんじゃないのか。
男にたぶらかされたりとか、そもそもどうしてそれが聖女の資格に関係があるんだ?
「ヘルプ機能。彼女は聖女か?」
「はい。ヘルプ機能によると……。大聖女アリスティア。未だに極めて高い聖女としての力を持つ、押しも押されぬ光輝神の聖女です」
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